12種類のミニゲームをVR対応ゲームにチューニング
2017年1月12日、2Kのプレイステーション VR用ソフト『カーニバル ゲームズ VR』の配信を開始した。価格は2160円[税込]。ここではそのインプレッションをお届けする。
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『カーニバル ゲームズ』シリーズは、全世界で累計900万本を売り上げているパーティーゲーム。本作『カーニバル ゲームズ VR』には計12種類のミニゲームが入っており、そのすべてがVRに対応している。各ミニゲームの基本的な内容は以下の通り。
・アレーボール
9つのボールを動かし、レーンの奥の穴に入れるゲーム。どの穴にボールを入れたかによって得点は大きく変わる
・リング トス
いわゆる“輪投げ”。5回輪っかを投げ、合計得点を競う。
・ゴールデン アーム
さまざまな形に配置されたビンの中にある、金色のビンをボールを投げて倒していく。ステージが進むごとにビンの配置は複雑怪奇に。
・ダウン ザ ストレッチ
ボールを転がして穴に入れ続け、ほかの参加者(CPU)より早く、1着でのゴールインを目指す。
・ポップ ダーツ
ダーツを投げて視界に映った風船をできるだけ多く割っていくゲーム。動く的に当てると一気に複数の風船が破裂する。
・シューティング ギャラリー
つぎつぎと出現するターゲットを弾数無制限の銃(二丁拳銃)で撃ち落としていく。
・クライミング ウォール
足場のないアスレチックコースを両手を使ってよじ登り、最上部にあるお宝を目指して進んでいく。
・シャーク タンク
動く的にボールを当て、サメのプールの上に座らされているイケニエを助けるゲーム。
・ファンネル ケーキ スタッカー
放物線を描いて次々と飛んでくるケーキ(というよりはパイ)を皿でキャッチし続け、得点を稼ぐ。
・ホーンテッド ハウス
お化け屋敷の中を走るコースターに乗り、四方八方から出現するオバケや的を銃で撃ち抜いていく。
・ファスト ピッチ
現実ではありえない軌道で飛んでくるピッチャーの投球を、キャッチャーミットでキャッチする。
・スウィッシュ
現実のゲームセンターなどで見かける、制限時間内にバスケットボールをひたすら投げ続け、ゴールした数を競うゲームのVRバージョン。

本作は何かを“投げる”タイプのミニゲームが充実しており、12種類のうちじつに7つがボールやダーツ、輪っかを投げてポイントを競うゲームになっている(※オンラインプレイで出したスコアでほかのプレイヤーと比較できる)。
ひとくちに何かを投げるミニゲームといっても、ゲーム性はひとつひとつかなり異なる。たとえば限られた球数で複数の金のビンを倒す“ゴールデン アーム”はビンそのものを倒すのは簡単だが、どうビンの山を崩すかが重要になるため、投げる前にボールを当てる場所を慎重に考える必要がある。

逆に時間制限のある“スウィッシュ”や“アレーボール”は狙いをつけて投げるよりも、手元にあるボールをつねに投げ続ける勢いで遊んだほうが、いい結果が出やすい気がした。

多くの投げる系ミニゲームでは、両手を使って同時にボールを投げることが可能。両手プレイが攻略的に有効かどうかはゲームによるが、スウィッシュでのバスケットボール2球同時投げは、片手で投げるよりいいスコアが出せた。

ちなみに投げる系のミニゲームに限らず、本作は感度のいいモーションコントローラーのおかげで、体を大きく動かす必要はない。とくにボールを投げる際は腕の振りかたよりも、手首をどう動かすかでボールの飛びかたが決まってくる(いわゆる“手首にスナップを利かせる”ことを意識すると勢いよく飛んでいく)。とはいえ、VRの視覚効果+プレイに熱中してオーバーリアクションになるのは、ある意味VRゲームの醍醐味(?)。ただ、長時間プレイしたい人や、ハイスコアを狙うプレイヤーは、手首の振りを意識するといいかもしれない。

VRで迫力が増した“キャッチ系”と“アトラクション”タイプのミニゲーム
投げるミニゲームが充実している『カーニバルゲームズ VR』だが、VR対応の恩恵がダイレクトに感じられるのは、“ファンネル ケーキ スタッカー”や“ファスト ピッチ”などの、プレイヤーが飛んできた物をキャッチする系のミニゲーム、そして“クライミングウォール”、“ホーンテッド ハウス”といった、遊園地にあるようなアトラクションに直接参加する気分を味わえる、体感に特化したタイプのミニゲームだ。
キャッチ系のミニゲームの中でも、ファンネル ケーキ スタッカーはとくにVRヘッドセット効果をわかりやすく認識できる。ケーキと言えども視界を埋め尽くす勢いで飛んでくる光景はかなりのプレッシャー。ふつうのモニターのゲームでは体感しづらい、いい意味でパニックになる感覚が楽しめた。
こちらはファンネル ケーキ スタッカーのプレイ動画。前半は一度キャッチしたケーキを落とさずにつぎのケーキを取りに行く余裕があるのだが、後半のケーキラッシュを焦らず平常心で乗り切るのは、かなりの練習が必要になりそう。
アトラクションを体感する系統のゲームがVRと相性がいいのは言わずもがなだが、なかでもクライミング ウォールは迫力満点。かなりデフォルメの効いた『カーニバルゲームズ VR』のグラフィックでも、足場がない(見た目的に現実なら落ちたら死ぬ高さ)場所の鎖をつかんで腕だけで進んだり、時間経過で掴む場所がなくなるゾーンを進んでいくのには、ちょっとした恐怖を感じるし、落下したときは体全体が“ビクッ”と反応してしまう。たとえ数多の高難度アクションゲームに慣れ親しんだ人でも、このクライミング ウォールの初プレイでは相当な緊張感を感じるはず。パーティーゲームを“ぬるいゲーム”と思って敬遠している人も、クライミング ウォールのスリリングさは、ぜひ一度体験してほしい感覚だ。



ホーンテッド ハウスは同じアトラクション体験系でも、無限に撃てる銃を使って爽快感を得るタイプのゲーム。敵の配置を覚えることがダイレクトに高得点へと繋がるため、12種のミニゲームの中でも最も従来のゲームらしいやりこみが活きる種目だ。
収録されているどのゲームも“VRならではの映像を体感する”受け身の楽しさだけでなく、“ゲームをプレイしている”という感覚を味わえる『カーニバルゲームズ VR』。プレイステーションVRでしっかり“遊べる”ゲームを探している人は、ぜひ手に取ってみてはいかがだろうか?