人狼ゲームのプロが大集合
2016年6月28日、NHN ハンゲームは7月下旬のサービス開始を予定しているPC用ブラウザゲーム『人狼パーティー ~believe or deceived~』の関係者向け体験会を開催した。
“人狼ゲーム”とは、村人側と人間に化けた狼(人狼)側に分かれ、推理で戦うパーティーゲーム。ゲームは半日単位で進行し、夜パートになると村人がひとり人狼に食べられてしまう。昼パートのうちに話し合いと投票で人狼と思われる人物を追放し、人狼をすべて追放できれば村人側の勝利、村人が減って人狼と同数になると人狼側の勝利となる。
村人や人狼などの役職はゲーム開始時に決定され、特殊能力を持った役職につかないかぎりは自分以外の役を知ることはできない。相手の発言を信じるかどうか、嘘を見抜けるかどうか。駆け引きと説得力が重要だ。
体験会には我々メディアのほか、人狼ゲームを愛する関係者が集まった。仕事として人狼に関わる人はもちろんのこと、将棋の棋士、プロ雀士、AI研究者と、多彩な顔ぶれ。
【体験会の参加者】
児玉健氏(「人狼ルーム」代表)
阿部洸希氏(「人狼ルーム」GM)
眞形隆之氏(「アルティメット人狼」主宰)
山田昌和氏(「人狼スリアロチャンネル」代表)
香川愛生氏(女流棋士)
魚谷侑未氏(プロ雀士)
鳥海不二夫氏(東京大学大学院工学系研究科 准教授 人狼AI研究)
クマ氏(「人狼ハウス」プレジデント)
高橋一成氏(株式会社人狼)
村上耕介氏(人狼ゲーム研究会)
体験プレイを前に、プロデューサー・中村氏とプランナー・猪飼氏からコンセプトの解説があった。人狼ゲームはテレビ番組の題材になったこともあり、知名度は高いものの、プレイヤー人口はそこまで多くないと感じているそうだ。
人狼ゲームはある程度の人数で対面して遊ぶのが基本ではあるが、円滑に進行させるにはゲームを熟知したGM(ゲームマスター)が必須だし、そもそも人数を集めるのが難しい。オンラインでの人集めとGM部分を担ってくれるのが、この『人狼パーティー ~believe or deceived~』というわけだ。今後はスマホ版の開発も検討しているとのこと。
あらかじめ用意された固定ルールなら、人狼ポイント(いわゆるスタミナ)を消費して無料でプレイ可能。ゲーム内ポイント(ゴールド)や課金で入手できる専用のチケットがあれば、特殊な役職を増やしたり、人狼を極端な人数にするなどのカスタムルールを設定できる。
今回のテストプレイでは15人に設定したカスタムルールを使用。人数の構成は人狼3人、狂人1人、霊媒師1人、預言者1人、それ以外が村人だった。
【今回使用された役職】
村人・・・ふつうの人。推理力と投票が武器。
霊媒師・・・前日の昼パートで追放された人が人狼だったかどうかを確認可能。
預言者・・・誰かひとりを指名して人狼かどうかを確認可能。
人狼・・・村人に化けた狼。
狂人・・・人狼の味方をする村人。人狼側の勝利を目指す。
いざゲームが始まると、画面上にはハンゲームアバターが表示され、プレイヤーどうしの話し合いはチャットで行う。昼パートの制限時間内に自由に会話をし、人狼候補を絞り込んでいくのだ。
ゲームを動かすのに有効なのが“CO(カミングアウト)機能”だ。自分のアバターの横に役職名を表示でき、これで嘘の役職を宣言してもオーケー。
たとえば、預言者はひとりだけというルールなのに、ふたりが申告した場合、どちらかは場を乱そうとしている可能性が高い(ふたりとも嘘という可能性もある)。騙し合いと化かし合いこそが人狼ゲームの真骨頂である。
プレイヤーはチャットでの発言内容や投票の履歴をヒントに推理を固めていく。アバターはドラッグ&ドロップで動かせるので、怪しい人を1ヵ所にまとめるなどすれば、頭の中を整理するのに役立つ。
今回は15人という大人数だったため(参加人数は5~18人)、チャット欄はすごい勢いで流れていった。プレイヤー数に比例して処理する情報が増えるため、効率的に頭の中を整理することが勝利につながる。参加者からは「チャット欄を日ごとに分けたり、個人の発言一覧を見られるようにしてほしい」などの改善案も出た。
その時点で明らかになっている情報をひと目で確認できるようにするなど、インターフェースが改善されれば遊びやすくなるのは間違いない。今後のアップデートに期待したい。
ゲームを終えると経験値やゴールドを入手でき、レベルが上がると人狼ポイントの上限がアップ。ゴールドを貯めるとショップやガチャで役職カードなどを購入できる。役職カードはカスタムルールの設定時に使用するもので、たくさん揃えるほど自由度の高いルール設定が可能となる。
今回は人狼慣れしたプロに混ざってプレイしたので、やけにサクサク進んだ印象があったが、できれば初心者どうしでも遊んでみたい。人狼ゲームはコミュニケーションが重要。少人数でプレイして、じっくり対話を楽しむのもよさそうだ。
人狼ゲームは発言の裏側を読むのがおもしろい。「いやー、おれ素直だから人をすぐ信じちゃうんだよねー」という人は、本作で相手の嘘を見抜く練習をしたほうがいい。僕はする。