GameStream機能はSteamにも対応

 アメリカのネバダ州ラスベガスでいよいよ開幕する世界最大級の家電ショー、CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)。その前日となる2017年1月4日、NVIDIAが基調講演でテレビに接続するAndroidマシン“Shield TV”の新機種を発表した。価格は内蔵ストレージ16GBの通常版が199.99ドルで、500GBのPro版が299.99ドル。

自宅のいろんなものがNVIDIAで動く日――新生Shield TVは4K HDRに対応し、スマートホームのハブにもなるスゴいヤツ【CES 2017】_01

 Shield TVは基本的に、ハイエンドゲームを含むAndroidアプリのコンテンツや、クラウドゲームサービスの“GeForce NOW”、そしてゲーミングPCからゲーム映像をストリーミングで受け取ってテレビに出力してプレイするGameStream機能により、PCゲームもテレビで楽しめるというデバイスだ。
 GameStreamは今回Steamにも対応し、同様の機能を実現するValveのSteam Linkの代わりに、Shield TV側でSteamクライアントのBig Picture Modeを呼び出して、ライブラリーからゲームを選んでプレイするといったこともできる。

 そして今回基調講演で発表された最新版では4K HDRに対応し、さらにGoogleアシスタントが組み込まれていて、専用リモコン“Shield Remote”やゲームコントローラー“Shield Controller”のマイクから音声認識で操作が可能となっている。

 しかしそれだけではない。いわゆる“スマートホーム”のハブとしても機能することができ、対応機器と組み合わせることで、音声認識でエアコンや照明などを操作したり、お気に入りのプレイリストやニュースポッドキャストを再生させる、といったことが可能になる(会場で流れたデモ映像では、「出かけるよ」と言うだけでシェードが降りてルンバ型掃除機が走り出すということまでやっていた)。

 この機能をサポートするために別途登場予定なのが、小型センサー“NVIDIA SPOT”。これを家の中に配置していけば、リモコンやコントローラーに向かって話しかける必要もない。SPOTにはエコーキャンセル機能つきのマイクが入っていて(いわく「20フィート(約6m)先からでも聞き取る」)、家の中のさまざまな場所からのさまざまな人のボイスコマンドを認識してShield TV経由で実行してくれるというのだ。

自宅のいろんなものがNVIDIAで動く日――新生Shield TVは4K HDRに対応し、スマートホームのハブにもなるスゴいヤツ【CES 2017】_02
▲公式サイトより、SPOTの画像。緑になったHAL 9000という気がしないでもない。

 記者の個人的な感想になってしまうが、スマートTVやら同じような機能が入ったセットトップボックスやらがあってもあまり活用されなかったりする現状、Shield TV本来の“ゲーム機能がやたら強力なテレビ向けAndroidマシン”という方向性よりも、むしろ“ゲームをはじめとするあらゆるコンテンツとスマートホームのハブ”という方向に振り切ってしまうのもアリだと思う。
 だって本当にスマートホームにしたいかはともかく、するとしたらレスポンス命なのは、家電メーカーや住宅メーカーの人よりも、秒間1フレームでも稼ぎたいハードコアゲーマーを相手にしてきたNVIDIAの方が重々承知しているはずだから。