Zedの手足でZedを殴る地獄道中にようこそ
サンフランシスコで開催中の、ゲーム開発者向けの国際カンファレンス“ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス”。同イベントには世界中からメディア関係者が集まることもあり、例年たくさんのプレスイベントが平行して行われる。
というわけでOculus VRが主催したプレスイベントで、Tripwire Interactiveの『Killing Floor: Incursion』を遊んできたのでご紹介しよう。実は昨年10月に行われた“Oculus Connect 3”でもデモを体験したのだが、数カ月の間にさらにパワーアップしていた!
『Killing Floor: Incursion』は、同スタジオの人気ホラーFPS『Killing Floor』シリーズからのVRスピンオフ。PC用VRヘッドマウントディスプレイOculus RiftとモーションコントローラーTouchの対応タイトルで、ゲーム内容としては、VRで没入しながらゾンビ的なクリーチャー“Zed”を倒し、その都度課せられるミッションを達成していく、一種の一人称視点FPSアドベンチャーとなっている。
古屋敷でZedに襲われたOculus Connect 3版デモとは異なり、今回は何かオカルトじみた秘密が隠されているらしい地下施設が舞台。内部はいくつかのゾーンに分かれていて、Zedの襲撃の合間に、カギとなる頭蓋骨を探してきて指定の場所にセットしたり、特殊ライトを当てた時だけ発見できるエネルギー塊を破壊するといったアドベンチャー的なミッションが挟まってきて、“進む→Zed襲撃→進む→行き止まりで謎解き→進む→Zed襲撃……”といった感じに進んで行き、最深部ではボス戦も用意されている。
シングルプレイと2人Co-op(協力)プレイに対応しており、今回はスタッフとのCo-opでのプレイ。ハイエンドなVR対応ゲーミングPCとVRヘッドマウントディスプレイと専用コントローラーが必要なタイトルで、さらにCo-op相手を見つけるというのはなかなか大変だと思うが、そのメリットはあると思う(投資額に見合うかはともかくとして)。
というのも、Riftのマイクを通じてのボイスチャットが可能で、ゲーム的には「俺ゲート開けてくるわ」とか「後ろいるから気をつけろ!」なんて言いながら協力できるし、複数人いればお互いに背中を守り合うこともできる。コミュニケーション的にも、ジョークを飛ばしたり、ツッコミを入れたりできて、なにより画面から目を逸らしても恐怖から逃げようがないVRという環境で、生きている人間と会話できるのが大きい。
装備は二丁拳銃+懐中電灯(手持ちと胸掛けが出来、ボタンで特殊ライトに切り替え)に加えて、今回は新たに両手武器としてショットガンと消化斧が登場。どちらも片手持ちは可能だが、ショットガンはポンプアクション方式で、発砲後にはもう片方の手も使ってリロードする必要がある。
そしてさらに、元々『Killing Floor』シリーズ自体が切り株表現(首や四肢の切断表現)に異常に力を入れたタイトルなので想像がつく人もいるかもしれないが、プレイヤーの攻撃によってZedの首や手足がポンポン取れまくり、それを掴んで武器にできるという技が存在する(しかも完全にジョークなわけではなく、たまに出てくる剣をくくりつけたZedの腕は結構な強武器)。もちろんハンドコントローラーを使って自分の手でブンブン振っているので、本当にプルプルしてるZedの手足で殴りつけている感じがしてきて、悪趣味具合はなかなかのレベルだ。……記者は大好物だし、相棒役のスタッフと終始ゲラゲラ笑いながら遊んだが。
そんな感じにプレイ環境も遊ぶ人も選びまくるタイトルだが、IPとしての基礎もやることもまとまっている分、アトラクション的にガッツリ没入して遊べる感じのタイトルだと感じた。面は4種類あり、プレイ時間の合計は「4~6時間」とのこと。発売は2017年中となっている。