すべてを破壊し、頂点に立つのは誰だ!?
デジタルカードゲーム『シャドウバース』(以下、『シャドバ』)の全国大会”Shadowverse Rise of Bahamut~ファミ通CUP2017~”。その東日本予選大会が2017年2月4、5日に渡り、東京流通センターにて開催。今回は、1日目(DAY1)の模様をお届けしよう。
本予選大会では、Aブロック、Bブロックに分かれてプレイヤーたちが競い合う。試合形式は2本先取(BO3)で、使用するクラス、デッキは事前に申請したものを使用。2種類のクラスを使って戦い、1本勝利を獲得したプレイヤーは、勝利したクラスをその試合では使用できなくなるのがポイント。そして、DAY1で4勝した選手のみが予選の決勝となるDAY2に進出できるのが、DAY1での基本ルールだ。
試合は5回に分けて、全プレイヤーの試合が「お願いします」の掛け声とともに、一斉にスタート。ノートパソコン越しに向かいあって試合に臨むプレイヤーたちからは、プレイに悩む苦痛の表情や、じっくりと考えている緊張感がビシビシと伝わってきた。また、メインステージ上でも試合を行っており、こちらは一部選手をピックアップして行う、いわゆる配信台。ニコニコ生放送、OPENREC.tv、Twitch、FRESH!の4つのサービスで生放送が行われていたほか、会場のモニターにもコメント付きのニコニコ生放送が配信されており、試合が終わった選手たちなども観戦を楽しむことができた。
メインステージでの試合では、プレイヤーたちがみごとなプレイングで会場を沸かせていたほか、観戦者たちがその盤面を見ながら「あのカードを出したいところだね」、「この状況ならこうするかも」と、戦術の議論をくり広げながら対戦を眺めていたのが印象的。両者の手札が見えているからこそ、さまざまな状況をほかのプレイヤーといっしょに考えられるのは大会ならではだろう。
また、会場内にはフォトパネルが設置されており、“バハムート”のイラストとともに記念撮影ができたほか、『シャドバ』に登場する“クレイゴーレム”(の着ぐるみ)が、パネルの前に出没! プレイヤーたちと記念撮影をしたりインタビューをしたり、追いかけっこをしたり(!!)、クレイゴレームもプレイヤーとの交流を楽しんでいた様子だ。
大会に参加された、香川愛生女流三段へミニインタビュー!
予選大会DAY1には、ファミ通チャンネル内で放送をしている“まなばん -女流棋士・香川愛生のゲーム番長-”にて、『シャドバ』など、さまざまなゲームの配信を行っている将棋棋士・香川愛生女流三段も初参加! そこで『シャドバ』の大会に初参加したという香川さん。せっかく会場でお会いすることができたので、試合終了後に急遽インタビューを行った。(以下、文中は香川)
――本日はおつかれれさまでした。試合の結果はいかがでしたか?
香川 (1試合目~5試合までで)勝ち、勝ち、負け、勝ち、負けという試合結果で、1日目敗退となってしまいました。初めてこんなに大規模な大会に参加したので、「1勝でもできればいいな」くらいに思っていたんです。初日の最終戦まで戦えて、悔しさもありますが、うれしかったですし楽しかったですね。
――結果は残念ですが、惜しかったですね……! それでは、改めて本日使用されたデッキを教えてください。
香川 使用したデッキは、“次元の魔女・ドロシー”を軸にしたウィッチデッキと、アグロ(速攻型)系のネクロマンサーデッキです。ふだんはビショップを使用していますが、ウィッチは大会のことを考えて採用しました。ネクロマンサーは、私の師匠である、ふ~どさん(Razer所属・プロゲーマー)が、ネクロマンサーを使っているんですね。ふ~どさんは予選の抽選に残念ながら落ちてしまったので、ふ~どさんの思いも込めて採用したんです。
――なるほど。今日1日の試合を振り返ってみて、ご自身の戦いぶりはいかがでしたか?
香川 5回戦まで戦いましたが、どのゲームも違った展開でしたし、勝った試合もギリギリの勝負が多くてハラハラしました。大会に向けてふ~どさんにしっかりと教えてもらったおかげで、自分の実力を考えるとよく勝てたほうなのかなと思っています。……それでも悔しいですけど! ふ~どさん、ごめんなさい~!
――やはり、負けると悔しいものですよね……。初のBO3ルールでの対戦は、どんな感触でしたか?
香川 「これがBO3の戦術なんだ」と感じたことがあって、これは負けたな、と思った瞬間にキーカードを使わないようにしたんです。そうすることで、同じクラスでつぎの対戦に行くわけですから、相手にキーカードを警戒されずに戦えるなって、その場の思いつきでやってみたんですね。結果的にそのキーカードを活かすことができたので、そういった駆け引きがBO3でのおもしろいポイントであり、重要なポイントだと身をもって体感できました。
――思いつきでできるのが、さすがです! 大会の雰囲気などは、将棋の大会とはまた違った空気を感じましたか?
香川 試合が開始される前に、全員が一斉に「お願いします」と言っていたんですね。個人的な主観で申しわけないのですが、参加する前はeスポーツの大会って、勝利にみんなが貪欲で、ギラギラしてるようなイメージで怖かったんです。でも、しっかりと対戦相手を尊重しているんだなと分かって、すごくいい雰囲気なので、また大会に出たいと思えました。
――試合終わりには、香川さんはプレイヤーの方々とよくコミニュケーションを取られていたりもしましたね。
香川 そうなんですよ……! 私、この大会に知り合いがいない状態で来たので、戦々恐々としていたんですね。そしたら、プレイヤーの方々から「香川先生ですよね?」と、よくお声を掛けていただけたんです。たまたま対戦相手になった人とお友だちになれたり、試合の終わりにはいろいろとお話もできましたし、すごくいい経験になりましたね。ちなみにですが、たまたま対戦した女性プレイヤーの方が麻雀プロの方で、女流棋士VS女流雀士という試合になりビックリしました(笑)。
――す、すごい……! 『シャドバ』で異種格闘技、みたいな感じでしょうか(笑)。香川さんが思う、『シャドバ』の魅力とは何でしょうか?
香川 やればやるほどおもしろくて、奥の深いカードゲームだなと思います。私はTCGをまったくやったことがなかったのに、それでもしっかりと戦えるわかりやすさも特徴だと思います。“バハムート”みたいな一撃必殺でわかりやすいカードもあれば、コツコツと堅実と戦えるデッキもあったり、戦術の幅が広いのもおもしろいですよね。
――それでは最後に、読者の皆さまと『シャドバ』プレイヤーに向けて、メッセージをお願いいたします。
香川 今日の予選で勝ち残ったプレイヤーのみなさんは、2日目も本当にがんばってください! 応援してますし、生放送も見ます! そして、ふだんランクマッチでよく遊んでいますので、当たったときはお手やわらかにお願いいたします(笑)。あとは、“まなばん -女流棋士・香川愛生のゲーム番長-”も、ぜひよろしくお願いいたしますね♪
※“まなばん -女流棋士・香川愛生のゲーム番長-”はファミ通チャンネルで配信中!
※“まなばん”2017年2月3日放送分