祝発売! 『FFXII TZA』インタビューSP ヴァン役の武田航平さん、パンネロ役の小澤真利奈さんとともに、カットシーンチームが当時といまのイヴァリースを語る

 2017年7月13日に発売されたプレイステーション4用ソフト『ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ』。発売を記念して、週刊ファミ通2017年6月1日号(2017年5月18日発売)にて掲載された、インタビューの再編集版をお届け!

左から、プロデューサー加藤弘彰氏、ヴァン役の武田航平氏、ゲームデザインやカットシーンの演出などを手掛けた秋山 淳氏、パンネロ役の小澤真利奈氏、シナリオを担当した渡辺大祐氏。

 『ファイナルファンタジーXII』(以下、『FFXII』)のシステムなどを踏襲し、約10年ぶりに新たなシステムなどを加えてHDリマスター化した『ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ』(『FFXII TZA』)が、2017年7月13日に発売を迎えた。今回は、発売を記念して、シナリオ&カットシーンチームに加えて、ヴァン役・武田航平さん、パンネロ役・小澤真利奈さんのおふたりを交えた、カットシーンチームインタビューの再編集版をお届けする。

 ※週刊ファミ通2017年6月1日号(2017年5月18日発売)で掲載した内容に、未掲載だった内容を追記したものです。

●10年ぶりに、新たなボイスを収録

――『FFXII TZA』では、(クリアーな音声になったこと的なことを挟みつつ)、音声の新規収録などはされたのでしょうか?

加藤 はい。オリジナル版で音声なしのテキストのみ表示されていたシーンで、『ファイナルファンタジーXII インターナショナル ゾディアック ジョブシステム』には英語音声が追加されていたシーンがあったんです。そうしたシーンには、今回新たに日本語音声を追加しています。本作では、いつでも音声を日本語と英語に切り替えられるため、音声に差異が生じないよう整合性を取る作業があったんです。

――その追加部分の台本は渡辺さんが?

渡辺 はい。ほんの少しで、追加のシナリオというわけではないですが。「書け」と言われたら、いくらでも書けます(笑)。 

――自身が演じたキャラクターについては、どんな想いがありますか?

小澤 私、パンネロにすごく思い入れがあるんです。何かをがんばりたいときには、パンネロの姿を見てスイッチを入れるぐらい、パンネロが自分の中での戻る場所なんですよ。今回、そのパンネロをもう一度演じられて、またパンネロに会うことができました。

武田 当時はまだ若く、芝居の経験が少なかったので、もっといろいろやれただろうなと僕の中には少なからず悔しさがありました。ですので、つぎにヴァンを演じるときのために、「飛び降りろ!」ってセリフをときどき口にしたり(笑)。だからこそ、今回、ヴァンに再会できてうれしかったです。

――武田さん、小澤さんは約10年前のキャラクターを演じられていかがでしたか?

武田 僕も年を重ねていますから、やはり当時の声は出せません。でも、収録中にスタッフの皆さんにいろいろとアドバイスをいただけたおかげで、当時のヴァンには近づけたのかなと自分では感じています。

小澤 航平くんがすごく上手くなっていて、ビックリしました(笑)。その上達ぶりに、秋山さんも収録時に「当時なかった感情が、セリフに籠ってる……」ってボソッと言っていて(笑)。

武田 えっ!? そんなふうに思われてた?(笑)。でも、僕も役者としてたくさんの経験を積みましたから、いろんな感情がセリフに込められるようになったんだと思います。

秋山 いまの武田さんのヴァンは、当時よりもすごくいい演技をするんですよ。ただ、今回は、一部のシーンのみの新規収録ですから、当時のボイスとバランスが崩れてしまうので、そこはあえて当時の演技に寄せていただきました。

●時を経て感じるキャラクター像

参考:120秒でわかる『FFXII TZA』

――PR動画“120秒でわかる『FFXII TZA』”では、新たにふたりの掛け合いも収録されましたね。

渡辺 あの動画は、10年ぶりに僕が脚本を書かせていただきました。10年経ってから、もう一度、新しい脚本が書けるというのは感無量です。当初は淡々と解説するだけの予定だったのですが、やるからにはガッツリとキャラクターへの愛情と、ネタもたっぷり入れ込みました。今回、動画を撮ってみて、おふたりがしゃべるだけですぐにヴァンとパンネロになるというか、通じ合っているんだなと感じられました。そこはやはり、声だけじゃなくモーションも含めて、いっしょにキャラクターを作りあげたおふたりだからこそ、だと思いましたね。

――演じられた当時は、ヴァンとパンネロと同じくらいの年齢だったと思いますが、10年経ったいま、ヴァンとパンネロについて、どう感じますか?

武田 なんだか、いまの自分とあまり差がないなと思ってショックでした(笑)。

――まだ、ヴァンのような子どもっぽさが?

武田 そうですね。ヴァンは人間的にまだ未完成で、カッコいいキャラクターだったんだなと客観的に感じることができました。

小澤 ストーリーは時を経て、感じられることがたくさん変わりましたが、私も自分とパンネロと重ねて見てみると、あまり差を感じないですね。

渡辺 『FFXII』には、主人公っぽいメインキャラクターがいろいろいますが、改めて振り返ると、やはりヴァンが主人公なんですよね。彼が盗みをしようとしなければ、バルフレアたちが関わることもなかったですし、アーシェと出会うこともなかったわけです。結果的にみんなを引っ張っていくキャラクターなんです。主人公をやらないといけない主人公というよりも、生き様が天然の主人公なんですよ。

加藤 ヴァンがいるからこそ、みんながひとつになっていくんですよね。

――パンネロについてはいかがですか?

武田 パンネロはどんなことでも一生懸命ついてきてくれるので、どんな男性にも人気な子ですよね。

渡辺 『FF』歴代のユフィ、セルフィ、リュックなどの元気な女の子たちの中で、パンネロが圧倒的に女子力が高いと個人的には思っているわけですよ! バルフレアに借りていたハンカチを、「洗っておきました」と返すわけですが、あれはもう女子力を高さを表現するために、僕の中で大事なセリフなんです。既存の女性キャラクターたちには似ないように心掛けたので、あのセリフで「パンネロはきっと親御さんの教育がよかったんだな」と感じてもらえればうれしいです。

秋山 僕の中では、パーティーメンバーの中でいちばんの良識人ですね。

武田 そこがいいところでもあるんですが、ヴァンみたいな自由人について行ってしまう危なっかしいところもありますよね。

渡辺 それも、しっかりとした教育があるからこそなんだと思います。パンネロは、ヴァンがどこかに消えてしまうのがきっと怖いんです。危ないところにも付いていくのも、パンネロは大事な人を失くした経験があるから、残されたくないんですよ。

――ああ、なるほど。小澤さんは、ヴァンについてどういう印象をお持ちですか?

小澤 若さゆえの根拠のない自信や、がむしゃらな無邪気な感じがある意味で頼もしくて、みんなの心を引っ張ってくれる存在ですよね。そこに男らしさを感じます。

武田 男性として見たらどう思う?

小澤 素直な性格なので、弱い部分も見せてくれるじゃないですか。そこに女心をくすぐられますね(笑)。人と出会っていくことでどんどん成長していく姿も、この人に付いていきたいなという気持ちにさせてくれます。

――一方で、アーシェは強い女性として描かれていますよね。

渡辺 芯の強いヒロインとして、ユウナ(『FFX』のヒロイン)とは違う個性を描くために、かなり冒険したキャラクターですね。『FF』シリーズのヒロインに「貴様!」とか言わせていいだろうか!? と、思った記憶があります。強い立場にない人物が、藁をも掴む気持ちで足掻くということを描きたかったんです。

小澤 アーシェはすごく強い女性で、男性が弱音を言える存在なのかなと感じます。ヴァンは兄についてや、バルフレアも過去についてアーシェに弱音を吐いていたりしますし、器の大きい女性なんでしょうね。

渡辺 ラスラが「君が相手でよかった」というセリフがありますが、アーシェとの結婚は、ある意味、政略結婚だったわけですが、ふたりは本当に愛し合っているんだなと感じられるところだと思います。

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