ゾンビが題材の変わり種
ゾンビはとても魅力的な題材だ。ゲームには頻繁に登場するクリーチャーだし、海外はもちろん、日本でもたびたびドラマやアニメ、マンガの題材になっていたりする。それだけ頻繁に登場するってことはやはりニーズがある、というかウケる要素のひとつなのだろう。あの手この手でゾンビを絡めた作品が生まれ続けている。昔働いていた週刊ファミ通編集部にも無類のゾンビ好きがいて、参考までにどこが好きなのか聞いてみたことがあるのだが、そのときは「将来はゾンビになりたい」という頓珍漢な返事をもらって少々引いたことを思い出した。
そんなゾンビになりたいくらいのゾンビ好きには、ゲーム内容的にあまりオススメできないのだが、通常のゾンビ好きには「こんなのもありますよ」と紹介したいのが、この『How to Survive:ゾンビアイランド2』(以下、『ゾンビアイランド2』)というタイトル。ゾンビを題材にしたゲームに、自給自足で生きていくサバイバル要素を絡めたとてもユニークな作品だ。
そんな『ゾンビアイランド2』の魅力を本記事ではじっくりと語っていきたいと思う。今回はその2回目。登場武器やゾンビの襲撃、クエストのバリエーションなどについて詳しく解説させていただこう。
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ゾンビ相手の自給自足生活が楽しい『How to Survive:ゾンビアイランド2』プレイインプレッション前編
武器作りは無上の喜び
前回、本作のもっとも特徴的で楽しい部分として自給自足のサバイバル要素をいくつか紹介したが、その中でもいちばんワクワクするのはやはり武器の制作だろう。最初はバットやバール、シャベルといった有りモノを拾って武器にするか、バットに釘を刺して釘バットにする程度の改造しかできないが、キャンプに武器工房があればリボルバーやライフル、クロスボウなど、より強力な武器を作り出せるようになる。
たとえば、布切れ、木の枝、ナイロン製の糸を組み合わせて“弓”を、丸太、アルミパイプ、鉄のバネ、アルミ缶、釘、ハンマーを組み合わせて“セミオートピストル”を作ったりできるというわけ。ぶっちゃけ後者はあり得ない超技術でしかない気もするが、強力な武器を手にするということは、いちプレイヤーとしても過酷な世界で生きるサバイバーとしても無上の喜びに違いはないので気にしてはいけない。
もちろん、これらの多種多様な武器はそれぞれ使い勝手が異なる。うまく使い分けながら戦っていくのが楽しいのだが、同時に装備できるのはふたつまでとなっているのであしからず。重量制限がきびしいが、いろいろ持ち込んで逐一装備変更するのもアリかもしれない。
ハンドメイドということもあり見てくれはかなりお粗末だが、ゴテゴテとパーツを無理やりくっつけた感じが段々とカッコよく見えてくるから不思議。襲い来るゾンビを何十、何百と倒していると妙に愛着も湧いてくる。クロスボウやライフルのような正統派(?)な武器だけでなく、ギターやステッキ型のキャンディーといったユニーク武器も存在。素材を入手できていないため自分では作れていないが、使い勝手は非常に気になるところだ。
ゾンビの襲撃に備えろ!
『ゾンビアイランド2』では、新たにキャンプを設営・拡張していく要素が追加。プレイヤーキャラの強化やキャンプ増設のためにも“キャンプレベル”を上げていかなければならないのは前回説明した通りだ。
ただし、レベル10、20など、節目となるレベルにはレベルキャップが設定されていて、条件を満たさなければそれ以上レベルを上げられない仕組みになっている。その条件とは、パイロン(電波塔)を製作して配置すると受けられる“コバックチャレンジ”をクリアーすること。コバックチャレンジでは、パイロンに引き寄せられて大挙襲来するゾンビたちを撃退し、キャンプを守らねばならないのだ。無論、キャンプの設備がゾンビに破壊された場合は修理するまで使えなくなる。
というか、わざわざコバックチャレンジを発動させなくても、けっこうな頻度でゾンビが襲ってくるのだが、筆者的にはそこが本作の非常におもしろいポイントに思える。柵やポールを設置して、ゾンビがキャンプ内へ侵入するのを阻みつつ、見張り台から狙撃。あるいは罠を仕掛けて一網打尽にするなど、いろいろと対策を考えるのが楽しい。
当然ながら防衛設備にも素材は使うため、あまり防衛に専念すると肝心のメイン設備のアップグレードがはかどらず、素材探しに出かけなければならなくなったりもする。端的に言えば少々手間で、ときには「いーっ」と叫びたくもなるのだが、なぜだか気付くとキャンプを柵で囲う作業に没頭していたりする。さながら秘密基地を作り上げるような、そんな類の楽しさや魅力があるんじゃなかろうか。
最強はゾンビブタ
「ゾンビなどおそるるに足らない」と豪語する対ゾンビ戦における自称プロフェッショナル(私)は、走るゾンビが出てくる作品に対しては急激に寡黙な存在となる。なぜなら走るゾンビは走らないゾンビよりも危険度が10倍も20倍も高いし、ふいに遭遇した際の対処法がよくわからないからだ。
本作のゾンビはと言うと、のろのろ歩くやつもいれば全速力で走るやつもいる。その速さたるや、プレイヤーキャラの全速力とほぼ同等だから困りモノ。超怖い。ほかにもヘルメットを被ったゾンビや太ったゾンビ、『バイオ2』のリッカーみたいなゾンビ(?)など、じつに多彩なゾンビが登場するのはなかなか見ものだ。
だが、真に恐怖すべきはアニマルゾンビたちの存在。七面鳥やシカ、コヨーテ、イヌ、ワニ、ペリカン、カメ、等々。どいつもこいつも凶暴で動きの素早いやつばかり。極めつけはブタで、その強さはまさに(筆者のプレイ範囲では)最強。リトライして生き返ってもその瞬間に殺されるくらいの強敵で、唯一、報酬の経験値をゼロまで下げられてしまった(死ぬたびに報酬が減るシステム)相手。まあ、後からわかったことで、そのクエストに登場するゾンビブタは戦うのではなくて、小屋に誘導して閉じ込める対象だったというオチはあるのだが……。ともかくクソ硬いわ、攻撃力は高いわで地獄だった。
クエストに関する話題が出たので説明すると、クエストもじつに多種多様な内容が用意されている。ゾンビブタを閉じ込めるような誘導系のほか、ゾンビ大量キル、素材探し、人命救助、NPCと共闘・護衛など、バラエティー豊富だ。
基本的にプレイヤーのレベルに合わせてクエストの難度が変化するため、序盤のクエストでも報酬はつねにおいしい。難度のレベルを任意に上げることも可能なので、腕に自信があればより多くの報酬がもらえるシステムとなっている。必要経験値はどんどん増えていくことになるし、このシステムはかなり便利だ。
命をつなぐサバイバル術12選!?
ということで、2回にわたり『ゾンビアイランド2』の見どころを紹介させてもらった。ゾンビを題材にした作品は少なくないが、サバイバル要素をがっつり組み込んだタイトルは珍しい。1回目の記事と通して読んでもらって、どこかひとつでも気になった要素があればダウンロードしてプレイしてみてはいかがだろうか。多少の慣れは必要となるが、ゾンビ好きであれば、この世界でのサバイバルを十二分に楽しめるはず!
でもって最後は序盤をプレイしていて「あ、なるほどね」と思った点について、いくつか紹介させていただきながら締めたいと思う。役に立つかどうかは微妙だが(笑)。
・キャラクリは装備画面からカスタマイズで行う(しばらく気づかなかった)
・コバックのシェルター内のアイテムは毎回回収していい(けっこうおいしい)
・マップ表示中にL3でサイズ変更(これもしばらく気づかなかった)
・弾薬の持ち出し時の個数調整はバーで(途中までボタン連打で個数を減らしてた……)
・クラフト時の必要素材にカーソルを合わせると入手クエストがわかる(便利!)
・素材不足はクエスト報酬で集めるのが早い(レベルを下げて周回)
・アイテム整理時はフィルタをその他にすると素材だけ選びやすい(素材だけチェストにしまう)
・乱戦時のスタミナ切れは○ボタンのキル中に回復できる(ゾンビがタフになると重宝)
・スタミナが減るとダメージも減る(ダメージが弱まったらだいたいこれ)
・設備をアップグレードすれば修理しなくて済む(ちょっとだけお得)
・設備を撤去すると素材は作成時の半分戻る(全部戻してほしい)
・ゾンビブタは倒すとペレット(銀)を落とす(たぶん貴重)
ゲーム概要
タイトル:How to Survive: ゾンビアイランド2
プラットフォーム:プレイステーション4
配信日:2017年4月25日
希望小売価格:2000円[税抜](2160円[税込])
ジャンル:ゾンビサバイバルアクション
プレイ人数:オフライン1-4人、オンライン最大16人(PS4最大4台接続可能)
CERO:D(17才以上対象)