話題騒然の『ファイアーエムブレム無双』、開発者インタビュー完全版!!

週刊ファミ通2017年6月15日号(2017年6月1日発売)の『ファイアーエムブレム無双』最新情報で掲載された、開発者インタビューの完全版を掲載。これを見れば、気になるゲーム内容のヒントが発見できるかも?

●『FE』のファンにとって最高の『無双』に

 本記事では、週刊ファミ通2017年6月15日号(2017年6月1日発売)の『ファイアーエムブレム無双』(ニンテンドースイッチとNewニンテンドー3DSで発売予定)の最新情報で掲載された、開発者インタビューの完全版を掲載。誌面スペースの関係で本誌では削ってしまった内容も、バッチリお届けする。本誌を見た人も改めてチェック! ゲーム内容のヒントが発見できるかも?

任天堂 横田弦紀氏(写真左)
ファイアーエムブレム覚醒』から、ディレクターとしてシリーズに携わる。(文中は横田)

コーエーテクモゲームス 早矢仕洋介氏(写真中央)
ゼルダ無双』などのタイトルを担当。本作ではプロデューサーを務めている。(文中は早矢仕)

インテリジェントシステムズ 樋口雅大氏(写真右)
ファイアーエムブレムif』や『ファイアーエムブレム Echoes(エコーズ) もうひとりの英雄王』などを手がける。(文中は樋口)

●本誌の“コラボ『無双』特集”より前から動いていた!

――衝撃のコラボレーションが話題となった本作ですが、プロジェクト立ち上げ時のエピソードからうかがえますでしょうか。

早矢仕 過去の週刊ファミ通(2015年12月3日号)で、“どんなコラボ『無双』を遊びたいか”というアンケート企画記事を掲載していただいたことがありましたよね。じつはあのころには、もう企画が始まっていたんです。

――そうだったんですか!?

早矢仕 ですから、当時は言いたいけど言えない状態でしたね(笑)。もともと、僕らのほうで『ファイアーエムブレム無双』が実現したらおもしろいのではないかと思い、企画を任天堂さんに持っていったところ、「コレを新ハードで作りましょう!」という話になり、とんとん拍子で進んで。新ハードというのは、もちろんいまのNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)のことです。

横田 企画書をいただいて、すぐに「いいですね!」とお返事をした記憶があります。

樋口 その後、任天堂さんから当社にお話が来て。当社でも、「それはおもしろそう!」と、とても盛り上がっていました。

早矢仕 私は『ゼルダ無双』のプロデューサーをやらせていただきまして、その後、ニンテンドー3DSで『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ』を開発することになったのですが、このタイトルでは、操作キャラクターを切り換えて戦うというシステムを導入しました。プレイアブルキャラクターもいっぱいいるので、切り換えられたら楽しいだろうということでこういったシステムが入ったのですが、これは絶対『ファイアーエムブレム』の三すくみの遊びにハマるだろうと思っていて……。そこで、『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ』のディレクターや会社には内緒で、当社内の『ファイアーエムブレム』好きのスタッフと、いっしょに企画書を作っちゃったんです。

――それはすごい(笑)。

早矢仕 この企画についてお話ししたところ、任天堂さんとインテリジェントシステムズさんもノリノリになってくださって。それは非常にうれしかったのですが、「早く社内の皆に説明しなきゃ!」と焦ったのを覚えています。

――そのおもしろそうなタイトルが、こうして着々と形になっているわけですが、本作を開発するうえで、皆さんが目指す方向性についても聞かせていただけますか?

早矢仕 まず、私たちが最初に決めたことは、“『ファイアーエムブレム』のファンの方に楽しんでいただける『無双』のゲームにしよう”ということでした。

横田 『無双』シリーズも多くのタイトルがあり、方向性も千差万別ですが、原作のファンが求める『無双』とは何なのか?」ということをコーエーテクモゲームスさんとずっと話し合っていました。原作のあのシステムは欲しいとか、あのシステムは『無双』シリーズにはあるけど、『ファイアーエムブレム無双』には適さないなど、要素をひとつずつ取捨選択していたのですが、そのときはずっと、原作のファンの方が楽しめるということを念頭に置いて、話を進めていました。

早矢仕 これだけ長い歴史のあるシリーズですから、開発チームのスタッフそれぞれが、『ファイアーエムブレム』に対してすごく思い入れを持っているんです。だから、どの要素を入れるかで、話し合いはとても難航しました。

――想像に難くないですね(笑)。

早矢仕 とりあえず基本的なシステムについては、『ファイアーエムブレム』の根底にあるシステムを昇華させていくという方向性で、いったんは落ち着きました。

――樋口さんからは、こういう方向性の内容にしてほしいなど、リクエストのようなものはあったのでしょうか?

樋口 最初は、当社からもしっかりとリクエストするべきかな? とも思ったのですが、お会いしてお話をお聞きしているうちに、「すごく『ファイアーエムブレム』を愛してくれているんだな」ということが伝わってきました。それからは、これはもうコーエーテクモゲームスさんにお任せするべきだと思い、当社はキャラクターの監修などをメインに行うという方向で動くことにしました。

早矢仕 まだ詳しくはお話しできないのですが、『ファイアーエムブレム』の基本となる三すくみや、戦略的要素の高さ、兵種(クラス)ごとの差みたいなものも存在しますよ。

――今回の記事(週刊ファミ通2017年6月15日号)でも公開していますが、マルスとクロムはどういった会話をするのか、お互いをどう呼ぶのかなど、キャラクターどうしの関係性も気になるところです。

▲マルス(写真左)とクロム(写真右)。

横田 そういったキャラクター設定などの監修は、樋口さんを始め、インテリジェントシステムズさんに対応していただいています。

樋口 今回はフルボイスで、かつセリフ量も膨大なんです。ボイス収録用の台本を見て、その分厚さにびっくりした覚えがあります。

早矢仕 当社でも、「このキャラクターはこんなふうにしゃべるんだ!?」というふうに、いちファンとして驚くことが多かったです。

●揉めに揉めた登場キャラクター

――では、いよいよ本題の、登場キャラクターの話に移りたいと思いますが……。

早矢仕 気になりますよね?(笑)。開発チーム内でも、「このキャラクターは絶対に必要」、「そいつよりもこいつのほうが大事じゃない?」といった議論をずっとしていました。

横田 ありがたいことに、皆さんの思い入れが強いですからね。

――どの作品から誰が登場する、みたいなヒントをいただくことは……。

早矢仕 皆さんをヤキモキさせるのも悪いですし、これは先に言っておこうかと思います。基本は『新・暗黒竜と光の剣』と『覚醒』、さらに『if』からの参戦となります。全シリーズの主人公が集結して……といった形ではありません。

――なるほど。作品を絞ったわけですね。

早矢仕 これには理由があります。各タイトルの主人公ばかりを出すと、剣を扱うキャラクターが多数を占めることになるのですが、そうなると、三すくみの遊びが機能しなくなってしまいます。

――主人公格ですと、斧や槍を使うキャラクターは少ないですものね。

早矢仕 そうなんです。本作には、キャラクターを切り換えて遊ぶという要素もあり、いろいろな武器や兵種のキャラクターを操作してほしいという思いがあるので、あえてタイトルを絞ることにしました。

横田 登場キャラクターについては、かなりコーエーテクモゲームスさんを困らせてしまいました(苦笑)。まず、コーエーテクモゲームスさんから、「このキャラクターのラインアップでどうでしょう?」とリストをもらったのですが、当社内からも、「これを足してくれ」というリクエストがすごく多くて……。

樋口 その後、当社にもそのリストが来たのですが、そこでも「これを足してくれ」といった意見があり……。

――どんどん増えていったと。

早矢仕 そういったいろいろな意見を総合して、参戦キャラクターを決めました。結果として、ほかのコラボ『無双』のシリーズ第1作と比べても多いプレイアブルキャラクターをご用意しています! その中で、弓兵や魔法使い系のキャラクターなども入れ、兵種のバランスを取っています。

――では、アーチャー的な兵種のキャラクターも登場するのでしょうか?

早矢仕 登場します。原作の兵種や武器の種類がなるべく揃うようにしているので、原作では攻撃をしなかったキャラクターもアレンジさせて登場します。

――攻撃がない。というと、シスター的な……。

早矢仕 どんどんキャラクターが登場するのがバレる(笑)。本作では、兵種がいっぱいある楽しさや、人気のキャラクターが操作できるというのも大事にしたいんです。

――では、上記3タイトルでもとくに人気のキャラクターは、登場を期待してよさそうでしょうか?

早矢仕 そうですね。でも、このキャラクター決めもたいへんでした。『ファイアーエムブレム』好きのスタッフを集めて選定を行ったのですが、もうこの会議がとにかくたいへんで……。ケンカまでは発展しませんが、「〇〇のキャラクターが出ないなら、俺はチームを抜ける」なんて冗談で言う人もいたり(笑)。

一同 (笑)。

早矢仕 本当にたいへんだったんですよ。こっちのタイトルからぜひキャラクターを出してくれと言う人もいて、そういった人には説得に説得を重ねて……。

樋口 やっぱりケンカしてるじゃないですか(笑)。

早矢仕 開発チーム全員、原作に対する想いが強くて、好きなシリーズ作もバラバラで(笑)。

横田 今回は主人公格以外にも、いろいろな武器を持った兵種を登場させようと選択の幅が広がったことで、みんなが意見を出しやすくなったのも選定が難航した理由ですよね。

早矢仕 今回は、“3タイトルで兵種のバランスを取る”ことと“まずは人気どころを揃える”という2点を重視しました。今後のキャラクター公開を楽しみにしていてください。

――マルスとクロム以外にどんなキャラクターが登場するのか、楽しみです。本作には、主人公キャラクターとしてシオンとリアンが登場します。彼らが誕生したいきさつについても教えてください。

▲オリジナルキャラクターのシオン(写真左)とリアン(写真右)。

早矢仕 オリジナルキャラクターを中心に据えたほうがいい、という判断ですね。マルスやクロムは、横並びの関係でいてほしかった。そうなると、主人公を別に立てて、歴代の登場人物たちが彼らを助けるという構造にしたほうがいいなと。

樋口 彼らは人々の助けを借りて成長していくキャラクターなので、歴代の主人公たちよりも、少し若く設定しています。

横田 シオンとリアンの設定を作っていたころ、ちょうど『ファイアーエムブレム ヒーローズ』のオリジナルキャラクターの設定作りも同タイミングで進んでいて。シオンとリアンのデザインを拝見したときに、『ヒーローズ』の主人公であるアルフォンスとシャロンに、設定などを含めて「似ている!」という話になりました。

樋口 ですので、似すぎないように、差別化を図っていただきました。

早矢仕 でも、リアンとシャロンの声優は、同じ内田真礼さんになったという(笑)。

――(笑)。本作は、シオンとリアンのいる世界に、ほかの世界に住む英雄たちが召喚された、という設定なのですか?

早矢仕 まだ明言はできませんが、この世界にある“炎の盾”に呼ばれて時空を超えてやってきた、と思っていただければと。

――なるほど。ゲームシステムについても、聞きたいことがたくさんあります。先ほどからお話に出ている三すくみは、斧を持つ敵を剣で攻撃すると有利になる、といった内容でいいのでしょうか?

早矢仕 まさにそうですね。ペガサスナイトにアーチャーで攻撃すると“特効”になってダメージが上がる、といった要素もあります。

――ペガサスナイトは、地形を無視して移動できるのが原作での魅力ですが……。

早矢仕 そこはですね……あ、ダメだ。言っちゃいけないことまで言いそう。今日はここまでにしましょう(笑)。

――(笑)。いままでのお話を聞くと、武器による三すくみの活用ですとか、アーチャーの弓を避けつつペガサスナイトで進んでいくといったように、『ファイアーエムブレム』のタクティカルな部分も楽しめそうですね。

早矢仕 そういう“『ファイアーエムブレム』っぽさ”は、もちろん大事にしたいと思っています。ただ、本作はアクションゲームですので、一手一手考えながらプレイするのはテンポが悪いし爽快感がありませんよね。戦略を考える楽しさはありますが、じっくり戦略的に戦わないとクリアーできないようなゲームにならないようにしています。

――『ファイアーエムブレム』的な攻略をすれば楽に行けるけど、ごり押しもできるよと。

早矢仕 それが『無双』のよさでもあるので。ただ、ステージの難易度を変更するとかなり難しくなるので、その場合は戦略を練っていただく必要も出てくるかと。

●ファン注目の絆会話もある!

――『真・三國無双』や『戦国無双』では、移動手段として馬が活躍します。『ファイアーエムブレム』にはふだんから馬に乗ったユニットもいますが、馬の扱いはどうなるのでしょうか?

早矢仕 本作では、馬に乗ったユニットは、基本的にずっと、馬に乗った状態で戦います。ソシアルナイトなどですね。

樋口 城内などでも馬に乗ったままです。

早矢仕 ソシアルナイトは移動力が高い、というのが魅力のひとつなので、そこは外さないようにデザインしています。

――なるほど。フルボイスで異なるタイトルのキャラクターどうしが会話するというのも本作の見逃せない要素ですが、“支援会話”のようなものはあるのでしょうか?

早矢仕 我々は“絆会話”と呼んでいますが、そういうシステムが入っています。これがまたテキスト量が膨大で……(笑)。マジメな会話もあればネタっぽい会話もあるので、こちらも楽しみにお待ちいただきたいです。

――ゲームの中身もそうですが、世界観とキャラクターが好きという方もいますし、そういったファンの方にも楽しめるゲームになりそうですね。

樋口 本作では本編シナリオはもちろん、戦いの最中でもフルボイスでガンガンしゃべりますし、タイトルの異なるキャラクターどうしの掛け合いもたくさん入っていますので、ぜひ聞いてみていただきたいです。

――ちなみに、絆を深めると結婚ができる作品もありましたが……?

早矢仕 これは言っておいたほうがいいですね。今回は結婚はありません。

横田 親友になるといったイメージですね。恋愛には発展しません。

――わかりました。これからの情報も楽しみです。それでは最後に、本作を心待ちにしているファンに向けて、メッセージをお願いします。

横田 『ファイアーエムブレム』は、キャラクターのモーションにもすごくこだわっていまして、シリーズごとに工夫を凝らしてきました。そんな『ファイアーエムブレム』のキャラクターたちが、一騎当千のアクションをくり広げます。いままで見たことのないような動きをするキャラクターもいて、私も、「あのキャラクターがこういう動きをするなんて」と思うことが多々あり、いち個人としてもすごく楽しみです。ぜひ発売を楽しみにお待ちください。

樋口 『ファイアーエムブレム』のキャラクターの魅力を存分に入れた、たくさんの敵をバッタバッタとなぎ倒すアクションゲームをコーエーテクモゲームスさんに作っていただいています。これまでとはまた違ったキャラクターたちの魅力が引き出されていますので、本作で一騎当千の爽快感を味わっていただきたいです。

早矢仕 最初にタイトルを発表させていただいたときに、ものすごい反響がありました。こんなにファンの方に期待されているんだと改めて思うと同時に、「その期待に応えなければ」と、一生懸命開発を進めています。『ファイアーエムブレム』のファンの皆さんに向けた作品に仕上げますので、今後も続報をお待ちください。

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※画面は開発中のものです。