2016年6月15日、中国のアイデアレンズ社が開発したVRヘッドマウントディスプレイ“IDEALENS K2”の発表会が、東京・恵比寿で行われた。専用のOSを搭載し、バッテリーを内蔵した“IDEALENS K2”は、PCやスマホに接続せずにコードレスで楽しめる“オールインワン”タイプのデバイスとなっている。会場では体験会も行われた。

●世界最軽量、業界トップの視野角を実現

 このたび発表されたVRヘッドマウントディスプレイ“IDEALENS K2”は、VR関連製品やVRコンテンツの開発を手掛ける中国の企業、アイデアレンズ社の開発によるもの。バッテリーの内蔵とWi-fiサポートによりコードレスで使えて、PCやスマホなどと接続することなくコンテンツのダウンロードや再生が可能という、1台完結型デバイスだ。今秋の発売が予定されている。

▲“IDEALENS K2”装着例
▲アイデアレンズ社CEOソン・ハイタオ氏

 発表会には、アイデアレンズ社創始者でありCEOのソン・ハイタオ氏が登場し、“IDEALENS K2”の特徴をプレゼンテーションした。ソン氏は“グーグルグラス”の開発にも携わっていたという、VR領域の専門家だ。

 プレゼンテーションでは、“IDEALENS K2”が世界最軽量の295gであること、業界トップとなる120°の広大な視野角を実現していることなどが説明された。さらに、表示ディレイは17ms以内で、これは“プレイステーションVR”の18msより小さいという。また、アンドロイドをベースとした独自のOSを搭載し、自社のアプリストアを通して、100以上のVRゲームや3万5000以上のVRビデオを楽しめるとのこと。

▲本体重量は世界最軽量となる295g
▲表示ディレイは17ms以内

 価格は未定だが、アイデアレンズ社ビジネス開発ディレクターのブレント・ジェンツ氏によると、“プレイステーションVR”などをハイエンド、スマホと接続する“サムスン Gear VR”などをミッドレンジ、箱をスマホと組み合わせる“グーグルカードボード”などをローエンドと位置付けた場合、“IDEALENS K2”はハイエンドとミッドレンジの中間となるアッパーミッドレンジのポジションにあたるそうだ。

▲これらのライバル機に対し、“IDEALENS K2”はアッパーミッドレンジの位置付け
▲写真左からブラント・ジェンツ氏とソン・ハイタオ氏(アイデアレンズ社)、井川幸広氏(クリーク・アンド・リバー社)、澤田秀雄氏(ハウステンボス)

 さて、発表会にはクリーク・アンド・リバー社の井川幸広社長も登壇し、“IDEALENS K2”の日本での展開への協力方針に言及。「宇宙へ向かっていくロケットの先端部分にカメラを付けて、それをリアルタイムで共有できたら、今まで想像できなかった世界を作り出すことができる」と、コンテンツ制作の可能性について触れた。また、3年以上前からVRを使ったイベントを開催しているアミューズメント施設、ハウステンボスの澤田秀雄社長も姿を見せ「発展に協力したい」と語った。

●ラクな着け心地とコンテンツを体験

 会場ではタッチ&トライも行われ、筆者も“IDEALENS K2”を装着してコンテンツを体験することができた。パッと見、“IDEALENS K2”はゴツい印象を受けるが、実際に付けてみると驚くほど軽い。装着も手間取ることなくパッと済み、説明員によればメガネをかけていても取る必要がなく、およそ3秒で完了するという。

 試遊用には6種類のコンテンツが用意されていた。なかでも目を引いたのは『BIKE RIDER』。自転車と連動し、ペダルをこぐことで前進し、頭の向きを変えることで方向を変えることができる。また、人気を集めていたのは『ファンズワースコースター』だ。建物の中に設置されたジェットコースターに乗り、疾走感を味わえる。

▲『BIKE RIDER』
▲『ファンズワースコースター』

 筆者が気に入ったのは、『STUDENT'S LAB』と『IDEAL LAB』という、教育的な要素も加えられたふたつのコンテンツ。『STUDENT'S LAB』は、コントローラーを使って天秤に分銅を乗せるなど、バーチャル理科実験といった趣きだ。『IDEAL LAB』は、物を組み立てたりする体験ができる。ほか、空中にオーロラが広がる景色を360°見渡す『AURORA』や、恐竜を間近に感じられる『恐竜戯画』の試遊もできた。

▲『STUDENT'S LAB』
▲『IDEAL LAB』
▲『AURORA』
▲『恐竜戯画』

●“IDEALENS K2”製品概要

 なお、“IDEALENS K2”の製品概要は、以下のとおり。

・タイプ:オールインワンVRヘッドマウントディスプレイ
・重量:295g
・リフレッシュレート:90hz
・OS:IDEAL OS(アンドロイドベース)
・CPU:Exynos 7420
・GPU:Mali-T760 MP8
・RAM:3G LPDDR3
・ROM:32G eMMC
・センサ:9軸センサ、Wi-fi Bluetooth4.0
・入出力:マイクロUSB、3.5mmオーディオ入力、microSDカードスロット

・Wi-fi・4Gサポート
・3.81インチOLEDパネル×2
・視野角120°
・タイムラグ(レイテンシ)17ms

・価格未定
・今秋発売予定

 来月には中国にてより詳しい発表会が開催され、同時に、視野角180°を実現したハイエンド機である“IDEALENS K3”も発表される予定だ。