12月のアップデートで、いよいよ根本的部分の改善が本格化!
LION GAMES開発、NHN ハンゲーム提供の、PC用アクションMORPG『ソウルワーカー』。
2016年12月7日には新プレイアブルキャラクター“イリス・ユマ”も実装される本作。今後のアップデート展開や改善の方針など、気になる点も増えてきた。そこで、12月3日に韓国LION GAMES社から開発者を招き、さらに抽選でプレイヤーを招待して、開発座談会ならびに新キャラ先行体験会が開催された。
座談会の前に、新キャラクター・イリスのアクションが見られるPVの上映に続き、12月の最新アップデートの内容が紹介された。12月7日実装予定のアップデートでは、メイズ、アクション、アイテムの3つの改編を主軸にしたという。
アップデート以降ははすべてのメイズ(ダンジョン)に“ハード”と“エキスパート”の難度が追加される。新難度のダンジョンでは、低レベルの段階からもユニーク装備やレジェンド装備などが手に入るという。これまではエンドコンテンツでしか入手できなかったものだ。
さらに、これらの難度で手に入る装備には、オプション(追加能力)にもユニークなものが増えていく。特定の状況で威力を発揮したり、特定のスキルに恩恵をもたらすなど、いままでにないタイプの能力も追加予定らしい。各タウンを代表するユニークセットアイテムのように、地域色が強いアイテムも増えていくようだ。
アクションについては、全キャラクター共通で移動速度が10%アップ。さらに、大振りの攻撃の終わり際などにあった行動不可能になる時間(ディレイ)を短縮。ジャンプ中に即時着地ができるようになるほか、近日中に空中ダッシュも可能になる(7日の段階では実装されず、調整が完了しだい実装予定)。
これまでは装備を最大の+9まで強化しても恩恵をあまり感じられなかった。今後は最終段階で360%、将来的にはさらにそれ以上のステータスアップが得られるようになるとのこと。
加えて、長い時間をかけて素材を集めて装備を作成しても、付与されたオプションが役に立たなかった……というくり返しとなっている現状が打破される。装備の完成品そのものがドロップする確率がアップするのだ比率をアップするのだ。ただし、レアドロップを待たずともこつこつ集めれば装備が作れるという意味で、素材のドロップ自体も無意味にはならない。
さらに、先述のように、メイズの難度追加によって装備の種類自体も大幅に増加。+9までの強化労力に応じた能力アップも併せて、武器をさまざまな場面で使い分ける楽しみも味わえるようになる。
12月のアップデートは、新メイズや新A.Rカード追加といったコンテンツの追加だけでなく、ゲームの根本的な部分についての改修がいよいよ始まるようだ。
現状では、エンドコンテンツのレイドメイズ攻略や“ザ・プライマル”との戦闘をくり返し、レジェンド装備の作成だけが日々の目標、というプレイヤーも多い。メイズの幅や装備収集と使い分けの楽しみ、さらにアクションの快適さが今後より改善されていくことで、エンドコンテンツを楽しむユーザーのみならず、あらゆるレベル層のプレイヤーが楽しめるゲームになることに期待が高まる。
2017年の展望が判明! バイクに乗れたり、新たな力が解放されたり!?
12月アップデートの解説に続いては、2017年以降のアップデートについても、そのマイルストーンが公開された。
非常に気になる単語が並ぶこのマイルストーンについても、オ・サンヨプ氏から詳細な解説をいただけた。以下、項目別に紹介していこう。
◆新規フィールドマップ
MOタイプのゲームである『ソウルワーカー』において、唯一MMOフィールドとなっているのが“第6区域”だ。この第6区域のMMO特性をレアエネミー“グルトン”が大量に湧くイベントPvP要素などに活かし、新機軸のフィールドイベントを現在考案中とのこと。
さらに、MMOフィールドのワールドマップ上で、各タウンやフィールド上のイベントメイズなどに一瞬で移動できる機能も準備中とのことだ。
◆曜日メイズ(曜石システム)&テーマメイズ
上記の新メイズの一環として、曜日ごとに別の素材“曜石”が手に入る“曜日メイズ”の準備が進められている。これにより、さらに特殊なアイテムや装備が入手でき、楽しみの幅が広がるようだ。
そしてもうひとつ、各キャラクターに焦点を当てる“テーマメイズ”も準備中とのこと。いまはどのキャラクターを使っていても、メインストーリーにおけるNPCのセリフは同じ。要はキャラクターごとの設定や個性が活かされていないのだ。テーマメイズはストーリーに盛り込めなかった要素を補完するもの。トラウマを克服して力に変えるという『ソウルワーカー』のテーマについて、キャラクターごとの個別ストーリーを体験できるメイズになるようだ。
また、メインストーリーでもキャラクターごとにNPCが違う反応をするなど、個別のストーリーがより楽しめるような準備も進められている。ただし、日本語訳ローカライズに膨大な時間がかかるため、実装には時間がかかりそうとのことだ。
◆ソウルランシステム&賞金首
ワールドマップの改修にともない、各タウンを高速で行き来できるようになることで追加される、より時限的な業績システムのようなものが“ソウルランシステム”だ。
“賞金首”はPvPに近い要素を盛り込んだ新要素。日本では直接的なPvPへのニーズが低く、ユーザーの抵抗も強い。企画段階ではあるが、全プレイヤーの中からひとりが選ばれ、AIキャラクターの賞金首として再現され、その賞金首とPvPを行なうというシステムを考案中とのことだ。
◆乗りもの実装
フィールドを移動する手段なのか、戦闘でも使用可能なのかはこの座談会の段階では発表されなかったが、乗りものとしてバイクが紹介された。
実在のバイクにかなり近いデザインのようで、しかも車種もすでにいくつか用意されている模様。ここまで凝ってくれているなら、カスタマイズ機能や、別の乗りものの実装も期待できそう?
◆釣り、採集、料理、ならびにマイルーム改編
採取関連システムも実装準備中。オンラインゲームではおなじみの要素だ。採集用のフィールドで素材を入手できるようで、コミュニティーの活性化にもつながるコンテンツにしたいとのことだ。
これらの各コンテンツに、マイルームを連動させる予定もあるらしい。家具を置いて野菜を育てる以外の遊びかたがあまりないマイルームではあるが、新たな楽しみが広がるようだ。
◆侵食システム&転職システム
侵食システムは“ブレイクスキル”の発展形のようなもの。いまは種類も段階もひとつしかないブレイクスキルがさらに細分化される。スキル自体もより早い段階から使用できる。
そして、誰もが気になるであろう“転職システム”。根底には“トラウマを乗り越えて上位の力を手にする”というテーマがあり、力の解放に伴ってより強力なスキルが使用可能になる。ハルが急に二刀流の別スタイルのキャラクターになるようなものではない。
これらの一連のシステムについては、2017年の上半期のうちには実装できるように進行中だ。
ステラの担当声優である種田梨沙さんは現在療養中のため、追加ボイスがどうなるのか心配なユーザーもいるかと思う。ボイスはすでに収録済みのため、声優の変更は行なわれないと発表された。
新アバターに加え、新マップとモンスターのデザインも公開!
マイルストーンに続き、今後実装予定のアバターやマップの新規画像も公開された。
マップ画像についても気になるものが多く公開された。転職に関係するという、これまで見たことがないタイプの神秘的なマップはとくに気になるところだ。
新規マップ実装となると、そこで出会うエネミーについても気になるところだ。それら新エネミーのデザインアートについても公開された。
いよいよ座談会! ユーザーの要望はコミュニティー関連のものが多い?
アップデート内容の解説がひと段落したところで、いよいよ座談会は本番へ。事前アンケートで寄せられた意見や、当日招待されたプレイヤーからの質問や要望に、オ・サンヨプ氏が回答してくれた。
◆レベルキャップ解放や新スキルの実装について
時期としては、つぎの大型アップデートの段階で実装を予定中とのこと。
◆新キャラクターの構想について
転職システムなども含め、新キャラよりも既存キャラのシナリオ追加などによる充実化を優先していく方針だそうだ。しかし、新キャラクター実装の予定もあるようなので続報を待ちたい。
最初期のPVにチェーンソーブレードを使うキャラクターがいたが、そのキャラクターはチェーンソーとブレードのふたつの特性を活用するのが困難で、ブレードの要素のみを取り出して、ハルというキャラクターに昇華したとのこと。チェーンソー使いのキャラクターが登場する可能性はかなり低そうだ。
◆装備作成以外のプレイ目的について
先述の通り、より多く、より種類が豊富な装備やユニークオプションの準備により、収集自体の楽しみも増えるような展開を予定中。ほかにも、新機軸のメイズや釣りなどの新要素で、プレイ目的にできるコンテンツは随時増えていくようだ。
また、現在はクリティカル発生やクリティカルダメージアップばかりが重視されている装備への追加能力についても、新しい価値を生み出せるように思案中とのこと。
◆レベル差の問題(高レベルキャラクターが低レベルキャラクターを手伝うメリットがない)について
レベル差による経験値配分の問題や、高レベルで低レベルメイズに入るとアイテムがドロップしない問題についても、対策を検討中とのこと。後者の問題によって初級ウェポンコアなどの低レベルメイズのドロップアイテムの価格が高騰しているなど、ユーザーの利便性を大きく損なっている。12月から経験値テーブルにも変更が入るため、初心者のレベリングについてはある程度の改善が見込めるようだ。
これらのシステムは一部の悪用を警戒して実装したそうだが、根本的なシステム面についても、ユーザーが不便に感じるものは改修していく方針のようだ。
◆アカウント倉庫実装とA.Rカードの取引可能化について
アカウント倉庫はすでに実装準備を進めているが、システム的に準備には時間がかかってしまうらしい。A.Rカードの取引可能化、ならびにアカウント倉庫を使った同アカウント内での交換については、ゲームバランスや取引価格への大きな影響が考えられるため、慎重に検討中。
また、アンケートには“レンタルA.Rカード”なるアイデアもあったらしい。おもしろい意見として持ち帰りたい、とのこと。
◆ソケット追加アイテムの実装
最近のアップデートでアバターからブローチを外せるようにした流れで、装備のソケットと装着したファミリアについても、同じロジックが今後実装していけるものと考えているとのこと。
◆ジンの上方修正を!
判定の曖昧さやタンカー性能について、ジンが当初のコンセプトを満たせていないことは開発側も自覚しているようだ。バランス調整については、もちろん検討中とのこと。
◆ギルドコンテンツのアップデート
現状はギルドで楽しめるコンテンツがあまりない。当然、利便性のアップやギルドメンバーで楽しめるコンテンツを準備中だそうだ。
なお、“ギルドアジト”という単語をぜひ覚えておいてほしい、とのこと。こちらがギルドコンテンツの先鋒となるのだろうか?
◆フレンド上限数の解放を!
実装作業とテストを進行中。近日、あるいは12月中には実装できるかも……? とのことだ。
ここまでは事前アンケートの質問や要望。続いて、会場から寄せられた意見についても触れていこう。
筆者が取材した第二部ではフレンドリスト関連の要望が多かった。フレンド機能を使ってのエンドコンテンツでのパーティープレイはメリットも多いため、機能の拡充は待ち望まれて当然か。
◆フレンドチャット機能を実装してほしい!
◆フレンドにのみ公開できる、タイムラインのような掲示板がほしい
パーティー募集時にフレンドにのみ声をかけたり、「○時集合!」とフレンドにタイムラインで募集をかけたりできる機能。たしかに、レイドに挑むときなどにあったら便利な機能だ。外部SNSに頼る必要もなくなるだろう。
これらについては「利便性的に考えられる」要素として、ぜひ開発に持ち帰って検討したいと回答してくれた。
◆プライマルレイドのフォース募集がやりにくい
フォース(8人パーティー)の募集機能がなく、4人パーティーの募集機能しかないのが現状。開発にはすでに伝わっており、12月のアップデートが終了次第、すぐに着手してくれるそうだ。
◆“ザ・シング”の討伐時間のランダム性について
最初は2時間、現在は1時間の予告時間帯のなかで、ランダムの時間に発生するザ・シング討伐戦。待っているあいだはほかのコンテンツに着手できないため不便という意見だ。
ザ・シングのランダム性については、「突如出現する」という突然性を演出するために現在の仕様が採用されたらしい。コンセプトを保ちつつ、ユーザーのニーズに応えて、調整を進めていくとのこと。
完全な固定時間の発生にすると早い者勝ちになってしまうため、難しい部分ではありそうだ。今後の調整に注目したいところ!
◆上位エンドコンテンツでの、キャラクター格差について
現状のエンドコンテンツでは、タンカーのジンが不要、回復役のステラが重宝されつつも、最終的には火力がすべて、といったキャラクターバランスとなっている。今後実装される上位のコンテンツでさらに加速するのでは、という心配の声が挙がった。
『ソウルワーカー』ではMMO的な役割分担とパーティープレイ時の相乗効果を意識しつつも、MOアクションRPGにはソロプレイヤーが多いことも加味してキャラクターの性能を調整しているそうだ。その結果、現状のような全キャラクター火力重視の傾向が生まれている。
さらなるエンドコンテンツ実装にともない、今後はタンカーのニーズを作り出すなど、さらなるバランス調整は必須だ。ただし、バフスキルの強化するだけでも影響は大きくなるため、時間をかけて慎重に進めさせていただきたい、とのことだ。
◆フレンドリストの機能改善について
現状の仕様では、マップ移動などが発生するたび、フレンドリストの序列が変更されてしまう。これではパーティーやフォースの参加申請などがしにくい、という意見だ。ソート機能や固定機能は利便性に関わる部分なので、ぜひ検討したいとの回答をいただけた。
◆全体チャットが流されやすいUIについて
課金アイテムを使って全体に流したチャット発言が、いまのチャットUIだとすぐに流されて表示されなくなってしまう点。課金にかかわる部分でもあるため、不便がないように改善を考えたいとのこと。
◆A.Rカードをサブキャラクターとも使い回したい
こちらはアカウント倉庫の実装で可能になるかもしれないとのこと。ただし、全体のバランスが崩れうる要素なので、慎重に進めたいとのことだ。
◆エモーションの追加と、メイズ内での使用について
エモーション(笑う、泣くなどのジェスチャーアクション)はデフォルトで用意されているもの以外は特定のアバターに付与されている。今後はアイテムや報酬で追加されないのか、という質問だ。
現在の仕様では、エモーションはアイテムとして存在しているわけではないので、報酬として配れない。“アイテム化”できるかどうかも含めて検討したいとのこと。
メイズ内ではエモーションは使用できないが、オ・サンヨプ氏は「おもしろく遊べる要素だと思う」と前向きな反応。内部に確認をとってみたいそうだ。
イリスは軽さと重さが絶妙なパワーキャラだった!
質疑応答の後、イリス・ユマのボイスを担当する声優・加隈亜衣さんのサイン色紙をめぐるジャンケン大会を経て、座談会は終了。続いて、実機でイリスを実装前に操作できる体験会へと移行した。
筆者もさっそく体験させていただいたので、軽くファーストインプレッションを述べさせていただきたい。
最初に感じたのは、挙動の速度はハルと同程度という点。筆者のメインキャラがハルということもあるが、違和感なく操作できた。ハルと同じく、攻撃速度アップのオプションなどを追加すれば、スピードは速すぎず遅すぎず。初心者でも操作しやすい、快適な速度のアクションが楽しめそうだ。
それでいて、スキルの大半は「一撃放ったら後は知らん!」と、まるで示現流のような潔さ。ソウルゲージを稼ぎやすいハルとは違い、敵を通常攻撃で殴り続ける必要があるため、スキル使用後のフォローは少したいへんな印象だ。
と、なると「難しいキャラなのか」と思われるかもしれないが、近接攻撃スキルにも範囲攻撃が多く、その攻撃範囲もなかなか広め。かなり戦いやすい印象を受けた。攻撃と移動が一体化したアクションもいくつかあり、これを選んで使用すれば十分な機動力も得られた。
また、とくにおもしろかったのが、大砲に乗ってレーザーを発射しつつ移動できるスキル“エレクトリックキャノン”。持続時間、移動速度ともに予想以上で、広範囲の敵を薙ぎ払ったり、単体の敵に連続で当て続けて大ダメージやアーマーブレイクを狙ったりと、多彩な使いかたができた。
派手で広範囲におよぶ攻撃を気持ちよくぶっ放しつつも、近距離での立ち回りもいろいろとできる。総括としては、パワーがありながらも器用なキャラクターといった印象だった。使うプレイヤー次第でさまざまなスタイルが見られるキャラクターになりそうだ。
外見やその性能から、やんちゃなキャラクターだと思っていたが、実際のボイスはかなりかわいい感じだ。博多弁で戦闘をくり広げるのも、筆者的にはアリ! 性能面、キャラクター面ともに絶妙なバランスで、使うのが楽しみなキャラクターに仕上がっていた。
今回の座談会で今後のマイルストーンが公開され、さらにイリス実装は間もなくということで、楽しみが尽きない『ソウルワーカー』。各要素の詳細についても、続報が入り次第お伝えしていく。まずはイリスを育成しつつ、情報を逃さないように構えておいてほしいところだ。