待望の最新作は触れないとわからないおもしろさ!?

 2016年4月21日に発売される、任天堂のWii U用ソフト『スターフォックス ゼロ』。本作は、人気シューティングゲーム『スターフォックス』シリーズの最新作で、テレビ画面とWii U GamePadの2画面を使った新たな操作が最大の特徴となっている。プレイヤーは、やとわれ遊撃隊“スターフォックス”のエースパイロット・フォックスになって、戦闘機アーウィンをはじめ、戦車や偵察機などを操縦して、宇宙支配を目論む悪の天才科学者Dr.アンドルフ率いる軍勢と戦っていくのだ。今回は、ついに発売を迎える『スターフォックス ゼロ』をプレイした、ライター・卵を守る雨宮のプレイインプレッションをお届けする。

<関連記事>
2画面を使ったWii Uならでのタワーディフェンス型シューティング! 『スターフォックス ガード』プレイインプレッション

触れてみてわかる2画面の真価! 3Dシューティングの革新的な操作が特徴の、『スターフォックス ゼロ』プレイインプレッション_08
触れてみてわかる2画面の真価! 3Dシューティングの革新的な操作が特徴の、『スターフォックス ゼロ』プレイインプレッション_01

僕は本当の2画面操作を知らなかった!?

 『スターフォックス』シリーズは、『スーパーマリオ』シリーズや『ゼルダの伝説』シリーズを生み出した、任天堂の宮本茂氏が手掛ける人気シューティングゲーム。その最新作が、超爽快マックスなクライマックスアクション『ベヨネッタ』シリーズを手掛けたプラチナゲームズを開発に迎え、“宮本茂×プラチナゲームズ”という夢のタッグで制作されると聞いたとき、まるで超美少女の完璧な転校生を待つ中学生のように胸を高鳴らせたのは、自分だけじゃないはずだ。

触れてみてわかる2画面の真価! 3Dシューティングの革新的な操作が特徴の、『スターフォックス ゼロ』プレイインプレッション_02
▲本作はシリーズの中でも屈指の人気を誇る『スターフォックス64』のストーリーをベースにしているが、操作機体、ステージ構成、登場する敵などは刷新。まったく新しい戦いを体験できる。

 ところが、明らかになった『スターフォックス ゼロ』のゲームシステムは、“テレビ画面とWii U GamePadの2画面を使って機体を操作して戦う”というモノ。初代『スターフォックス』(スーパーファミコン版)では、初めてスーパーファミコンのシューティングゲームでポリゴンを採用し、『スターフォックス64』(ニンテンドウ 64)では振動機能を搭載し、ゲーム性、演出ともに3Dシューティングとしてパワーアップしてきた、あの『スターフォックス』にしては、意外にもふつうの変化! 転校生は超美少女ではなく、メガネをかけたふつうの女の子だった……というくらいのションボリ感を感じたのだ(ごめんなさい)。なぜならば、Wii U GamePadとテレビ画面の両方を使うというのは、Wii Uなら“当然”だと思ったから。でも、その“当然”は当然じゃなかった。

 『スターフォックス ゼロ』の2画面操作は、ポリゴンや振動機能に勝るとも劣らない3Dシューティングの革新だ。プレイヤーは、いままでのシリーズでおなじみの、自機を背後から見た三人称視点(ビークルビュー)が表示されるテレビ画面と、ジャイロ操作に対応したWii U GamePadのコックピットからの一人称視点(コックピットビュー)、ふたつの映像を見ながらアーウィンを操作し、敵を撃ち落としていく。これにより、三人称視点シューティングの特徴である“快適な操作”と“見通しのいい戦場”の利点はそのままに、一人称視点シューティングの醍醐味である“操作するキャラクターとの一体感”と“臨場感溢れる目前に迫る戦場”を同時に味わえるという、両者のいいとこ取りの戦いが楽しめるのだ。

触れてみてわかる2画面の真価! 3Dシューティングの革新的な操作が特徴の、『スターフォックス ゼロ』プレイインプレッション_03
▲ごく一部のシチュエーションを除けば、どちらか一方の画面だけでも遊べるのもうれしい。

2画面を使いこなして、今日からエースパイロット!

 しかも、Wii U GamePadを上下左右に傾けることで、自機の正面以外のテレビ画面には“映っていない場所”が攻撃できるのもポイント。敵戦艦の下に潜り込んで、Wii U GamePadを上に傾けながら戦艦の腹部を一方的に攻撃したり、敵戦闘機とすれ違いざまにレーザーを真横に撃って撃墜させたり、敵ミサイルと並行して飛びながら撃ち落としていくなど、いままで体験したことのない空中戦が味わえるのだ。この圧倒的に広がった攻撃範囲が、単純にシューティングとしての爽快感をひとつ上のレベルに押し上げている。……と、偉そうに書いているけれども、恥ずかしながら、じつはこれ本作を実際に触って、数ステージをプレイして初めてわかったこと。それは、まるで“地味なメガネっ子か~”と思った転校生が、メガネを取ったら超絶美少女だったような気分。『スターフォックス ゼロ』最大の特徴が2画面と聞いて、自分と同じように頭でわかった気分になっている人たちも、実際に本作に触れて“2画面の衝撃”を体験してほしい。あ。ちなみに、さっきから女性転校生の話をしていますが、ゲーム中では女性パイロットはキャットしか出てきませんので、ご注意を。

触れてみてわかる2画面の真価! 3Dシューティングの革新的な操作が特徴の、『スターフォックス ゼロ』プレイインプレッション_04
触れてみてわかる2画面の真価! 3Dシューティングの革新的な操作が特徴の、『スターフォックス ゼロ』プレイインプレッション_05
▲正面だけでなく、背後以外は全部攻撃範囲に!(左がテレビの画面。右がWii U GamePadの画面)

ステージの完成度は、シリーズ随一

 この2画面を使った戦闘システム以外にも、本作はシューティングとして、プレイヤーを楽しませ、飽きさせない工夫に溢れている。フォックスたちは、10ヵ所以上の惑星や空域を舞台に戦うことになるけど、じつは同じシチュエーションのステージはひとつも存在しないのだ。さらにステージひとつ取っても、アンドルフ軍率いる宇宙艦隊との戦闘から敵艦内部への侵入、最深部に控えている敵とのボスバトルといったように、フェーズごとに戦場や操作機体、戦う敵のタイプなどが異なる。強制スクロールステージから、360度自由に移動できるオールレンジバトルへの移行など、目まぐるしく状況がバトルを否応なく盛り上げる。しかも、1フェーズが短時間でテンポよく進むため、緊張感を持ちつつ、手軽に遊べるのも魅力だ。もちろん、隠されたルートやボス敵など、戦闘内容によって分岐するステージ進行などトコトン遊ぶためのやり込み要素、そして賑やかなスターフォックスメンバーたちとの掛け合いなど、シリーズおなじみの要素は健在だ。

触れてみてわかる2画面の真価! 3Dシューティングの革新的な操作が特徴の、『スターフォックス ゼロ』プレイインプレッション_09
▲無数の敵戦艦を相手に、戦艦内部に潜入したりと、ほかにも胸アツなシチュエーションが多数!
触れてみてわかる2画面の真価! 3Dシューティングの革新的な操作が特徴の、『スターフォックス ゼロ』プレイインプレッション_06
▲変形後の機体を含め、5種類ある操作機体の中で、個人的にお気に入りなのが、ジャイロウイング。隠密行動でいままでと違った戦いを楽しめる。
触れてみてわかる2画面の真価! 3Dシューティングの革新的な操作が特徴の、『スターフォックス ゼロ』プレイインプレッション_07
▲惑星コーネリアの隠しルートの入り口。ウォーカーに変形してスイッチを押すと入れる。

 このように『スターフォックス』ならではの要素が満載の『スターフォックス ゼロ』。シリーズファンはもちろん、そうでない人も、シューティングの“つぎの領域”の戦闘を味わってみませんか? 2画面を使い分けるシューティングバトルは、慣れるまでは少し戸惑うと思うけれど、使いこなせたときの“俺スゲー”の万能感は、結構クセになる戦闘のスパイスですよ!


スターフォックス ゼロ
メーカー 任天堂
対応機種 Wii UWii U
発売日 2016年04月21日
価格 5700円 [税抜]/6156円 [税込(8%)]
ジャンル シューティング
備考 開発:任天堂、プラチナゲームズ 『スターフォックス ゼロ・スターフォックス ガード』ダブルパックは6500円[税抜](7020円[税込])