番組終了後の片山右京氏を直撃!
ユービーアイソフトが2016年9月8日に発売予定のプレイステーション4、Xbox One用ソフト『F1 2016』。ユーザー待望の“キャリアモード”の復活や、マシンの設定や細かなルールが綿密に再現されているなど、本物のF1の世界を体験することができる。そんな本作の魅力をお届けする生放送番組が、2016年8月30日に放送された。
番組には、前作『F1 2015』の生放送に引き続き、元F1ドライバーである片山右京氏がゲストとして出演。華麗なドライビングテクニックとトークで視聴者を沸かした盛り上げた。ファミ通.comは、番組終了後の片山右京氏を直撃! 『F1 2016』の感触などを語っていただいた。
――昨年、『F1 2015』の生番組に出演されてから、1年ぶりに『F1』シリーズをプレイされたとのことですが、『F1 2015』と比べて『F1 2016』はどんなところに進化を感じましたか?
片山右京氏(以下、片山) 言葉で説明するのは難しいんだけど、去年とレギュレーションも違うし、いろいろな部分を忠実にやりすぎているから、『F1 2015』とはぜんぜん違いますね。プレイしていない人にはグラフィックがキレイになったとか、見た目の部分の進化しかわからないかもしれないけど、実際にプレイするとAIの精度が違うことに気が付くと思います。接触の仕方などのバリエーションが細分化されて、レースを何回やっても同じ展開にはならないから、すごいなと感じましたね。
――番組では、本物のF1さながらのデッドヒートがくり広げられていましたが。
片山 駆け引きが本物に近いから、グロージャン(※)にインを差されたときも、ゲームだからいいやって感じにはならなくて、「なんだこいつこのやろう」って熱くなっちゃいました。それくらい熱くなっちゃうから、“キャリアモード”を“フル・ウィークエンド”でやるとなると、かなりストレスが溜まると思います(笑)。
※ロマン・グロージャン
――という褒め言葉ですよね? それぐらいリアルだぞという(笑)。ちなみに、キャリアモードでは所属チームを選べますが、強豪チームと弱小チームどちらに入って進めるのがいいと思いますか?
片山 リアルのF1の世界では、よっぽどのことがない限りいきなり強豪チームのマシンには乗ることはできないし、反対に弱小チームならチームメートと競い合いながら、ステップアップすることができます。そういうのを同じ時間軸で体験できるということが、ゲームの枠を越えていますよね。だから、ハマり過ぎて会社をクビになる恐れもあるわけですよ。それだけの時間を費やしているんだから。でも、世の中にはそれくらい好きな人もいるんですよね。
――そういう意味では、F1ドライバーになりたいけど、まだ免許を取得できない中学生や高校生がF1の世界を体験するのに最適ですよね。
片山 絶対にやったほうがいい! F1ドライバーもまずシミュレーターをプレイして、レースのための学習と言うか、マシンがぶつかり過ぎたり、寄せ合ったりする部分をちゃんと学んで、安全にレースを行えるようにしてほしいですね。
――さきほど、「AIの精度が違う」と話されていましたが、本作ではだいぶ向上しているということでしょうか?
片山 ブラインドスポット(側方、後方などの見えない位置)に対しても意外に忠実でしたね。後ろからイン側に入ってくると画面に矢印が出てくれて、そこはゲームのやさしさが出ているけど、入ってきている、押されているっていうのをリアルに感じたから、AIの精度はかなり進化していると思います。
――見えていなくても、インのこのあたりにいるから、あまり絞めるとぶつかるなという感覚があるということですか?
片山 そうですね。ちゃんと1車線開けないと、番組でのプレイのようにぶつけられてしまうからね。最初は、「ゲームだから寄せられても大丈夫だろう」って思っていたんだけど、ベッテル(※)が引かなくて(笑)。きっと、ドライバーの性格もAIに設定していると思うんですよ。だから、よりおもしろくなったなと感じました。
※セバスチャン・ベッテル
――AIのほかにも、フロントのウィングが取れたときに「ダウンフォース(※)が抜けて、ハンドルが軽くなった」と番組で話されていましたが、そういったこともリアルに再現されているんですね。
※走行するマシンに対し、空力によって発生する負の揚力。
片山 奢った言いかたになってしまうけど、ほかのレースゲームと目的やこだわりかたが違うから、レース経験者じゃないとわからない細かな進化は多いと思います。
――ほかのマシンからの圧と言いますか、プレッシャーみたいなものも、レースドライバーでないとわからないかもしれませんね。
片山 そこまでやるかっていう(笑)。
――ここまで進化すると、『F1 2017』ではどうなってしまうと思いますか?
片山 タイヤの摩耗を演算しているように、このドライバーはいまここにいて、こういう状況だからこう動くだろうっていうAIの技術がもっと進むかもしれませんね。すでに『F1 2016』でも人(プレイヤー)を熱くさせるようなレースが味わえるから、これ以上進化すると困っちゃうけど、楽しみでもありますね。
【バックナンバー】
・『F1 2016』の魅力を語る【第1回:ばしを】――“キャリアモード”の復活でF1ドライバーのバトルをよりリアルに追体験
・『F1 2016』の魅力を語る【第2回:座談会】――レースゲームはここまで進化した
・『F1 2016』の魅力を語る【第3回:座談会】――細かな演出が追加されてよりリアルに
F1(TM) 2016
メーカー | ユービーアイソフト |
---|---|
対応機種 | PS4プレイステーション4 / XOneXbox One |
発売日 | 2016年9月8日発売予定 |
価格 | 各7980円[税抜](各8618円[税込]) |
ジャンル | レース |
備考 | プレイステーション4のダウンロード版は7100円[税抜](7668円[税込]) |