いよいよ作品の概要が明らかに!

 ついに画面写真が公開されたスマホ用ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』。そのコンテンツプロデューサーを務める石原章弘氏に、週刊ファミ通2017年4月6日号(2017年3月23日発売)でインタビューを敢行。誌面に掲載した内容を、一部追加情報も含めてお届けしていく。

■『ウマ娘 プリティーダービー』とは?

 ウマのような耳に、フサフサの尻尾と抜群の走力を持つ“ウマ娘”。本作はプレイヤーが“トレーナー”となり、“トゥインクル・シリーズ”で開催されるレースで勝利を得られるように指導していく、育成ゲーム。彼女たちの通う“トレセン学園”でのトレーナー生活を楽しもう。

【全文掲載】『ウマ娘 プリティーダービー』コンテンツプロデューサー石原章弘氏がゲームの『ウマ娘』を語る_01

■石原章弘氏
サイゲームスのコンテンツプロデューサーとして、『ウマ娘 プリティーダービー』の指揮を執る。

――本作は、どんなゲームなのでしょうか?
石原 プレイヤーは“トレーナー”として“トレセン学園”に赴任します。そこで、ウマ娘たちに出会い、トレーニング→レースという流れでウマ娘たちを育成していく……というのが、本作の大きな流れですね。シミュレーションゲームというよりは、育成ゲームなので、マンツーマンでトレーニングを行います。学校の部活のコーチを想像してもらえると、いちばんわかりやすいです。全体の雰囲気的には“仕事”というより“部活”の延長のイメージです。

――レース画面もそうですが、3Dモデルで制作されているのですね。
石原 フル3Dです。PVでもご覧いただけたかと思いますが、ボイスもモーションもつけています。開発工程もゲームボリュームも、自分の経験の中では最大です。サイゲームスが本気で作るとこうなる……というモノが、形になりつつありますね。

【全文掲載】『ウマ娘 プリティーダービー』コンテンツプロデューサー石原章弘氏がゲームの『ウマ娘』を語る_02
【全文掲載】『ウマ娘 プリティーダービー』コンテンツプロデューサー石原章弘氏がゲームの『ウマ娘』を語る_06

――ウマ娘たちのモデルもすごくかわいくて、ビックリしました。
石原 ありがとうございます。まだ開発途中ですので、ここからさらにクオリティーを上げていきます。PVが出たばかりですが、すでに、いろいろと改修しています。レースコースに、UI、カメラなど、すべてにおいて、まだまだクオリティーは上げていきます。

――育てるウマ娘は、公開されている18人の中から選択するのですか?
石原 じつは18人だけではありません。いわゆる有名馬の名前のキャラクターは、ほかにも多数います。現在“ウマ娘キャラクター名前当てクイズ”という直球なネーミングな企画をWebで行っています。ウマ娘のキャラクターはすべて“実名馬”の名前をお借りしていますので、競馬ファンの方に、楽しんでもらおうと企画したものです。この企画、オリジナルの名前のキャラクターしかいない作品では不可能なので、やってみたかったんです。2017年6月23日の金曜日まで、毎週、3キャラクターずつ新キャラクターのイラストとボイス、そしてヒントをセットにして公開していきすので、新キャラクターの名前を当ててみてくださいというクイズなのですが、髪色や服装に実名馬につながるヒントがあります。答えは2017年7月1日開催予定のイベントで公開します。すでに2キャラクターが公開済みですが、多くの皆さんに楽しんでいただけているようで、よかったです。

――なるほど。ちなみにウマ娘の育成は具体的にどう行うのでしょう?
石原 詳細はまだ明かせませんが、ざっくり言うと自分でトレーニングメニューを作ります。スクワットをさせたり勉強をさせたり、トレーニングメニューを組んで、どのパラメーターを育てるかを決めていきます。どういう育てかたを選ぶかはトレーナーが選択します。そして育成の途中で、ウマ娘たちとコミュニケーションを取り、信頼関係を築きます。今回、キャラクターづくりを行う際に、実名を使用させていただいている実在馬を参考にしているのですが、その結果“気性が荒い”とか“負けん気が強い”というウマ娘の割合が、けっこう多くて(笑)。いわゆる、女の子とコミュニケーションを取るゲームにあるまじき割合な気もしますが、ひと癖もふた癖もあるジャジャ馬たちに認められていく……というのも、楽しいと思います。トレーナーになる方は、気合を入れてプレイしていただければ(笑)。そして、大々的な告知以降、「ウマ娘って、結局何なんだ!?」という方も大勢いらっしゃるかと思いますが、彼女たちは能力が人間離れしていても、メンタルは年相応の人間の女の子と変わりません。学園は全寮制なので、まわりのウマ娘の皆がライバルでもあり、友だちでもある。“宝塚”をイメージしてもらうと近いかもしれません。世界観は基本“熱い”です。コミックも連載開始しましたので、ぜひ、目を通してもらえるとうれしいです。

――“AnimeJapan2017”用のPVでは、校庭のような場所にウマ娘たちが何人かいましたが、複数名を育成できるようになるのですか?
石原 その予定です。競馬ゲーム的なイメージだと“自分の牧場”と考えてもらえるとわかりやすいかもしれません。本作は、競走馬育成シミュレーションゲームとは見た目もゲームフローも異なりますが、“競馬ゲーム”として制作しています。ですので、競馬場のモデリングやレース名なども、競馬ゲームファンの方にお楽しみいただけるようにしています

【全文掲載】『ウマ娘 プリティーダービー』コンテンツプロデューサー石原章弘氏がゲームの『ウマ娘』を語る_03

――具体的にレースはどのように進行するんでしょうか?
石原 そのあたりは続報をお待ちいただければと。ただ、育成しているウマ娘の距離適性や状態を考えて、“どのレースに参加させるのか?”を考えるのはトレーナーの役割です。実際の競馬でいうと、馬主さん的な役割もあるわけです。とくにウマ娘のコンディションは重要です。なんといっても女の子ですからね。そして、いろいろ条件を整えてレースに参加しても、どのようなタイプのウマ娘が参加しているかでレース展開も異なりますから、1レースごとに楽しんでいただけると思います。

【全文掲載】『ウマ娘 プリティーダービー』コンテンツプロデューサー石原章弘氏がゲームの『ウマ娘』を語る_04

――PVにはライブシーンもありましたが、あれはいったい……?
石原 PVのライブは、“ウイニングライブ”というものです。楽曲は、「この世界で彼女たちが歌うとしたら、どんな歌を歌うだろう」と考え、最終的にはショーレビュー的なエンターテインメントを目指した歌にたどり着きました。レコード会社のランティスさんと共同で制作していますが、いいモノに仕上がったと思います。ちなみに「どうしてステージが!?」と疑問を抱く方もいると思いますので、ちょっと、長くなりますが説明します。“ハルウララ”という馬は生涯、レースで1着をとることができませんでした。でも、多くのファンが1着を願って応援をして、高知競馬を大いに盛り上げたという事実があります。そういった例をとってみても、競馬の世界は“勝負の世界”ではありますけど、応援したい見守りたいという人の気持ちが根底にあるから、多くのドラマを産み出すんじゃないでしょうか? そう考えたとき、勝敗を見守ってハラハラするレース、自分が育てて笑顔を見せている女の子に喜びを感じるステージという、ふたつの要素があってもいいんじゃないかなって。「何言ってるんだ!?」という声はあるでしょうが、僕はゲームといえども、女の子を単なる“勝敗の道具”と考えるの好きじゃないんです。声援に応えている女の子の誇らしげな笑顔を見ることって親心につながると思います。プレイヤーの皆さんには、喜怒哀楽、いろいろな感情が渦巻く真剣勝負の世界で戦って大いに心を揺らしてもらいたいです。そして、いつしか“ゲーム世界の気持ち”が“本当の感情”につながっていく。『ウマ娘』の世界が生み出すドラマが、本物になっていけばいいかなって

【全文掲載】『ウマ娘 プリティーダービー』コンテンツプロデューサー石原章弘氏がゲームの『ウマ娘』を語る_05

――”AnimeJapan2017”ではコミックの新連載、ライブイベントやアニメ化まで、多様なメディア展開も発表されていましたが、どういった狙いがあるのでしょう?
石原 いくつかあるのですが、ひとつはゲームがリリースしたタイミングで、ある程度『ウマ娘』の世界がどういう世界なのかを皆さんに知っておいていただこうという狙いがあります。事前に世界観を知っておいていただいた方が、ゲームリリース時により楽しんでいただけると思いますので。また、ゲームは基本的にトレーナーとウマ娘の1対1のコミュニケーションがメインになります。ゲーム以外のメディアではウマ娘どうしの関係性を描いて、より世界観に広がりを持たせていきたいと考えています。ライブイベントに関しては、スタートアップイベントと銘打つように、声優と制作スタッフ、トレーナー候補の皆さんで“打ち入り”をするつもりです。ゲームのステージは“ショーレビュー”的な考えなのですが、2017年7月1日の舞浜アンフィシアターでのイベントは、ただ歌を歌って終わりということではなく、タイトルどおり“特別な週末”になるようなイベント感がある内容にするつもりです。ゲームがメインのコンテンツになっていくように考えていますが、どの展開も全力でやっておりますので、アニメ・コミック・ライブなど、どこをコンテンツの入口にしていただいても大丈夫です。ぜひ、ご期待いただければと思います。

【全文掲載】『ウマ娘 プリティーダービー』コンテンツプロデューサー石原章弘氏がゲームの『ウマ娘』を語る_07
【全文掲載】『ウマ娘 プリティーダービー』コンテンツプロデューサー石原章弘氏がゲームの『ウマ娘』を語る_08

――それでは最後に、石原さんが思う競馬の魅力とは?
石原 先ほども触れましたが“人の感情”が垣間見える部分が、魅力のひとつだと思います。もちろん、血統を考え強い馬を作り出すという馬主さんのロマンも、競馬のおもしろさのひとつだと思っていますが、僕は勝負の世界が生み出す“予想できない未来”を楽しむことがおもしろさだと考えているんです。実際の人生は、多くの人が安心で安全のある予定調和の世界を目指すと思いますが、僕は“ウマ娘というコンテンツ”全体の楽しみかたとして、先のわからないドキドキを楽しんでほしいんです。予想どおりの未来になるのか、予想を覆す大穴の未来か? ぜひ、多くの皆さんといっしょに楽しんでいきたいですね。