●双方のタイトルへの“愛”が深いプロデューサーによるコラボ対談

 カプコンがサービス中のオンラインハンティングアクション『モンスターハンター フロンティアZ』(以下、『MHF-Z』) と、スクウェア・エニックスがサービス中のブラウザゲーム『インペリアル サガ』(以下、『インサガ』)がコラボを実施! そこで今回は、『MHF-Z』プロデューサー・宮下輝樹氏と、『インサガ』プロデューサー・小菅慎吾氏のふたりにコラボのいきさつや、それぞれの運営体制などについて語ってもらったところ……思わぬ裏話も飛び出した!?

<『MHF-Z』でのコラボ開始日>
2017年2月15日~ ※特設サイトはこちら

<『インサガ』でのコラボ開始日>
2017年2月16日~ ※特設サイトはこちら

▲(左)『インペリアル サガ』プロデューサー 小菅慎吾氏
 (右)『モンスターハンター フロンティアZ』プロデューサー 宮下輝樹氏

●「コラボ」について聞く!

――今回のコラボ実施に至った経緯を教えてください。

小菅 2015年の冬頃に、カプコンさんと会食する機会があり、その際に『ドラゴンズドグマ オンライン』(以下、『DDON』)や『MHF-Z』のご担当者様とのあいだで、「“スクエニ×カプコン”でおもしろいことをしたいよね」という話が出てきたのがきっかけでしたよね。

宮下 そうですね。その後、何度か打ち合わせをして、本格的にコラボの企画が立ち上がりました。じつは『インサガ』だけではなく、『モンスターハンター エクスプロア』(以下、『MHXR』)と『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』(以下、『FFBE』)』とのあいだでコラボを実施しまして、さまざまなタイトルで小菅さんにはお世話になっているんですよ。

小菅 『FFBE』のときもかなり気合いの入ったコラボをさせていただいたので、今回の『インサガ』コラボも非常に楽しみでした。

――それでは、コラボはわりとすんなりと進んだ感じですか?

宮下 私を含め『MHF-Z』の開発チームのなかには、『サガ』シリーズのファンが非常に多いので、好きすぎて悩んでしまうことが多かったですね(笑)。アデルやロックブーケなどの防具をどうやって3D化させるか、そしてどう動かすかという部分で悩みました。

小菅 これを聞いたときは本当にありがたかったです。『サガ』シリーズは基本的に2Dかつドット絵のものが多いので3Dにするのはたいへんではありませんでしたか?

宮下 ファンだからこそ妥協せずにこだわった点が多く、チェックも念入りに行いました。

小菅 『インサガ』でコラボが決まったときは、『MHF-Z』のどの装備をコラボの対象にしようか非常に悩みました。もともと『サガ』シリーズは、個性派揃いの主人公が多いので、なるべくキャラクターのイメージに合う装備を考えましたが、クーンやT260Gのように、そもそもキャラがモンスターやメカの場合、どんな装備を着せたら合うのか、ディレクターと悩みましたね。ただ、エミリアのキリン装備は即決でした。

宮下 とくに女性ハンターのキリン装備は人気がありますからね。お話を伺ったときにエミリアとの相性は抜群だと思いました!

――両タイトルのスタッフの“こだわり”や“愛”を感じますね。『MHF-Z』で実施されるコラボの概要を教えてください。

宮下 アデルの鎧やロックブーケの装備、アイスソードといったコラボ武具を“ハリセンネコのきんぴか小判”で販売します。

小菅 コラボ装備の3Dデザインを見せてもらったときに思わず「力入れすぎですよ!(笑)」と言ってしまいました。それほど各キャラクターのクオリティーが高くて感動しました。ロックブーケは防具だけではなくて、背中の霊体も再現されていて驚きました。

宮下 霊体は専用のエフェクトとしてつけているので、装備する楽しみがあると思います。じつは防具などお見せするために作成した画像では、キャラクターのポージングにもこだわっているんですよ。

小菅 小林智美さんの原画のポーズに合わせていると聞いたときに、あまりのこだわりように感心しました。ファンじゃないとそのポーズにしようと思いませんからね。全員集合しているイラストもカッコよすぎます。

宮下 かなりのデキなので、2月15日からは特設サイトで壁紙として配布も行います(笑)。

小菅 忘れずにダウンロードしておきます(笑)。やっぱり3Dに起こすのはたいへんでしたか?

宮下 足の組みかたが特徴的なので、どうやって再現するかという部分でデザイナーと苦心しました。構図としては、戦闘画面を意識して右側にプレイヤー、左側に敵キャラという形にしています。

小菅 壁紙には豆電球のエフェクトもあるんですけど、これって……。

宮下 それもゲーム内に実装しようと実際に作ってはみたんですが、『MHF-Z』の世界観と噛み合わなくてですね……実装は諦めました。ですので、豆電球は壁紙だけの演出です(笑)。

小菅 せっかく作っていただいたのに残念です。ヘアバンドに電球をくっつけて頭防具として出すなんてのはどうですか?

宮下 それはアリかもしれませんね(笑)。じつはバトル終了後のクルクル回って足を上げるポーズも再現したかったんですよ。でも3Dでやってみたら、豆電球以上に合わなくて、そちらも泣く泣く断念しました。

小菅 えっ!? ポーズのほうも試したんですか?

宮下 試しました。でもボツにしちゃいました(笑)。

小菅 初めて知りました。機会があったら実装してほしいですね。あらためてコラボ内容を見返すと、防具だけではなく、武器の種類も豊富でうれしいかぎりです。アイスソードやグリムリーパー、鬼神刀など、さまざまな『サガ』シリーズの武器を用意していただいたんですね。

宮下 『インサガ』は、『サガ』シリーズのお祭り的なゲームですからね。幅広く作らせていただきました! あとは、(『MHF-Z』の)イビルジョーを(『インサガ』の)四天王フレイムタイラントに模して登場させますよ。

小菅 モンスターも再現すると聞いたときはどんな感じになるのか想像できませんでしたが、実物を見せてもらって驚きました。元のモンスターがイビルジョーとは思えない変身っぷりで、見た瞬間に絶望感漂うビジュアルでした。

宮下 エフェクトをバリバリに盛っていますので、うまくフレイムタイラントを再現できていると思います。

小菅 正直、イビルジョーってものすごい強い印象があって倒せる気がしないんですが……。

宮下 大丈夫です! 『インサガ』のプレイヤーさんにも遊んでいただきたいので、『MHF-Z』を始めたばかりの人でも倒せる難易度です。

小菅 では、武器とか防具はそこまで強化する必要はないんですね。

宮下 そもそもこのクエストは武具が支給されるので、元々の武具は関係ないです。男性はアデル、女性はクローディアの防具で、武器はアイスソードが支給されます。ひとりでも余裕で勝てるくらいの難易度なので、安心してください。でも個人的には、アデル&クローディアにアイスソードって組み合わせは、違和感がありますが……。やっぱりアイスソードは、あの人が持っていないといけない気がします。

小菅 あの人は出ないんですか?(笑)

宮下 あの髪型がないんですよね。じつはアイスソードを奪う演出をゲーム内で作ろうと思っていたんですが、そこは親和性との兼ね合いで泣く泣く断念しました。

小菅 そこまで行くと、『MHF-Z』じゃなくて『サガ』のゲームになっちゃいますね(笑)。

宮下 ぜひ実現させたかったんですけどねー。ちなみにコラボのイベントクエストをクリアーすると、パートニャーの防具がもらえます。幅広くプレイしていただけるようにしていますので、ぜひ挑戦してみてほしいです。

――『インサガ』側のコラボの概要を教えてください。

小菅 『サガ フロンティア』の主人公に『MHF-Z』の防具を着用させたカードと、そのデザインに合わせたちびキャラを登場させます。

宮下 『MHF-Z』は防具の種類が多いのでかなり悩まれていましたよね。キリン装備は早い段階から決まっていましたが、それ以外の防具は私もどうなるかドキドキでした。

小菅 悩んだ末に、シリーズお馴染みのリオレウスとリオレイアの防具、そして『MHF-Z』オリジナルモンスターのポカラドンやグレンゼブルの防具を選びました。ちなみに、キャラクターの顔が見えなくなってしまうので、頭防具は外した状態で作成しました。

宮下 グレンゼブルの防具はかなり“とがった”デザインの防具なので、最初聞いたときは「思い切ったチョイスだなぁ」と思いました。でもイラストを見せていただいたら、ほかの防具同様、かっこよく描かれていました。カードのデザインのほかにちびキャラやイベントで入手できるパートニャーも拝見しましたが、『MHF-Z』では見られないようなかわいらしいデザインに仕上がっていてすごく新鮮でした。

小菅 じつは『インサガ』のちびキャラはユーザーの評判が高く、『MHF-Z』コラボのちびキャラもそのクオリティー以上のものになっていると思います。

宮下 ちびキャラのアクションはアニメーションですよね?

小菅 パラパラ漫画みたいな感じなので、かなり細かく書き込まないといけません。ちびキャラはかなりギリギリまで作成していました。

宮下 たしかに動きが滑らかですし、それは時間がかかりますよ。イベントクエストに出現するモンスターのちびキャラもヌルヌル動きますよね。

小菅 そうですね。道中のザコ敵として小型モンスターのコンガ、ランポス、イーオス、ブルファンゴが出現し、ボスモンスターとしてエスピナスを用意しました。

宮下 すごく忠実に再現されていて、尻尾を振るモーションなどが『MHF-Z』そのままで、さすがだなぁと。

小菅 『MHF-Z』でモンスターを狩ったことがある人ならきっと驚いてくれるはずです。

宮下 チェックするたびにクオリティーが上がっていたので、すごく愛を感じました。そういえば防具だけではなくて、そのモンスターの武器もデザインに組み込んでいただいているんですよね。

小菅 レッドの場合は、防具がレウスシリーズですので炎剣リオレウスを持たせています。

宮下 戦闘時の演出にも力が入っていますよね。

小菅 実際に『MHF-Z』で使用されている攻撃モーションを参考にして作りました。小剣だと、双剣の“極鬼人解放・上昇斬り”、槍武器ではランスの“フィニッシュ突き”をベースにした奥義アクションを用意しています。

宮下 『インサガ』さんは演出だけではなく、カード絵やちびキャラ絵が必要になりますから……ここまで再現していただけるなんてありがたいかぎりです。

小菅 いつもは「ここの構図が……」と細かく指示しているんですが、『MHF-Z』はみんなが知っているタイトルですので、何も言わなくてもデザインができていました(笑)。

宮下 『MHF-Z』でもコラボを実施するときには、「このシーンを再現したい」とか「過去のこのシリーズのここをこんな風にしたい」とか話し合うんですが、今回のコラボでは何も言わなくてもエフェクトやデザインがあがってきました。開発チームがかなりノリノリで。

小菅 『MHF-Z』は長く続いているタイトルなので、積み上げてきたものがあるからこその再現力や作業スピードには感服します。

宮下 『インサガ』でもイベントクエストでパートニャーがもらえるんですよね?

小菅 そうです。『MHF-Z』と同じようにイベントクエストをクリアーするとパートニャーがゲットできます。また、『MHF-Z』の“狩り感”を再現するために、ボスのエスピナスを倒すと素材ポイントが貯まるようになっていて、ポイントを消費するとエスピナスの武器を入手できます。

宮下 『インサガ』はイベントによってはけっこうやり込まないといけないものもありますけど、エスピナスの武器はどれくらいで手に入るのでしょうか? 

小菅 2種類のレア度の武器を用意していまして、低いレア度の方は初心者の方でも1日~2日でゲットできますので、忙しくてあまり遊べない方でも比較的簡単に入手できます。

宮下 それは安心です。

小菅 コラボクエストのストーリーにも力を入れています。個性あふれる『サガ』のキャラクターと異世界のパートニャーとの掛け合いがとてもおもしろく描かれていて、コラボならではのユーモアあるシナリオに仕上がっています。ただ遊ぶのではなく、物語も読み進めながら楽しんでほしいです。

――コラボの実施には、どれくらいの開発期間を要したのでしょうか?

宮下 半年くらいですかね。『インサガ』側もけっこう短かったですよね?

小菅 そうですね。こちらは3ヵ月くらいです。

宮下 普通はコラボって1年前くらいにお話をいただいて進めているんですけど、開発チームにファンが多いので「『インサガ』コラボやるよ!」って言ったら、知らないあいだに武具のデザインが出来上がってきていました(笑)。今までのフロンティア人生のなかでここまで早かったことはありませんね。

小菅 太刀の鬼神刀は攻撃時のエフェクトが違うんですよね。

宮下 モーションは普通なんですけど、斬ったときに『サガ』らしく雪や月といったエフェクトがバンバン表示されます。しかも武器を最大まで強化すると、武器の説明欄に奥義の文字が記載されます。ちなみに鬼神刀は『サガ』っぽさを出すために、入手後に7段階強化して専用クエストに行くことで、最終段階に強化できるようにしています。

小菅 カプコンさんの再現性は本当にすごい。そういえば『FFBE』のときもすごかったですよね。

宮下 たしかに。あのときもこだわりを貫きました。

小菅 ニコニコ生放送でユーザーさんから「カプコンみたいにがんばれよ!」って怒られてしまいました(汗)。

宮下 あのときはジンオウガをベヒーモス風に作り変え、フィールドも専用のものを用意したんですよね。あれもかなり気合いが入っていました。

小菅 今回もすばらしいクオリティーで本当にうれしいかぎりです。

――両タイトルとも、さまざまなゲームやアニメ作品などとコラボされていますが、コラボを実施するにあたってのこだわりや注意点はありますでしょうか?

宮下 ゲーム内で実装する武具やイベントのクオリティーにこだわるのはもちろんですが、それ以外ではPV(プロモーションビデオ)や特設サイトの作りに注意しています。コラボ作品のファンが見て「カプコンはわかってるな」と思ってもらえるような内容でなければならないと思っているので、かなりこだわっています。

小菅 たしかに! コラボしてガチャを入れました、というだけでは意味がないと思うんですよ。コラボ作品のファンが楽しんでゲームに触れてもらえるようにしないと。

宮下 一辺倒になりやすい部分を抑えつつ、楽しんでもらうところですよね。「お互いのタイトルのことをわかっているな」という気概をユーザーに感じていただかないと。「ただガチャを入れているだけ」と思われては寂しいですよね。

小菅 パラメーターだけ見られて終了って感じにはしたくないですね。

宮下 やっぱり納得していただくってことが大切ですよね。 PVを作るときにも「これじゃわかってないって言われるよ」と、何度もリテイクを指示しましたし。『インサガ』コラボのPVでは元のゲーム画像をうまく組み合わせながら作りました。

(※ここで実際に制作中のPVを見つつ)

小菅 本当に「すごい!」のひと言です。キャラのカットインや徐々に仲間が集まっていく演出にこだわりがあるし、笑いもあって、『サガ』シリーズを好きだということがよくわかるPVです。

宮下 若干やりすぎかなとは思いましたが“愛ゆえに”です。「実際のゲームとPVが違うじゃないか」なんて言われることもありますが、褒め言葉だと思って受け止めています。

小菅 いやー。カプコンさんのPV演出を参考にしながら、うちもいろいろと考えなきゃいけないかな……(笑)。