鉄道関連の多くの企業が『電車でGO!!』を盛り上げる

 2016年8月8日、東京・恵比寿ガーデンプレイス内、ザ・ガーデンルームにて、タイトー主催による“「電車でGO!」稼働20周年記念新製品発表会”が行われた。

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[2016年8月10日 15時50分 記事修正]
記事初出時、人名に誤りがありました。関係者ならびに読者の皆様にお詫び申し上げるとともに、ここに訂正させていただきます。

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▲タイトー 代表取締役社長 石井光一氏。

 「電車運転シミュレーターの『電車でGO!』も1997年の稼動から来年で20周年。満を持して新型が発車します!」との司会者の言葉とともに開始された発表会。まず登壇したタイトー 代表取締役社長 石井光一氏は、タイトーの代表作のひとつである『電車でGO!』シリーズに対して、「シリーズ作は出ないのか?」といった要望が多く寄せられているとしたうえで、「新製品の発表ができるのをうれしく思います」とコメント。本作は、スクウェア・エニックス ヴィジュアルワークス部の協力を経て、あたかも実写であるようなビジュアルを実現しており、子どもからお年寄りまで、「幅広い年齢層に新しい体験を提供できる」とアピールした。

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▲ジェイアール東日本企画 常務取締役 営業本部副部長JR局長 筑波伸夫氏。

 おつぎに登壇したのは、本作の開発に協力しているジェイアール東日本企画の常務取締役 営業本部副部長JR局長 筑波伸夫氏。筑波氏は、「20年は早いですね。当時ファンだったので、なつかしく思います。前作までは“電車運転シミュレーター”でしたが、本作は“電車運転士体験ゲーム”に新しくなっているということで、期待しています。20年前と同じように楽しみたいです」と新作にエールを送った。さらに、『電車でGO!』は世代を超えて遊べるゲームであり、最新作によって鉄道を愛するファンがさらに広がってくれればうれしいと抱負を語った。

 石井氏、筑波氏の言葉に続いて、ついに最新作『電車でGO!!』の筐体がベールを脱ぐことに! 出現したのは、全高216センチメートル×全幅260センチメートル、三面モニターという大型筐体で(全面に操作用のタッチパネルもあるので、実際は全4画面)、鉄道ファン垂涎のまさに本格仕様の圧倒的な存在感。

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▲タイトー AM本部 コンテンツ開発部 部長 川島健太郎氏。

 製品説明のために登壇したタイトー AM本部 コンテンツ開発部 部長 川島健太郎氏は、「20周年を記念しての生まれ変わったモデルです。これまでの考えかたを捉え直して、“運転士体験ゲーム”となっています」と説明した。筐体に対しては「でかいです(笑)」とひと言。実際の電車は幅3メートルくらいあるらしいが、それに近いという。

 こだわっているのは、グラフィック。グラフィックはアンリアルエンジン4で制作されており、先述の通り、スクウェア・エニックス ヴィジュアルワークス部の監修を受けているという。「事前に見た人は、実写みたいという感想をもらしてくれますが、CGです」と、川島氏もグラフィックに対する手応えを語る。圧倒的な臨場感は、鉄道ファンを喜ばせずにはいられないとのことだ。

 今回の発表会ではゲーム内容にはあまり触れられなかったが、川島氏の口からは「ミッション制になる」とのキーワードが聞かれた。たとえば、(これはあくまで例示だと思われるが)「雪の日の朝で、受験生が入試に間に合うには、どう運行すればいいか?」といったような、運行中に遭遇するさまざまな出来事が、ストーリーが盛り込まれた形で、ミッション制で楽しめるようになるのだという。さらに、本作はオンラインアップデートに対応しており、稼動開始当初は山手線からスタートしつつ、順次新しい路線をオンラインでアップデートしていくのだとか。

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 さらに、『電車でGO!!』に合わせて、スマートフォンアプリも提供予定であることが明らかにされた。タイトルは『連結!電車でGO!!』で、何と電車がモチーフのパズルゲームだという。同作は今冬配信予定で、アーケード版との連動企画も予定されているという。

 さて、すでにリリースでも明らかにされている通り、『電車でGO!』20周年ということで、とにかくコラボ企画が目白押し。タイトーでは“アライアンスカンパニー(同盟企業とでも訳すべきか?)”と名づけているが、『電車でGO!』20周年に対して、多くの企業がお祝いを祝しているとの印象もある。改めてかいつまんで説明すると、『電車でGO!!』では、世界最小級ブロック“nanoblock”でおなじみのカワダとタイアップし、『電車でGO!!』の世界にnanoGaugeが登場するほか、“乗換案内”のジョルダンとのタイアップによる、“乗換案内×電車でGO!!”のコラボレーション企画、鉄道雑誌『鉄道ファン』の交友社とのタイアップなどが予定されているという。

 発表会では、先に触れたスクウェア・エニックス ヴィジュアルワークス部の生守一行氏を始め、『電車でGO!!』の盟友ともいうべき、各アライアンスカンパニーの担当者もゲスト出演し、それぞれコメントを寄せてくれた。

▼スクウェア・エニックス ヴィジュアルワークス部 チーフ・クリエイティブ ディレクター 生守一行氏
 「本作では、リアルさだけでなくて、きれいさを目標にしています。鉄道ファンはもちろんですが、親子でも楽しめるものを目指しています」

▼カワダ オリジナル事業本部 事業部長 取締役 高橋宏行氏
 「“nanoblock”は、2008年3月に大人向けのブロックとして発売され、世界50数ヵ国に販売され、3000万個を超える実績を持っています。以前から“鉄道のプロとコラボしてみたい”との思いを抱いていたところ、タイトーさんからお話をいただいて即答しました。バーチャルなアーケードの『電車でGO!!』と、アナログな“nanoblock”で何ができるのか、話を進めているところです」

▼ジョルダン 代表取締役社長 佐藤俊和氏
 「今回のアライアンスでは、スマホでの連携を考えています。いまは『ポケモンGO』が人気ですが、来年のいまごろは、『電車でGO!!』のアプリが負けず劣らず人気になっているとうれしいです」

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▼交友社 代表取締役社長 山田修平氏
 「2003年3月号の『鉄道ファン』で、裏表紙に『電車でGO!』の広告を載せていただいて、大きな話題になったことは忘れられません。その後、『電車でGO!』のいろいろなタイトルがリリースされる度に話題になりました。喜び、感動、驚きを味わっていただけるのではないかということで、今回協力させていただくことになりました」

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▲スクウェア・エニックス ヴィジュアルワークス部 チーフ・クリエイティブ ディレクター 生守一行氏。
▲カワダ オリジナル事業本部 事業部長 取締役 高橋宏行氏。
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▲ジョルダン 代表取締役社長 佐藤俊和氏。
▲交友社 代表取締役社長 山田修平氏。
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▲筐体にはNESiCAの端末も。

 質疑応答では、取材陣にも熱心な『電車でGO!』ファン、鉄道ファンが多かったのか、積極的な質問が寄せられた。製品担当の川島氏からは、「VR化の予定はない」、「音楽は100%ZUNTATAが担当しています」、「お客様にテスト(ロケテ)してもらうことを想定している」(年内には実施したい!)といったコメントが聞かれたが、興味深かったのは、価格に対して。『電車でGO!!』のプレイ料金がいくらになるかは気になるところだが、川島氏は「100円を入れて3分楽しむことに対して問題提起をしています」とコメント。さらに続けて、定期券を買って、1ヵ月は何回かフリープレイができる……といったことを考えているという。当然決済に電子マネーが向いているので、そのへんは柔軟に考えているのだとか。『電車でGO!!』では、決済まわりでも新しい取り組みが検討されているようだ。

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 さらにおもしろかったのが、筐体に付けられていた“クハ 40-400”の由来を聞かれたとき。登壇した、電車マニアで知られると開発者は、「“クハ”は、運転台付き先頭車なので」と前置きしたうえで、“40”は、4作目であること、そして“400”は、プロトタイプの4番目であることを明らかにしてくれた。今後ロケテが実施される予定であることは先述の通りだが、となると、今後“400”の数字が増えていくわけで、そんなところを確認しながら『電車でGO!!』をプレイすると楽しさが広がりそう。

 最後は、川島氏は「鉄道のゲームを作っていると、たくさんの鉄道関係者の方とお話をする機会があります。鉄道関係者の方とお話をしていて、心を打たれることがあります。それは安全安心のサービスを提供するということに関して、たくさんの人が非常に真摯に携わっているということです。ふだんはあまり意識を払わないのですが、それを実現するまでにすごくたくさんの人たちが、非常に細かやな心遣いで運行サービスをされていることをしみじみと実感します。我々はそういう思いをこの筐体の中に入れて、20年目の『電車でGO!!』を完成させたいと思っています!」との決意表明とともに、発表会の幕は閉じた。

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▲最後は『電車でGO!!』アライアンスカンパニーの皆さんで!
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▲発表会後は、取材陣に筐体が公開された。リアルな運転席を見ると、どうにもドキドキするのは人情というものです。