期間限定で体験可能
羽田空港国際線JALのサクララウンジ“スカイビュー”にて、期間限定でVR体験コーナーが設置される。設置期間は、明日2017年4月12日から14日の3日間で、午前7時から12時までの5時間となっている。体験できるコンテンツは、“巨大な恐竜が太古へ誘う ~福井県恐竜は博物館~”、“京都の紅葉 2016”、“2016 The Lantern Fest Japan”、“青森ねぶた祭”の4種類の映像コンテンツ。いずれも、VR動画配信サービス“360 Channel(サンロクマルチャンネル)”にて配信されているコンテンツだ。
昨今アミューズメント施設などへの積極的な導入が目立つVRだが、サクララウンジにVR体験コーナーを設置した意図とは? 日本航空 事業戦略グループの清水厳喜氏と、VRコンテンツの支援を行うVRize COO事業推進責任者の中村拓哉氏が本サービスの概要を語ってくれた。
清水氏が所属する事業創造戦略部は事業の創造を目標としている部署。そのため、さまざまなものにVRを取り入れたり、飛行機を使ったプロジェクションマッピングなどにも挑戦していくなど、イノベーションを起こすために日々活動を続けているという。
そうした方針もあり、同事業部はベンチャー企業との協業にも力を入れているが、そんな中で、今回のVR体験コーナーを企画することになるVRizeと出会ったようだ。そして、何かしらのサービスにVRを取り入れたいという話し合いを続けていく中で、今回、体験コーナーを実施するに至ったようだ。
ただ、ラウンジにVRを設置したのはあくまで試験的なことであり、今後も継続して行うかどうかは未定らしい。「大切なのは、こういった事例をどんどん作っていくことですね」と清水氏。今回の取り組みで好評を得たら、つぎの企画につなげていきたいとのことだ。
続いては、VRizeのCOO技術推進責任者 中村拓哉氏がコメント。同氏によると、2016年はVR元年と言われてはいるが、グローバルで見てもVR端末の普及台数は800万台に留まる。そのため、VRでのマネタイズは難しいという状況があるようだ。とはいえ、企業のVRに対する熱量は高い。かくいう、JALもVRでビジネスクラスを疑似体験できるサービスを実施していたり、不動産会社がVRでの内見サービスを行うなど、ビジネスとVRのマッチングはいいようだ。
そのため、中村氏としては、B to C(企業から一般客)向けにサービスを作りたいが、まずは、企業支援を積極的に行っていきたいと説明。「企業と企業がコラボすることで、新しいことができたら」と今後の展望を語っていた。
なお、VRサービスを空港のラウンジで実施した理由としては、ラウンジがお客さんと向き合いやすい場所であり、加えて、ラウンジの雰囲気にVRがマッチしていることも挙げられるとのこと。
中村氏は、ラウンジを利用する際は、ぜひVRコーナーに目を向けてほしいと話していた。
ご存じのとおり、JALはMicrosoft HoloLensを活用してのコンセプトモデルを開発するなど、新しいテクノロジーへの取り組みには積極的。今回のVR体験コーナーも、その一環と言えそうだが、こうした企業の取り組みが、VR普及にひと役買うのではと思われた。