独実のシームレスなプレイ感覚を体験!

 2017年2月17日に配信開始予定のプレイステーション VR専用タイトル『ヘディング工場』(定価2200円[税抜])。今回は、開発・販売元のジェムドロップ本社にて行われたプレス向け体験会での試遊リポートをお届けする。

PS VR専用タイトル『ヘディング工場』先行プレイリポート つぎつぎと飛んでくるボールに、思わずカラダが……ッ!!_16

 コントローラーを一切使わない操作系、文字情報がタイトル画面以外に表示されない……など、思いきったゲームデザインが特徴の『ヘディング工場』。本作のプロトタイプは、2年前の東京ゲームショウ(東京ゲームショウ 2015)のインディーゲームコーナーに出展されたOculus Rift DK2用VRゲーム『チャーリーとヘディング工場』で、当時は製品化の予定がなかった。開発のジェムドロップ代表・北尾雄一郎氏によれば、出展作が好評だったことを受け、半年間の試作期間を経て、PS VR用のオリジナルゲームとして開発を進めたとのこと。

 以下に、記者が体験した、ほぼマスター状態のバージョンでのプレイの模様を紹介する。ゲーム画面や、記者の身の乗り出し具合(?)で、本作の雰囲気が少しでも伝われば幸いだ。

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▲ゲームを開始すると、愛想のいい砲台(以下、砲台くん)が、進行方向で先導するように動き回る。プレイヤーの移動はゆっくりとしたオート移動で、周囲を見回す余裕も十分。やがてその砲塔がぴったりとプレイヤーに向けられ……。
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▲移動が止まるシーンでも、とくに状況説明はない。ひたすら砲台くんからボールが撃ち出され、プレイヤーの能動的なアクションが促される。進路を遮る障害物めがけてボールをヘディングすることが、あらゆる場面における基本だ。
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▲進行方向以外に視線を向けても、奥行きのある景色が延々と続いている。本作の舞台世界は、雲海のさらに上に位置する天空の城ということで、場所によっては“落下の恐怖”を呼び起こされることも。
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▲プレイが白熱する中、ついに椅子から立ち上がる記者。打球に指向性を持たせるには、頭の位置だけではなく、飛ばしたい方向にしっかり視線を向けることも大事とのことで、背伸びしたりしゃがんだりしつつ、首をおかしい感じにひねりながら遊び続けた。途中でふと我に返り「……こんな感じでもいいんですか?」とジェムドロップ代表の北尾氏に確認したところ「大丈夫です!」とのお墨付き(?)をいただいた。ちなみに開発スタッフの皆さんは、座ったまま最小限の動きで問題なくプレイできるとのこと。
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▲後半ステージでは、ただ標的にぶつけるだけでは突破できないギミックも出現。砲台くんがさりげなく出すヒントや、画面内のキャラクターの動きをよく観察することで、ギミックの法則および突破法が、何となくわかるようになっている。
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▲ジェムドロップさんのご厚意により、ゲームの最終局面も体験できた。文字のないゲーム世界の水面下で展開していた“まさかのストーリー”に、記者、驚愕。

体験プレイを終えて……

 「VR市場は放っておいてもリアルを追求する方向に向かうので、そうではない、非現実な世界をゲームで表現しようと思いました」という北尾氏のコメント通り、本作のプレイ感覚は、遊園地のファンタジックなライド系アトラクションを体験しているときのそれと同質のものだった。昨今のゲームのお約束ともいえる、チュートリアルなどの内容説明要素を一切省いたのも、「プレイステーション VRのヘッドセットを装着している状態で“現実”に引き戻したくない」からこその英断ということで、作品コンセプトの徹底ぶりがうかがえた。

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▲謎解き場面の解法がわからないと、ずっと立ち往生になってしまうのでは? との記者の問いに対して、「攻略法をネット記事で調べてもらっても一向にかまいません」と、北尾氏。ネットを調べる際にはプレイステーション VRのヘッドセットを外す必要があるため、それによって“プレイ中の没入感”が妨げられることがないから……という割りきった考えかたからも、本作の特殊さがわかる。

 記者は30分ほど連続でプレイしたが、いわゆる“VR酔い”をまったく感じなかった。移動速度など、ゲームテンポが総じてゆっくりということも無関係ではないだろうが、それにしても、かなり激しく視点を任意で動かしていたにもかかわらず、“この世界にいる”という感覚が途切れることはなかった。この点に関して北尾氏は、昨年の東京ゲームショウ(東京ゲームショウ 2016)のインディーゲームコーナーに体験版(『ヘディング工場』の序盤数ステージがプレイできるもの)を出展した際、約300人の体験者のうち、途中で具合が悪くなってリタイアした人が0人だったことから、自社のVRコンテンツ開発ノウハウの確かさに自信を深めたという。

VRゲーム初心者はもちろん、スケールの大きなゲーム世界に没入し、そこで起きる出来事、見えるモノをじっくり楽しみたい人にとっても楽しめるタイトルであることはまちがいないだろう。

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