『文豪とアルケミスト』キャスティングも声優どうしの関係性重視! イシイジロウ氏&谷口Pロングインタビュー【後編】

DMM GAMESにてサービス中のPCブラウザゲーム『文豪とアルケミスト』のキーマンにインタビュー! 全3回でその魅力に迫る、後編をお届け。

●メディアミックスは「募集中です」

 DMM GAMESよりサービス中のPCブラウザゲーム『文豪とアルケミスト』(『文アル』)に注目している記者が、そのおもしろさの理由を探るべくキーマンに直撃! 3日連続で掲載している『文豪とアルケミスト』プロデューサー・谷口晃平氏(DMM.comラボ)&世界観監修・イシイジロウ氏のロングインタビュー、後編をお届けする。

▲DMM.comラボ『文豪とアルケミスト』プロデューサー 谷口晃平氏(写真左、文中は谷口)、『文豪とアルケミスト』世界観監修 イシイジロウ氏(写真右、文中はイシイ)

 後編では、キャスティングや音楽面でのこだわりから攻略のコツ、さらには今後の展開をインタビュー。前編、中編と併せて熟読していただきたい。

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●キャスティングや音楽にもこだわり満載

――『文アル』の主役といえば、個性豊かな文豪たちですね。キャラクターデザインでのこだわりをお聞かせいただけますか?
谷口 キャラクターデザイン自体は、イラストレーターひとりと、ディレクター3人くらいで作っています。文豪はみんな本を持っていますが、その本もなるべくその文豪が実際に書いた本を持たせていますね。ユーザーさんも“この本は何年発行の何々だ”と調べてくださっていますが。

――どういうイメージから具体的なデザインに落とし込んでいくのでしょうか?
谷口 細かいディテールに関してはその文豪のモチーフ的なものになっていますが、髪型はイメージですね(笑)。
イシイ 文豪が書いた作品のディテールも入れていますよね。柄とか。
谷口 そうですね。小物や服の模様に反映されています。
イシイ それから、和服だと侍っぽくなってしまうので、いかに侍ではない和服のイケメンキャラを作るのかというところは模索しました。あとは、近代なので和洋折衷ですね。

▲尾崎紅葉(声:緑川光)

▲幸田露伴(声:子安武人)

――ノイジークロークの坂本英城さんが手掛けられた音楽もすばらしいですよね。1月に配信された“ニコニコワークショップ”の『文アル』パート(タイムシフト視聴はこちら)では、谷口さんから“近代風だけど、パリにならないように”というオーダーがあったというお話がありました。
谷口 近代をイメージしたらパリ風になってしまったので(笑)、どうしたらパリではなく明治になるのか、坂本さんに提案していただきました。

――そもそも、坂本さんを起用されたきっかけというのは?
谷口 イシイさんのご紹介です。
イシイ じつは坂本さんの奥様が、DMM GAMESさんのゲームの大変ファンでして(笑)。その話を聞いていたので、“このタイトル、坂本さんなら奥さんのバックアップもあって相当気合を入れてくれるな”とイメージしていたんですよね(笑)。それから坂本さんの和風の音楽を谷口さんに聞いていただき、「もし気に入っていただけるのであれば、坂本さんは相当気合を入れてこの作品をやるはずだ」とお話しました。女性に動かされて男性が作っているタイトルなんですよ、『文豪とアルケミスト』は(笑)。

――出来上がった音楽を聞いて、いかがでしたか?
谷口 震えましたよね(笑)。“スゴいのがきた!”と。

――音楽が『文アル』の世界観をダメ押ししているようにも思えます。
イシイ PCブラウザゲームは、ほかに何かをしていてもずっと音楽がかかっているので、絶対に聞き飽きない、女性が落ち着ける音楽にしてほしいとお願いしました。だから、プレイしていただけるなら音楽をオフにされたくないですね!

――すばらしい音楽に声優さんのボイスが乗ることで、『文アル』の世界がさらに強固になっていますね。声優さんのキャスティングはどういう基準で行われたのですか?
谷口 イメージと関係性ですね。“このふたりの掛け合いが見たいな”と。
イシイ 実際に仲のいい方どうしを合わせたりしましたね。
谷口 そうですね。太宰の中村悠一さんと安吾の杉田智和さん、武者小路実篤のKENNさんと、志賀直哉の前野智昭さんですとか。あとはイメージですね。芥川の諏訪部さんは最初に決まりました。僕が「芥川は諏訪部さんがいい」と言って(笑)。

▲志賀直哉(声:前野智昭)

▲武者小路実篤(声:KENN)

――お話をうかがっていると、谷口さんは女子の好きなものをかなり肌で熟知してらっしゃるような……。
谷口 そうなんですよ(笑)。昔から女性の好きなもののほうが好きでした。マンガも少女マンガのほうが好きです。
イシイ 文学好きの男子はそうですよね。
谷口 最近も女性作家の小説ばかり読んでいます。

――『文アル』の“カユいところに手が届く”仕様は、谷口さんの感性のたまものなのでしょうか。
イシイ 声優さんもお任せでしたね。キャスティングに関しても、「小さくまとまらず、自信を持ってお願いしたい声優さんにすべてオファーしてください」と言いました。断られてしまったらそれでいいじゃないですか、やりましょうよ、と。
谷口 最初、いわゆる人気声優さんは10人くらいで計画していたのですが、イシイさんから「全員人気声優さんで行ってください」と(笑)。10人くらいに絞ろうと考えていた理由として、『文アル』は掛け合いが多いので、個性の強い方だと違和感が出るんじゃないかという懸念がありました。ですが、実際に収録してみると文豪もみんな濃い人たちなので、声優さんの濃い個性のぶつかり合いも問題なく、むしろおもしろかったです(笑)。

――収録の際はいかがでしたか。
谷口 けっこうノリノリでやってくださる声優さんが多かったですね。こちらが“こうしてください”と言う以上の演技をしてくれた感触があります。
イシイ 文豪系はまだそんなにキャラクターが出ていないですしね。NHKの大河ドラマなどもそうですが、アニメでも“今度の織田信長はどの役者さんがやるんだ”というところが、文豪もこれから楽しみになっていくと思うんですよ。『文豪とアルケミスト』以外にももっといろいろな作品に文豪が出てきて、ファンの方が“今度の太宰は誰々がやるらしい”と盛り上がったり、声優さんが“一度芥川龍之介をやってみたい!”と思えるようになってほしいなという想いもありました。

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