日常から感覚が切り離されるような……
スマートフォンの画面に広がる広大なデジタル空間――個人ゲーム開発者QUIZCATさんが約4年前から制作しているワイヤーフレームシューティングゲーム『ダンガン』シリーズをプレイしていると、日常から感覚が切り離され、そんな世界にダイブしてしまいます。決して誰もがスッとなじめる、全方位にフレンドリーなゲーム世界ではないのですが、その居心地は、“攻撃をかわし敵を撃墜する”というシンプルなルールに高純度で同化できる、ある種のドラッグ体験に近いのかもしれません。大音量のテクノサウンドとともに弾丸の雨をくぐり抜ける“セラピー”、効く人には効きます。
全5ステージの横スクロールシューティングゲームとして構成されている『崩壊のダンガンウォール』。ワイヤーフレームを基調としたビジュアルイメージはシリーズ過去作を継承しつつ、敵を撃破した時のエフェクトが、世界を寸断する“光の壁”のように表現され、破壊行為に新たな印象、意味を与えています。敵の連続撃破のチェーンをつなげながらスコアの極限に挑む、シューティングゲームならではのやり込み要素も充実。一度ハマったら、パッと見の印象以上に、精密で奥深いゲーム体験を堪能できるでしょう。
■通常攻撃
広範囲(3WAY)に攻撃できる“ワイド”と、直線方向に攻撃を集中させる“ナロー”の2タイプを切り替え可能。
■特殊攻撃 ウォールブレイク
敵を攻撃してゲージを溜めると発動ボタンがアクティブになる、強力な攻撃。ウォールブレイクを反射する敵を利用して、より広域に攻撃を拡散させる“裏ワザ”もある。
DEVELPER‘S INTERVIEWQUIZCAT氏に聞く
QUIZCAT氏
某企業所属のグラフィックデザイナー。テクノサウンド中心の作曲、さらにはDJ活動も精力的に行う。
▼とにかくシューティングゲームが作りたくて……
――『ダンガン』シリーズ制作のきっかけを教えてください。
QUIZCAT 昔からすごくシューティングゲームが好きで、いつか自分で作りたいと思っていました。Webサイトを制作する中で、ブラウザで3Dが扱えるWebGLに興味を持ち、いろいろとサンプルを制作するうちに「これは作れそうだな」と思ったのが、直接のきっかけです。
――ワイヤーフレームで構成された個性的なビジュアルは、もう最初からこれでいこうと思ったのですか?
QUIZCAT X68000のゲーム『スター・ウォーズ アタック・オン・ザ・デス・スター』(ビクター音産)と、『SIONII』(ソフトバンク刊行の雑誌『Oh! X』の付録ディスクに収録されていた作品)に影響を受けています。
――ビジュアルイメージとマッチするテクノサウンドもご自身で作られているんですよね。
QUIZCAT 1990年代中盤の国内テクノブームのころから音楽活動を続けています。テクノとワイヤーフレームのデジタルなムードがマッチする……というかインディーなので自分の好きなもので固めて作っています(笑)。
――『崩壊のダンガンウォール』の制作期間は?
QUIZCAT コア部分は最初の4ヵ月間で形にできました。『ダンガンサーフ』、『ダンガンチューンズ』の時はとにかくリリースしたいという気持ちが強くて、クイックな作りだったので、今回はガチのシューティングを作ろうと、ゲームバランス調整に時間をかけています。
――バランス調整する際のポリシーは?
QUIZCAT 1コイン(ノーコンティニュー)クリアーを目指すタイプです。一定期間集中すれば決して不可能ではない……という線を狙っていますね。
──シリーズ3作目というところでの、何か特別に期することなどありましたら教えてください。
QUIZCAT 今作はシリーズ完結編という位置づけで、これまで明らかにしてこなかった、シリーズ共通のストーリーを提示できればと思っています。
──PVのセリフなどで、断片的かつ思わせぶりに表現されていた世界観が、いよいよ明らかになると!
QUIZCAT そうですね(笑)。ある特定のプレイ方法によって“変化”していくゲーム内要素も含めて、楽しんでいただければと思
います。
『ダンガン』シリーズ紹介
『ダンガンサーフ』
2013年リリースの『ダンガン』シリーズ第1弾。硬派な弾幕シューティングを楽しめる。
『星屑のダンガンチューンズ』
全40曲のチップチューンが収録されたシューティング仕立てのリズムゲーム。2015年リリース。
崩壊のダンガンウォール
メーカー | QUIZCAT GAMES |
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対応機種 | iOSiPhone/iPod touch |
発売日 | 2017年配信予定 |
価格 | 未定 |
ジャンル | シューティング |