途切れないアクションとテンポが爽快! ユーザーの声に応えた改善
NHNハンゲームが提供する、PC用MOアクションRPG『ソウルワーカー』。本作は海外産ながら“日本向け”が徹底されている。キャラクターをリアル指向の3DCGではなくトゥーンレンダリングで描いており、日本のラノベやアニメのような世界観と、簡単操作での気持ちいいアクションに没頭できるタイトルとなっている。
2015年7月のワールドプレミアテスト、2015年8月の1次クローズドβテスト、2015年12月の全国統一大規模負荷テスト、そして2016年3月18日から3月21日まで開催されたエクストラクローズドβテストと、4回に渡りテストが開催され、本稼働をまだかまだかと待ち望む人も多かった本作。正式サービス開始後にさまざまな特典が受けられる“正式サービス事前登録キャンペーン”が2016年3月17日から開始されたことで、サービス開始が近いことが明らかになった。
2015年7月のインタビューでも語られているとおり、『ソウルワーカー』では時間をかけて“日本向けを意識した開発”にこだわっている。4回のテストで集まったユーザーの声をどう受け止めてゲームに反映しているのかを、最新バージョンの実演プレイを交えて、運営プロデューサーとディレクターに解説していただいた。
なお、記事中の写真の一部についてはまだ日本語訳が途中のものもあり、実装時とは名称が異なる部分もあることを事前にご了承いただきたい。
まず何よりユーザーからの要望が多く、力を入れて改善されたのは、戦闘時のアクション全般。エクストラクローズドβテストで改善に気づいた人も多いとは思うが、“ダッシュ中もスキル使用可能”と“アイテム自動拾得機能の追加”という、ふたつの大きな修正が入った。
初期のバージョンでは、ダッシュから派生する行動は、制止、通常攻撃によるダッシュ攻撃、ダッシュからのジャンプの3つのみだった。選択肢が少ないのはもちろん、そこでキャラクターの行動が止まってしまうという問題があった。
改善後の挙動をプレイ画面で実際に見せてもらったところ、ダッシュからほとんどのスキルが使用可能だった。これまでとは比べものにならないほどコンボの自由度が増している。以前は間合いの調整に突進スキルを使う場面も多かったが、終わり際の隙をスキルによるキャンセルで軽減できるため、ダッシュを突進スキルの代替としても使えそうだ。
従来のバージョンではFキーでドロップアイテムを回収していたが、敵を一掃してからアイテムひとつひとつをFキー連打で回収する必要があったため、どうしてもダンジョン攻略のテンポが悪くなりがちだった。
“アイテム自動拾得機能”が追加されたことで、戦闘に集中しながらドロップしたアイテムを自動で拾い、敵を一掃したらすぐつぎのエリアへ向かえるようになった。これにより戦闘のテンポがよくなり、ストレスが大幅に軽減された。オプションで機能をオフにできるので、レアアイテム狙いの周回時などにインベントリが不要なアイテムでいっぱいになることもない。
ほかにも、NPCの分身が同行してくれる“サポーターシステム”についても、ダンジョンに入ってからいちいち召喚しなくても、事前に設定しておけば自動で呼び出してくれるようになった。自分の近くに呼び戻すショートカットやバフ行動も追加されており、攻撃一辺倒で突っ込んでやられがちだった以前と比べ、格段に使い勝手がよくなっている。
実演プレイ時には、ゴミ箱に引きこもったNPC“ハイディンガー”がゴミ箱ごとバーニア噴射で移動したり、かわいい中型犬“グッドボーイ”が吠えてバフをかけてくれたりと、変わり種のサポーターの姿を確認できた。見た目や行動が多彩なサポーターが、今後もまだまだ増えていきそうだ。
また、ひとつのキーに4つまでスキルを登録し、そのキーを押すだけで順番に4つのスキルを発動できた“縦型スキルスロット”は、登録数が4から3に変更となった。運営プロデューサーの石氏いわく、「4つだとそのキーをずっと連打することを強要してしまう側面があり、4つのスキルのクールタイムの管理も難しいという問題がありました」とのこと。
スキルスロットが3つになったことで、途中から別キーのコンボにつなげる選択肢も増えると判断。縦型スロットすべてのスキルが使用可能になった場合、視認しやすいように修正されたため、クールタイムの管理がしやすくなっている。
以前は縦型スキルスロットの4つのスキルを最後まで連続で使うと大きな威力ボーナスが入っていた。修正後は3連コンボでも、以前の4連コンボの締めと同じ威力ボーナスが入るようになった。これにより戦闘のテンポや、ボス戦での時間あたりのダメージ効率も向上している。
このように、アクション面では“テンポの改善”と“アクションが途切れない”という点に重点を置いた修正が適用されている。これもユーザーの声あってのことだ。一般的な海外産タイトルの場合、日本ユーザーの声が反映されるまでに半年以上かかることもしばしば。今回のアイテム自動拾得については昨年末にアンケートから取り上げられたばかりなのに、2ヵ月足らずでその声が反映されている。異例の速さだ。
この対応と熱意を見るに、今後も日本ユーザーの声に迅速に応えてくれそうだ。先日のエクストラβテストでアンケートに書かれた要望も、ひょっとしたら春のうちには実現する……かも?
最新バージョンでは、ほかにもさまざまな点に手が入れられている。とくに大きな修正点を、以下にピックアップしてみた。
■クライアント強制終了の問題について■
テスト中にユーザーから改善を求める声が多かったのは、サーバー側ではなく、プレイヤーのクライアント側が強制終了する現象について。とくにダンジョンから街に戻ったときに多発した。これについてはダンジョンの各種データを抱えたまま街に戻ることで負担が生じることが一因と判明し、改善を図ったとのこと。また、PCのスペックに合わせてオプションを最適化する機能も追加され、クライアントへの負担はかなり軽減されている。
■FP(疲労度)の持ち越しが可能に■
ダンジョン入場時に消費するFP(疲労度)は、毎日定時に200ポイント回復する際に、未使用分を翌日にくり越して最大600ポイントまで溜めることが可能となった。コンテンツ消費が加速するため、海外産タイトルで疲労度の仕様にユーザーの声が反映されることはまずないのだが、疲労度なしのゲームも当たり前になりつつある日本のユーザーからの声に応えてくれた結果だろう。
■ゲームパッドの仕様■
ゲームパッド用のキーコンフィグが実装され、Xboxコントローラー以外にHORIの“EDGE 301”に対応。運営プロデューサーの石氏としては、今後も利用状況から対応機種範囲を拡張していくよう検討したいとのこと。海外と違ってゲームパッド派が多い日本では、ぜひ今後も充実させてもらいたい。
■カメラワークの変更■
従来のバージョンではカメラがキャラクターに近く、「激しいアクション中に3D酔いした」という声が多かったらしい。最新バージョンではカメラの位置を少し後ろに下げており、3D酔いの軽減のみならず、壁際でカメラが荒ぶることも以前より少なくなっている。今後のコンテンツでは大量の敵に囲まれる場面も増えるようなので、これによって視界が広がるのは非常にありがたい。
新エリアにカードにマイルームと、さまざまな“日本向け”の改善が!
ほかにも気になる点として、先日のエクストラクローズドβテストで公開された新エリア“第6区域”についても、実際にプレイしつつその意図をうかがうことができた。
入場レベルに制限はなく、FPの消費もないが、レベル55のキャップに到達しているキャラですら単独では苦戦する敵がひしめいているこのエリア。敵を倒せばそれなりの経験値やアイテムは得られるが、苦労に見合うほどではない。
このエリアの中央にある東京タワーのような建造物の周りに、一定時間ごとに出現する“キューブ”。これを開けると手に入るレアアイテムこそが、このエリアの魅力となる。
また、キューブのすぐそば、東京タワーのような建造物の真下に巨大なボス敵“ザ・シング”が待ち構えているのも、このエリアの特徴だ。実際に戦ってみたところ、レベルが55のカンストに達し、HPが2万強ある前衛キャラクターのハル(ソウラムソード)ですら、一撃でほぼ瀕死に追い込まれるほどの相手だ。撃破するには、1パーティーだけでなく複数のパーティーでの共闘が必須。倒すことができれば、大量のアイテムが入手できるという、いわゆるレイドボスのような扱いだ。
開発当初、このエリアはPvP(プレイヤー対プレイヤー)エリアとして、キューブをプレイヤー同士が奪い合うコンテンツとして考えられていたとのこと。しかしPvPがあまり好まれない日本の現状を考え、エネミーを協力して処理しつつキューブのアイテムを集める、PvE(プレイヤー対エネミー)コンテンツに変更したのが、いまの形だそうだ。
今後はこの“ザ・シング”を置き換える形で、イベントレイドなどにこのエリアを使うことも検討中とのこと。大規模共闘コンテンツのエリアとして、今後も発展に期待が持てそうだ。
同じく先日のテストで実装された要素として、常時発動のパッシブ能力やスキルのように使用できる“アカシックレコード”が、“A.Rカード”として一新された。いままではとくに育成要素がなかったが、ほかのA.Rカードや素材と合成して経験値を溜め、最大になるとつぎの段階(最大3段階)へと進化させられるようになった。ランダムでA.Rカードが得られるガチャ的なアイテムも実装。日本の流行に合わせた仕様が追加されている。
さらに、アンケートでも要望が多かったマイルームの改善も、先日のテストのバージョンから多数導入されている。日本ではマイルームのような箱庭要素は人気だが、海外ユーザーの間ではあまり人気がない。開発会社の韓国・LION GAMES社でも、最初は「そんなの本当に人気出るの?」と、あまり乗り気ではなかったらしい。
だが、3回目のテストが終わったあたりでネット上での反響やアンケートを見て、実際に人気があることを知った開発陣では、急きょマイルーム要素専門のチームが結成されたとのこと。その甲斐あってか、第4回のテスト以降、順次さまざまな改善点が反映されていくようだ。
以前は家具の配置画面でインベントリから家具をドラッグ&ドロップすると、通常時のインベントリ操作と同じく、アイテムを捨ててしまう問題があったが、ユーザーの意見を受けて修正。ドラッグ&ドロップによる直感的な家具の配置が可能になった。
また、マイルームの外、庭部分には相変わらず家具を置くことはできないが、このエリアにはここでしかできない、植物栽培などのコンテンツが追加予定とのこと。マイルームにも郵便端末が設置されたり、庭にいる猫(街中の犬猫も含む)の尻尾の動きがリアルになったりと、細かなこだわり(?)も次々と導入されているようなので、ぜひマイルーム派の皆さんには、楽しみに今後の展開を見守っていただきたい。