聞きたいことはたくさんあるが……

『FFXIV』赤魔道士の主要ステータスはINT、装備はキャスター枠と判明! 吉田直樹P/Dへのメールインタビューが到着_02
▲『FFXIV』プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏。ドイツのファンフェスでは、次期拡張パッケージ『紅蓮のリベレーター』で追加される新ジョブ・侍の衣装で登場した。

 ドイツ・フランクフルトにて、2017年2月18日〜2月19日(現地時間)にかけて開催された、『FFXIV』の大規模ファンフェスティバル“FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2017 in Frankfurt”。初日の閉場後に、世界中のメディアを集めた合同の質疑応答が行われたが、吉田氏からコメントを取ることができたのはそれ限りで、日本のメディアを対象にしたインタビューは、スケジュールの都合で実施できなかった。そこで、帰国後の吉田氏に改めてメールインタビューを打診。快く引き受けてくれたので、その内容を公開しよう。なお、質問は全部で10問。すべてバトル関係で埋めることもできたが、プレイヤーのニーズも考慮して、世界設定やシステムまわりなど、なるべく広範囲となるよう努めた。

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──確か『蒼天のイシュガルド』リリース前のインタビューだったと思いますが、吉田さんは「ガレマール帝国を、古代アラグ帝国のような未曽有の強さを誇る国として描くことに違和感がある」という趣旨の話をされていたかと思います。そう考えると、幾多のアラグの防衛機構を打ち破ってきた光の戦士にとって、ガレマール帝国は少々“力不足”なのではないかという気がします。もしかしたらガレマール帝国の裏に、アシエンではない、さらなる強大な敵が潜んでいるような気がするのですが、いかがでしょうか?

吉田 これらの背景はいまお話しすることではないので伏せます(笑)。ただ、ガレマール帝国が魔導技術によって、ハイデリンに存在する国家の中で、もっとも軍事的に優れているのは確かです。また、芸術や文学などの発展も豊かであり、このあたりはいずれ語っていきたいと考えています。ですので、光の戦士は別格としても、ガレマール帝国が本気で侵略戦争を仕掛けてきた場合、対抗できる単一都市国家は多くないのは間違いありません。ただし、ドマやアラミゴが陥落したのは、何も圧倒的な武力差だけが要因ではありません。このあたりは”紅蓮編“全体で語っていきたいと思っています。

──オサード小大陸は、“和”のテイストで統一されているようです。日本的な文化を海外の方に伝えることになるわけですが、海外プレイヤーを考慮した際に、和の部分においてもっとも気を付けたところはどこでしょうか?

吉田 海外プレイヤーをあまり考慮しすぎることはありませんでした。クガネは、どちらかと言えば、単なる史実通りの日本を作るのでは、ファンタジーとして意味がないかな、と考えたことが大きいです。たとえば、江戸を再現するのなら、それにフォーカスしたゲームを作ったほうがいいと思いますし、幕末であったとしても同じです。現実の“和”のテイストを意識しつつ、ハイデリンという世界に存在する国々がクガネで文化交流し、混ざり合った世界観になる、ということを念頭に置きました。オサード全体については、和というより”アジア圏”を意識しています。いずれにせよ、再現ではなくハイデリンの世界にあるというファンタジーをより念頭に置いています。

──更新されたワールドマップには、クガネやドマのほかにも、いくつか都市国家と思われる記載がありました。これらのうち、レヴナンツトールやイディルシャイアのような“小規模プレイヤータウン”的な街は存在するのでしょうか?

吉田 今回も、もちろん小規模な拠点は意識的に作っていますが、いままでとは少し毛色が違います。これは4.0クリア後、パッチ4.Xシリーズにも関わってくるので、まずは本編クリアを目指してください!

──つぎもワールドマップについですが、シャーレアン本国(Old Sharlayan)が追加されていました。消失したバル島の行方を含めて、シャーレアン本国の動向が気になりますが、『紅蓮のリベレーター』でこの部分が語られることはあるのでしょうか?

吉田 消失したと言われているバル島は、4.Xシリーズで何かしらフォーカスするつもりです。シャーレアン本国は、『旧FFXIV』時代にスタートタウンとして予定されていたものですが、なかなかたどり着けないですね……(苦笑)。シャーレアン本国がフォーカスされるのは、もう少し先になるかと思います。

──東方地域が追加されるということで、侍以外のジョブでも着られる和装装備のようなものは実装されるのでしょうか?

吉田 おしゃれ装備などで、クラスに縛られない装備はリリースされていく予定です。ほかにも、レイド報酬のデザインや、ID(インスタンスダンジョン)装備にもこれらが意識されていくことになります。新装備のデザインは、4.0リリースが近くなれば、スクリーンショットなどでご紹介する機会があると思います。

──ハウジングエリアにシロガネが追加されましたが、アパルトメントはあるのでしょうか? また、アパルトメントの引っ越しは可能ですか?

吉田 基調講演で公開した動画にもすでにアパルトメントが映っています。シロガネ中央にある巨大な建物がアパルトメントになります。引っ越しですが、土地付きのハウジング、FCハウジングを念頭においたシステムですので、アパルトメントの引っ越しは残念ながらまだ先になります。

『FFXIV』赤魔道士の主要ステータスはINT、装備はキャスター枠と判明! 吉田直樹P/Dへのメールインタビューが到着_01
▲基調講演のキャプチャーより。これがアパルトメント?

──次期レイド“次元の狭間オメガ”は、機工城アレキサンダーの実装時と同様に、『紅蓮のリベレーター』発売後から一定の期間を開けてから突入できるようになるのでしょうか?

吉田 はい、そうなります。週制限のある新アラガントームストーンのリリースや、クラフターの作るいわゆる“4.0新式”も、『紅蓮のリベレーター』発売から数週間後に公開されます。今回も焦らずに、まずはじっくりと新たなシナリオとジョブレベリングをお楽しみください。

──新ジョブはDPSが2種ですが、タンクとヒーラーに新ジョブがないためにレベリング時のマッチングスピードを心配する声もあるようです。このあたりについて、どのようにお考えでしょうか?

吉田 基調講演でもお話しした通り、『蒼天のイシュガルド』リリース時のデータから、ほとんどの方がまずはメインジョブのレベリングを開始します。というのも、前述した通り、レイドの公開が予定されていたり、新アラガントームストーンがあるため、まずはメインのレベリングに集中し、カンスト後にサブとして新ジョブをプレイされる方が多いです。初期から新ジョブを触る方は、同ロールのDPSの方が中心になると思っています。また、それに加えて経験値調整されたF.A.T.E.や、ロールフリーマッチングのディープダンジョンがあり、IDに頼るよりもほかの方法でレベリングする方も多いと考えます。とくにディープダンジョンは、現在レベリング最効率コンテンツですので、もっとも混雑するのはディープダンジョンだと考えています。

──基調講演で、侍の装備はモンクの装備と兼用(ストライカー枠?)と発言がありましたが、赤魔道士の装備はどのジョブと兼用になるのか教えていただけないでしょうか?

吉田 もう引っ張る意味もあまりないのでお答えしますが、赤魔道士はキャスターと同じINT枠です。赤魔道士をプレイする予定の方は、キャスター装備を集めておくと、円滑にスタートダッシュできると思います(笑)。

──侍の閃について、雪、月、花という3つの閃の状態を操って、くり出す技を変更するとのことですが、これはモンクの“型”のようなイメージなのでしょうか? もしくは、忍者の“忍術”に近い要素なのでしょうか?

吉田 いいえ、“閃”はいずれとも異なる独自のシステムです。どちらかと言えばモンクの型にやや近く、忍者の印とはまったく異なる遊びになります。

 メールインタビューはここまで。ラスベガス、東京、そしてフランクフルトと、ファンフェスでの情報公開によって、こちらは聞きたいことが山ほどある状態。正直なところ、新ジョブについてはすべて「ノーコメント」を食らう覚悟だったが、思わぬ新情報を得ることができた。ファミ通では、今後もさまざまな形で『紅蓮のリベレーター』を追っていく予定だ。