テンポのよさに思わずハマる、新感覚の作品!

 キツネのエースパイロット、フォックスが率いる、やとわれ遊撃隊“スターフォックス”。2016年4月21日に発売される、任天堂のWii U用ソフト『スターフォックス ガード』は、人気シューティングゲームのシリーズ最新作『スターフォックス ゼロ』と同時に配信されるスピンオフ作品だ。単品の購入はダウンロード専売で、パッケージ版として『スターフォックス ゼロ』と『スターフォックス ガード』を同梱した、ダブルパックも発売が予定されている。そんな本作は、フォックスたちが最前線で戦っているときに、ライラット系の惑星で人知れず行われていた名もなきひとりの新入社員の戦いを描くタワーディフェンス型シューティング。『スターフォックス ゼロ』とは異なる仕掛けで、Wii U GamePadとテレビの2画面を駆使した遊びが楽しめる作品になっている。本記事では、そんな『スターフォックス ガード』をプレイした、ライター・卵を守る雨宮のプレイインプレッションをお届けする。

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2画面を使ったWii Uならでのタワーディフェンス型シューティング! 『スターフォックス ガード』プレイインプレッション_07
2画面を使ったWii Uならでのタワーディフェンス型シューティング! 『スターフォックス ガード』プレイインプレッション_01
▲スピンオフ作品ながら、スリッピーを中心に、スターフォックスメンバーもゲームに関わってくる。

入社していきなり現場へ直行!

 プレイヤーは、レアメタル採掘企業“コーネリア特殊金属株式会社”の新入社員として、入社早々レアメタル採掘基地に赴任し、採掘基地に侵入してくる謎のロボット軍団から、中央にあるコアを守る役目を担う。このとき、ロボットの撃退に活躍するのが、12台のレーザー付き監視カメラ“プロテカム”だ。操作方法はいたってシンプル。まずはテレビ画面に常時表示される12台の映像をチェックしながら、動かしたい“プロテカム”をWii U GamePadでタッチして選択する。すると、テレビ画面の中央に、選択したカメラの映像が表示されるので、その映像を見ながら侵入して来るロボットを“プロテカム”備え付けのレーザーを発射して倒していくだけ。一度も説明書を読まなくても、直感的にスムーズにプレイできるのはうれしい。

2画面を使ったWii Uならでのタワーディフェンス型シューティング! 『スターフォックス ガード』プレイインプレッション_02
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▲Wii U GamePadの画面にはカメラの位置が表示。“数字”がテレビ画面に表示されるカメラの映像にそのまま対応している直感的かつ、抜群の操作性のインターフェイスだ(左がテレビの画面。右がWii U GamePadの画面)。

押し寄せる手強きロボット軍団

 操作&ルールはシンプルながら、『スターフォックス』シリーズのスピンオフ作品だけに、手応えは抜群。ステージの東西南北から、つぎつぎと侵入してくるロボットは、コアを狙うアタックタイプと、監視カメラ“プロテカム”を破壊するジャマータイプの2タイプに分かれる。しかし、2タイプと言えど、アタックタイプ、ジャマータイプの中でも出現する敵はいろいろ。レーザーを防ぐ盾を前方に構えながら進む“シールド”や、倒すと煙を吹き出して視界を奪う“スモッグ”、カメラをくわえていってしまう“トットリー”、監視カメラに偽映像を流してくる“ブラウン・カーン”など、ミッションを進めるにつれ、新たなタイプが続々と追加され、あの手この手で採掘基地を攻めて来る。なお、ジャマータイプの敵はコアを狙わないため、倒さなくともクリアーはできるが、放置しておくとカメラを壊されたりと、ドンドン不利な状況になってしまう。アタックタイプを優先するか、ジャマータイプから倒していくか、そのときどきの“現場判断”が超重要というわけだ。

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▲敵の主力の総攻撃中に反対側からこっそり1体だけが忍び込んできたり、スモッグを倒したら煙に紛れて敵の大群が時間差で攻めてきたりと、ロボット軍団はいい意味でイヤらしい。

 プレイヤーもただ敵の襲来を待っているだけではなく、ミッション開始前やミッション中にカメラの設置場所をタッチ操作で変えたり、敵を凍らせる“フリーズカメラ”や時間の流れを遅くする“スローカメラ”などの新兵器を導入して対応していく。ちなみに、ミッションが同じならば、敵の編成や攻めかたも同じになっているので、失敗したら再度トライするという、トライ&エラーで撃退方法を見つけていくのが基本。もし失敗したとしてもリプレイが見られるので、失敗した原因を突き止めつつ、敵の攻めてくるルートを覚えれば、つぎはクリアーできるはず。また、クリアーしたミッションも、何度も遊べるため、ハイスコアを狙うという自分との戦いもアリ。

“守る”だけでは終わらない戦い

 ここまで読んで、「ただロボットの軍団を撃退するだけなの?」と、ちょっと地味な印象を受けた人もいるかもしれない。でも、安心してください! 本作では、ゲームを進めると、巨大ロボットと1対1で戦うボス戦や、通常とは異なるルールで遊べるエクストラミッションに挑めるようになるのだ。そして、本作最大の熱い戦いとなる……と予感させるのが、ネットワークを介した対戦。本稿を執筆している段階ではまだ発売前のため、多くのユーザーと対戦などはできていないが、対戦ではプレイヤーは本編と同じようにロボット軍団を撃退する“防衛側”で遊べるだけでなく、なんと自分でロボット軍団の“ユニット”を編成して、採掘現場に攻め込む“攻撃側”にもなれるのだ。攻撃側は、あらかじめ与えられたコスト内で出撃するロボットを選び、ロボット1体ごとに、侵入するタイミングや入る入り口、採掘基地内での移動ルートを自由に決めていく。そして、編成が終わった“ユニット”をアップロードすれば、世界中のプレイヤーに“挑戦状”を叩きつけることができるのだ。本作は、最前線で戦うフォックスたちとは違う、採掘場を守るサラリーマン。でも、後方の名もなきサラリーマンでも、フォックスたちに負けず劣らずの“熱くて手応えある”戦いが楽しめますよ!

2画面を使ったWii Uならでのタワーディフェンス型シューティング! 『スターフォックス ガード』プレイインプレッション_05
▲巨大ロボットとのボス戦。採掘基地の外から、巨大なドリルで攻撃してくる。レーザーで撃退せよ。
2画面を使ったWii Uならでのタワーディフェンス型シューティング! 『スターフォックス ガード』プレイインプレッション_06
▲入り口に配置するだけで、簡単に攻撃ユニットを編成できるクイックエディットもある。

スターフォックス ガード (Wii U ダウンロードソフト)
メーカー 任天堂
対応機種 Wii UWii U
発売日 2016年04月21日
価格 1500円 [税抜]/1620円 [税込(8%)]
ジャンル シューティング
備考 開発:任天堂、プラチナゲームズ 『スターフォックス ゼロ・スターフォックス ガード』ダブルパックは6500円[税抜](7020円[税込])