驚きの雪上実車走行体験イベントも実施された発表イベントを開催
バンダイナムコエンターテインメント・ヨーロッパ(以下、BNEE)は2017年1月30日〜2月2日の期間、スウェーデンで新作発表イベント“LEVEL UP WINTER EDITION”を開催。有力デベロッパーと共に開発が進められている2017年発売の戦略タイトル群が発表される中で、全世界で大ヒットしたリアル・レーシング・シミュレーターの最新作となる『Project CARS 2(プロジェクトカーズ2)』の発売決定イベントが行われました。本稿では、驚きのアクティビティも実施された本作の発表&試遊イベントのリポートをお届けします。
『Project CARS 2』の発表に先立ち、雪上体験走行会を開催
海外で行われるこういった発表イベントと言えば、通常はアメリカやイギリス、フランスといった都市部で開催されることが多いところ、今回の開催地は、北欧のスカンジナビア半島にあるスウェーデン。なぜ、1月末〜2月頭という1年でもっとも寒い時期に、平均気温が氷点下という寒い地方でイベントが行われるのだろうと筆者は疑問に思いつつ、一路スウェーデンのストックホルムにあるアーランダ空港へやってきました。さらに、そこから現地の飛行機に乗り継いでさらに北上し、シベリアよりも緯度が高いアルヴィッツヤウルというところがイベント会場となっています。空港に到着した後、招待されたメディア陣一行といっしょにバスに乗りこみ、このまま発表会の会場へと連れて行かれるのかと思いきや、バスは大自然の山間の中にある小さなロッジに到着。
到着後に少し調べてみたところ、スウェーデンやフィンランドでは自動車メーカーが特別なドライビングスクールのようなイベントを行っており、今回連れてこられた場所はメルセデス・ベンツが主催する雪上ドライビング体験イベントの開催会場といった様子。ここでBNEEのアンドレ・パーソン氏が登場。「今日はここでみんなに、雪上路面でのドライビング体験をしていただきます」とあいさつが行われた後、我々メディア陣は3つのグループに分けられ、そのまま氷上に置かれているベンツの元へ集合。言われるがままにクルマを走らせることになりました。
指導教官が乗るクルマに付いて湖上を走ったところ、ジムカーナのようなショートコースに到着。追い抜きは絶対禁止、スタック(雪にタイヤが埋もれて走行不能状態になること)したらハザードを付けてレッカーが来るまで待機する、等といった基本ルールの説明を受けたら、後はフリー走行のスタートです。
BNEEの戦略的新作発表会ということで、スウェーデンまでやってきていきなりの雪上ドライビング体験ということでかなり驚かされましたが、1コース45分×3コースの走行を終えて感じたことは、「雪道の走行ってすごく楽しい♪」です。日本の積雪道だと道幅の問題もあり、またスタッドレスタイヤを履いていてもしっかりとしたグリップ感が得られにくいこともあって非常に恐い思いをしますが、ガードレールや壁などの障害物がないコースで、なおかつしっかりと雪面をグリップしてくれるスパイクタイヤの効果も相まっての走行は快適そのもの。
さらに、低速ながらコーナーの進入できっかけを与えてあげれば、簡単にドリフト走行が楽しめるんです。オーバースピードでコーナーに侵入すると、フロントタイヤもろとも滑ってしまい、俗に言う超ドアンダー(ハンドルを切ってもクルマが曲がらない)状態になりますが、コーナー手前でフロントタイヤのグリップを残すように減速し、そのままターンインするとリアタイヤの加重が抜けて、ものすごく綺麗なドリフト状態に持ち込むことができます。そうなったら、後はスロットルコントロールでドリフト量を調整しながらコーナー出口を目指し、カウンターステア(コーナーの向きと逆にハンドルを切って、クルマのスライドを抑える行為)を当ててコーナーを立ち上がって駆け抜けていくだけで、(全体の速度は速くないですが)映画やゲームの世界で見てきた華麗なコーナリングの完成です。
この雪上ドライビング体験は、身体でクルマの状態を感じとりながら、スロットルでクルマの向きをコントロールするという、スポーツドライビングの基本的な動きを低速度域で安全に感じられるという、クルマの運転が好きな人なら絶対に楽しめるイベントと断言できます。スウェーデンに到着してから、まったく『Project CARS 2』に触れていませんが、あらためてクルマを運転する楽しさを思い知らされ、自分を含めたメディア陣は皆、テンションが上がりまくりのようです。
一通りの走行を終えてホテルに戻ってきたところで、いよいよ『Project CARS 2』のプレゼン開始です。同作のクリエイティブ・ディレクターを務めるアンディ・チューダー氏は、『Project CARS 2』のコンセプトは2015年5月リリース(日本国内は2016年6月発売)の前作でも好評を博していたリアル・ドライビング体験をさらに突き詰めた、“飽くなき本物の追求”であることをアピール。新搭載された“Live Track 3.0”によって、時間や季節の移り変わりによるコースコンディションの変化といったものが、現実の世界と同様に行われるという点が、とくに力強く紹介されていました。
一通りの概要説明を終えたところで、いよいよ『Project CARS 2』の試遊体験が始まるのかと思いきや、本日のアクティビティはこれにて修了。スウェーデンに到着してからの初日のほとんどは、メルセデス・ベンツに搭乗しての雪上ドライビング体験で、その後に『Project CARS 2』の概要などが説明されただけと、いちばん確信の作品に触れることはできませんでしたが、個人的にはかなり充実した一日を送ることができました。