新しいチャレンジができる準備が整った

バンダイナムコエンターテインメントが贈る“死にゲー”『CODE VEIN』の正体に迫る! 開発者インタビューを公開_06
バンダイナムコエンターテインメントが贈る“死にゲー”『CODE VEIN』の正体に迫る! 開発者インタビューを公開_01

 2017年4月20日、ワールドワイドで情報が公開されたバンダイナムコエンターテインメントの『CODE VEIN(コードヴェイン)』(以下、『コードヴェイン』)。本作のキーマンであるディレクターの吉村 広氏、プロデューサーの飯塚啓太氏、そしてプロジェクト全体を統括する富澤祐介氏の3人にインタビューを実施。吉村氏と富澤氏は『GOD EATER(ゴッドイーター)』シリーズでもおなじみのふたりだが、どのような形で本作の企画開発が行われているのか、詳しく聞いた。併せて、富澤氏を中心とした新たなプロデュース体制も組織されたとのこと。『コードヴェイン』のインタビューに続けて、そちらの詳細もお届けしよう。

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▲左から本作のプロデューサーの飯塚啓太氏、ディレクターの吉村 広氏、プロジェクト全体を統括する富澤祐介氏。

──『コードヴェイン』企画の経緯からお聞かせください。

富澤 これまで私と吉村さんとは『ゴッドイーター』シリーズで長くタッグを組んできましたが、その中で培ったノウハウは多く、それを活かせるチャンスがあれば、ぜひ新しいタイトルを作りたいという思いが私たちにずっとありました。『ゴッドイーター』シリーズは今後も発展させていきますが、その一方で新たなチャレンジができるという準備が整ったからこそ実現しました。

──制作のラインが増えたわけですね。富澤さんがすべてプロデュースされるのでしょうか?

富澤 のちほど詳しくお話ししますが、プロデュースをチーム体制で行っていくという新たな枠組みを作りました。これまでいっしょにプロデュースのサポートをしてくれていた飯塚が『コードヴェイン』のプロデューサーとなり、僕は一歩引いた視点からプロジェクト全体を見ます。

──多くのユーザーも気になるところだと思いますが、今回の『コードヴェイン』は『ゴッドイーター』と関連があるのでしょうか。

飯塚 『コードヴェイン』は新しいゲーム体験を提供する新規タイトルとして開発を進めています。

──なるほど。『コードヴェイン』のお話をうかがう前に、プロデューサーの飯塚さんの来歴などをお聞かせください。

飯塚 現在は富澤のチームでともにプロデュースを担当しつつ、家庭用タイトルの経験を積んでおります。それ以前も、プラットフォーム問わずゲームの開発や運営に携わっていました。もともと家庭用ゲームは大好きでしたので、今回の『コードヴェイン』は念願がかない、この大役を任せてもらえることとなりました。

富澤 僕のワガママでもあるのですが、新たな取り組みを拡大させていこうとする中で、熱意と実力でプロデュースができる人材が必要でした。飯塚はこれまで積んできた経験含め、適任です。

飯塚 そうやってプレッシャーを(苦笑)。

バディの存在によって新しいゲーム体験を目指す

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──『コードヴェイン』というタイトルの意味についてお聞かせください。

吉村 VEIN(ヴェイン)は英語で“静脈”という意味があります。CODE(コード)は暗号で、一連では“血の暗号”といった印象になるでしょうか。本作の舞台、プレイヤーが探索を行う世界は“澱んだ血の牢獄=ヴェイン”と呼ばれています。閉鎖世界“ヴェイン”に秘められた真実、という意味合いがタイトル名に込められています。

──そのヴェインを探索していくと。

飯塚 はい。本作のジャンルは“ドラマティック探索アクションRPG”となります。“探索アクションRPG”というジャンルには、地続きのエリアを緊張感をもって探索&踏破し、その結果、強い達成感が得られる、という魅力がありますが、その緊張感、達成感をより強められないか、より濃密でドラマティックな探索体験を実現できないか、と検討を重ねてきました。

──そこがドラマティックとうたうゆえんですね。

吉村 ストイックかつヒロイックなアクションや迫力のある敵、探索するフィールド自体のクオリティーにも自信がありますが、いちばんのアピールポイントは、バディとともに凶悪な敵の待ち受ける死地に挑むという点です。

──バディがドラマティックという要素を担うのでしょうか?

吉村 高難度のアクションゲームでは、“心が折れる”といったことが言われたりしますが、本当にプレイヤーの心を折ってしまうと、ゲーム体験はそこで終わってしまいます。本作では、いっしょに旅をする仲間としてバディが存在し、「こいつのためにここで負けるわけにはいかない」、「この子といっしょにあそこまで踏破したい」と感じてもらうことで、ひとりでは諦めてしまうかもしれない大きな難関を乗り越え、より大きな達成感を味わっていただくことができます。

──バディはつねにいっしょに行動するのでしょうか?

吉村 プレイヤーの任意で帯同を決められますが、基本的にはバディがいる前提での設計になっています。先ほどお伝えした通り、バディとの探索には、ストイックなゲーム性の中で、心が折れずに“自分の限界を越えて”進んで行けるという魅力もありますが、加えて、初めての場所にたどり着いたときの“旅情感”の共有も大きな魅力のひとつとしてあります。ひとりではたどり着けなかった場所にふたりでたどり着いた際の、バディの表情や言葉が生み出す情緒的な感動をともなう達成感は、これまでにないドラマティックな体験となると思います。

──バディはどれくらい自分を助けてくれるのでしょうか?

飯塚 助けられるシーンは多いと思いますし、逆にプレイヤーがバディを助けるという行動も必要になってくるかと思います。

──命令を出したりは?

飯塚 基本的には自律して行動してくれます。

吉村 バディのAI(人工知能)は、マスターアップギリギリまで調整すると思います(苦笑)。

飯塚 開発としては、この部分の調整ががんばりどころですね。

吉村 体験をよりドラマティックにしてくれるバディを実現するために、シチュエーションごとの、非常に細やかな調整をかけています。そうすることで、「ともに探索をしたいと思える」バディがやっと誕生する感じですね。開発中、初めてバディとの探索を体験した際、想像以上に気持ちが動くことを実感しました。ひとりで死ぬのではなく、仲間がいる状態で死ぬというのはかなり違うんですよ。強敵にまったく歯が立たずやられてしまっても、仲間の存在が気持ちをポジティブにさせたり、リトライでの気持ちの入りかたが大きく変わることがわかりました。

飯塚 攻略上、サポートしてくれる仲間がいるというだけではなく、バディがいることで得られる、これまでにないドラマティックな探索体験をぜひ味わっていただきたいですね。