角川ゲームミステリー第1弾の実力とは?

 皆さん、こんにちは! ライターのくせに筆不精で、古い友人からの連絡が年々少なくなっているジャイアント黒田です。最近はじつの両親からの連絡も、僕ではなく嫁さんのほうに行くようになり、僕が関与しないままイベントなどが終わっていることが頻発。か、悲しい! さて、そんな僕がプレイインプレッションをお届けするのは、『√Letter ルートレター』というミステリーアドベンチャーゲームです。

 『√Letter ルートレター』は、角川ゲームスが新たに立ち上げた“角川ゲームミステリー”の第1弾タイトル。33歳の主人公が、15年前の学生時代に文通していたペンフレンドの文野亜弥を探して、彼女から届いた10通の手紙を頼りに、島根県を巡ります。それではさっそく、本作の魅力を語りたいと思います!

ペンフレンド・文野亜弥の正体とは?

 15年ぶりに発見した亜弥からの手紙には、衝撃的な告白が書かれていました。主人公は、その言葉の真相を確かめるために、亜弥が暮らしていた島根県を訪れます。手紙の住所を頼りに主人公は文野邸を訪れますが、家は15年前の家事で焼失していました。さらに、調査を進めるうちに、亜弥が25年も前に亡くなっていることが判明。大きな疑問が残る中、主人公は亜弥の手紙に登場する級友たちを探し当てます。これで亜弥のことがわかる。――ホッとしたのも束の間、級友たちは口をそろえて亜弥の存在を否定するのでした。

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▲文通相手の文野亜弥。

 亜弥が25年も前に亡くなっていたとすると、主人公が15年前に文通していた亜弥は誰なのか? 級友たちは、本当に亜弥のことを知らないのか? 序盤から数々の謎が登場し、ストーリーにグイグイと引きこまれていきました! 熱中するあまり、夜通しプレイしてあっという間にクリアーしてしまいましたが(苦笑)、まだまだ気になることも……。というのも、本作には5つの結末が用意されており、2周目以降に“真相”(ベストエンディング)に辿り着ける仕組みになっているのです。

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 その真相はぜひ皆さんの目で確かめてほしいのですが、本作の結末はUFOが登場するオカルト的なものから、呪いが関連するホラーテイストのものまで、非常にバラエティー豊か。本作は1周10時間程度でクリアーできますが、スキップモードなども用意されており、快適にプレイできるのもうれしいですな。かゆいところに手の届いた作りになっています。

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 また、2周目以降のやり込み要素として、“しまねっこを探す”、“流浪の作家を探す”、“幻のカクテルを作る”という3つのサブストーリーが用意されているのもミソ。アドベンチャーゲームの周回プレイは、共通ルートが作業になってしまいがちですが、本作は3つのサブストーリーのおかげで新鮮な気持ちでプレイできます。また、3つのサブストーリーをすべてクリアーすると、角川ミステリー女優(日高のり子さんが演じるAYA、井上喜久子さんが演じるYUKARI、皆口裕子さんが演じるSHIORIの3人のバーチャル女優のこと。本作の文野亜弥はAYAが演じている、という設定で、本作以外のタイトルに登場予定)のプレミアムトークを見ることができるので、これも非常に楽しみです。

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▲左からAYA、YUKARI、SHIORI。

王道な作りのゲームシステム

 本作は、亜弥から送られてきた10通の手紙が10個の章に対応しており、各章は手紙パート、探索パート、追及パートから構成されています。各章の冒頭に発生する手紙パートは、15年前に思いを馳せながら、亜弥の手紙に何と返事を出したか思い出すという内容。この手紙のやり取りによって、主人公と亜弥の心の距離が変化し、結末に影響します。

 ストーリーが進むに連れて、徐々に明らかになる亜弥の人物像を考えながら手紙の返事を考えるのは、いわゆる普通の選択肢を選ぶ感覚とは異なります。「僕の考える亜弥ちゃんは、きっとやさしい性格の子だから、この返事のほうが喜ぶはず!」というように、想像力も掻き立てられて楽しめました! 一連の返事がどのように結末に影響を与えたのか、クリアー後に考えるのも一興です。

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 さて、手紙パートが終わると探索パートに移行します。このパートでは、島根の名所やスポットを訪れながら、亜弥の級友に目星をつけたり、証言や証拠などを集めていきます。“聞く”、“調べる”、“考える”など、探索パートのコマンドやできることは、ミステリーアドベンチャーゲームとしては王道の作り。また、“考える”のコマンドでアドバイスを確認できるので、ストーリーにつまったときも一安心。この手のジャンルのタイトルを遊び慣れている人はもちろん、本作からプレイする人にも、とっつきやすい内容になっています。

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 探索パートで必要な証拠や証言を集めると、追及パートで亜弥の級友たちとの戦いに臨むことに。亜弥の級友であることを頑なに否定するメンバーに、証拠や証言を突き付けたり、“マックスモード”で気持ちを正面からぶつけて、級友たちが閉ざした心を少しずつ解放していきます。正しい証拠や証言をつきつけて、級友たちのウソを暴くのはとっても爽快。最初は余裕だった級友たちが、追い詰められる中でいろいろな顔を見せるのもポイント。亜弥のエピソードに登場する姿や、普段の姿とは違った新たな一面を知ることができて新鮮でした。また、ストーリーが進むに連れて、亜弥と級友たちの関係だけでなく、級友どうしの意外な関係なども明らかに。亜弥を中心とした複雑な人間ドラマを楽しめます。

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▲ちなみに、マックスモードという名前は、主人公の愛称に由来。主人公は熱血男で、いつでも全力だから“マックス”と呼ばれていたらしい。

角川ゲームミステリーの今後の展開にも注目!

 歌い手のろんさんかカバーした主題歌の『純愛ラプソディ』(原曲は竹内まりやさん)や、箕星太朗さんが描く魅力的なキャラクターなど、本作はストーリーやゲームシステム以外の魅力も満載。また、角川ゲームミステリーの第2弾が開発されることもすでにアナウンスされており、AYA、、YUKARI、SHIORIたち角川ミステリー女優の今後の活躍にも期待が高まります。

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 角川ゲームミステリーの第1弾タイトルとして、遊びごたえのあるゲームに仕上がっていますので、角川ゲームスの新たな挑戦をぜひ体験してください!

(C)2016 KADOKAWA GAMES
※画面はプレイステーション4版の開発中のものです。