大型筐体でJR山手線をお試しプレイ
2016年11月5日、タイトーが、来春稼動開始予定のアーケード用ゲーム『電車でGO!!』のロケテストをスタートさせた。実施店舗は、タイトーステーション池袋西口店(東京都豊島区西池袋1丁目15番9号西池ビル)と、タイトーステーション海老名ビナウォーク店(神奈川県海老名市中央1-18-1 ビナウォーク6番館2F)の2店で、いずれも11月8日までの実施となる。
ここでは初日となる11月5日の、タイトーステーション池袋西口店の模様を、プロデューサーのコメントも交えてお届けする。
[関連記事]『電車でGO!!』11月5日よりロケテストがスタート、参加者にはクリアファイルのプレゼントも
ロケテストは1プレイ300円で、1プレイ内でコンティニューを行う場合は追加で+100円。ゲームモードは基本“新人ミッション”で、これを一定のスコア以上でクリア―すると、NESiCAを使用して
“熟練ミッション”も遊べるようになるという仕様だった。
実際にプレイに挑むと、まずはその筐体の大きさに感動。内部はゆったりしていて閉塞感もなく、巨大な3面スクリーンは迫力十分だ。マスコンやグリップも、重厚感があって本格的な作りとなっている。
選択した“新人ミッション”では、JR山手線の、ふた駅の区間が試遊できた。プレイでは速度オーバーを気にしすぎて、制限時間を超えて駅に到着するというミスを犯すハメに。残念な気分で終えたが、「つぎこそはきっと!」と、やりこんでどんどん上達してみたくなる、魅力にあふれたゲームである印象を受けた。
「走れば走るほど褒められる」という、加点式に
当日は『電車でGO!!』のプロデューサーである、タイトーのAM本部 コンテンツ開発部 部長で、『電車でGO!!』プロデューサーの川島健太郎氏も、ロケテストの視察に訪れていた。本作の魅力などをインタビュー取材できたので、以下にコメントを紹介しよう。
――まずは今回の『電車でGO!!』の魅力、セールスポイントをお聞かせください。
川島 やはりグラフィックが、過去の『電車でGO!』と比べるとかなり進歩しています。スクウェア・エニックスのビジュアルワークスと共同開発しておりますので、そこがいちばんのウリだと思っています。あとは、見ていただくとわかるように、「どうかしちゃったんじゃない?」と思うくらい、巨大な筐体になっています(笑)。ゲームセンターのゲームは小型化してきて、家庭用と差別化することは難しいと思うのですが、コレを家で買える人はいないと思いますので。ゲームセンターに来てぜひ体験していただきたいというのも、大きなセールスポイントのひとつです。
――8月の発表会のときは、筐体の型番が“40-400”でしたが、今回は“40-410”ですね。どの点が進化しているのですか?
川島 発表会のときはP0筐体という、ひとつ前のバージョンでしたので、少し進化しています。僕自体は“鉄成分”が濃くないのですが、型番にはスタッフがちゃんと意味を込めているんですね。具体的には、操作系がかなり変わりました。マスコンの感触とか、フットペダルで汽笛を鳴らすあたりも、かなり改修を加えています。できうる限り本物に近づけたい、ということで。あとサウンドも、今回はサラウンドの7.1チャンネルになり、音の迫力もずいぶん変わってきたと思います。
――相当贅沢な作りの筐体なわけですね。
川島 アーケードゲームというよりは、どちらかというとアトラクションのような感覚で作っています。
――ほかに、ゲーム内容でこだわった部分は、どんなところでしょうか?
川島 昔の『電車でGO!』って、じつは減点制なんです。「走れば走るほど怒られる」と言いますか。でも今回は、ゲーム性をずいぶん変えてまして、「走れば走るほど褒められる」という、加点式になっています。どうしても『電車でGO!』は、マニアなほうに寄ってしまうのですが、今回は初心者からマニアまで、皆さんに楽しんでいただけるようなゲームシステムになっています。
――難度的にも、やさしくなった印象なのですか?
川島 そこは違います。やり込みをする人によっては、ものすごくやり込みができる内容になっています。4つ目のモニターがタッチパネルになっておりまして、タッチで指差し確認ができるようになっています。ほかにもたとえば、“撮り鉄”の人がいて歩道橋のところでカメラを構えているときに、ポーンと汽笛を鳴らして注意するとか、子どもが手を振っているときに鳴らすと喜んでくれたりとか、反応がポイントに関係します。このロケテスト版では、“撮り鉄”はいませんが、歩道橋で手を振る人は入っているはずです。あと汽笛のゲーム性でいうと、白線の内側に立っている人がいたときに、「危ないよ」と鳴らすと点数が加算されたりもしますね。ただ走って止まるだけではなくて、もっと細かい操作でどんどん加点できる仕組みになっていて、それがものすごく隠されています。ですので、遊び込めば遊び込むほど、高得点が狙えるわけです。
――そういう隠し要素を探す楽しみもあるというわけですね。ちなみに、そういった要素の公開については……?
川島 いい質問ですね(笑)。じつは今回、“レールマンセンス”というシステムがついていて、これはシューティングゲームのボムみたいなものです。発動すると、一定の距離を捜査して、何か隠しフィーチャーがあることを教えてくれるんですね。「怪しいぞ」と思ったらまずそれを押して、隠し要素を探していくというのも、楽しみのひとつになっています。知れば知るほど点数を上げられるので、マニアな方も十分遊べるゲームになっていると思います。あと、昔の『電車でGO!』はセンチ単位なんですが、今回はミリ単位まで計測しますので(笑)。実際の運転士は、もちろんミリ単位までは考えていないと思いますけど……。そういえば、社内でテストプレイをやらせていただいたとき、運転士の方が来られていたのですが、やっぱり上手なんですよね。
――今回のロケテストでは、山手線が遊べましたが、その他の路線についてはどうなんでしょう?
川島 今回はミッション制で一定区間ですが、山手線については当然、1周をつなげていきたいですね。あとはなかなか入ってこなかった私鉄さんですとか……。またたとえば被災した地方で、昔は走っていたけどいまは壊れている路線などもあると思いますが、ゲームで再現してユーザーさんにそこを走っていただき、インカムのいくばくかを被災地に寄付するようなことも、ぜひやりたいと考えています。
――そういった路線が、順次広がっていくということですね。
川島 もちろんです。いまは何週に1回とか何カ月に1回とか、追加のペースを図っているところです。昔の『電車でGO!』は“山手線編”とか“新幹線編”とか、筐体ごとに1路線でしたよね。今回はネットワークで路線を配信しますので、どんどん新しい路線が追加されていくという運営スタイルにしたいと思っています。ほかにやってみたいのが、古い路線。たとえば昭和30年代や40年代の中央線ですとか、そういう路線を完全再現して運転できるということも、ぜひ追加していきたいです。風景など、どこまで再現できるかが制作のカギになってくるでしょうね。
――車両も古くなると、操作形態なども変わってくるんじゃないでしょうか?
川島 ですので、タッチパネルなんです。あのタッチパネルって、車両ごとの操作盤をあそこで再現できるんです。昔の車両も、それで対応したいと考えています。
――今回、ロケテストは東京と神奈川の2か所ですが、今後のプランなどはいかがでしょう?
川島 現状、我々は開発にあまり満足しておりません。見ていただくとグラフィックがキレイなことはおわかりいただけるかと思いますが、まだまだ開発途中だと思っています。もうちょっと情緒感といいますか、たとえば昔電車に乗ったときに、窓から夕陽が差してきて美しかったとか、皆さんも思い出を持っているでしょう。そういうところまで作り込んでから、改めてもう1回ロケテストをやりたいと思っています。今回は“素うどん”みたいな状態ですが、いったんこれで遊んでいただいて、お客様の意見を参考に、さらにブラシュアップしていきたいと考えています。生誕から20年、お客様にお待ちいただいたわけですから、我々としても妥協せず、完全に満足のいくものを作ってお出ししたいんです。
――わかりました。では最後に、これからロケテストに行こうとしているファンに、メッセージをお願いします。
川島 いままでの『電車でGO!』のイメージを持たれている方からすると、ビックリされると思います。どれだけ変わったかをぜひ、ご自分の目で確認いただければと思っておりますので、来てください!
今回のロケテストでは、ゲームを遊んでアンケートにお答えいただいた方には、オリジナルクリアファイルをプレゼント。またNESiCAを使用してゲームを遊んでいただくと、プレイ内容や結果に応じて、『電車でGO!!』本サービス開始時に専用の称号がプレゼントされるという、うれしい特典もある。
前述したように、ロケテスト実施期間は11月8日までと、まだ日にちは十分。2店舗の近隣のファンは、ぜひこの機会に、新しい『電車でGO!!』の魅力を体験してみてはいかがだろうか。