F1ファン&ドライビングゲームファンがアツく語り合う

 ユービーアイソフトが2016年9月8日に発売予定のプレイステーション4、Xbox One用ソフト『F1 2016』。F1の話題も取り上げつつ、本作の魅力をF1好き編集者のツツミ・デラックス、ばしを、ライターのポルノ鈴木が語る。

■華やかなF1 の世界を体験できる“キャリアモード”

ばしを F1ファン、『F1』シリーズファンとして、“キャリアモード”の復活はうれしいでね。

鈴木 自分がF1ドライバーになれることはもちろんですけど、実在するレーサーがライバルになるのはうれしいですよね。僕の場合はジェイソン・バトンがライバルだったんですけど、バトンよりも自分のほうがぜんぜん速くて優越感に浸れましたよ(笑)。

ツツミ 2009年のチャンピオンよりも速いぜってね(笑)。

鈴木 強いチームで独走してもいいんですけど、できれば弱小チームで始めてステップアップを体験してもらいたいですよね。ちなみに、今シーズンのF1でいちばん弱いチームはどこなんですか?

ばしを いちばん弱いのはマノーですね。

ツツミ レースゲームが得意な人はマノーでも大丈夫だと思うけど、得意じゃない人はちょっとキツイかもしれない。あと、参戦方式は“ショート”でも十分F1の気分を味わえると思う。“フル”はやってられないよね(笑)。退屈なところも含めてF1ドライバーの気分としては100%なんだけど。

ばしを 1レースやるのに8時間ぐらいかかりますからね(笑)。

ツツミ 「週末をF1ドライバーとして過ごすんだ」っていう決意が固められれば、レーシングスーツを着て“フル”をやるのもあり(笑)。

鈴木 「F1ドライバーを目指しています」とか、「カートやっています」みたいな人が、ハンドルコントローラとシートを揃えてプレイしたら、「所詮ゲームじゃん」って感想じゃなくて、「なるほど!」と思うモードかもしれないですよね。そこまで本気じゃない人は、友だちを集めてイベント感覚でやったら盛り上がりそう。

ツツミ あとは実際にF1中継をしているときに同時にやったり(笑)。

ばしを (笑)。そういえば、今作からパドックが導入されて、よりリアルなF1の世界を体験できますよね。

『F1 2016』の魅力を語る【第2回:座談会】――レースゲームはここまで進化した_03

ツツミ 実際のF1でも90年代にスポンサーがどんどん入ってきて、お金をかけるようになったから、パドックがすごいことになっているんだよね。

鈴木 専属シェフとか。

ツツミ そうそう。有名なシェフを呼んできて、そこにスポンサーの人やVIPを呼んで……みたいな世界だから、その華やかさを感じられるよね。あと、おもしろいなと思ったのが、待っているときにほかのドライバーがコースを走っていると、その状況を見ることができるんだよね。実際にF1でもほかのドライバーの走りやコースコンディションなどを見ながらタイヤを換えたりするから、そういう意味でよくできているなと。

ばしを 予選中のコースの混雑具合とかも表示されていましたよね?

鈴木 クリアラップ(※)を狙って「いまだ!」みたいな。実際はそこまでシビアに遊ばなくてもいいけど。
※予選などのタイムアタック走行中、ほかのマシンの影響をまったく受けずに走行できた周回のこと。

ばしを でも、予選で遅いやつに引っかかると、文句を言いたくなりますけどね(笑)。

ツツミ そうだよね(笑)。そういうところも含めてリアルなんだよね。

『F1 2016』の魅力を語る【第2回:座談会】――レースゲームはここまで進化した_05

鈴木 チュートリアルみたいなところで、“タイヤの消耗度を守れるか”みたいなミッションを課せられるじゃないですか。すごくおもしろいんですけど、コントローラでレースゲームをプレイすると、ステアリング操作がオーバーになるから超不利だよっていう。

ツツミ 本気でプレイする人はハンドルコントローラを買わないともったいないよね。

鈴木 ここ何十年のレースゲームで突き詰めてきた部分のひとつが、コントローラとクルマの動きをどう合わせるのかだと思うんですけど、『F1 2016』はコントローラでもすごく遊びやすくチューニングされているんですよね。

ツツミ コントローラでクルマを動かすのってすごく不利だもんね。これで実際にクルマを運転したらどうなるんだろう?

鈴木 危ないですよ(笑)。とくに300キロで走っているクルマは。たとえば、ハンドルで1mm動かしたときにマシンが5cm動くとして、それがコントローラなら1mmで何mも動いちゃうわけですよ。でも、『F1 2016』はうまくチューニングされていて遊びやすいと感じました。

『F1 2016』の魅力を語る【第2回:座談会】――レースゲームはここまで進化した_02

■アシスト機能で初心者も上級者も楽しめる

ツツミ 実際にF1ドライバーが初めて走るサーキットのコースを覚えるのに、『F1』シリーズを使っているみたいだから、それだけリアルってことだよね。

ばしを 去年、マックス・フェルスタッペンがそんなようなことを言っていましたね。

鈴木 去年、『F1 2015』のニコニコ生放送で片山右京さんと共演させていただいたんですけど、そのときに右京さんがアシストを全部切った状態でプレイしたんですよ。僕はまったく走ることができなかったのに、右京さんはふつうに走らせていましたからね。レースゲームってゲームハードとともに進化してきたので、ハイエンドのゲーム機で出たということは究極ですよ。

ツツミ たしかにそうだね。アシストを全部切ってスムーズに走れるって右京さんもすごいけど、ゲームもすごいよ。

鈴木 そこなんですよ。ゲーム寄りの人間がぱっとやってもコントロールできないわけで。

ツツミ アシストを全部切ったら走れないよね!

鈴木、ばしを 無理ですよ!

ツツミ しかも、天候を雨にして走ったことがあるんだけど(アシスト入り)、ドライで走ったときと感触が明らかに違うんだよね。なんかの拍子でアクセルがフルの状態で舵角が入っちゃって、それを収めるのにブレーキをかけないと無理っていうぐらい振られて、すごくリアルでびっくりした。

『F1 2016』の魅力を語る【第2回:座談会】――レースゲームはここまで進化した_04

鈴木 走行のリアルさ以外にも、このゲームAIがすごいんですよ。ヘアピン前ですっとインに入ってオーバーテイクってことが自然にできる。いままでのレースゲームではそういう走りかたができなかったじゃないですか。

ツツミ ぶつかってくるよね。自分のラインしか守らないから。

鈴木 なのでキレイなレースが楽しめるんですけど、甘いラインで走っているといきなりすぱーんってインに入られて抜かれることもあるっていう。それがうれしかったり。

ばしを 本当にレースをしている感がありますよね。

鈴木 F1ってタイトルだけど、F1に興味がなくてもレースゲームが好きな人は絶対やってほしいんですよ。これがレースゲームの最新系だから。

ツツミ たしかに。あと、昔からあるアシスト機能なんだけど、自分の走りの状況によってコース上に表示されるラインの色が変わるから、初めてプレイする人も走りやすいと思うんだよね。コースのライン取りもわかるし、だいたいの限界スピードもわかるし。

『F1 2016』の魅力を語る【第2回:座談会】――レースゲームはここまで進化した_06

ばしを うまくなってきたら、ラインのアシストをコーナーのみにしたり、オフにできますし。

ツツミ しかも、いまのF1もアシスト入っているしね。

ばしを 一時期ほどじゃないけど。

ツツミ 一時期は自動運転みたいな感じになっていたからね。いまは、ABS(アンチロック・ブレーキング・システム※1)や、トラクション・コントロール・システム(※2)が禁止されているけど、それと同じような技術を新しく作って入れてくるのがおもしろいよね。
※1 急ブレーキあるいは低摩擦路でのブレーキ操作において、車輪のロックによる滑走発生を低減する装置
※2 加速性能を向上させるためにホイールの空転を防止あるいは制限する装置

鈴木 いかにそれを迂回するのかが、レースレギュレーションですからね。

ばしを だから『F1』シリーズは毎年出さないといけないっていう。

鈴木 そう考えると、F1の現場ってつねに進化していて、それをシーズンが始まってからからほぼ半年遅れでゲームになるのがすごいですよね。どういう開発体制なんですかね?

ツツミ 謎! 

ばしを 第4戦後にマックス・フェルスタッペンがレッドブルに移籍しましたけど、それには開発チームも驚いたでしょうね。

ツツミ そうだよね。F1ファンですら「え、なにそれ」って感じだった。

ばしを でも、ちゃんとパッケージにレッドブルのレーシングスーツで描かれているんですよね。

ツツミ フェルスタッペンはレッドブル移籍後のレースでいきなり優勝だからね。しかも18歳っていう。今年の目玉のドライバーですよ。

『F1 2016』の魅力を語る【第2回:座談会】――レースゲームはここまで進化した_01

■さらに充実したマルチプレイモード

鈴木 まだ発売前なのでマルチプレイはまだできませんが……。

ツツミ 1年間のチャンピオンシップシーズンをフルで遊べるって相当ヤバいと思いますよ。世界中の猛者がいるわけでしょ

鈴木 レースゲームっておもしろいぐらい力の差が出ますよね。トップランカーの異常さと言いますか。

ばしを ルイス・ハミルトンみたいな人がいるんでしょうね。

鈴木 さっきAIがすごいって言いましたけど、やっぱり人が運転するクルマとレースするのはおもしろさが違いますからね。

ツツミ 設定にもよるけど、接触したときにペナルティーやダメージみたいなものがあると、実際のレースもそうだけどダメージがあると自重せざるを得ないと言うか、ダーティーな走りができないからね。こんなによくできているゲームなんだから、ぜひとも大会をやってほしい。

ばしを めちゃくちゃよくできていますよね。ずっと遊び続けちゃうって言うか遊びたい。

ツツミ そうなんだよね。走り出したら止まらないぜみたいな。

【バックナンバー】
・『F1 2016』の魅力を語る【第1回:ばしを】――“キャリアモード”の復活でF1ドライバーのバトルをよりリアルに追体験


F1(TM) 2016
メーカー ユービーアイソフト
対応機種 PS4プレイステーション4 / XOneXbox One
発売日 2016年9月8日発売予定
価格 各7980円[税抜](各8618円[税込])
ジャンル レース
備考 プレイステーション4のダウンロード版は7100円[税抜](7668円[税込])