12月8日より配信スタート

 2016年9月に開催された発表会“2016 PlayStation Press Conference in Japan”で発表された、プレイステーション VR(PS VR)専用タイトル『anywhereVR』。360度に広がるVR空間でスマートフォンやタブレットを操作できる本コンテンツは、ゲーム・映像系VRコンテンツとは一線を画す“ライフスタイル密着型VR”だ。

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 そんな『anywhereVR』、発表会ではコンセプト映像のみが公開されたため、「あれは何?」と感じていたユーザーも多いだろう。そこで今回、配信に先駆けて『anywhereVR』をいち早く体験して感じた魅力をお伝えする。

 なおこの『anywhereVR』は2016年12月8日より配信予定で、基本プレイは無料。PS VRに『anywhereVR』をダウンロードし、単品で楽しむこともできるが、対応スマートフォン・タブレット(Android5.0)に無料の専用キャストアプリ(同日配信)をダウンロードすることで同期が可能。沖縄の砂浜と、富士山を望む山中湖というふたつの風景がフリー・トゥ・プレイで、そのほか20種の風景は追加ダウンロードコンテンツとして同時配信予定となる(1パック10種入り1980円[税込])。

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▲追加DLCのAセットに収録される風景(一部)
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▲追加DLCのBセットに収録される風景(一部)
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▲SME デジタルコンテンツグループ 企画推進チーム 阿部達矢氏(左)、SME デジタルコンテンツグループESチーム/企画推進チーム シニアマネージャー 原口竜也氏(右)

 同コンテンツを手掛けたソニー・ミュージックエンタテインメントの阿部達矢氏によると、『anywhereVR』のコンセプトは“ながら遊び”。映像系のVRコンテンツを楽しみながらも、スマホやタブレットが操作できるといいよね……ということで、“ながら遊び”ならではのリラックス感を存分に味わうコンテンツになっている。

 ちなみに『anywhereVR』はソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアではなく、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)のコンテンツ。SMEは長らくプレイステーションフォーマット向けのタイトルを制作していなかったが、PS VRの発売にともない、“ほかとは違う切り口のことがやりたい”と本コンテンツの制作に踏み切ったそう。ソニー・ミュージック傘下のアーティストではL'Arc~en~Cielが『バイオハザード』とコラボレーションしたPS VR向けのVRミュージックビデオをリリースしている(関連記事はこちら)が、『anywhereVR』はストレートな音楽とは異なる路線でのアプローチとなる。

 早速PS VRを装着し、コンテンツを起動すると……おおっ、360度に広がる美しい砂浜! あまりの美しさに脳が「あれ、これCG?」と戸惑うものの、収録されている風景は、いずれもソニーのカメラ“α7S II”を4台使用した撮り下ろし(!)。風景映像に定評のある映像制作会社・ランドスキップが、本コンテンツのために撮影した珠玉の景色が広がっている。映像の継ぎ目もまったく気にならず、足もとを覗きこんでもカメラは見えず(風景のなかに自分が浮いているイメージ)、おまけに人の姿も見えない。心休まる絶景を、まさに独り占めすることができるのだ。ちなみに流れているBGMも、『anywhereVR』専用に制作されたもの。波が寄せては返す環境音に癒しのBGMが相まって、ぼーっと眺めているだけですさまじく眠気を誘われる……! 映像美と音響が相まって没入感は十分で、PS VRを外すと思わず「あ、帰ってきちゃった」と思うほど。記者も最初は「わざわざPS VRをつけてまでリラックス?」と疑い半分だったものの、思わず無になる没入感は、「わざわざPS VRをつける」行為に値するものだと感じた。

 体験できる風景は、砂浜や湖を始め、ラベンダー畑に水族館、夜空、暖炉、オルゴール博物館、神社……などなどバラエティ豊か(前述の通り、あらかじめ収録されるふたつの風景以外は有料)。PS4コントローラーのスティックで15度ずつ視点の角度を切り換えることができるほか、音楽もSE(操作音)、BGM、環境音の3つのカテゴリでそれぞれ音量調節ができるので、ベストな角度、ベストな音環境で絶景に身を投じることができる。

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 さらに、「なんとな~く何かをしたい」というときのため、『anywhereVR』にはミニゲームも収録。とくにおなじみ『マインスイーパー』風のパズルゲーム『Honeycomb』にはチャレンジモードも搭載されており、美しい風景のなかでひたすらゲームをして無になる……という時間は忙しい現代人のストレス解消にも打ってつけかも。このほか、海や湖などのコンテンツにピッタリの釣りゲームも収録されている。

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▲これは……無になれる!
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 そして気になるスマホ・タブレットとの連携。“キャスト”というメニューを選ぶと、連携させた端末の液晶画面がそのままVR空間に表れ、操作することが可能だ。PS VRを装着していると手もとが見えないため、文字入力などの複雑な操作は難しいが、たとえば電子書籍のページをめくる程度の操作は可能。美しい風景に身を投じ、ゆったり本やマンガを読むことができる(視界のどこに端末の画面を投影するかも自由に設定可能)。スマホに目を落とす必要がないので、たとえば満点の夜空に画面を投影して、寝転がりながら本を読む……ということも可能なのだ(ややお行儀は悪いですが)。ちなみに通信状況によっては滑らかに表示できないため非推奨ではあるが、ゲームをプレイしたり動画を見ることも物理的には可能とのこと。またTwitterのアカウントを登録することで、VR空間に自分のタイムラインのツイートを流すこともできる。こちらは最新の1ツイートが右から左へ流れていくというもので、取得にはややラグの出る可能性もあるが、『anywhereVR』でぼんやりしたいときにはこれくらいの速度でも十分だろう。

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▲最初は手もとを見ずに端末を操作することに戸惑うかもしれないが、慣れればスイスイ。触っているところには○マークが表示される。
▲満点の星空を見上げ、寝転んで本を読むとこんな感じ(笑)。

 『anywhereVR』は12月8日の配信後もコンテンツを追加予定。秋の風景を撮影中とのことで、今後はさらにたくさんの場所へ、PS VRを装着するだけで旅立つことができそう。日本・アジア地域にて先行配信されるが、以降は北米や欧米への配信も予定されており、日本の絶景を海外のユーザーが楽しむ絶好のチャンスにもなるだろう。個人的には、国内だけでなく海外の風景・絶景も楽しみたいところ! たとえば地中海のリゾートや、オシャレなパリのカフェ……家にいながらそんな場所へ行き、ゆったりと読書を楽しんでみたいSMEさん、ぜひお願いします!

 手もとが見えないことによる若干の操作性の悪さ(PS VRを装着しながらのPS4コントローラーとスマホの持ち替えなど)といった改善点はあるものの、“動”のVRコンテンツが多い現状、こういった“静”で楽しむVRコンテンツは貴重。“動”のコンテンツを楽しむ合間の休憩や、仕事から帰ってきてひと息つきたいときにも最適だろう。PS VRをお持ちの方は、ぜひとも絶景に包まれる極上のリラックス体験を味わってほしい。ちなみに気になるVR酔いはほとんどなし。かなり酔いやすいタイプの記者でも、ほぼ気持ち悪さを感じることなく体験できた。

コンテンツ概要

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◆タイトル:anywhereVR
◆発売元:ソニー・ミュージックエンタテインメント
◆対応プラットフォーム:プレイステーション VR対応
※スマートフォン、タブレット(Android5.0)でキャスト機能に対応(無料専用キャストアプリのインストールが必要)。
◆ジャンル:リラクゼーションVR
◆発売日:2016年12月8日配信予定
◆価格:基本プレイ無料(アイテム課金あり)
◆追加コンテンツ(同時発売)
・リラックスSelection A(映像10本入り):1980円[税込]
・リラックスSelection B(映像10本入り):1980円[税込]
・BGM Selection A(6曲の楽曲入り):650円[税込]
・リラックスCollection 1(映像、楽曲をすべて収録):4500円[税込]
※リリースと同時に記念セールを実施予定