スーパーゲームスクールの新コースがいよいよ始動開始!

 福岡を拠点に、数々のヒットゲームの開発に携わってきたサイバーコネクトツー(以下、CC2)が取り組んでいる人材育成プロジェクト“スーパーゲームスクール”プログラマーコースの入校式が2016年2月29日、CC2福岡本社で開催された。本稿では、入校式の模様と、スーパーゲームスクールの取り組みについてのインタビューをお届けする。

<スーパーゲームスクール プログラマーコース入校式プログラム>
・松山洋氏による代表挨拶
・カリキュラム説明、マナー講習
・指導スタッフによる受講内容説明
・プログラマーコース基礎講座開始

 プログラマーコースの入校にあたり、まずはCC2代表取締役の松山洋氏よりの挨拶が行われた。入校挨拶に伴い、なぜスーパーゲームスクールを起ち上げたのかについても、あらためて語られた。松山氏は「ここ10年でゲームが劇的に進化している。10年前はPS2の開発を2〜3年かけて学べば良かったが、いまは同じ期間でPS2、PS3、PS4のテクノロジーをすべて覚えなければならない。しかし、(全員が同じカリキュラムで進行する)学校や、個人レベルで学べることにはいろいろな制限がある」と語り、現状のクリエイター志望者が学べる環境と、実際にゲームメーカーが求めている人材との環境が乖離していると指摘。この乖離を埋めることと、ゲーム開発者への門戸の狭さを解消する取り組みこそが、スーパーゲームスクールの持つ最大の役割というわけだ。スクールと言いながらも、「ここは“学校”ではない! 死ぬ気で学べ!」をスローガンに掲げていることから、手取足取りでゲーム作りのイロハが教えられることはない。そのかわり、授業料はもちろん、機材の使用料まですべて無料で貸与されるなど、ゲームを本気で作りたいと思う人間に、環境とチャンスを同時に与える、実践型の人材育成プロジェクトとなっている。

 松山氏は、「ピンチを乗り越えた先には必ずチャンスがあります。ここでは、ピンチとチャンスを同時に与えているので、絶対に乗り越えてください。こういったプロの環境と道具と指導者が与えられていて、卒業できないのはやる気がないからです。我々がスーパーゲームスクールを用意したのは、皆さんに(ゲームクリエイターになりたいけど、そのためのチャンスや機会がないという)いいわけをさせないためです。諦めなければ、絶対になれます」と受講生を発奮していた。受講生にとっても、CC2の定めた課題に満たない場合、その時点でカリキュラムは修了となる厳しいものではあるが、やる気を持って取り組んだ場合、必ず役立つスキルを身につけられる点も保証されている。今回始まったコースは、プログラムは覚えなければならないことが多くあるため、8ヵ月〜1年間という長めの受講期間が設けられている。ただし、松山氏は「8ヵ月与えられて8ヵ月かける人間は普通の人。現場で生き残っている人間は、それより短い時間で取り組んでいる」と、現場制作の厳しさを受講生たちに語っていた。

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▲「ここで力を身につけて、どのゲーム会社に入りたいかを決めるのは、皆さん自身です」と松山氏が語るとおり、このスーパーゲームスクールで実力を身につけて、他のメーカーを志望するのも自由となっている。短期的な視点で捉えるとCC2側のメリットがないことのようにも思えるが、ゲーム業界自体が潤うことと、ゲーム業界は横の繋がりが以外とあるため、将来的に違うメーカー同士でもいっしょにおもしろい取り組みに挑戦できる可能性が広がるなど、長期的に見るとメリットがあることがわかる。また、受講生のみならず、講師として指導するCC2スタッフのスキルアップに繋がっていることも忘れてはならないポイントだ。
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▲スーパーゲームスクールは、CC2が言い出したこともあり、CC2主導で行われている取り組みのように思われがちだが、そうではなく、さまざまなメーカーや行政といっしょに取り組んでいるプロジェクトとのこと。実際に今回の入校式や、これまでに行われてきた入学説明会などは、CC2以外のゲームメーカーはもちろんのこと、機材やソフトウェアを提供してくれている協力企業や、福岡市の行政担当など、さまざまな人が訪れており、いちメーカーの就職活動の一環ではなく、もっと大きな取り組みであることが窺い知れる。

 松山氏の入校挨拶のあとは、人事担当の中松芳生氏より、プログラマーコースのカリキュラム説明、マナー講習が行われた。スーパーゲームスクールの基本的な開校時間は、すでにカリキュラムを開始しているアーティストコースと同じく平日17時〜22時、土日祝日は10時〜18時まで。この時間内であれば、基本的にいつでも登校可能となっている。ただし、本プログラムコースは、翌週の登校予定を、前週の金曜日までに届け出る必要がある。これは、プログラムの受講というカリキュラムの性質と、きちんとスケジュールを切って学ぶことを覚えるための施策とのこと。もちろん、何らかの理由で登校できなくなってもペナルティはないが、予定変更があった場合もしっかりと連絡を入れるという、社会人なら当たり前の部分までしっかりと伝えられていた。

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▲登校時や帰校時の挨拶や、業務時のマナー、話し方など、一般社会では当たり前のマナーもあらためて中松氏より伝えられていた。

 続けて、プログラマーコースの講師を務めるCC2 技術開発室チーフ リードプログラマーの宇佐見公介氏が登壇。受講内容についての詳細が語られた。スーパーゲームスクールでは、講義のような受講スタイルは採用せず、カリキュラムに沿った課題が提出され、ひとつひとつ課題をクリアーしながらステップアップしていくことになる。課題に挑むにあたり、CC2の与える環境(機材や指導スタッフなど)を最大限利用しながら、実践的なスキルを身につけていくというわけだ。課題においては実践的なプログラムの書き方に沿って、フォルダ、ファイル構成やコーディングルールの準拠事項や、コンストラクタ、デストラクタが正しく書かれているか、定数の使用やconstが正しく設定されているかなど、基本的な部分がとくに念入りにチェックされるなど、細かい項目まで教え込まれていく。

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▲さっそく受講生に提示されていた課題は、“課題の制作環境をセットアップして、サンプルプログラムのVisual Studio ソリューションを構成してください”というもの。筆者にはちんぷんかんぷんなものだが、宇佐見氏曰く、こちらは全然簡単なものとのこと。このようにひとつひとつの課題をしっかりと理解しながらクリアーしていくことで、プログラマーとしての技術を身につけながらスキルアップがしていけるのだ。

 松山氏による入校挨拶、中松氏によるカリキュラム説明、宇佐見氏による受講内容説明を持って、入校式の全行程は終了。さっそく受講生たちは、貸与されたPCを使って、ネットワークへの接続作業を行うというカリキュラムの一環に取り組んでいた。前述したとおり、プログラマーコースは8ヵ月から1年と、長めの取り組みとなるため、予定通りに進行した場合でも結果が出てくるのは今年の暮れ近くになってくる。もちろん、松山氏の言っているように、それ以前に何らかの結果を出す受講生が現れるかもしれないし、今後カリキュラムを行いながら、よりよい方向へと舵取りをしながら課題内容や取り組み方も変化してくることだろう。ゲームのもっとも基本的な部分を作り出す未来のクリエイターのタマゴたちが、このあとどのように成長していくのか。ここで学んだ人たちの中から、近い将来におもしろいゲームが生み出されることを今から期待したいところだ。

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 スーパーゲームスクール プログラマーコースの入校式が終わったところで、本プロジェクトに賛同・協力している協賛企業、福岡県行政の方たちが、本スクールに対して、どのように思われ、どういった協力体制を取っているのか。お話を伺う機会を得られたので、ここで紹介しよう。

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▲写真左より、デル株式会社 法人営業統括本部 西日本営業部 営業担当の大神博愛氏、福岡県商工部新産業振興課 Ruby・コンテンツ班 事務主査の樋口貴敏氏、福岡県商工部新産業振興課 企画監(企画管理・バイオRuby・コンテンツ担当)の城石聖子氏
▲写真左がニフティ株式会社 営業企画本部 法人営業部の佐々木耕平氏
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城石聖子氏 今回の取り組みですが、CC2様をはじめとして、複数のゲーム企業様が手弁当でゲームスクールを始められたということで、その心意気には非常に敬服しております。人材育成という、言わば宝物を育ているという取り組みは、非常に難度が高いものです。そういった取り組みをされるということで、私ども県としましても、なるべくご支援したいと思い、この春からいろいろなご相談をさせていただいております。条件や整備面で、まだまだ解決できていない部分もありますが、今後も松山社長をはじめ、雄志ある業界の方たちとタッグを組んで、取り組んでいきたいと思っています。

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樋口貴敏氏 CC2様が取り組んでおられるスーパーゲームスクールは、一社での取り組みではなく、ゲーム業界のための取り組みになっています。この取り組みで、ひとりでも多くのクリエイターを排出するために、行政としてコンテンツ産業といっしょになって、福岡のゲーム業界全体を盛り上げていければと思っております。

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大神博愛氏 弊社といたしましては、受講生が使われるPCを提供させていただいております。今のところはそれだけではありますが、若い人の夢に一歩でも近づける取り組みをサポートさせていただけるのは、非常に喜ばしいことです。今後も何かあればお声がけをいただければと思っております。

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佐々木耕平氏 今回、協賛させていただいた経緯としまして、これまで5年以上続いたニフティクラウドのサービスが、数多くのゲーム会社様に使っていただいたことによって、大きく発展したという背景があります。そこで、我々のビジネスを手助けして大きくしていただいたゲーム業界に恩返しができればと参加させていただきました。これからのクリエイターは、ネットワークといった、現在のゲームに欠かせない部分の勉強も求められると思っています。そういった面で、受講生の皆さんにご協力できればと考えております。

 松山氏は、去年の秋口にスーパーゲームスクールの企画を起ち上げた時点で、行政との話し合いも始めていたとのこと。目標とするNPO法人化のためには、越えなければならないハードルがいくつもあるが複数の協力企業や行政といっしょにタッグを組んで、より大きなうねりを作っていけるように前進していくと熱く語っていた。

 続けて、プログラマーコースの開始にあたり、指導を担当される宇佐見氏と松山氏に、すでにカリキュラムが始まっているコースの手応えや進捗状況、今後の展望などについて話を伺った。

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--まずは先行して開校した“アーティストコース”がちょうど3ヵ月を迎えましたが、ひととおりのカリキュラムを実践してみての手応えと、いまの進捗状況を教えてください。

松山 昨年の秋に、いちばん最初の募集告知を行ったのですが、入校説明会は、15名の定員に対して23名の方に参加していただきました。その後、実際にカリキュラムは19名でスタートを切っています。スタート後は、ほぼ毎週課題提出とジャッジを行ってきましたが、12月15日の時点で15名に、1月22日で11名、2月12日で6名まで絞られました。これはアーティストコースが始まってから1〜2週間後のことになりますが、コースの指導担当者にこれまでの経験から、どれくらい残りそうかを聞いてみたんです。その時に「生徒のやる気次第で変わるので正確なところはわからないが、多分5〜6人くらいになるのではないか」という話をされました。いまのところ、奇しくもその見込み通りになっています。ただ、CC2の就職採用確率を見てみると、毎月数百から数千といった応募があり、そのなかから新卒採用は十数人程度なので、そういったことを考えると、19名からスタートして6名残っているというのは、決して悪い数字ではありません。我々自身、非常に高い手応えを感じています。現在残っている6名は、3月28日に卒業判定を行うための最終課題提出を予定しています。この課題に合格した場合は、そこから就職活動に取り組む形になります。今後、この6名ヒアリングを行いますが、合格した後にCC2以外の企業に就職したいという希望が出た場合には、CC2が自信を持って送り出す人材として、そのメーカーの人事担当に推薦させていただきます。

--3月28日の最終課題に合格した場合、卒業式やセレモニーのようなものは予定されているのですか。

松山洋氏(以下、松山) 形だけになるかもしれませんが、そういった場は設けようと思っています。その際はまたあらためて報告させていただきます。

--今日から開始したプログラマーコースは、予定している受講数より多い募集申し込みがあったと聞きました。選考時は何を基準に選ばれたのでしょうか。

宇佐見公介氏(以下、宇佐見) 受講者を社会に送り出すことが第一の目的なので、いま現在就活中である程度しっかりとした技術を身につけている方よりも、いまはまだ勉強中で、このスーパーゲームスクールで実力を身につけたいといった、よりチャンスを得たがっている人を選んでいます。ほかにも、ゲームが作りたくて、務めていたIT企業を辞めて応募してきた方もいましたが、このようなやる気のある方にもチャンスを与えたいと思って、選考させていただきました。

--プログラマーコース受講者たちの学生と社会人の比率は、どのようになっているのでしょうか。

宇佐見 応募された20名中で、社会人の方は3名でした。最終的に受講生として残った社会人は2名で、残り8名が学生になります。この8名の内訳ですが、2名が大学生、6名が専門学校生です。

--今回のプログラマーコースは、8ヵ月〜1年間の取り組み予定になっています。このように長期的にされた理由を教えてください。

宇佐見 プログラムを身につけるには、時間がかかると私は常々思っています。プログラマーの場合は、アーティストのような感性というよりも、きちんとした基礎技術、ルールを覚える必要がありますからね。私たちが実際に教えて、就職に必要な知識を覚えさせるには、最低でも8ヵ月〜1年は必要だと考えました。また、短期間で中途半端な作品を作るよりも、しっかり時間をかけて作らせてあげたいといった理由もあります。

松山 プログラマーコースの期間に関しては、私のほうから一度「アーティストコースは3ヵ月なのに、長すぎるだろ。3ヵ月くらいで一度ジャッジをして、次のステップにいく人間を決めればいいじゃないか」という話をしたんです。でも、宇佐見から「プログラマーの世界は3ヵ月で判断できるものではない」という話をされました。基礎ができていないまま社会に送り出してしまうと、どこに行っても足手まといになってしまうそうなんです。スーパーゲームスクールの看板を持って送り出す以上は、これだけは絶対に譲れないと言われ、この期間を設定しました。

--ちなみに、宇佐見さんはどのような経緯でプログラマーになられたのでしょうか。

宇佐見 自分は小学生の頃からプログラムに興味を持っていて、よくわからないながら本ばかり読んでいました。それで、秋葉原でマイコンを貸してくれるところがあったんですが、そこで借りたマイコンに実際にプログラムを打ち込んでるうちに覚えていきました。当時のマイコン好きな人たちは、とりあえずプログラムの本を買ってきて、その通りに打ち込んだりしていましたね。

松山 いま話したように、宇佐見は独学で学んだんですよ。今の時代から考えると、かなりのレアケースですね。ただ、この業界で活躍している40代以上の人間は皆、そんな感じだと思いますよ。

--先ほど、アーティストコースでコースの指導者に、どのくらい残りそうか見込みを聞かれていましたが、現時点でプログラマーコースの見込みはどの程度を考えられていますか。

宇佐見 最終的には3〜4人くらいになるのではないかなと思っています。プログラムを習ううえで、大きな壁がひとつかふたつは出てくるので、それをクリアーできる人となると、現時点で半分か、それよりも少ないのではないかなと考えています。

松山 そこは10人って言っていいんだよ(笑)。

宇佐見 とうぜん、10人残ってくれたら嬉しいですね。

松山 アーティストコースのときにも言ってるけど、10人いるなら10人引っ張り上げるつもりでやっていかないと。

宇佐見 当然、そのつもりでやります。今回は課題の提出頻度や判定に関して言うと、アーティストコースよりも数は少なめにしているつもりです。なぜかというと、プログラムに関してはとりあえずここまでやっておくといいだろうというラインがあるので、そういった大きな括りで区切りを付けていこうと考えているからです。そうすれば、仮にその段階のジャッジで終わったとしても、ある程度役立つ知識は身につけてもらえるのではないかと思っています。

--それでは、スーパーゲームスクールの今後の展望・展開予定について、あらためて教えてください。

松山 まずは、行政や各協力企業との連携というものを、これからもどんどん進めていきます。具体的な面で言うと、来月にはゲームデザイナー、いわゆる企画職のコースの募集を開始しようと考えています。ゲームデザイナーは、(アーティストやプログラマーのように目に見えるスキルがないため)簡単に目指せると考えている人が多いと思いますが、じつはほとんどの人が不合格になるほど、難しいコースです。受講期間は細かな部分は現在調整中ですが、近々募集告知を出せればと思っています。それから、先ほど話したとおり、3月28日でアーティストコースのカリキュラムもいったん終了になります。そこで、第2期生の募集をあらためて開始しようと思っています。

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--今回、タイミングや(住んでいる場所といった)環境面などで参加できなかったクリエイター志望の方たちも多数いらっしゃると思います。そのような方たちにコメントをお願いします。

松山 まずは福岡でやっていることを軌道に乗せることが当面の目標になります。これは、CC2やガンバリオンといった、ゲーム関連企業だけが頑張るということではなく、たくさんの協力会社や行政といっしょになって、公式にやっていくことが大事だと思っています。その実績を持って、次は東京で、その次は少しハードルがあがりますが関西地区、そして全国と、段階的に拡げていきたいと思っています。ただ、我々の本業はあくまでゲーム開発ですので、それをやりながらの人材育成となると、どうしても同時多発的にできない部分もあります。また、若い方たちの人生を預かる取り組みでもありますので、ひとつひとつ確実に、ステップアップしながらやっていきたいと思っています。

--最後に、サイバーコネクトツーは2月16日で20周年を迎えました。スーパーゲームスクールも含めて、現状でお話しできる取り組みなどあれば教えてください。

松山 まだ詳細はお話できませんが今年、20周年を記念したイベントを行います。これは業界の関係者だけを招待したパーティーではなく、お客様にも向き合ってお話できるようなものを実施する予定です。発表を見た方は「バカじゃないの」と思うような、驚きのイベントを予定していますので、楽しみにお待ちください。そのほかにも、いくつか新しい取り組みを予定していますが、また詳細が決まり次第、順にご報告させていただきます。

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 業界初の取り組みとしてスタートしたスーパーゲームスクールも、第一弾のアーティストコースが開校してから早3ヵ月。松山氏曰く、今年はスーパーゲームスクールを巣立った人間が社会に出て行く、結果が出る年になるとのこと。第一弾となるアーティストコースでは、現在6名の受講生たちが、CC2講師陣をはじめとした企業、行政との協力体制で、プロとしてのスキルを身につけつつあるが、その成果が出るまで、本当にあと少しというところまできている。ただ、第一期生が卒業を間近に控えつつも、休むことなく次のステップの開始も同時に行われようとしている。松山氏の言うように、ひとつずつしっかりと、しかし着実に前進しつつあるこの取り組みが今後、どのような広がりを見せていくのか。開校以来、スーパーゲームスクールを追い続けている筆者も、このスーパーゲームスクール構想がCC2のみならず、ゲーム業界全体を巻き込むほど大きなものとなり、結果的に良質の作り手が増え、おもしろいゲームが生み出されていくという、かつてのゲーム大国日本の面目躍如といった結果に結実することを期待してやまないところである。まずはこのアーティストコースに残る6名の吉報を待ちつつ、今後のCC2の展開にも引き続き注目していきたい。

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