『ファイヤープロレスリング ワールド』アーリーアクセス版プレイインプレッション

『FIRE PRO WRESTLING WORLD(ファイヤープロレスリング ワールド)』のPC(Steam)版のアーリーアクセスが、2017年7月11日より、ついに配信スタート! そのプレイインプレッションをお届けいたします。

●『ファイプロ』シリーズ最新作が、満を持して、12年ぶりに登場!

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 『ファイヤープロレスリング』(以下、『ファイプロ』)は、1989年にPCエンジン用ソフトとして第1作目が発売されて以降、多大なるファンの支持を集め、シリーズを重ねていったプロレスゲーム。ビクトリー武蔵やハリケーン力丸、冴刃明、スター・バイソン、アックス・ドゥガンなど、実在の選手をモチーフにしたオリジナルレラスラーが多数登場。組み合ったときにタイミングよくボタンを押すことで技が出せる独特のシステムにより、アツい対戦が楽しめることで人気を博しました。

 1992年のPCエンジン用ソフト『ファイヤープロレスリング3 Legend Bout』からレスラーをエディットすることが可能になり、1996年にセガサターンで発売された『ファイヤープロレスリングS シックスメン・スクランブル』では、レスラーの名前を変更できるリネーム機能を追加。ディープなファンを生み出しました。そして、2005年にプレイステーション2で発売された『ファイプロ・リターンズ』(以下、『リターンズ』)を最後に、長いあいだ新作のリリースはなかったのですが、ついに12年のときを経て、シリーズ最新作『FIRE PRO WRESTLING WORLD(ファイヤープロレスリング ワールド)』(以下、『ファイプロW』)が復活!

 対応機種はPC(Steam)版とプレイステーション4版が予定されており、前記のPC(Steam)のアーリーアクセス版が、2017年7月11日より、2000円[税別]で販売されるんです。今回、そのアーリーアクセス版を、ひと足先にプレイする機会があったので、インプレッションをお届けいたします。とくに、クリエイトモードについて深く掘り下げているので、エディット好きなファイプロファンは注目してください。

 ちなみに、僕はシリーズの1作目から『ファイプロ』を遊び続けている、筋金入りの“ファイプラー”。『リターンズ』のときは、収録されていないレスラーをエディットしまくって、つねに最新のプロレスマット状態を再現。12年のあいだ、ずっとプレイし続けていました。好きなプレイスタイルは、自分でレスラーを操作するのではなく、CPUどうしを闘わせて、その様子を見ることが好きな観戦派。エディットしたレスラーのCPUアルゴリズムを調整し、いかにそれっぽい動きを再現できるかを目指すプレイスタイルが好き。あ、表の顔は、週刊ファミ通の編集者で、おもにクロスレビューを担当していたりします。


●アーリーアクセスって?

 2017年7月11日から遊べるようになるのは、製品版ではなく、“アーリーアクセス”版。アーリーアクセスとは、製品版の前段階である、開発中のバージョンを先に公開する販売形態のこと。完成品ではないために、モードや内容の一部が製品版とは異なり、タイトルによってはバグが残っていることもあります。では、何で開発中のバージョンを公開するのかというと、遊んだユーザーの声を製品版にフィードバックさせるためなんです。みんなで『ファイプロW』のアーリーアクセス版を遊んで、その感想や要望をスパイク・チュンソフトに届け、よりユーザーの望んでいた完成度の高い製品版のリリースへとつなげましょう!


●『ファイプロW』の特徴

 では、『ファイプロW』のアーリーアクセス版は、どんな内容なのか? 詳細は、スパイク・チュンソフトの公式ホームページを見ていただくのがいちばんだと思いますが、簡単に説明しておきますね。

 基本内容は、前作『リターンズ』を踏襲したカタチ。『リターンズ』でプレイできた多彩な試合形式は、『ファイプロW』でも健在。シングルやタッグといったノーマルな試合形式はもちろん、金網やバラ線爆破、弾崖爆弾といったデスマッチもプレイできるし、SWS公式ルールマッチやグル―サムファイティングといった総合格闘技の試合だって遊べちゃう。トーナメントやリーグ戦、バトルロイヤルも、もちろんオーケー。そして、本作から新たに追加されたのが、オンラインプレイモード。ネットワークを通じ、世界中の腕自慢の猛者たちとの対戦も! アーリーアクセス版では、条件なしでのガチ対戦となりますが、製品版では好みのプレイスタイルに応じた対戦もできるようになる予定とのことです。そして、自分でオリジナルレスラーを作成できるクリエイトモードも健在。レスラーの見た目や技設定、CPUロジックを自由にエディットできるほか、団体を作成したり所属レスラーを移籍させるチームエディット、技名の変更も可能。さらに、レフェリーやリング、ベルトの作成もできるんです。このように、アーリーアクセス版とは言うものの、基本的なモードは、すでに揃っているんですよ。それなのに、価格は、なんと2000円[税別]。フルプライスの6800円じゃないんですよ。たった2000円[税別]で、(開発中ではありますが)『ファイプロ』の新作が遊べちゃうんです。


●シリーズでおなじみの『ファイプロ』レスラーがいない!?

 『ファイプロW』で、いちばん変わった点。それは、あらかじめ収録されているディフォルトレスラーです。最初にハッキリ断っておきますが、『ファイプロW』には実在の人物をモチーフにしたレスラーはいません! ゲームを購入しても、そのままではビクトリー武蔵やハリケーン力丸、冴刃明、スター・バイソン、アックス・ドゥガンを選んで、遊ぶことはできないのです。その代わり、『ファイプロW』には、完全新規のオリジナルキャラクターが約30人収録されています。僕も、このことを最初に知ったときは、少しショックを受けました。まぁ、そっくりさんレスラーというのは、いままでがグレーゾーンだったわけで、このご時世、新作を発売するために、思いきっていままでのファイプロレスラーの収録を見送る必要があったんでしょう。いわゆる、大人の事情ってわけですね。だからと言って、「じゃあ、『ファイプロW』ダメじゃん!」と決めつけるのは、まだ早い。その理由を説明しましょう。


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 まずは、ディフォルト選手の魅力。実在の選手をモデルにしてはいないけれど、それぞれしっかりとしたコンセプトを持った選手が揃っているので、遊んでいくうちに、愛着が湧いてくること必至です。たとえば、ブラン・フレミングはアメリカンスタイルを体現しているし、マックス・バートランドは各種スープレックスを使いこなすアマレス系の選手。ミスター・コブラは、その名の通りコブラクローやコブラホールドといった各種絞め技を装備しているヒール系。鬼軍曹のニックネームを持つスティール・ジョンソンは、プロレスの基本的な技をマスターしている選手で、シリーズでいうところの若本一徹ポジションに当たります。相撲レスラーの暁富士や、U系スタイルの神田蒼士のほか、格闘家や女子レスラーも用意されています。また、デフォルト選手は、本作から追加された新技を、さりげなく装備しているのもポイントですよ。

 「でも、『リターンズ』と比べたら選手のボリュームが少ない!」とお嘆きのアナタ。本作『ファイプロW』は、レスラーをエディットできるクリエイトモードが、従来作以上に充実しています。そう、欲しい選手は、作ればいいんです。「でも、選手を作るのはたいへんじゃないの?」とお嘆きのアナタ。本作『ファイプロW』では、Steamを介して、ユーザーが作成した選手をアップロードでき、またその選手をダウンロードすることができるんです。ディープなファンの多い『ファイプロ』のことですから、アーリーアクセスが開始されれば、すぐにユーザーがエディット選手をアップしてくれるはず。ビクトリー武蔵やハリケーン力丸、冴刃明、スター・バイソン、アックス・ドゥガンといった、往年の『ファイプロ』オリジナルレスラーを作ってくれるユーザーもいるに違いない。なかには、職人レベルの人が、超ハイクオリティーの選手を作成してくれることもあると思います。このように、ネットで簡単にエディット選手をやり取りできるのが、本作『ファイプロW』の真骨頂。前作『リターンズ』では、攻略本やユーザーが公開したデータを参考に、自分の手で技や数値を入力しなければならなかったため、ライトユーザーがエディット選手を作成するのは、かなりたいへんでした。でも、ご安心を。『リターンズ』の発売から12年経ち、『ファイプロW』で、簡単にエディット選手のやり取りができるようになったんです。これなら、ディフォルト収録選手の数が少なくても、納得できますよね。