5.6は3月31日正式リリース
アメリのサンフランシスコで開催中のGDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2日目となる現地2月28日、ゲームエンジン“Unity”のカンファレンスが行われた。
発表では、Unity 5系の最終リリースとなるUnity 5.6が3月31日に正式リリースとなることが明かされた。Unity 5.6では、物理ベースレンダリングとグローバルイルミネーションの対応、ライティングを担う新しいライトエクスプローラーとプログレッシブライトマッパー、グラフィックAPIであるVulkanやMetalへの対応、キャラクターの行動可能範囲を定義するNavMeshの進化などが含まれる。
Unity 5.6の新しいライトビューとプログレッシブライトマッパーで、ライティングの作業がよりやりやすく! https://t.co/XptnbpwOrj
— ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン (@unity_japan)
2017-03-01 02:07:50
Unity 5.6ではナビゲーションメッシュがシーンデータから独立してコンポーネントとして持てるようになりました。NavMeshをPrefabに入れて他のNavMeshと繋げて使うこともできるので、可能性が広がりました! https://t.co/aYEsi65MG5
— ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン (@unity_japan)
2017-03-01 02:11:50
また、テキスト表示のスタイリングなどを行うアセットTextMesh Proが将来的にエディターに公式に組み込まれる予定で、これに合わせてアセットストアでも本日から無料配布へと切り替わっている。
朗報!TextMesh ProがUnityの機能の一部になります。
現状のTextMesh Proは無料でAsset Storeからダウンロード可能に! https://t.co/jUNXs4ZLRy
— ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン (@unity_japan)
2017-03-01 02:14:52
アーティストやゲームデザイナーの作業をより直感的にサポート
これまでの振り返りと、5.6の機能を紹介していくなか柱となっていたのが、“グラフィック”、“クオリティと安定性”、“効率性”、“プラットフォームの成長”の4つ。しかし後半に展望が語られたUnity 2017(4月よりβ提供予定)では、新たに第5の柱として、アーティストやゲームデザイナーなど、非プログラマー職のサポートを強化していくことが挙げられた。
“ディープラーニングによるコンテンツ開発”といった構想も出た中で、すでにある例として披露されたのが、リアルタイムカットシーンの作成などに便利なタイムラインツール。このツールには、以前はカメラ演出的な部分に特化したアセットとして販売されていたCinemachineも組み込まれている。
タイムラインツールでは、カメラ、アニメーション、サウンド、イベント、ビデオなどの要素について、タイムライン上に並べた要素をエディットしていくだけで、一連の流れを作り込んでいけるというもの。例えばデモではゲーム進行中のカメラからカットシーン用のカメラへのフェードなどの処理が披露されたのだが、実際いじっている間にプログラムコードを書くことはなく、CGアニメーションツールやビデオ編集ソフトのように作り込んでいた。なおタイムラインツールは、実験的機能を試せる“Experimental Review”としてすでに公開中だ。
そのほかUnity 2017では、レンダリングパイプラインをスクリプトで作成可能にする“スクリプタブルレンダーパイプライン”などの登場が予告されたりもしたのだが、実は最新情報を追っている人には既知の内容も多かったのが個人的に興味深かった。
昨今Unityではロードマップをあらかじめ公表し、実験的機能のリリースなどを積極的に行いつつ、それぞれの機能を作り込んでいくというスタイルで、以前のような「大々的に大きなバージョンアップを発表→新機能が続々判明」という形ではなくなってきている。これもまたゲーム開発に関する情報の民主化というわけで、時代の流れを感じた次第だ。
Unity 2017のスクリプタブルレンダーパイプライン:マルチスレッドレンダリングパイプラインを完全にスクリプトで作成可能になり、余計な要素を削ったりユニークな処理を入れて、より開発中のゲームやプラットフォームにあった描画エンジンにチューニング可能に。
— ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン (@unity_japan)
2017-03-01 02:54:23