『コード・オブ・ジョーカー』、『スターホース』をスマホゲームにした理由は? セガ・インタラクティブの新事業戦略発表会をリポート

アミューズメントゲーム機器の開発・製造・販売等を行うセガ・インタラクティブは、2016年10月25日、アーケードゲームのIP(知的財産)をさまざまなデバイスに展開し、そのデバイスに最適化したコンテンツやサービスを提供する“マルチデバイス×ワンサービス”戦略に関する新事業戦略発表会を開催した。その内容をお届けする。

●新しい感動体験を創造するIP軸戦略

 アミューズメントゲーム機器の開発・製造・販売などを行うセガ・インタラクティブは、2016年10月25日、アーケードゲームのIP(知的財産)をさまざまなデバイスに展開し、そのデバイスに最適化したコンテンツやサービスを提供する“マルチデバイス×ワンサービス”戦略の新事業戦略発表会を開催した。本稿では、発表会の内容をお届けする。

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▲セガ・インタラクティブ 代表取締役社長CEO
杉野行雄氏

●“マルチデバイス×ワンサービス”の意義

 初めに、セガ・インタラクティブ 代表取締役社長CEOの杉野行雄氏が、“マルチデバイス×ワンサービス”の意義について説明を行った。

 ゲーム市場のアミューズメント部門は2006年にピークを迎え、その後ゆるやかに下がり、いまはコンシューマーソフトと並んでいる。一方、スマートフォンゲームアプリの市場は、1兆7000億の規模に達するほど急成長。このスマートフォンゲームユーザー――新しい顧客層にアーケードゲームIPをアプローチする試みが、“マルチデバイス×ワンサービス”だ。


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▲ゲーム市場変化

 “マルチデバイス×ワンサービス”で杉野氏らが目指すのは、セガグループの全体ミッション“新しい感動体験を創造し続けること”の達成だ。

 杉野氏はそのために、スマートフォンユーザーの顧客接点最大化、アーケードゲームとの連動、そしてアーケードゲームのロイヤリティ向上、スマホタイトルとアーケードタイトルでのゲーム世界観の共有を行い、さまざまなデバイスでコンテンツやサービスを展開していくと語った。

 その中でも重要な点が、以下の3つになる。

(1)アーケードゲームIP軸での顧客接点の最大化
 セガ・インタラクティブのIPを軸に、スマートフォンなどのデバイスで提供することで、時間や場所を問わずにアーケードゲームIPに触れてもらうことができる。またデバイスの特徴に合わせて、提供するサービスを最適化しユーザーに充実のゲーム体験を提供する。

(2)新連動サービス価値の提供
 アーケードゲームとモバイルの連動サービスは、『バーチャファイター4』からサービスが開始された“VF.NET”など、15年以上の実績経験を持つセガ・インタラクティブ。“マルチデバイス×ワンサービス”ではここで培われたノウハウを活用する。
 また、遊びをリンクさせることで、スマホアプリからゲームセンターへの来店を促進することが見込める。
 これ以外にも、「スマホアプリで手に入れたカードを、アーケード筐体でプリントアウトして使用することも可能になるかもしれない」と杉野氏。

(3)ユーザーファーストを実現する開発体制
 アーケードゲーム開発で長年蓄積したノウハウを投入することで、ゲームの世界観、デザイン、設定などの開発上の構成要素の活用でクオリティを保ちつつ、開発効率を向上できる。

 これら3点を重視して取り組んだ“マルチデバイス×ワンサービス”の事例として、現在サービス中のPC/スマートフォン用ネットワーク対戦麻雀ゲーム『セガ NET麻雀 MJ』と、稼動中のアミュースメント施設向けネットワーク対戦麻雀ゲーム『セガ ネットワーク対戦麻雀MJ5 R EVOLUTION』が上げられる。
 『セガ NET麻雀 MJ』と『セガ ネットワーク対戦麻雀MJ5 R EVOLUTION』は、データの連動や同時イベント開催などを行っている。これは、仕事や家庭の事情でなかなかゲームセンターに行けなくなってしまったユーザーへのアプローチでもあり、いつでもすんなりとアーケードゲームへ復帰できるものとなっているのだ。


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 そして今回、この“マルチデバイス×ワンサービス”を本格始動させるにあたり、アーケードゲームIPを活用した3つの新たなスマートフォン向けゲームアプリが発表された。
 さらに、今度開発するすべてのアーケードゲームはすべて“マルチデバイス×ワンサービス”を積極的に採用するとのこと。現在ロケテストを実施している『三国志大戦』ではどういった連動が搭載されるのか、非常に楽しみである。


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●スマホ戦略における“マルチデバイス×ワンサービス”の意義

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▲セガゲームス取締役、セガネットワークスCOO
岩城農氏(写真右)

 続いて、セガゲームス取締役、セガネットワークスCOO岩城農氏が登壇。セガのスマホ戦略における“マルチデバイス×ワンサービス”の意義について解説が行われた。

 現在、国内スマートフォンゲームの市場は、ダウンロード数はじつは伸びていないと語る岩城氏。端末の普及は一巡し、ゲームのダウンロード数は頭打ち状態だという(2016年8月あたりに一度ダウンロード数が回復しているが、これは『ポケモンGO』リリース時にあたる)。
 これは来るべくして来た状況で、今後はユーザーの取り合いに発展することが予想されると岩城氏は述べる。今後は、新しくスマートフォンゲームを始める人が増えるのではなく、ほかのゲームユーザーが違うゲームへ流れる形のほうが、顕著に表れるそうだ。


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 こういった環境下において、望まれるゲームは“差別化”されているものになる。自社人気IPを活かしたり、海外展開を行ったりすることも重要になるが、その中でも顧客のニーズを細分化して、多様なニーズに答えられるようにするべきだと岩城氏は強調する。つまり、多様化するニーズに、開発側も多様性を持って答えていくことが大切であるそうだ。そういった“差別化”が求められるにあたり、“マルチデバイス×ワンサービス”があることは帰結のひとつであり、このサービスでユーザーに新たな感動体験を与えたいと、岩城氏は語った。

 また、アーケードとスマートフォンの連動について杉野氏は、「連動で遊ばないと楽しくない作りにはしない。あくまでアーケード主体で楽しめるようにすることが大切だと個人的に思っている」と述べる。
 「アーケードとスマートフォンの連動によって、アーケードのプレイヤーが減り、スマートフォンゲームへ移行してしまうのでは?」との質問に対しては、『セガ NET麻雀 MJ』と、稼動中のアミュースメント施設向けネットワーク対戦麻雀ゲーム『セガ ネットワーク対戦麻雀MJ5 R EVOLUTION』を例に解説。アーケードユーザーが増加傾向であり、そういった心配はないと述べた。

 なお、今回発表されたアーケードゲームIPを利用した新作スマホゲームの詳細・プレイリポートについては、後ほど掲載予定。そちらもぜひチェックしてほしい。


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