ディレクターがセッションの意義を説明
ライアットゲームズでは、PC用オンライン対戦ゲーム『League of Legends』の日本プロリーグ“League of Legends Japan league”に参加するチームを対象とした選手育成プログラム“Player Training Session”を展開中。その3回目となるセッションが、2017年2月25日に都内で実施された。その様子をリポートする。
今回のセッションには、Rampage、7th heaven、DetonatioN FocusMe、Rascal Jester、SCARZ、Unsold Stuff Gamingの6チームが参加。韓国人のメンバーがいるチームは、通訳スタッフも同席しての受講となったが、日本・韓国問わず、どの選手も真剣な表情でプログラムに挑んでいた。
セッションではまず、ライアットゲームズでディレクターを務める齋藤亮介氏氏が登壇。最近の日本チームの躍進に触れたのち、とはいえまだまだ課題がある点を指摘した。
齋藤氏が挙げた課題はふたつ。ひとつは“eSportsの歴史からくるコーチ・スタッフの充実度”、もうひとつは“言語・文化を超えたチームワークの充実”だ。重ねて齋藤氏は、外国人が多く所属していながら強化に成功したラグビー日本代表のケースを例として、チームの意思統一の重要性をも説明。
「我々も、課題はありながらも逆境を跳ね返すことは可能だと思います。そのカギとなるのは、目標を目指してチームが一体となっていくことです。そのためにも、こうしたセッションを設定しています」と、セッションの意義を語った。
ゲストの講義はミニゲームからスタート
続いてステージに登場したのは、本日のゲスト講師である、元アメリカンフットボール日本代表コーチ・松場俊夫氏。松場氏はまず、今回のセッションのゴールとして、“チームの現状理解”と“理想のチームを描く”というふたつのポイントを提示し、これから実施するプログラム内容を紹介した。
その後に行われたのは、“Helium Ling”という、いわばフラフープを用いてのミニゲームだ。これはチーム対抗で、フラフープをメンバー全員で持ち運んでタイムを競うという内容。具体的には、全員が指先1本だけでフラフープを持ち上げ、すぐ近くにあるイスをくぐらせて置くという単純なゲームだが、メンバーの指がひとりでも離れるとやり直しというルールもあり、各チームともなかなかクリアーできなかった。
各チームが苦戦している状況を見て、松場氏はいちど中止し、ミーティングタイムを設定することに。各チームが作戦を練ったあとにゲームを再開したところ、こんどは成功するチームが続出。その後はディスカッションとなり、「何が悪くて、どう修正したらクリアーできたのか？」というテーマで、チームごとの見解が発表された。
各チームのプレイを見て、そして分析を聞いて、最後に松場氏が統括を語った。ここで強調されたキーワードは、“共通目的”、“協働意思”、“コミュニケーション”。
“共通目的”ではサッカー日本代表の元監督の岡田氏、“協働意思”ではラグビー日本代表の元監督のエディー氏、“コミュニケーション”では青山学院大学の陸上部を率いる原監督の、それぞれ名言を紹介。そうした事例にならえば、チームはまだまだ強化できることがアピールされた。
サッカー日本代表 元監督・岡田氏
高すぎず低すぎない目標をとよく言われますが、大事なのは、“その目標を全員が本気で目指すこと”。
ラグビー日本代表 元監督・エディー氏
選手は一人ひとり、違った個性を持つ。すべての選手のことを深くすることは、チーム作りをする上で欠かせない。
青山学院大学 陸上部監督・原氏
目標管理ミーティングでは、ランダムに編成した6人グループごとに、一人ずつメンバーが自分の目標を発表してから議論する。
「その目標は意識が低すぎるだろう」とか、けっこう激しい議論も学生同士の間で行われる。
後半はチームごとにプログラムに挑戦
松場氏の講演でセッションはひと段落となり、ここで全体プログラムは終了。インターバルを挟んで各チームが移動し、続いては各チームごとに分かれてのワークショップが実施された。
この後半のチームプログラムでは、各チームにひとり講師がつく形で、さまざまなカリキュラムを進行。チーム名が書かれた紙を床に置いて、自分がチーム内でどの位置にいるのかを実際に立ち位置で示したり、ふたりひと組となってお互いにインタビューをするなどといった、ユニークなプログラムの数々を、参加メンバーも楽しそうにこなしていき、無事にセッションは終了となった。
（2017/2/27 21：50 チーム名の誤りを修正しました）
