まずはアメリカ本土で提供開始
アメリカ現地時間の2017年1月4日、CES開幕を翌日に控えてNVIDIAのジェンスン・ファンCEOによる基調講演が行われた。ディープラーニング向けの機械学習、スマートホーム、AIによる自動運転など、PC用グラフィックカード開発を通じて蓄積した技術を応用した分野も含む、多岐に渡る内容となった。
そんな中でPCゲーム向けとしては、クラウドゲームサービス“GeForce Now”(以下、GFN)がPCとMac向けに発表された。対象地域はアメリカ合衆国本土で、3月よりアーリーアクセスを開始予定。当初は無料で、正式サービス時には20時間で25ドルの利用料金がかかる見込み。
これはNVIDIA Shieldシリーズ向けに提供されていたクラウドゲームサービスを拡大発展させたもので、要はGeForceを搭載していないようなヘビーなゲームが辛いマシンでも、ゲームの処理をクラウドサーバー側で処理し、ストリーミングされてくるゲーム映像を通じて遊べるというもの。
以前のGFNではShieldシリーズが必須かつゲームパッドでのプレイを念頭に置いたものだったが、今回は25Mbps以上の回線に繋がったPCかMacであればマウス&キーボードで遊ぶゲームも問題なし(ただし前述したように現状では地域制限もあり、アメリカ本土以外は対象外)。
さらにタイトルラインアップの幅も一気に広がり、Steam(Valve)、Origin(EA)、Uplay(Ubisoft)、GOG.com(CD Projekt)、Battle.net(Blizzard)と、大手デジタルプラットフォームが軒並み対応。これらのストアで購入したゲームを遊ぶことができる。処理能力はGeForce GTX 1080に相当し、専用のクライアントソフトを通じてバーチャルマシーンに合計1TBまでのゲームをインストール可能となっている。
ちなみにShield向けのGFNでは月額定額+タイトルによっては別料金という形だったが、今回はゲーム自体の利用権はGFNと切り離されていて各ストアで別途購入する必要があるというのもポイント。あくまで処理能力だけを間借りする形になっていて、例えば「あの新作遊びたいけど、グラボしょぼいしなぁ……かと言ってメインは2Dゲームだから買い換えるほどでもないし」みたいな時に新たな選択肢となりうるのではないだろうか(時間単位でお金がかかるサービスなので、毎日ヘビーに常用するぐらいなら当然グラフィックボードを買った方がよくなってしまう)。
『Mass Effect: Andromeda』のプレイ映像も
またGeForce搭載PC向けのプラットフォームGeForce Experienceの新機能として、Facebook Liveへ直接ゲーム映像配信したり、Facebookのタイムラインにスクリーンショットなどを投稿することが可能になることが発表された。1月5日よりβ提供が開始されるという。
これの絡みでエレクトロニック・アーツのアクションRPG『Mass Effect: Andromeda』のデモ映像なども披露されたほか、公式ブログによると、NVIDIA Ansel機能によるゲーム中環境の360度スクリーンショットもFacebookに投稿可能とのこと。Facebookではあまりプレイ映像をシェアしない記者だが、『Mass Effect: Andromeda』の美麗な宇宙空間を360度で撮影して投稿できるのはちょっと惹かれる。
PCゲーム関連ではそのほか、基調講演では触れられなかったものの、画面のティアリングを防ぐG-Sync対応モニターの上位機種として、4K解像度かつHDRに対応し144Hzで動作するG-Sync HDRモニターが2機種(Asus ROG Swift PG27UQ、Acer Predator XB272-HDR)発表され、2017年第2四半期より販売されることがプレスリリースおよび公式ブログで発表されている。