『ナルティメットストーム4 ROAD TO BORUTO』発売! シリーズ完結作への想いを開発陣に聞く

バンダイナムコエンターテインメントより、2017年2月2日に発売された『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム4 ROAD TO BORUTO』。シリーズ完結作となる本作への想いを、開発陣にうかがった。

●正直に言えば、日本人にもっと応援してもらいたい

 バンダイナムコエンターテインメントより、2017年2月2日に発売された『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム4 ROAD TO BORUTO』(以下、『ROAD TO BORUTO』)。本作は、バンダイナムコエンターテインメントとサイバーコネクトツーがタッグを組んで贈る『ナルティメットストーム』シリーズの最新作であり、完結作だ。世界累計出荷本数200万本を超える『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム4』(以下、『ナルティメットストーム4』)に、ナルトの息子であるボルトを主人公とした映画『BORUTO-NARUTO THE MOVIE-』のキャラクター、ストーリー、そして新モードを加えた究極のタイトルとなる。約14年にわたって支持され続けてきた『ナルティメット』シリーズの集大成となる本作。特別な想いを持って開発に臨んだ開発陣にインタビューを実施。開発にかけた想いを語っていただいた。


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写真左:サイバーコネクトツー プロデューサー
西川 裕貴氏(文中は西川)

写真中央:バンダイナムコエンターテインメント プロデューサー
中河 美穂氏(文中は中河)

写真右:サイバーコネクトツー 代表取締役
松山 洋氏(文中は松山)

――『ナルティメットストーム』シリーズ、ついに完結となりました。率直にいまの感想はいかがですか?

松山 やり切りました。我々としては、とにかく「やり切った」というのがいちばんですね。シリーズに関わった年数を足掛けで言うと、丸15年ですから。2003年に発売した『ナルティメットヒーロー』開発の着手は2001年。ずいぶんと長いこと……15年以上『NARUTO-ナルト-』とごいっしょさせていただいたわけです。 とくに『ナルティメットストーム』シリーズに入ってからは、世界的に評価をいただけるようになって。そういった意味でも、我々はプレイステーション3との相性がよかったのかなと思っています。もちろん『NARUTO-ナルト-』という作品のパワーがありつつ、我々の作ってきたアニメ表現なり、『NARUTO-ナルト-』に対しての愛情を世界中で評価していただけたのかなと思います。


◆トピックス:『ナルティメット』シリーズの歴史
・NARUTO -ナルト- ナルティメットヒーロー
機種:プレイステーション2
発売日:2003年10月23日

・NARUTO -ナルト- ナルティメットヒーロー2
機種:プレイステーション2
発売日:2004年9月30日

・NARUTO -ナルト- ナルティメットヒーロー3
機種:プレイステーション2
発売日:2005年12月22日

・NARUTO -ナルト- ナルティメットポータブル 無幻城の巻
機種:プレイステーション・ポータブル
発売日:2006年3月30日

・NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメットアクセル
機種:プレイステーション2
発売日:2007年4月5日

・NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメットアクセル2
機種:プレイステーション2
発売日:2007年12月20日

・NARUTO -ナルト- ナルティメットストーム
機種:プレイステーション3
発売日:2009年1月15日

・NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメットアクセル3
機種:プレイステーション・ポータブル
発売日:2009年12月10日

・NARUTO -ナルト- ナルティメットストーム2
機種:プレイステーション3、Xbox360
発売日:2010年10月21日

・NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメットインパクト
機種:プレイステーション・ポータブル
発売日:2011年10月20日発売

・NARUTO -ナルト- ナルティメットストームジェネレーション
機種:プレイステーション3、Xbox360
発売日:2012年2月23日

・NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム3
機種:プレイステーション3、Xbox360
発売日:2013年4月18日

・NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストームレボリューション
機種:プレイステーション3、Xbox360
発売日:2014年9月11日

・NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム4
機種:プレイステーション4(海外ではプレイステーション4、Xbox One)
発売日:2016年2月4日


中河 『ナルティメットストーム』はシリーズは、作品を重ねるごとに売上を伸ばしているタイトルとなっており、『ナルティメットストーム4』ではすでに出荷本数が200万本以上となっております。『ROAD TO BORUTO』も発売してさらに300万本を目指していますし、本作でやることはすべてやりきりました。とにかくたくさんの方、ひとりでも多くの方に遊んでほしい、という気持ちですね

――シリーズ完結でさみしい気持ちは?

松山 ……正直、さみしさは感じますね。

――サイバーコネクトツーの歴史は『ナルティメット』とともにありましたからね。

松山 そうですね。ですが、それは……2014年にね、『NARUTO-ナルト-』の原作が終了したときにもう覚悟していたことじゃないですか。終わらない物語はないわけですから。『NARUTO-ナルト-』の原作が終わったときに、「『ナルティメットストーム4』で我々も最後だな」とわかっていたわけで。最終話までを我々なりに表現させていただいて、作品として完結を迎えると思っていたところに、岸本先生ご自身が作られたナルトの息子であるボルトの物語が現れた。そこまで描き切って完結させていただこうと。ただ、覚悟はできていたものの……さみしさはやっぱりありますね。

――開発チームのモチベーションとしても、「これが最後だぞ」と意識されて作られたのでしょうか?

松山 意識しましたね。『ナルティメットストーム4』は、当初はプレイステーション3、プレイステーション4を予定していたのですが、バンダイナムコエンターテインメントさんに「これから『NARUTO-ナルト-』に期待するお客様のこと、世の中のゲームファンのことを考えれば、いまはプレイステーション3じゃないですよ」とお伝えして。「プレイステーション4で特化してやれば、スゴイものにしてみせるから、やらせてほしい」とお願いしたんですね。ふつう、ご理解いただけないと思うのですが、バンダイナムコエンターテインメントさんは信じてくれて。いいものが完成して世界中から評価もいただけた。開発チームとしても、『ナルティメットストーム4』で『NARUTO-ナルト-』まで描くという願いがあって。よくも悪くも開発者独特のこだわりの結果、スケジュールに関してはご迷惑をおかけしましたけども、間違いなくいいものができました。一方、『ROAD TO BORUTO』に関しては、本当の完結ということで、最後まで描き切りましょうと。時間的には正直1年足らずなんですけども、結果的には、もともと当初予定していた物量、クオリティーをはるかに越えた内容になりました。長年『ナルティメット』シリーズを作ってきた現場の人間、サイバーコネクトツーのスタッフが最後まで諦めなかった結果が『ROAD TO BORUTO』。『ROAD TO BORUTO』ですべて出し切っていますので、悔いはないですね。

――だからこそ最初の発言につながるわけですね。「やり切りました」と。

松山 はい。やり切りました。

――中河さんは『ROAD TO BORUTO』には最初から参加されていたのですか?

中河 はい。『ナルティメットストーム3』から関わっていますので、
ナルティメットストーム4』企画立案のときから参加しています。

――開発を振り返られてみて、中河さんの感想はいかがですか?

中河 『ナルティメットストーム4』のときはすごくたいへんでした。……過去最高にたいへんだったと思います。私自身「こんなにたいへんなことがあるのか……」と感じたほどだったのですが、チームが一丸となって全員でやり遂げ、結果が出たことについては、「みんなでがんばったおかげだね」という想いがあります。 発売後は「これだけのタイトルを作ってくれてありがとう」という声をいただき、すごくうれしかったですね。それを踏まえて『ROAD TO BORUTO』では、「プレイステーション4の表現としてどういったものが最適なんだろう」というところにたどり着けたと思っています。それは、過去の踏ん張りがないとできなかったことですので……。よかった……とは言えないことかもしれませんが、よかったですね(笑)。

――いろいろな想いがあったのですね。

中河 でも、楽しかったですよ(笑)。

松山 苦しくも……楽しかったです(笑)。

中河 開発中は、すぐに電話に出られるようにしていましたね(笑)。

――(笑)。

西川 おかげさまで、『ナルティメットストーム4』はワールドワイドで日本版のほか、北米版、欧州版、アジア版と、数多くのビルドを作り、チェックを各地域で行っていました。予期せぬエラー、トラブルがあったときには、中河さんに相談させていただくため、お電話ですぐに連絡がつくようにしていただけたことは、現場としては非常に心強かったです。

――なるほど。『ROAD TO BORUTO』は『ナルティメットストーム4』発売から1年以内でのリリースですので、たいへんだったのでは?

松山 そうですね、ちょうど1年ですね。

中河 『ナルティメットストーム4』のDLCを作っていた期間と『ROAD TO BORUTO』を作っていた期間が重なっていたときもありましたので、現場としてはたいへんでした。にもかかわらず、『ROAD TO BORUTO』の内容は、企画立ち上げのタイミングよりもボリュームが非常に多くなっています。 『ナルティメットストーム4』、『ROAD TO BORUTO』のプロデューサーとして、これまでずっとこうやって作られてきたものを引き継いでやらせていただき、ここでちゃんと終わらせる責任もあるなと思って。サイバーコネクトツーさんに無理を言ってしまった部分もあったと思うのですが、それ以上を返してくださって……。

松山 現場としては、作業が途切れていないですからね。『ナルティメットストーム4』を作り、DLCをやりながら『ROAD TO BORUTO』を動かし始めて……。そのときに思ったんですよね。『ナルティメットストーム4』から1年以上空けちゃうとダメだ、と。ひとつ終わってからつぎ、ではなくて、『ROAD TO BORUTO』までが1セットといった感覚で現場的にはやれたと思います。集中力が途切れることなく、『ナルティメットストーム4』からの流れで一気に『ROAD TO BORUTO』まで走り切った感じです。

――タイトルの発表から発売直前までの反響はいかがでしたか?

中河 最初に発表させていただいたときに映画『BORUTO -NARUTO THE MOVIE-』の公開、さらには評価の高さも相まって、「ゲーム化されてうれしい」という声をたくさんいただきました。「誰が使いたい」というご意見ではなく、「『ナルティメットストーム4』の続き、ボルトの話を楽しめるのはうれしい」という声ですね。

松山 海外のお客様の反応は大きいですね。「アイツを出してくれ」、「コイツを出してくれ」、「あのシステムはどうなってるんだ?」と(笑)。

――では『ROAD TO BORUTO』を遊ばれた感想を聞かせてもらえたら……。

松山 ぜひ! いろいろなご意見をいただけるとうれしいですね。

中河 もちろん『ナルティメットストーム4』ではできなかったことを『ROAD TO BORUTO』には取り入れていますので……。

松山 観戦モードに対応しています!

――それはうれしいですね。

松山 海外からの要望が多かったものです。でも、2016年9月の東京ゲームショウのタイミングで『ROAD TO BORUTO』を発表させていただいて、海外メディアに対して「ちゃんと観戦モードに対応しています!」と言ったんですが、シーン……って。そこのリアクションは薄いんかい! と(笑)。

――(笑)。

中河 私も海外オフィスの担当から「東京ゲームショウのタイミングで観戦モードがあることを言いたい」とお願いされて、「みんな待っているから早く言ってしまいましょう!」と伝えたんですね。その後、海外メディアからの取材が終わったあとに「反応どうでした?」と聞いたら、「いや……まあ……」というリアクションで(笑)。

松山 「うぉい!」となりますよね。まあ……お客様の反応は違うと思いますが。

――いまさらの質問ですが、開発を15年続けてきたシリーズで、変えないようにした部分ですとか、変えていこうと意識された部分というのはあったのですか?

松山 はい。最初からずっと変えないと決めた“3本柱”があります。

――3本柱ですか?

松山 企画書の最初に、必ず宣言して書いていました。ひとつは、キャラクターゲームである以上、プレイアブルキャラクターがひとりでも多いことが商品力だということです。キャラクターゲームは「アイツいるの? いないの?」となるわけですよね。ですので、プレイアブルキャラクターの最大数を実現するというのは、絶対に譲りません! アイツがいないんだったら売れない、売れないものは作らない。お客様がよろこばないわけですからね。新キャラクターを追加すること、新しい忍術を追加すること、新作のつもりでキャラクターをリニューアルすること。……ここまでがひとつめの柱です。

――熱意を感じます。

松山 ふたつ目は、『NARUTO-ナルト-』はマンガの本編も、アニメも、物語がおもしろいんですね。ですので、しっかりと物語が体験できるボスバトルを含めたアドベンチャーモードが非常に重要なんです。『NARUTO-ナルト-』の世界をちゃんと楽しむことができるドラマ。このドラマ体験を、たとえゲームを2本分作ることになろうとも守り続けました。

――なるほど。

松山 そして最後の柱は、商品として長く遊んでいただくためのオンラインサービス。オンラインの充実は、毎回意識して作ってきました。この3つは絶対に変えなかったですね。それ以外……たとえばバトルシステムにしても、ドラマやボスバトルの表現にしても、物語の描きかたひとつとっても、毎回新しいものを作るという考えかたでやってきました。むしろそこは守らずに攻め続けようと。3本柱以外は、守る戦いではなく勝つ戦いだと……。「どうすれば“スゲー!”とお客様に思ってもらえるかを考えてアイデアを出す」という形でやっていました。

――プレイステーション2時代の『ナルティメット』シリーズと比べてみると、『ROAD TO BORUTO』はとてつもなく進化していますよね。初期の『ナルティメット』シリーズは、“変わり身合戦”が印象に残っています。

松山 プレイステーション2のときは、ゲームジャンルも現在のものとはちょっと違っていましたからね。いわゆる2D格闘ゲームのスタイルでしたし。『ナルティメットヒーロー』のころは“コミックシェーディング”で、どちらかというとマンガに寄せていたんですよね。マンガ独特の書け網表現とか。『ナルティメットアクセル』になってから、テレビアニメが『疾風伝』になってからは、世界的にお客様に認めてもらうため、超アニメ表現を突き詰めていこうとアニメに特化し始めて……。プレイステーション3になり、バンダイナムコエンターテインメントさんからも技術的な部分、エンジン部分も含めて、いろいろとご教授いただいて完成したのが『ナルティメットストーム』です。日本人が作るアニメーション技法をリアルタイムに遊べるということをコンセプトにしたことが、広く世界中で評価されたきっかけとなったんですね。振り返ってみると、じつはタイトルごとに、その都度その都度、やっていることも変わってきているんです。

――ジャンルに縛られないというのは、すごく感じます。超アニメ表現も、最初に目にしたときのインパクトの強さはいまでも覚えています。

松山 アニメ表現とひと口に言っても、『NARUTO-ナルト-』にマッチしているアニメの表現と、そうでないものっていうのは、どうしてもあるんですね。『ナルティメット』シリーズにおける超アニメ表現としては、ひとつの完成形になったのかもしれないですけども、日本人が誇る、尊敬するアニメーターさんたちが、いまも最新で作られているアニメーション技法というものは、まだまだ掘り起こしがいがあると思っています。プレイステーション4のスペック自体も最大限に表現できているとはまだまだ思っていませんので、そのあたりは表現者として、もっと掘り下げていきたいと感じていますね。

――ゲームオリジナルの演出については、サイバーコネクトツーだからこそのものですよね。

松山 はい。テレビアニメの『NARUTO-ナルト-』は毎週見ていますし、何度も繰り返しチェックはしています。もちろんそれ以外にも“超アニメ表現”を作り上げるうえで、最新のアニメやコンテンツを参考にさせていただいています。

――ゲーム開発会社でありながら、アニメ制作会社的な考えもお持ちということですね。『ROAD TO BORUTO』では、次世代、若い世代の忍者たちの活躍が描かれるわけですが、意識されたところはありますか?

松山 ボルトの物語が岸本先生の新作として描かれているのであれば、比較するという考えがあったかもしれないですけど、基本的には世代交代を描き切るところまでだと思っています。ボルトたちはボルトたちとして完全に人間が違う、生き物が違う。いまの世代の新しいタイプの登場人物という認識があるので、完全に“別のキャラクター”という考えで作っていきました。本作では、プレイアブルキャラターとして、ボルトは複数タイプを用意させていただいています。通常のボルトとは別に、最終決戦のボルトとは別に、実際に映画を観た方はわかるかと思いますが、科学忍具を使うボルトがプレイアブルキャラクターとして登場します。ちなみに、メチャメチャ強いです(笑)。

――(笑)。

中河 ほぼすべての忍術を使えますからね。ゲームキャラクターとしては、さまざまな属性の忍術が使えるのでおもしろいと思います。

――2017年4月からテレビ東京系にて、アニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』がスタートすることも発表されていますから、より盛り上がりをみせるでしょうね。

中河 そうですね。ゲームで映画のストーリーを楽しんでいただいてからテレビアニメを観ていただく流れが作れればうれしいです。

――単刀直入におうかがいしますが、テレビアニメがスタートするということは、『ナルティメット』シリーズがまだまだ続く可能性も……。

中河 『ナルティメットストーム』シリーズは完結です(笑)。

――そのまま記事にしていいですか?(笑)

中河 そのまま書いていただいて大丈夫です(笑)。『ナルティメットストーム』シリーズはここで完結となります。……ナルトが物語を重ねるたびにどんどん成長していったように、2003年からゲームは続いて……。当時のバンダイから現在のバンダイナムコエンターテインメントに至るまで、企画を立ち上げゲームを作らせていただいて、作品を発売するたびに成長してきたシリーズだと思うんですね。4月からアニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』が始まるということや、『NARUTO-ナルト-』自体の世界がどんどん広がっていくっていうことは、我々もすごく楽しみなところではありますし、『NARUTO-ナルト-』が続く以上、ナルトと同じようにボルトが独り立ちしていくところを、いっしょに盛り上げていけたらうれしいと思っています。

西川 お客様からは「“ボルティメットストーム”を出して!」という声はいただいています(笑)。

中河 (笑)。

――そういった、ファンからの声援が大事なわけですよね?

中河 そうですね、はい。

――声が大きければ……。

中河 確かに「“ボルティメット”は?」と聞かれることはあります(笑)。それは素直にうれしいですよね。私たちも『NARUTO-ナルト-』、そして『BORUTO-ボルト-』が大好きですので。『NARUTO-ナルト-』と『BORUTO-ボルト-』が大好きな方がいて、『ナルティメットストーム』シリーズのことも好きな方がいらっしゃる。「もっとプレイしたい」ですとか「さみしい」ですとか、私たちが思っているのと同じように感じてくださっているお客様がいらっしゃるのは本当にうれしいです。最初にボルトの本格的な物語が描かれたのはアニメでしたので、アニメのボルトをイメージとして思い浮かべる方も多いと思います。これからテレビアニメが始まり、もっともっとボルトに馴染みが深くなっていくんじゃないかな、と。

松山 お客様も小学生ですとか、若い世代に遊んでいただけるとうれしいですね。

中河 人気のあるコンテンツでは、お客様もどんどん世代交代して、親が観て、子どもも観てと、幅広い世代に向けた展開がありますので、『ROAD TO BORUTO』も世代が広がっていただけると、これまでとはまったく違う展開も……あると思います。

――親子で対戦してもらいたいですね。

中河 そうですね。

西川 開発チームも長くシリーズをやらせていただいているということもあり、『ナルティメットヒーロー』や『ナルティメットアクセル』、『ナルティメットストーム』の『1』や『2』を遊んでいた、当時は学生だった方がいま『ナルティメットストーム4』や『ROAD TO BORUTO』のチームに入っています。『ナルティメットストーム』シリーズが完結ということで、「さみしいですが、完結作に携われてよかった」と言っている スタッフもいます。親子というほど時間は経っていませんが、世代をまたいで『ナルティメット』シリーズの開発をやってこれたということは感無量ですね。

中河 本作では、フリーバトルモードで自由に選べるサスケのコスチュームに、少年篇の前半の衣装を入れていますので、そういった部分も注目してください。

西川 マスターアップギリギリのタイミングで松山からの「入れないとマスターを出さないからね」という指示で……。

松山 『ナルティメットストーム4』では間に合わなかったんですよ。時すでに遅しだったので。DLCで入れるのも難しく……。じゃあ、『ROAD TO BORUTO』では「絶対に入れなさい」と指示を出していて。マスターアップ直前になっても報告がこなかったので、「まさかと思うけど、入ってると思うけど……アレ、入れてるよな?」と話したら、「アイツ気づきやがった」という空気になり……。

一同 (笑)。

松山 「これ入れないならマスター出さないからね」と。

中河 定例会を毎週やっていたのですが、突然「アレ入れるんですよ」と松山さんがおっしゃって。「ああ、そうなんですか」とお答えしたら、テレビ会話越しに西川さんたちがみんなこう……。

西川 下を向きました(笑)。

一同 (笑)。

西川 僕らとしてはですね、バンダイナムコエンターテインメントさんにご迷惑をおかけすることになるのだったら止めるべきだな、と……。

中河 (笑)。

西川 定例会の最後に、中河さんに相談しようと思ったのですが、中河さんも「あ、わかりました。じゃあ入れましょう」と、まさかの松山側の判断だったという(笑)。

中河 そんなことになっているとは……。

西川 これまでの開発の経験上、本当にギリギリの時期だったので。

中河 そんなにギリギリのタイミングでしたっけ?

西川 ギリギリな時期でした。そのタイミングで「キャラクターのコスチュームを……」という提案が通るとは思わなかったんですね。まさか中河さんからご快諾いただけるとは(笑)。ギリギリまでいいものを作るという体験ができましたので、ぜひ全世界のサスケファンに楽しんでいただければ……。

中河 本作1本ですべて遊べる状態にしたい、というところはあって。ほぼすべてのコスチュームを復活させていますので、『ナルティメットストーム』の1作目から離れていた方も楽しめる内容になっています。

西川 『ROAD TO BORUTO』は、歴代の『ナルティメット』シリーズの開発スタッフ、そして『ナルティメット』シリーズを遊んできて、影響を受けて加わった新しい力、新しいスタッフとともに作り上げた、最高のタイトルです。『ナルティメットストーム4』を遊んでいただいた方も、新鮮な気持ちで楽しんでいただける内容を提供できていると、胸を張って思っています。本作を機に、『NARUTO-ナルト-』と『BORUTO-ボルト-』をもっともっと好きになっていただければうれしいですね。

中河 『ナルティメット』シリーズの5代目プロデューサーとして……。

松山 綱手ポジションですね(笑)。

中河 (笑)。松山さん、西川さんもそうですが、私が学生のころからずっとゲームを作られている方々ですし、歴史あるタイトルをちゃんと、幸せな形で世に出すということに、責任、やりがいを感じていました。そういった部分を大事にしながら、たくさんの想いが込もった、最高の作品にできたと思います。『NARUTO-ナルト-』を知らない方も楽しめる内容となっていますので、ぜひ遊んでいただいて、感想を聞かせてください。

松山 インタビューの前半でお話しましたが、おかげさまで『ナルティメットストーム4』は、ワールドワイドで200万本を出荷しています。ただ、その中で日本での出荷は約11万本なんですね。これがいまのゲーム業界の世界地図になっているんです。日本で生まれたマンガ作品で、日本のアニメ原作で、ゲーム開発も日本人で……。正直に言うと、「もうちょっと日本人に応援してほしいな」と。出荷本数の話を読んで「『ナルティメットストーム4』ってそんなに売れてるの!?」と思われたファミ通.com読者の方も多いと思うんですよね。200万本以上の出荷本数って、誇ってもいい数字だと思うんです。そんだけの結果が出ている、ある意味、世界中からお墨付きをもらったタイトルの完結作になりますので、ぜひ手にとってみてください。「マンガの『NARUTO-ナルト-』が完結したんだよね」とか、「4月からテレビアニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』が始まるね」と思った方には、ちょうどいいきっかけだと思います。『NARUTO-ナルト-』最終話、そしてボルトの始まりの物語が1本に封入された非常に贅沢な作品になっていますし、お求めやすい価格になっています。いい商品になったと思いますし、我々自身の15年の集大成です。どこにも隙がない、自信作になりましたので、ぜひこれを機にひとりでも多くの日本人の方に手に取ってほしいと思います。


●インタビュー番外編 若い世代へ“火の意志”ならぬ“開発の意志”が受け継がれている!

松山 2016年4月入社の新人なのですが、いわゆるゲーム専門学校を卒業し、ゲーム業界を目指していたスタッフを紹介します。

魚川貴央氏(以下、魚川) はじめまして、サイバーコネクトツーでデモアーティストをやっております魚川貴央(うおかわ たかひろ)と申します。

松山 彼は最初からサイバーコネクトツーに入社して『ナルティメット』シリーズを作るため……という想いを抱いて、この業界に入ってきた人間なんですよ。結果的にサイバーコネクトツーへ入社して、『ROAD TO BORUTO』チームに入り、ボルトの奥義のアートを担当したんです。ナルトからボルトへ“火の意志”が受け継がれたように、作り手の現場でも“制作の意志”が若い世代へ受け継がれているんです、という……。サイバーコネクトツーもそうですけど、バンダイナムコエンターテインメントさんもそうですよね。中河さんも、コンテンツが好きでバンダイナムコエンターテインメントに入社して、いまは『ナルティメットストーム4』、『ROAD TO BORUTO』のプロデューサーをやられていて。

中河 そうですね。僭越ながらありがたく。

――入社1年目の魚川さんに奥義を任せる松山さんもすごいと思います(笑)。

松山 いやいや、魚川が実力で仕事を取っただけですよ。「ボルトの奥義、誰が担当する?」という話が出たときに、「やります!」とすぐに手をあげて。『ナルティメットストーム』シリーズを勉強しているだけあって、感覚として押さえどころをわかっているんですよね。

――魚川さんがゲーム業界を目指したきっかけをうかがいたいのですが……。

魚川 『ナルティメット』シリーズを遊んだのがきっかけです。もともと『NARUTO-ナルト-』という作品が好きでゲームも遊んでいたのですが、『ナルティメット』シリーズは演出面に心を惹かれまして……。

――なにがそこまで魚川さんの心を動かしたんですか?

魚川 いやもう……純粋にカッコイイ! 『ナルティメットストーム』シリーズを遊んだのは高校1年生の冬くらいですが、当時はまだ将来のことを考えていなかったんですけど、もともとモノ作りは好きで、絵を描いたり、粘土細工をやっていんたんです。そこで思い立ったんですよね。「『ナルティメット』シリーズを作っている会社に入りたい。では、どうすればいいのか?」と。

――早い!

魚川 大学受験は考えず、「ゲーム制作専門学校はどうやったらいけるんだろう?」と調べて。在学中は本気でがんばりました。

――数多あるゲームの中でなぜそれほどまでに『ナルティメット』シリーズに惹かれたのですか?

魚川 もちろん、『NARUTO-ナルト-』のマンガ、アニメ演出がすばらしいというのが前提にありますが、ゲーム中では、そこで描かれていない部分を作る必要があるわけですよね。そのさじ加減といいますか……。オリジナルの部分はしっかりと表現しつつ、それに負けない、引き立たせる演出がすばらしく……。とくに『ナルティメットストーム』で3Dになってからの表現は震えました。

――想像を越えていたわけですね。

魚川 そうですね。ギリギリでしたが、『ナルティメットストーム』シリーズの開発を手掛けることができて本当にうれしいです。

――ゲームが発売されて、感想はいかがですか?

魚川 自分が作ったものが動いて誰かが遊んでくれる……という感動もありますけど、純粋にうれしいです。あと、自分と同じように、『ROAD TO BORUTO』を遊んだ人の中から「『NARUTO-ナルト-』のゲームを作りたい!」と思ってくれる人が出てきてくれたら、こんなにうれしいことはないですね。


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