VRコンテンツがツアーバスの新たなサービスとして加わるかも?
2017年5月16日、東急バス、フジテレビ、VRizeの3社によるVRを用いた実証実験が行われた。これは、東急バスが保有するチャーターバスに40~60代の男性30名を乗せ、VRizeが用意したHMD(GearVR)で360度の動画を視聴してもらうというものだ。
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動画コンテンツの詳細は諸事情により明かせないが、固定カメラを用いた、酔いの少ない内容になっている。VRizeのCOO 事業推進責任者 中村拓哉氏は、新しい技術(VR)をうまく利用して、東急電鉄(東急バスの親会社)の既存事業を盛り上げることに一役買えればと語った。
続けて中村氏は、バスツアーにVRを導入する目的を語った。バス乗車中は何かと暇を持て余してしまうものだが、VRを導入することによって、ツアー客がバス内でさまざまな動画を楽しみ、それによって快適な時間を過ごすことに繋がればと話す。
これに付け加える形で、東急バスの米澤暁裕氏は、バスツアーは最終的には目的地へと到着することが一番の目的だが、乗車時間を快適に過ごしてもらうことで、他社との差別化にもしていきたいと話す。そうすることで、これまでよりも一段上のサービスに繋がればと述べた。
なお、今回の取材は実証実験後に行われたものなので、バスに乗り込むのは取材陣のみ。ただ、実際に走行中のバス内でVRを体験するという企画の軸に変わりはないし、使用されたバスやコンテンツなどは実証実験の時と同じものを使用している。
さて、実際にバス内でVRを体験してみた感想だが、固定カメラでの映像ということもあり、酔いはまったくと言っていいほど感じなかった。バス内での時間の潰しかたと言えば、スマホをいじったり、本を読んだり、ゲームで遊んだりといった方法が主流だったと思うが、VRがここまでバス内でなじむとなると、今後一気に市民権を得られる可能性もある。
ただ重ねて言うが、今回の企画はあくまで実証実験だ。そのため、今後VRとバスツアーがどのような関わり方をしていくかについては、行方を見守っていく必要があると言えるだろう。今後もまだまだVRに目が離せない。