有名プレイヤーたちの白熱バトル

 任天堂の新ハードNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)と同時発売(2017年3月3日)となるローンチタイトル『ぷよぷよテトリスS』。そのプロモーションビデオが、2017年2月23日に公式HPなどで公開された。気になる内容はというと、『ぷよぷよ』と『テトリス』の有名プレイヤーが一堂に会してeスポーツ風にバトルをくり広げるといった内容で、PVは2月某日に都内のスタジオで収録された。その収録現場にお邪魔する機会があったので、収録時の模様と出演プレイヤーやクリエイターのコメントも交えてリポートしよう。

 まずはプロモーションビデオをご覧あれ。

『ぷよぷよテトリスS』発売記念カップ映像ページ

 PV収録に参加してくれたプレイヤーは、以下の9名。青・赤、2チームに分かれて戦うという設定だ。なお、もう1名プレイヤーが出演し、計10名の予定だったが、残念ながら都合により参加できず、9名での収録となった。

◇出演プレイヤー

青チーム

・Kamestry(男性/“Red Bull 5G 2014”西軍 FINALIST )
・もこう(男性/セガフェス“セガ公式『ぷよぷよ』最強プレイヤー決定戦”8位、実況プレイヤー)
・くまちょむ(男性/“Red Bull 5G 2016”西軍 FINALIST)
・ いーちゃん(女性/“eスポーツMaX(TOKYO MX)”『いいすぽ!(フジテレビ ONE)』出演 JKぷよぷよプレイヤー)
・あめみやたいよう(男性/“Red Bull 5G 2016”東軍 FINALIST)

赤チーム

・Tema(女性/セガフェス“セガ公式『ぷよぷよ』最強プレイヤー決定戦”3位)
・Live(男性/セガフェス“セガ公式『ぷよぷよ』最強プレイヤー決定戦”優勝)
・HBM(男性/“Red Bull 5G 2016”西軍 FINALIST、“Tetris Tournament OnlineIII”全世界1位)
・Tom(男性/“Red Bull 5G 2016”東軍 FINALIST)

『ぷよぷよテトリスS』のPVを公開! トッププレイヤーが集結した収録現場にお邪魔してきました!_01
▲PV収録前にポーズを決める面々。左から、Kamestry、もこう、くまちょむ、いーちゃん、あめみやたいよう(青チーム)、Tema、Live、HBM、Tom(赤チーム)。

 PV収録は1日がかりだったが、実際のバトル部分は午後の遅めから夜にかけて。そのため昼間の控室では、各プレイヤーが野試合という形で、練習を兼ねて対戦。Nintendo Switchに初めて触れるプレイヤーがほとんどだったようで、操作感覚をチェックしていた。

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▲PV収録前に、『ぷよぷよテトリスS』をプレイする出演者たち。

プレイヤーが語る『ぷよテト』の魅力

 PV収録前に、各チームの代表的なプレイヤーからコメントをもらうことができたので、以下にまとめて紹介しよう。インタビューに応じてくれたのは、赤チームがTOMさんとHBMさん、青チームがくまちょむさんとあめみやたいようさんだ。レベルアップを目指すユーザーにとっては、いろいろと参考になる部分もあるのではないだろうか。

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▲赤チームの代表は、TOMさん(左)とHBMさん(右)。
▲青チームは、くまちょむさん(左)と、あめみやたいようさん(右)がコメント。

――まずは自己紹介と、『ぷよぷよ』と『テトリス』、どちらが上手かを教えてください。

TOM TOMです。得意なゲームは『ぷよぷよ』になります。『ぷよぷよ』はもう20年以上もプレイしてきているので、腕に自信があります。

HBM HBMです。おもに『テトリス』をプレイしています。

くまちょむ くまちょむといいます。得意なゲームは『ぷよぷよ』です。

あめみや プレイヤーネームはあめみやたいようです。得意なゲームは『テトリス』です。

――いつから『ぷよぷよ』、もしくは『テトリス』をプレイしていますか? 遊んだタイトルや、プレイ年数を教えてください。

TOM 『ぷよぷよ』を始めたきっかけですが、3歳のときのクリスマスに、スーパーファミコンの『ぷよぷよ』をもらって遊んでみたところ、すごくおもしろかったという記憶があるんです。それからは本当に四六時中プレイしてまして、そこから月日が経ち、プレイ歴はもう24年くらいでしょうか。いまでも最新作の『ぷよぷよテトリス』や『ぷよぷよクロニクル』などをずっとやり続けるまでに、ハマってしまいました。

HBM 私が『テトリス』を始めたのは、小学生の高学年くらいです。最初はキーホルダー型の『テトリス』や、ゲームボーイアドバンスの『テトリスワールド』などから入って、そのあとはゲームボーイの数百万本売れたモンスタータイトル『テトリスDS』から、最新作の『ぷよぷよテトリス』に至るまで、いろいろな『テトリス』をプレイしています。最近では、アメリカで発売されたNES版『テトリス』や、まだ自分がやり込めてないと思っている数10年前の『セガテトリス』など、そういったものにも手を出しています。アーケードに携帯機、そしてコンシューマーの据え置き機と、機種にこだわらず、いろいろとプレイしていますね。

くまちょむ 『ぷよぷよ』は初代『ぷよぷよ』のころから、ずっと遊んでいます。プレイ歴としては23~24年くらいでしょうか。家にあったパソコンで、フロッピーディスクで初代『ぷよぷよ』をキーボードでプレイしたのがきっかけです。同じころにボウリング場などで、初代『ぷよぷよ』のアーケードゲームが置いてあったので、それも同時にやっていました。

あめみや 自分は『ぷよぷよテトリス』が発売されてからなので、『テトリス』歴はだいたい2年半くらいですかね。単純におもしろそうだからと思って、プレイを始めました。

――つぎは『ぷよぷよテトリス』に関してお聞きします。『ぷよぷよテトリス』の好きなところ、おもしろいと思うところを教えていただければと思います。

TOM 好きなところは、いままでの『ぷよぷよ』シリーズとは違う、『テトリス』特有のキャラクターがたくさん出てきたところです。いままでの『ぷよぷよ』だと、『魔導物語』や『ぷよぷよフィーバー』のキャラクターが中心となってストーリーが進んできたのですが、そこに『テトリス』側のエスやアイといったキャラクターが登場して、『ぷよぷよ』のキャラクターたちといっしょに盛り上げているという構図がとても好きです。

HBM 『ぷよぷよ』と『テトリス』がミックスされたゲームになっていて、非常に斬新なおもしろいゲームだと思います。『ぷよぷよ』の要素もうまく取り入れつつ、『テトリス』の要素も活かしていて、非常に調和のとれたゲームだと感じました。

くまちょむ 僕はもともとパズルゲームはあまり得意なほうではなかったんですけど、『ぷよぷよ』では、4つ以上つなげて消すというルールが爽快感があって非常におもしろく、その魅力に魅かれてだんだんハマっていきました。『ぷよぷよテトリス』も同じだと思いますが、おもしろいところは、“やりかたがひと通りではない”ということ。年を重ねるにつれて、“いろいろなやりかたで攻略できる”という部分がおもしろいと感じるようになってきました。

あめみや とくに『テトリス』では、いろいろな“回転入れ”という要素があるんです。ピッタリとそれをハメれるときの気持ちよさというのが、まず魅力としてありますね。具体的には“Tスピン”という技術があるんですけど、それを使って楽しめるのが、好きなところです。

――『ぷよぷよ』もしくは『テトリス』で、うまくなるコツがあれば、教えてもらえればと思います。

TOM 『ぷよぷよ』がうまくなるコツは、とにかく練習することです。いかにして自分が持っている時間を『ぷよぷよ』に注ぎ込めるかということがとても肝心で、その過程でいろいろと失うものがたくさん出てくるんですけれども(笑)。そこで立ち止まらずに、なおも『ぷよぷよ』に身を捧げ続け、その壁を打ち破った人だけがトッププレイヤーとして存在するわけです。

HBM 今回の『ぷよぷよテトリスS』ですと、リプレイ機能がついているんですね。このリプレイ機能を使って、自分がやってみて「ダメだった」と思うようなところを探して、そこがなぜダメだったのかということを考える。たとえば、ブロックをここじゃなくて、「もっといいところに置けたんじゃないか?」ですとか、そういうふうに考えてみることが大事だと思います。

くまちょむ 基本はやっぱり楽しくやることと、しっかり考えてやることと、気の合う仲間といっしょに高みを目指していくというところだと思います。ただ練習するだけじゃなくて、ちゃんと研究もしていきましょう。

あめみや 『テトリス』がうまくなるコツはやっぱり、ひたすらやり続けることと、あとはモチベーションを保つこと。同じくらいの実力の人とまず戦い、そこからどんどん上達していったら、また少し上の人と戦うような感じのくり返しです。僕もそうやってモチベーションを保っています。

――今回、PV出演のオファーを受けてみて、いかがでしたか?

TOM とても光栄だと思っていますね。公式のPVに、そのゲームのプレイヤーがこれだけ多く出演させてもらえるというのは、画期的なことだと思っています。有名な人たちが協力してこうしたPVを作れたということは、とてもうれしく思っています。

HBM 正直、最初に連絡が来たときは驚きましたが、そのあとにじっくり話を聞いてみて納得しました。いままでこんなにたくさんのプレイヤーが出るようなPVはなかったと思いますし、完成がとても楽しみです。

くまちょむ 率直な感想としては、PV収録にあたってとりあえずNintendo Switchにいち早く触らしてもらえたというところが、非常に楽しかったですし、やりがいを持ってプレイをさせていただきました。

あめみや 素直に、うれしかったです。こういったお話は、これからもどんどん誘ってほしいくらいです。

――好きなキャラクターがありましたら、お教えください。

TOM 私が好きなキャラクターは、ふたりいます。まず『ぷよぷよ』サイドでいうと、シグという虫が大好きな少年で、彼はとてもぼんやりした性格ゆえに周りに大混乱を巻き起こしてしまうようなキャラクターなのですが、そういった突飛な言動というか、そういうところがとても好きですね。『テトリス』側でいうと、エスというキャラクター。こちらは女の子なんですが、あまりいままで『ぷよぷよ』にいなかったような、ちょっと大人びたようなキャラクターです。『テトリス』側で新しい要素を持つキャラクターが出てくるということが、すごくうれしかったですね。

HBM 『ぷよぷよ』側ではドラコケンタウロスです。好きな理由としては、昔から『ぷよぷよ』をプレイしていて、とても魅力的なキャラクターだったという部分が大きいです。最近の『ぷよぷよテトリス』などでは、あまり重要な位置を占めるようなキャラクターではなくなってしまったのがちょっと残念ですが、これからの新作では、また活躍してくれることを願っています。『テトリス』側では、ティというキャラクターが、『テトリス』王者という地位や役割が自分とけっこう似ているなと思っていて、プレイしていても自分と重なるようでけっこう楽しかったりします。

くまちょむ 好きなキャラはアミティです。理由は、連鎖を組みやすくて試合回数をこなせますから。あとは細かい話でいうと、キャラクター選択画面でデフォルトでカーソルが合っているので手軽ですし、そういう理由もあってアミティをずっと使っています。

あめみや ジェイ&エルというキャラクターが好きです。とくに好きな理由もないのですが、ただ単純にキャラクターを固定したいという理由で選びました。それとやっぱり、さきほどくまちょむさんの話にもありましたが、デフォルトのボタン連打ですぐにキャラクター選択できるので、余計なことを考えずに対戦に入り込めます。それがいちばん大きいかなという感じです。

――Nintendo Switchでプレイされてみての印象はいかがでしょうか?

TOM テーブルモードの小さい画面で遊んでみたのですが、「すごく画面がキレイだな」というのが第一印象でした。いままで任天堂さんの携帯ゲーム機はほとんど持っているんですけれども、たとえば最近のニンテンドー3DSにしても、そこはあくまで携帯ゲーム機としての画質だった気がします。今回のNintendo Switchのテーブルモードは、携帯ゲーム機的な遊びかたもできるのかなと思っていまして、その点でもものすごく画質がよかったので、これまでよりもひとつ進化したゲーム機なのではないか……と、直感的に思いました。

HBM Nintendo Switchのおもしろいところは、コントローラーが切り離せるだけじゃなくて、それぞれ左右のコントローラーに4つのボタンが付いているんですね。それぞれ4つというのは、ワンダースワンというゲーム機と同じ構造です。ワンダースワンだと縦持ちや横持ちでゲームを遊べましたけれども、Nintendo Switchでもボタンをうまく使った、画面を回転させて遊ぶようなゲームが出てくるんじゃないかと期待しています。従来とは異なるような縦画面のゲームも、もっと広く出てくるんじゃないかと思います。

くまちょむ 『ぷよぷよテトリスS』のゲームシステムは、プレイステーション4などと同じだったんですけど、コントローラー自体がプレイステーション系やWii系とは違い、またコントローラーの振動もあったりなどで、ちょっと戸惑うところもありました。ただそこが、今後やり込む要素に変わっていくでしょうし、やり続けたいと思いました。プレイ中の振動のバリエーションが微妙に違うのも、凝っていますよね。

あめみや コントローラーがやっぱりちょっと小さめで、操作が難しかった印象がありましたね。そこに今後は慣れていきたいし、慣れればべつに問題はないと思います。

――では最後になりますが、今後の『ぷよぷよテトリス』に期待すること、プレイヤーとしての目標などがありましたら教えていただければと思います。

TOM 今回Nintendo Switchで出る『ぷよぷよテトリスS』は、海外でのリリースも控えているということなので、いままで日本の中でしかコミュニティーが成長してこなかったわけですが、これからは『ぷよぷよ』コミュニティーが海外でもどんどん広がり、グローバルな交流が始まることをいちばん期待しています。今後は自分自身でも、日本の中だけじゃなくて、世界的な目線で『ぷよぷよ』をアピールする活動をしていけたらいいなと考えています。

HBM 『テトリス』はもともと世界で、ロシアで生まれたゲームで、もちろん世界中で有名なゲームなのですが、日本でも広まっています。それが『ぷよぷよ』とミックスされ、『ぷよぷよ』と『テトリス』が両方楽しめるということで、全世界で楽しめるゲームになっていると思います。このゲームで、いままでプレイしていなかった層も『テトリス』に興味を持つようになって、さらに『ぷよぷよ』ファンと交流をするなど、プレイヤーが相乗効果で増えていくようなことがあればいいなと思っています。

くまちょむ このシリーズは台湾でも発売されて、そのあとも順次世界的にリリースされていくという話も伺っていますので、世界的に普及して、世界大会が開かれることを望んでいます。

あめみや やっぱり現状、自分に敵がいないので(笑)、世界の強豪と戦えることにちょっと期待しています。

大会さながらにステージでの対戦を収録

 対戦パートの収録は、実際の大会さながらに、2チームのメンバーがステージで対戦する姿を撮影する形で行われた。ちなみに対戦の組み合わせと使用モードは以下のとおり。

1 いーちゃん&Kamestry 対 Live&HBM(スワップ)
2 もこう 対 Tema(ミックス)
3 くまちょむ 対 Tom(VS、ぷよぷよ)
4 あめみやたいよう 対 HBM(VS、テトリス)
5 あめみやたいよう&Kamestry 対 Tom&HBM(VS)

 レギュレーションは、全5試合でそれぞれの勝利チームにはポイントが与えられ、最終的にポイントが多いチームが勝者になるというもの。対戦結果は、1試合目:赤、2試合目:青、3試合目:赤、4試合目:青、5試合目:青で、青チームの勝利となった。ちなみにオチ的に、最後の5試合目は勝利チームが24ポイント獲得というルールだったが、4試合まで2-2の同点だったため、残念ながら「ラストで大逆転!」という流れにはならなかった。
 収録とはいえ、プレイヤーの表情は真剣そのもの。まるでタイトルがかかった公式大会のような熱戦の連続で、大いに盛り上がったなか、収録は無事に終了となった。

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▲収録現場となる広いステージでは、バトルの模様がスクリーンで映し出されていた。
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▲『ぷよぷよ』シリーズ総合プロデューサーの細山田水紀氏(左)が、試合の展開を解説。
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▲各プレイヤーとも、いざ試合が始まると表情が一変し、プレイに神経を集中。
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▲複数の設置カメラのほか、ハンディカメラも使用され、プレイヤーの表情をアップで撮影していた。
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▲勝敗決定の瞬間には、ライティングでステージを派手に演出。
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PVについてプロデューサー細山田水紀氏と片野徹氏からメッセージが!

 収録当日には、『ぷよぷよ』シリーズ総合プロデューサーの細山田水紀氏と、『ぷよぷよテトリスS』プロデューサーの片野徹氏もスタジオを訪問し、収録を視察。ちなみに前述したように、細山田氏は解説役として出演もこなしていた。
 なお収録の合間に、おふたりから今回のPVについてコメントをいただくことができた。リポートの締めくくりとして、最後にその内容を紹介しよう。 

――今回のPVはeスポーツ風というコンセプトのようですが、そこについての意図などをお聞かせください。

片野 『ぷよぷよテトリス』自体は、もちろんひとりで遊んでも楽しいゲームですが、今回Switchで出すにあたっては、携帯モードやテーブルモードといったモードも増えるので、お友だちやご家族といっしょに対戦をするようなシーンを想定しながら作っていたところもあり、対戦という部分にはすごくスポットを当てたかったんですよ。『ぷよぷよテトリス』の有名プレイヤーの方々が、あちらこちらで活躍されており、実際にRed Bull 5Gなどの大会が盛り上がっているという背景もありますので、ぜひそういった臨場感のようなものを楽しんでいただけるようなPVを作れたらなという思いから、そういった内容のPVを企画させていただいたという感じです。

細山田 そもそも『ぷよぷよテトリス』シリーズ自体がもう7機種目なのですが、『ぷよぷよテトリスS』という形でNintendo Switchにも移植しようとしたのは、もともとそういう「広げていこう」という流れがあったからです。海外に向けても、「作ろう」という話で、プレイステーション4やNintendo Switchがメインになって展開していくことになります。3年前に発売したタイトルがこういう形で、Red BullさんとかeスポーツMaXさんとか、セガじゃないところでどんどん広がりを見せているのは、とてもいいことかなと感じています。闘会議でも、また採用されたりもしていますしね。僕らとしては、セガ単体ではなかなかできないことも、他社さんなど外部のイベントで実現できるとうれしいですし、そういった遊びかたのご提案をPVで見せられればいいかなと思って、プレイヤーのみなさんにもご協力いただきました。

片野 キーワードとしては確かに、“世界”ということがありますね。今年は本当に、世界でも『ぷよぷよテトリス』を発売していく計画がありますので、そこで日本と海外のユーザーとの対戦も、おそらく出てくるでしょう。そのなかで、日本のプレイヤーは、やはり長年切磋琢磨してきたというところもあり、レベルは高いと思うんですよ。そのレベルの高さといったところも、このPVを通して表現できたらいいなと思いますし、すごく期待しています。

――今回のPVには、『ぷよぷよ』や『テトリス』の有名プレイヤーさんが集まりました。個人的に注目している方などはいらっしゃいますか?

細山田 TomさんはRed Bull 5Gで、『ぷよぷよ』部門で勝ってきていますし、Liveさんはセガフェスで優勝しているんですね。『テトリス』でいうと、あめみやたいようさんが優勝チームのひとりで、その相手方がHBMさんだったりもします。『ぷよぷよ』も『テトリス』も、それぞれ長年やってきた人もいますし、『ぷよぷよテトリス』から始めたっていう人もいます。あめみや君なんかは、まさにそんな感じですよね。いーちゃんさんは高校生で、まだ若手のプレイヤーさんですけど、けっこう強いですし、最近メキメキとレベルアップしています。PVでは、そのあたりがけっこう見どころになるのではと思っています。今回のメンバーでは、いちばん年齢が上で37歳、下は17歳くらいで、かなり世代の広いところがあり、この差もちょっとおもしろいですね。収録まえでの印象ですが、若手の子がひと回りくらい違う上の人をボコボコにするような可能性も、わりとあるのかなとは思っています。

片野 『テトリス』などもそうだと思うんですが、『ぷよぷよ』は昔から、やはり女性のユーザーの方が多いタイトルです。今回も、本当に上手な有名プレイヤーの方として、女子の方にも来ていただいていますが、これからさらにそういうユーザー層を広げていくためにも、今後もぜひ活躍していただきたいと思っています。

――最新作ではやはり対戦、とくに“全世界パズルリーグ”といったモードが、ウリの部分になるのでしょうか?

片野 そうですね。まあ海外での発売は後日という形にはなってしまいますが、世界のプレイヤーとの対戦というところは注目要素ですし、ユーザーの方々にもぜひ体験していただきたいところですので、そのあたりは期待していただきたいなと思います。

細山田 『ぷよぷよ』自体も、この『ぷよぷよテトリスS』が久しぶりの海外展開になります。その前だと『ぷよぷよフィーバー』あたりになっちゃうので、だいぶ前ですよね。いまは専用にチーム内、部署内で移植作業をしていまして、それが世界仕様になるといった感じです。とはいえまだ完成していないので、けっこうたいへんなところもあるとは思うんですけど、鋭意制作中です。

――PVも公開となりました。最後に発売を心待ちにしているファンに、ひと言ずつメッセージをいただければと思います。

片野 Nintendo Switchというハードは、ご家族みんなで楽しめて、そしてゲーマーの方々にもすごくフィットするハードウェアだと私は思っています。そういった意味で、今回の『ぷよぷよテトリスS』を、『ぷよぷよテトリス』の決定版として皆さまのお手元に届けられればといいなと思っていますので、ぜひプレイしていただければと思います。

細山田 『ぷよぷよテトリス』に関わってけっこう長いのですが、最初の4機種がたくさん売れて、プレイステーション4とXbox Oneも売れて、今度はNintendo Switchでも出すことになります。このまま『ぷよぷよ』も『テトリス』も、盛り上げていきたいなと思っています。あとは発売中の『ぷよぷよクロニクル』、さらに言うと『ぷよぷよ!!クエスト』など、ほかにもいっぱいあるんですけど、まとめて『ぷよぷよ』シリーズを楽しんでもらって、今後の展開に期待してもらえればいいかなと思います。配信番組のほうでもいろいろと展開していきますので、ぜひ『ぷよぷよ』に、また『テトリス』にも触れてみてください!

『ぷよぷよテトリスS』のPVを公開! トッププレイヤーが集結した収録現場にお邪魔してきました!_16
▲笑顔で取材に応じてくれた、片野氏(左)と細山田氏(右)。