2017年2月18日~2017年2月19日(現地時間)の2日間、ドイツ・フランクフルトで開催される『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)の大規模ファンイベント“FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2016 in Frankfurt”。初日に行われたステージイベント“開発パネル~The Art of Eorzea~”の模様をお届けする。

●アート制作の秘話をつぎつぎ披露!

 2017年2月18日から19日にかけて、ドイツ・フランクフルトで開催中の“FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2016 in Frankfurt”。初日のステージイベント“開発パネル~The Art of Eorzea~”では、吉田直樹プロデューサー兼ディレクターと、リードキャラクターコンセプトアーティストの茂木雄介氏が登壇。茂木氏がこれまでに手掛けたアートワークとともに、さまざまな制作秘話が語られた。

▲リードキャラクターコンセプトアーティストの茂木雄介氏。ちなみに、吉田氏が着ている侍の装備(衣装)は、茂木氏がデザインしたものだ。
▲『FF』チームに入る前は、『サガ』シリーズの制作に携わっていた茂木氏。『FF』チームに入り、こんなに大人数で作っているんだとカルチャーショックを受けたという。茂木氏は、「『サガ』チームに比べて、いろいろな人のチェックが必要になるので、たいへん」だと語った。
▲これまでに茂木氏が手掛けたアートワークがコチラ。さまざまなテイストのアート作品を手掛けている。

 アートワークの制作は、基本的にはプランナーやコンテンツチームなどによる現場からの発注からスタート。開発の最初の工程となるため、情報の食い違いがないように、いろいろと指示をもらいつつ制作している。また、吉田氏から直接、パブアートなどの発注が行われることもあるという。こちらは、キャラクターデザインができているものを、いかに宣伝用に描いてもらうかの発注を受け、制作に取り掛かるのだとか。

 ではどのようにメインアートが制作されていくのか? パッチ3.3で描かれた、エスティニアンのメインアートを例に挙げながら、その工程が紹介された。

▲まずは吉田氏からの発注内容を確認して、アートのイメージを固めるところからスタート。ちなみに吉田氏曰く、エスティニアンの色は青にするか赤にするかを悩んでいたが、本来の“竜を狩るもの”という意味から青色に決定したのだとか。
▲パッチ3.3のメインアートは、吉田氏と茂木氏のイメージの共有ができていたので、作業は早かったという。ラフの構図を決めて、なんと2日間で完成したとのこと。

 もちろん、すんなりと構図が決まることは稀。通常は複数のパターンのレイアウト案を描き、その中から吉田氏がオーケーを出したもので完成を目指す。茂木氏によると、レイアウト案は早いものだと10分も掛からないぐらいで完成するとのことで、これには思わず吉田氏も驚愕。「これからはバンバン頼んでもいい?(笑)」と茂木氏に詰め寄るシーンが見られた。

▲こちらはパッチ4.0で実装される“次元の狭間 オメガ”のラフ案。“ハイデリンという惑星に、外宇宙から得体の知れないものが飛来”という発注内容を受けて描かれた。最終的にはBのレイアウト案が採用されている。ちなみに、外宇宙からということで、『マスエフェクト』のリーパーをイメージしたのだとか。メカが好きという茂木氏は、興味を持って作業できたという。
▲こちらは“美神ラクシュミ”のラフ案。アニメチックなデザイン、リアル調なデザイン、『FF』らしいデザインの3パターンが候補として挙げられた。アニメチックなデザインは、3Dモデルにしたときのことを考慮し、最初にボツが出されたという。リアル調なデザインは、ラクシュミの表情がきつく、プレイヤーが出会う前に印象づけるのはよくないということで、最終的に『FF』らしいデザインのものが採用されている。

 そして話題は再びエスティニアンのメインアートへ。ラフの構図が決まると、ディティールを描き込み、完成形を目指していく。こうしてできあがったものが、さまざまな形でプレイヤーの目に入ることになるのだ。

▲ラフ画に少しずつ命が吹き込まれていく様子は圧巻! ちなみに、エスティニアンの鎧の傷は、竜を狩るためだけに生き、その戦いの中で残ったもの。パッチ3.3でその鎧を脱ぐという対比のために、傷を入れてくれという発注があったそうだ。
▲ロゴを入れて完成。ロゴとともに描かれている槍は、ニーズヘッグの槍にするか、それともゲイボルグにするか、何度もやり取りをしたという。最終的には、青の竜騎士をフューチャーし、ゲイボルグになった。

 これでメインアートが完成で作業は終了! と思いきや、じつはこれには後日談が……。当初、散々「エスティニアンの鎧は青」と確認して制作を進めたにも関わらず、「赤いエスティニアン、あったよね?」と吉田氏が尋ねて来たらしい。そのときの記憶を思い出し、赤いエスティニアンを描けるくらい鮮明に覚えているという吉田氏だったが、作業フォルダやプリントアウトの切れ端にも赤いエスティニアンは存在しない。当時、この吉田氏の記憶違いによる質問に、アートチームはとんでもなく困惑させられたと茂木氏が言って、吉田氏をからかい、会場を沸かせた。