独実のシームレスなプレイ感覚を体験!
2017年2月17日に配信開始予定のプレイステーション VR専用タイトル『ヘディング工場』(定価2200円[税抜])。今回は、開発・販売元のジェムドロップ本社にて行われたプレス向け体験会での試遊リポートをお届けする。
コントローラーを一切使わない操作系、文字情報がタイトル画面以外に表示されない……など、思いきったゲームデザインが特徴の『ヘディング工場』。本作のプロトタイプは、2年前の東京ゲームショウ(東京ゲームショウ 2015)のインディーゲームコーナーに出展されたOculus Rift DK2用VRゲーム『チャーリーとヘディング工場』で、当時は製品化の予定がなかった。開発のジェムドロップ代表・北尾雄一郎氏によれば、出展作が好評だったことを受け、半年間の試作期間を経て、PS VR用のオリジナルゲームとして開発を進めたとのこと。
以下に、記者が体験した、ほぼマスター状態のバージョンでのプレイの模様を紹介する。ゲーム画面や、記者の身の乗り出し具合(?)で、本作の雰囲気が少しでも伝われば幸いだ。
体験プレイを終えて……
「VR市場は放っておいてもリアルを追求する方向に向かうので、そうではない、非現実な世界をゲームで表現しようと思いました」という北尾氏のコメント通り、本作のプレイ感覚は、遊園地のファンタジックなライド系アトラクションを体験しているときのそれと同質のものだった。昨今のゲームのお約束ともいえる、チュートリアルなどの内容説明要素を一切省いたのも、「プレイステーション VRのヘッドセットを装着している状態で“現実”に引き戻したくない」からこその英断ということで、作品コンセプトの徹底ぶりがうかがえた。
記者は30分ほど連続でプレイしたが、いわゆる“VR酔い”をまったく感じなかった。移動速度など、ゲームテンポが総じてゆっくりということも無関係ではないだろうが、それにしても、かなり激しく視点を任意で動かしていたにもかかわらず、“この世界にいる”という感覚が途切れることはなかった。この点に関して北尾氏は、昨年の東京ゲームショウ(東京ゲームショウ 2016)のインディーゲームコーナーに体験版(『ヘディング工場』の序盤数ステージがプレイできるもの)を出展した際、約300人の体験者のうち、途中で具合が悪くなってリタイアした人が0人だったことから、自社のVRコンテンツ開発ノウハウの確かさに自信を深めたという。
VRゲーム初心者はもちろん、スケールの大きなゲーム世界に没入し、そこで起きる出来事、見えるモノをじっくり楽しみたい人にとっても楽しめるタイトルであることはまちがいないだろう。