これは2017年の新作ゲームです
Andrew Morrish氏によるRPG『Kingsway』を紹介する。本作はAdult Swim GamesよりSteamやGOG.comなどでPC版が配信中。なお参考までにSteamでの価格は980円。対応言語は英語のみ。
本作はWindows 95/98風のOSのインターフェースでプレイするローグライクRPG。ワールドマップも、ステータス画面も、インベントリーも、クエストが送られてくるメール画面も、全部個別のウィンドウに表示される。
そして敵が増殖すれば1990年代のアレなサイトのインターネット広告のごとくウィンドウが増え、BGMを鳴らすには音楽アプリケーションを起動しなければならず、敵が仕掛けた特殊攻撃を避けるにはポップアップウィンドウをクリックしなければならない。この古めかしい“OS”を使いこなして世界を救うのだ。
というわけでインターフェースはネタ感バリバリだが、ゲームの基本は結構オーソドックスなローグライクRPG。キャラは基本的に死んだらおしまい(いくつか引き継ぎ要素はある)で、リスタート時に毎回マップ構成も自動生成される。
基本ステータスはStrength(筋力/武器攻撃に影響)、Vitality(生命力/HPに影響)、Intellect(知力/MPに影響)、Agility(素早さ/攻撃までの時間に影響)があり、キャラ作成時に5種類の職業から選ぶことで初期ステータスが決まる。
初期職業は、冒険者(普通)、戦士(筋力重視)、魔法使い(知力重視)、盗賊(素早さ重視)、Beastkin(恐らく蛮族ぐらいの意。筋力と体力が高いが嫌われているので買い物が高くつく)と、こちらもオーソドックスな感じ。ちなみに戦士スタートで魔法を習得してIntを強化していくといった事も可能だ。
ここで結構重要なのがAgilityで、本作の戦闘では、戦闘ウィンドウ内のボタンを押してから攻撃の発動までに、Agilityと選択したコマンドに応じた速度でプログレスバーが進行し、100%になると実行される。これをうまく使えば、相手が1回攻撃する間に2回行動するといったことも可能。
ただし戦闘ウィンドウはフラフラ動くし、冒頭で触れたようにモンスターの特殊行動でポップアップウィンドウが出てきたりするので、クリックミスなどによる時間ロスもそれなりに発生するという、実はネタインターフェースとゲームプレイが連動したシステムになっている。
冒険の目的は、世界を蝕む存在“Sky Eater”を倒すこと。当面の目標は、そのために東にある王の城に向かうこととなる。なお城の門を開くには各地にあるビーコンを訪れてガーディアンを倒さないといけないし、倒すためにはそれなりに強化しないといけないわけだが、序盤は死にやすいし、マップの西端であるスタート地点周辺でレベル上げに時間をかけすぎても、夜の闇がやって来て飲み込まれがち(かなりの強敵が出るようになるので宿に泊まって時間潰しでもした方がいい)。
しかし、死亡時のレベルに応じて“ジェム”が手に入り、これを使って初期ボーナスのアイテムやキーボードショートカットなどを購入することで、少しずつ可能性を高めていくことはできる。最初は死ぬことを前提でコツを掴みつつ、ジェムを貯めていって、ブレイクスルーできるチャンスを待つというのが基本的なプレイになるだろう(ジェムは壁紙やマウスカーソルのカスタマイズにも使える)。
そう、今時のローグライクゲームとして、こういった辺りもスタンダードな作りなのだ。価格もそこまでしないし、気になった人はこの古めかしい“OS”から世界を救ってみてはいかがだろうか。