前期に比べ売上高13.2%増、営業利益13.5%増に
2017年4月27日、カプコンが2017年3月期(2016年4月1日~2017年3月31日)の連結業績を発表した。
それによると、売上高871億7000万円(前年比13.2%増)、営業利益136億5000万円(前年比13.5%増)、経常利益125億8900万円(前年比10.9%増)、当期純利益は88億7900万円(前年比14.6%増)となった。
セグメント別に見ると、デジタルコンテンツ事業では、『バイオハザード7 レジデントイービル』(プレイステーション4、Xbox One、PC用)がおおむね順調に推移したほか、3月に発売された『モンスターハンターダブルクロス』(ニンテンドー3DS用)も堅調な出足を示しつつも、『デッドライジング4』(Xbox One、PC用)および『モンスターハンターストーリーズ』(ニンテンドー3DSシリーズ用)は、総じて軟調に推移したとのこと。一方で、『バイオハザード』シリーズのHD(高精細度)版などが安定したユーザーに支えられ健闘したとしている。また、海外向け『モンスターハンタークロス』(ニンテンドー3DSシリーズ用)も「定着したブランド力により底堅い売行きを示し」たと、決算短信では伝えている。
さらに、オンラインゲームやモバイルコンテンツは、「局面打開に向けて開発体制や運営方法の見直しを進める中、女性スタッフが中心となって開発したスマートフォン向け恋愛ゲーム『囚われのパルマ』(Android、iOS用)が配信開始日にアップストア有料ランキング1位となるなど、新境地を開きました」(決算短信より)とのことだ。
この結果、デジタルコンテンツ事業は、売上高は587億400万円(前期比11.7%増)、営業利益110億9600万円(前期比8.8%減)となった。
営業利益を牽引したのは、アミューズメント機器事業で、パチスロ機部門で、目玉機種『モンスターハンター狂竜戦線』が家庭用ゲームとの好循環により37000台を販売する大ヒットを記録し、販売拡大のけん引役を果たした。また、業務用機器部門では、『マリオパーティ ふしぎのチャレンジワールド』を発売したほか、既存商品のリピート販売に注力したとのことだ。
この結果、アミューズメント機器事業の売上高は168億5600万円(前期比26.3%増)、営業利益51億600万円(前期比81.6%増)となった。
今後の見通しとしては、「モバイルコンテンツの増勢やオンラインゲームの普及に加え、VRやAR(拡張現実)を用いた新たな事業領域が生み出されるとともに、今年3月に新型ゲーム機“ニンテンドースイッチ”が登場するなど、市場環境は急速に変化しております」とした上で、「業界の構造的な転換が進む状況下、当社は、中期的な戦略マップに基づきコア・コンピタンス(中核的競争力)である家庭用ゲームソフトやモバイルコンテンツ等の重点部門に開発資源を投入するなど、選択と集中による経営展開により利益の向上に努めてまいります」(いずれも決算短信より)としている。
なお、カプコンでは、2018年3月期の連結業績予想については、売上高930億円、営業利益145億円と増収増益を見込んでいる。