6月からの大会の集大成、世界大会に進むのは誰だ?

 エヌ・シー・ジャパンが提供するPC用MMORPG『ブレイドアンドソウル』の、対人戦コンテンツ“比武”。その国内決勝大会“ジャパンチャンピオンシップ2016 決勝大会”が、2016年10月1日(土)、e-sports SQUARE 秋葉原にて開催された。

 6月からオンラインでの予選やオフラインでの選抜大会など、幾多の大会で勝ち抜いてみせた強豪プレイヤーがこの決勝大会の場でついに集結。2016年度の最強プレイヤーの称号と、上位者のみに渡される韓国での“ワールドチャンピオンシップ2016”への切符をかけて競い合うこととなった。

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▲賞金総額は300万円。さらに個人戦上位3名と、今年から追加された種目・団体戦の上位2チームは、韓国での世界大会に日本代表として参加する権利を得る。

■個人戦 出場選手
 ガチムチお兄さん(滅砕士) シーズン1決勝大会1位
 ヴィジュアル系(滅砕士) シーズン1決勝大会2位
 inoly(剣術士) シーズン1決勝大会3位
 NicoJean(召喚士) シーズン2決勝大会1位
 Ayn(リン剣術士) シーズン2決勝大会2位
 ぉ式(リン剣術士) シーズン2決勝大会3位
 ぺるにゃん(召喚士) ネットカフェ自遊空間予選大会
 月帆(暗殺者) 敗者復活オンライン予選

■団体戦 出場チーム&選手
<Noname>
 ヴィジュアル系(滅砕士) リーダー
 NicoJean(召喚士)
 inoly(剣術士)

<TOP>
 ぺるにゃん(召喚士) リーダー
 There(魔道士)
 ぉ式(リン剣術士)

<Noonsangfanclub>
 ガチムチお兄さん(滅砕士) リーダー
 noonsang(剣術士)
 ThirdEye(双舞士)
 
<AnotherAttic>
 火消しの風(剣術士) リーダー
 田中さん(拳闘士)
 ゆーき爻(暗殺者)

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▲決勝大会の模様はTwitchで生配信された。司会進行はこれまでの大会と同じく、StanSmith氏(左上写真)、QliphothX氏(右上写真)、みゃこ(立石都美)さん(左下写真)、オサフネロアさん(右下写真)の4名。

 『ブレイドアンドソウル』の比武は、これまでにお伝えしてきたシーズン1とシーズン2の決勝戦のリポートでも触れた通り、その試合は見ごたえ満点。対戦格闘ゲームと同等かそれ以上の深い駆け引きや、大逆転劇が起こりうるのが面白いところだ。

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 とくに上級者同士の対戦ともなると、強力な連携からの脱出や無効化ができるものの、再使用までのクールタイムがある“脱出”系と“抵抗”系のスキルをめぐる戦いがすさまじい。いかに相手にこれらのスキルを使わせるか、使ってしまったら再使用可能になるまでどう逃げきるのか。これらのスキルが使われてからの数秒は、目を離せない展開となる。

 また、今回の決勝大会は、『ブレイドアンドソウル』では日本初の試みとなる、一般観客を会場に招いての開催でもあった。会場からは上記のような熱い駆け引きのシーンごとに、大きなどよめきと歓声が巻き起こっていた。

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▲シーズン1の決勝での、現環境最強と名高い“滅砕士”どうしの一瞬が明暗を分ける激戦。シーズン2決勝での、脱出スキルをひとつ犠牲にしてでも相手への対策スキルビルドを組む新戦法。これまでの大会でも、非常に熱い場面が多く見られた。

まずは団体戦! チームワークが驚異の連携を生む!

 大会はまず、団体戦決勝からスタート。団体戦ではこの大会が、日本で初のオフライン公式大会となる。

 団体戦での戦いは個人戦と同じく、基本は1対1の対戦。しかし3名のチームメンバーはそれぞれ2回の交代権と、3回の乱入権を持つ。交代はこの権利によるいつでも行える2回と、一定時間同じメンバーが戦い続けると強制的にほかのメンバーに交代されることで発生する。

 そして乱入は乱入権を消費し、短時間だが今戦っているメンバーと同時に戦うことができる機能。二人での攻撃ならではの超絶的なダメージをたたき出したり、敵を妨害してメインメンバーの危機を救ったりすることができる。さらに乱入権は、残り試合時間が3分、ならびに1分になったときに1回ぶん回復する。

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▲画面の体力ゲージの横にある数字が、交代権と乱入権の残り回数。脱出・抵抗スキル同様に、これをいかに相手に使わせるか、ここぞというところでどう使うかという駆け引きが生まれる。

 その記念すべき1戦目は、Noonsangfanclub(ガチムチお兄さん/滅砕士、noonsang/剣術士、ThirdEye/双舞士)とAnotherAttic(火消しの風/剣術士、田中さん/拳闘士、ゆーき爻/暗殺者)の対戦。

 こちらの対戦では、先鋒として出てきたNoonsangfanclubのThirdEye選手が、双舞士で始終安定した立ち回りを展開。抵抗スキルのクールタイムが長めという双舞士の弱点も気にさせない、攻撃と味方の回復という二つの役割をしっかり果たす。ThirdEye選手は“Ayn”として、リン剣術士であとの個人戦にも参加したが、2つのクラスを同日中に見事に使いこなしていた。

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▲交代で逃げようとした相手を逃さず倒しきる、乱入で助けに来た相手もろとも剣術士の強力な範囲攻撃で半分以上の体力を奪うなど、Noonsangfanclubのnoonsang選手(剣術士)の活躍も光る。見事に2本ストレート先取で勝利。

 続いての2戦目は、TOP(ぺるにゃん/召喚士、There/魔道士、ぉ式/リン剣術士)とNoname(ヴィジュアル系/滅砕士、NicoJean/召喚士、inoly/剣術士)の対戦。いずれのチームも、ほとんどのメンバーが個人戦決勝まで勝ち残っている実力者ばかりだ。

 ここでNoname選手は早くから交代と乱入を積極的に使い、果敢に攻めるスタイルを展開。しかし、1本目ではそれをTOP側にうまくいなされ、逆に交代と乱入がない状態でTOP側の乱入によるラッシュを受け続け敗北。2本目では逆に、Noname側のinoly選手(剣術士)がすさまじい火力を発揮し、TOP側に交代を使わせて追い詰めるスタイルで1本取り返す。

 決着となる3本目では、inoly選手に続けとばかりにヴィジュアル系(滅砕士)が“憤怒”をからめた滅砕士の大火力コンボを決めるなど、攻めのスタイルで押し切って勝利した。

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▲交代権がない状態で、強制交代の時間まですさまじい回避で相手の乱入ラッシュから逃げ切ったNecoJean選手(召喚士)。一方、倒されることを覚悟で大ダメージの“憤怒”を見事当てて、引き分け時の判定有利を狙ったヴィジュアル系選手(滅砕士)。個人技のレベルの高さも垣間見えた対戦だった。

 続いての3位決定戦は、TOP(ぺるにゃん/召喚士、There/魔道士、ぉ式/リン剣術士)とAnotherAttic(火消しの風/剣術士、田中さん/拳闘士、ゆーき爻/暗殺者)の対戦。

 1本目は、観客席になぜか田中コールが巻き起こる中でスタート。早い段階で交代が間に合わず、火消しの風選手(剣術士)を倒されてしまったAnotherAtticに対して、ぉ式選手(リン剣術士)の火力と、There選手(魔道士)の乱入してからの火力や防御面でのサポートをうまくたたき込んだTOPが先取した。

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▲ぺるにゃん選手(召喚士)が打ち上げ状態の相手に乱入しての“スズメバチ”連射で大ダメージを奪う、There選手(魔道士)が“氷結”で数秒間無敵になって相手の乱入をムダ撃ちにさせるなど、乱入をめぐる攻防でのテクニックが光る。

 だが、続く2本目と3本目では、AnotherAtticがそのチーム構成の本領を発揮。味方の攻撃力を増強できる拳闘士と暗殺者から、爆発的な威力の連携につなげられるスキルを3つも所持している剣術士へサポートを集中させる、団体戦ならではの乱入による連携が火を吹いた。
 2本目ではこの連携が決まり、体力に余裕があったぉ式選手(リン剣術士)が一瞬で倒される。3本目ではこのコンボをさらにぺるにゃん選手(召喚士)相手に決めて倒しつつ、乱入で助けに来た他のメンバーの体力もごっそりと奪う。
 いずれの対戦も、乱入などを使う前に相手を倒すことで得られたアドバンテージを活かしてAnotherAtticが勝利し、3位の座を勝ち取った。

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▲90%以上あった体力が一気に0になる、剣術士の火力を最大限に高める連携。この公式大会の舞台でそれを2回も決めてみせてくれた、AnotherAtticのチームワークの素晴らしさには拍手を送りたい。

 こうして絶技で盛り上げてもらったあとに迎えた、団体戦決勝戦。そのカードは、Noname(ヴィジュアル系/滅砕士、NicoJean/召喚士、inoly/剣術士)対Noonsangfanclub(ガチムチお兄さん/滅砕士、noonsang/剣術士、ThirdEye/双舞士)。noonsang選手以外の全員がこのあとに控える個人戦に出場するという、大会進出メンバーの強さが再確認できる組み合わせとなった。

 その注目の1本目。開幕からヴィジュアル系選手(滅砕士)が相手側からの乱入をことごとくいなしつつ、ガチムチお兄さん選手(滅砕士)をギリギリまで追い詰めるなど、攻めのスタイルを引き続き押し付けていくNoname。それに対しNoonsangfanclubは交代と乱入でのカバーを最大限に使い、体力を減らされはしても3人が健在の状態を保ち続ける。

 そこから一人ずつ倒すことで数の優位を得たNoonsangfanclubが、残り時間3分の乱入権獲得と合わせた乱入コンボを決め、まずは1本目を先取した。

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▲序盤はNoname側がかなり優勢に見えた。しかし、それに耐えきってみせたNoonsangfanclubの、ダメージを3人で分散して受けるチームワークが見事のひと言。最後の乱入権復活からのコンボも完璧だった。

 2本目はシーズン1決勝戦と同じ、ヴィジュアル系選手(滅砕士)とガチムチお兄さん選手(滅砕士)が先鋒での激しい殴り合いからスタート。お互いに相手を追い詰め、交代を使わせていくめまぐるしい戦いが続くが、交代権が尽きてきたところで最初に倒されたのは、Nonameのヴィジュアル系選手(滅砕士)。乱入を2回残したままでの脱落でアドバンテージ差が生まれ、それを見事残り時間3分過ぎまでの長期戦で守り切って、Noonsangfanclubが団体戦優勝を決めた。

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▲ThirdEye選手(双舞士)による乱入からのノックバック効果を持つ“裂震波”での味方救出、ヴィジュアル系選手(滅砕士)を逃さず倒した的確なガチムチお兄さん選手(滅砕士)の乱入などが見事。さらに双舞士の回復スキルで体力面でも優位に立つなど、ここでもチームワークが光る勝利となった。

 日本初の団体戦でのオフライン大会ということで、観戦する側にとっても初めての部分が多かった今回の団体戦。しかしその最初から、団体戦ならではの乱入の応酬や、華麗な団体戦ならではの連携で魅せてもらえた、非常に盛り上がる結果となった。韓国でのワールドチャンピオンシップでも、さらにどんな素晴らしいチームワークが見られるのか、期待が高まるばかりだ。

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▲第2位となったNoname(左写真)と、日本最強チームとなったNoonsangfanclub(右写真)は、韓国での団体戦への参加権を獲得。ちなみにnoonsang選手いわく「チーム名はいつの間にか勝手に決められていましたけど、そんなチームメイトのおかげで勝てました」とのこと。

インターバルにて、最新のアップデート情報も公開!

 団体戦終了のあとに、会場では個人戦の開始を前に、『ブレイドアンドソウル』プロデューサー三浦周氏から、『ブレイドアンドソウル』の近々のアップデートについての情報が一挙に公開された。

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▲当日はこれまでの各大会の振り返りや、プレゼンターも務めてくれた三浦プロデューサーから、多くのアップデート内容が解説された。
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 新装備の追加も気になるが、守護石の耐久度の概念が削除され、出しっぱなしでも問題なくなるのは嬉しいところ。さらに宝貝の性能そのものに変更が入ってきたり、高レベルダンジョンでの敵からの厄介なデバフがなくなったりと、キャラクタービルドや攻略に大きく影響しそうな変更もある。装備の進化経路や必要な材料が表示されるようになるのも、うれしい変更だ。

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 さらに新インスタンスダンジョンと、新戦場が追加。インスタンスダンジョンではサイバーな雰囲気の新衣装が手に入るようで、また新戦場はこれまでと異なるルールでの対戦になる。いずれも新鮮なプレイ感覚で楽しめそうだ。

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 さらに新外伝ストーリーに登場するという謎の少女に加え、情報の最後には二丁の銃を構えている女性キャラクターの姿も。新たに追加されるボスキャラクターか、はたまた衣装や新クラスなど、プレイヤーキャラクター側にも関係がある新要素の前触れなのか……? 気になる詳細はまだ不明なので、続報をぜひ見逃さないでいただきたい。

個人戦を制したのは、圧倒的すぎる壁!? 韓国での活躍にも期待!

 アップデート情報の公開に続いて、ステージではいよいよ個人戦の決勝が開始となった。まずは準決勝の前、第1試合から第4試合までの模様をダイジェストでお伝えしよう。

 まず1戦目、月帆選手(暗殺者)とガチムチお兄さん選手(滅砕士)の対戦。相手の動きを封じる“凍結地雷”などでスキルのクールタイムを稼ぎつつ、一気に体力を奪えるコンボを決める機会を狙っていった月帆。それに対してその攻めを堅実に一つずつ守ってしのぎ、まったく揺るがなかったガチムチお兄さん選手が、2本ストレート先取で勝利。守りをどう崩せばいいのか、見ている観客側も頭を抱えるような鉄壁ぶりを見せつけた。

 続いて2戦目、先ほどまでは団体戦で双舞士を使っていたAyn選手(リン剣術士)とぺるにゃん選手(召喚士)の対戦。クラスの違いによる操作の違和感を感じさせず、強力な“雷光閃”をしっかりと召喚士のネコにも当てて1本目を取ったAyn選手だったが、2本目はお互い体力が一時は1%になるというとんでもない展開になり、結果ぺるにゃん選手が勝利。3本目も同じような観客全員が絶句し見入るチキンレースとなり、遠距離攻撃の手数と回復力で勝るぺるにゃん選手がギリギリの勝負を制した。

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▲どうやっても体力を削り切れないと思わせる圧倒的な守りと、体力1%からの巻き返しが何度も続くという、見ている方が怖くなるチキンレース。1戦目と2戦目で、対照的ながら観客が息を飲む試合が見られた。

 続く3戦目、ヴィジュアル系選手(滅砕士)と、ぉ式選手(リン剣術士)の対戦。どちらもハイリスクハイリターンな戦いかたが特徴のふたりだが、さっそく開幕からごり押しを決めたヴィジュアル系選手が、ぉ式選手の体力を25%まで削ってそのまま押し切り1本先取。2本目は逆にぉ式選手がペースを握るものの、ぉ式選手が放った飛び道具の“飛燕剣”をとっさに弾き、気絶を取ってからのラッシュでヴィジュアル系選手が一気に勝負を決めた。

 4戦目は、NicoJean選手(召喚士)とinoly選手(剣術士)の対戦。1本目は、開戦直後にいきなり強力な“火龍連斬”からのコンボを決め、NicoJean選手の体力を半分奪ったinoly選手が優勢を保ち勝利。だが2本目、早く勝負を決めたかったのか脱出スキルを早めに使ってしまったinoly選手。それに対しNicoJean選手がネコによる押さえ込みからのコンボを入れ、体力を一気に奪って勝利する。

 3本目、inoly選手のラッシュを驚異的な回避で脱出などを使用せずしのぎきり、逆に押さえ込みからのコンボを決めたNicoJean選手。さらに、どれも当たったら致命的な連携につながるinoly選手の攻撃を、防御スキル“たんぽぽ”を見事に合わせるなど神がかった回避ですべてしのぐ。最後は遠距離攻撃スキル“ひまわり”を、確実に当てていってNicoJean選手が勝利した。

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▲一瞬の隙から体力を半分以上奪われる、比武における高火力クラスの恐ろしさがよく分かった3戦目と4戦目。これらを避けられる、脱出や抵抗の大事さが改めて分かる。

 こうして迎えた準決勝は、2試合とも滅砕士と召喚士の対戦というカードに。滅砕士は、“憤怒”をはじめとする各種スキルからの、10割近くまで削れるコンボ火力を持っている。さらに召喚士の状態異常を積み重ねる戦法を、“撲滅”や回転攻撃に付随する状態異常防止で封じることができる。この組み合わせは、致命的なコンボの起点となる攻撃をすべて避けきり、状態異常に頼らず堅実に戦わなければならない召喚士側がかなり不利だ。

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▲何も対策せず普通に戦えば、召喚士側の負けが確実とも言えるほどの不利。だがそういった差もひっくり返してきたのが今回の決勝に残った選手たちなので、何が起こるか分からない。

 まず準決勝1戦目、ぺるにゃん選手(召喚士)とガチムチお兄さん選手(滅砕士)の対戦。序盤はぺるにゃん選手側がうまく攻撃をいなしたものの、1回脱出を使ってしまったら滅砕士のターン。そこを逃さずガチムチお兄さん選手は掴みにかかり、そのままコンボで一気に体力を奪いきる。

 しかし2本目、序盤のガチムチお兄さん選手のラッシュを耐え切ったぺるにゃん選手が、残り試合1分までほぼミスなく攻撃を避け続けて勝利。残りわずかの体力から、遠距離からの攻撃で削り切っての勝利に会場からも拍手がわいた。だが続く3本目は、脱出を使い切ってしまったぺるにゃん選手がさすがに逃げ切れず、ラッシュを決めたガチムチお兄さん選手が勝利。決勝進出を決めた。

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▲しっかりと“撲滅”の効果範囲を地面に敷いてから攻めにかかるなど、攻防ともに隙を見せないガチムチお兄さん選手(滅砕士)。そんな相手から1本を取り返せたぺるにゃん選手の、とっさの対応力も素晴らしかった。

 続いての準決勝2戦目、NicoJean選手(召喚士)とヴィジュアル系選手(滅砕士)の対戦。1本目から、お互いにダメージを与え合い、一歩も譲らないダメージレースが展開した。結果は、状態異常に頼らず“ひまわり”を遠距離から正確に当てていったNicoJean選手の勝利。

 しかし続く2本目、“憤怒”の代わりに防御性能に優れた“不屈”を入れていたスキルビルドを“憤怒”型に戻したヴィジュアル系選手。序盤はNicoJean選手が優勢だったが、チャンスを見逃さず大ダメージのコンボを決めてヴィジュアル系選手が逆転勝利を決めた。召喚士の脱出には着地時に一瞬の隙があるのだが、それを見逃さなかったのが勝因だ。

 そして最後の3本目。“憤怒”が入ればもう終わる、というところまで体力を削られたNicoJean選手だったが、そこから“ひまわり”を当て続けつつ逃げ回る。見事にすべての攻め手をいなしてヴィジュアル系選手の体力を遠距離から削り切って、決勝へ駒を進めた。

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▲“たんぽぽ”や“猫じゃらし”などといった防御スキルも巧みに使いこなし、見事に不利な戦いを制したNicoJean選手。先のinoly選手(剣術士)戦からの厳しい連戦とは思えない、完璧な試合運びだった。

 この結果、以降の3本先取制となる3位決定戦と最後の決勝戦も含め、準決勝からの4試合がすべて召喚士対滅砕士という組み合わせとなる。まずはぺるにゃん選手(召喚士)とヴィジュアル系選手(滅砕士)の、3位決定戦が行われた。

 1本目、ぺるにゃん選手はお供のネコの“爆弾設置”で掴み攻撃に対処するなど善戦するも、脱出後の隙をしっかりと狙ったヴィジュアル系選手が先取。2本目でも開始早々にヴィジュアル系選手の“憤怒”は温存したままのラッシュで、ぺるにゃん選手の体力が残り2%にまで減らされる。しかしぺるにゃん選手はここから回復力で持ち直し、遠距離からヴィジュアル系選手の体力を削り切る大逆転を果たす。

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▲ぺるにゃん選手はこの追い込まれた状況からの逆転という、召喚士の回復力や遠距離攻撃力だけでは説明がつかない妙技を見せてくれた。

 しかし続いての3本目は、脱出後の隙をていねいに狙っていったヴィジュアル系選手に対してぺるにゃん選手も逃げ切れず、ヴィジュアル系選手が勝利。4本目もぺるにゃん選手がさまざまなスキルや本人の判断力でつぎつぎと攻撃をさばいていったものの、最後の最後に脱出後の隙をカバーしきれなかったところをヴィジュアル系選手が突き、奪取。3本先取で、3位の座を勝ち取った。

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▲召喚士側も火力が高いものの、脱出後にもうひとつ防御手段を残していないと安全ではない点がかなりつらい。追い込んで脱出を使わせることで、ヴィジュアル系選手がそこを正確に捕まえていった。

 そして最後に迎えた決勝戦、NicoJean選手(召喚士)とガチムチお兄さん選手(滅砕士)の対戦。召喚士と滅砕士の戦いをここまで見てきたうえでも、これまで厳しいとされるカードを見事に制してきたNicoJean選手だけに、もしや……という期待が観客の間でも高まる。だが、ガチムチお兄さん選手の完成した滅砕士の立ち回りは、その差を埋めることをまったく許さなかった。

 1本目、脱出も使い切れないあっという間に、ガチムチお兄さん選手のラッシュによってNicoJean選手の体力がゼロに。これまでは相手をいなしてから攻めていく戦いが多かったガチムチお兄さん選手だっただけに、観客にも唖然とする人が多かったようだ。

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▲「ワンチャンスあれば10割削れる」という滅砕士の評価を、実際に試合開始13秒で実現してみせたガチムチお兄さん選手。公式大会の場で、試合開始直後にこれを決めてみせる精神力が計り知れない。

 そのあとの2本目でも、開幕早々に掴みからの大ダメージで体力が30%を切ったNicoJean選手。そこから回復力と攻撃をしっかりと防御スキルで対処し続けるも、“憤怒”からの気絶を誘発する回転連続攻撃“台風”のラッシュから逃げきれなかった。

 3本目も、しっかりと攻撃をしのぎつつ、脱出を切らせるなど攻めの起点もしっかりとこなすNicoJean選手。しかしガチムチお兄さん選手は、それを的確にさばきつつも攻めの姿勢をまったく崩さない。“台風”による強気なラッシュで押し切りつつチャンスを作り、3本目も制してストレート3本先取での優勝を決めた。

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▲解説のStanSmith氏が「ブレーキが壊れている」と称したが、まさにその通り。相手の攻め手を最小限の動きでほぼすべて潰しつつ、強力な攻めをつねに相手に押し付けていく。まるで嵐のようだ。
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▲試合後の優勝者インタビューにて、「めちゃくちゃ練習してきたのが実って嬉しい」と語ったガチムチお兄さん選手。相手の攻撃を的確に防ぐ動きやラッシュの正確さなど、すべての極まった動きはその練習の成果だったのだろう。

 以上のように、団体戦では『ブレイドアンドソウル』の新たな大会の可能性、さらに個人戦では昨年よりもさらに極まった各選手の妙技をとことん見せてもらえた、今回のジャパンチャンピオンシップ大会。

 今回の団体戦の上位2チームと、個人戦の上位3名は、韓国で開催されるワールドチャンピオンシップに臨むことになる。各選手からは「格上の相手と戦うことになるので、さらに頑張ります」と、世界の厳しさを十分噛みしめたうえでの力強いコメントをもらえた。

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▲表彰式後、三浦プロデューサーから「新しい力を見せてもらえた」「選手の努力が結ばれた結果が見られた」とのコメントをいただけたが、まさにその通り。昨年よりも格段に成長した日本選手の力を、韓国でも見せつけてきてほしい!

 しかし日本の選手同様、海外から集結する選手たちもより進化していると思われる。韓国で開催される大会では、さらに極まった対戦が見られることに期待が高まるばかりだ。だが、今はまず世界の舞台に立つ日本代表選手たちに拍手を送り、今後の活躍をぜひ応援していきたい!

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▲今回の決勝大会ですばらしい試合を見せてくれた全選手と、団体戦ならびに個人戦で世界に挑む選手たち(右写真)に改めてエールを!