8時間にも及んだ『LoL』大会&ステージイベント
2016年11月3日、東京・渋谷のヒカリエホールにて、PC用オンライン対戦ゲーム『League of Legends』(以下、LoL)のアマチュアチーム向け大会“Logicool G Cup 2016 Final”決勝戦が開催された。決勝戦以外にも、各種アクティビティーや豪華出演者たちによる特別エキシビションマッチなども実施。その模様をお届けする。
なお、ゲームのイベントとしては珍しく、協賛各社の中には日清食品とコカ・コーライーストジャパンという食品系メーカーも名を連ねていた。来場者には“日清のとんがらし麺”と“コカ・コーラ”が無料配布され、食事用の休憩スペースも用意されていた。
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さまざまな“因縁の対決”が行われたエキシビションマッチ
決勝戦の前には、豪華ゲストたちによるエキシビションマッチや、Logicool G CUPのOBであるプロ選手のトークショー、特別ライブなどが行われた。エキシビジョンマッチは全4試合。ふだんあまり見ることのない組み合わせで対戦が行われ、観戦者側も大いに盛り上がった。
<エキシビションマッチの組み合わせ>
・LJL実況・解説でおなじみのコンビのeyes氏とRevol氏によるキャスター対決
・ブンブン丸氏と石井プロ氏による人気ストリーマー対決
・プロ選手と来場者がタッグを組んでの2対2マッチ
・DetonatioN Focus Me(以下、DFM)とRampage(以下、RPG)所属選手の3対3マッチ
1試合目は、eyes氏とRevol氏のキャスター対決。普段からバリバリプレイしているeyes氏に対し、世界各地の大会を鑑賞・研究していてプレイするヒマがないというRevol氏。実力はeyes氏が上回っているのは間違いない。Revol氏は事前に使用チャンピオンを決め、準備万端で戦いに挑んだ。
試合に負けて肩を落として悔しさをにじませるRevol氏は、“日清のとんがらし麺 うま辛海鮮味”のPRコーナーで食レポにチャレンジ。ひと口食べて、「辛い! でも美味しい! スープのコクの後に辛さが来るので、薄っぺらい辛さじゃなくて、しっかりとしたスープの旨味が感じられます」と絶賛。そして、額に汗をにじませながらも夢中で完食。敗戦の悔しさは、とんがらし麺の辛さと美味しさで吹き飛んだようだ。
2試合目は、ブンブン丸氏と石井プロ氏による人気ストリーマー対決。ゲーム内のランクでは圧倒的にブンブン丸氏が優勢なのだが、ここ最近のプレイ時間に関しては石井プロ氏のほうが長いようだ。試合前から“口撃”の応酬が飛び交い、巧みな話術で会場を大いに盛り上げた。
試合が始まってからも口撃の応酬は止まず、試合展開はガチガチの殴り合いに。10分を超えて長期戦になるかと思いきや、石井プロ氏が敵勢力を攻撃するタワー下までブンブン丸氏を投げ飛ばし、一気にダメージを与えて勝利。試合後、石井プロ氏は「4年間積んできたから勝てた。これが積んできた者と積まなかった者の差じゃないですかね?」と満面の笑みを浮かべた。
3試合目は、DFMのCeros選手とBonziN選手が来場者とタッグを組み、2対2での対決が行われた。ペアの相手はそれぞれが選ぶ形となったが、Ceros選手の味方ペアは、なんとチャレンジャーランク(ランクマッチで最高位ランク)。対してBonziN選手は女性来場者を選び、「僕がキャリーします!」と妙なやる気を見せた。
一般的なBOTレーンの組み合わせで挑むBonziNチームに対し、Ceros選手はキルを狙った攻撃的な構成。序盤から容赦ない攻めで相手チームを圧倒したCerosチームがそのまま勝利した。
4試合目は、DFMのCeros選手、nonorin選手、BonziN選手と、RPGのRoki選手、Paz選手、Meron選手というプロゲーマーどうしの3対3対決。試合は3対3用のマップ“ツイステッドツリーライン”で行われた。プロがこのマップで戦うのを見る機会はあまりないが、さすがはプロゲーマー。見るものをうならせる白熱の試合をくり広げた。
1キル先取したのはDFMだったが、なかなか大きく試合展開が動かせず、均衡した状態が続く。その状態は試合の終盤まで続き、RPGが集団戦でうまくCeros選手を封じ込め、そのままネクサス(本拠地)を破壊した。
各試合の途中には、2015年のLogicool G CUPの優勝チームに所属し、いまはDFMとRPGという別々のチームでプロプレイヤーとして活動しているnonorin選手とRoki選手によるトークショーも実施。1年前と立場の異なる両者が、それぞれ現在の心境を語った。
また、浅場佳苗さんによる特別ライブも実施。『LoL』内に追加された“スターガーディアンスキン”のテーマソング『Endless Starlight ~命のキラメキ~』を熱唱した。
アマチュアNo.1チームに輝いたのは?
そして、いよいよLogicool G CUPの決勝戦が開催。9月からの長きに渡るオンライン予選を勝ち抜いてきた“Serenade Gaming”(以下、SG)と“Crest Gaming”(以下、CG)が激突した。
試合前には、SGのHolysong選手が「緊張感を楽しみつつ勝ちたい」、CGのhachamecha選手が「後々、hachamechaがハチャメチャしていたという記事が書かれるようにがんばりたい」とそれぞれ意気込みを語った。
1試合目は、キルこそ発生するものの、両チームとも流れを掴みきれずに試合が進んでいった。幾度となく集団戦も起き、一方が優勢になればそのつぎはもう一方がやり返す。試合が動いたのは試合終盤だった。倒すとチーム全体に強力なバフがかかる中立モンスター・バロンをゲットしたCGが試合の流れを掴み、勝利した。
2試合目の開始早々、CGのジャングラー・hachamecha選手のチャンピオン選択が会場中を沸かせた。彼が選んだチャンピオンはアイバーン。プロシーンでは見られないピックである。
序盤のペースを掴んだのはSG。順調にオブジェクトを破壊していき、ジリジリとチーム全体のゴールド差を広げていく。CGの窮地を救ったのはHide on bush選手だった。集団戦で味方が次々と倒れていく絶体絶命のシーンにも関わらず、ダブルキルで敵を追いやることに成功。それに加え、hachamecha選手の巧みな動きにより、徐々にCGがペースを握り返し、集団戦でSGを圧倒していく。そしてその勢いのまま、CGが2試合目も制した。
その結果、CGがLogicool G CUP 2016の優勝チームに決定。見事、アマチュアチームのトップの座に輝いた。優勝したCGには、主催のロジクール及び協賛各社から豪華な景品が贈られた。
DFMのrororin選手やRPGのRoki選手といった前例があるように、Logiocool G CUPはプロへの登竜門とも言える大会だ。オフライン大会という場で見事なパフォーマンスを見せた両チームの選手を、LJLで見る日も近いのかもしれない。Logicool G CUPは来年以降の開催も期待できるようなので、つぎなるスタープレイヤーが生まれる日を楽しみにしたいところだ。