気になる結果はといいますと……
既報の通り、DMM.com POWERCHORD STUDIOより、iOS版『レーシング娘。』の配信が2016年2月29日に開始された。ご存じの通り、『レーシング娘。』は、プレイヤーがレーシングチームの監督となり、スポーツカーを筆頭とするさまざまなクルマを擬人化した個性豊かな“R娘”とともに世界中のレースで勝利を目指すという愛車擬人化&シミュレーター。これまでPCブラウザ版とAndroid版がリリースされていたものが、今回満を持してのiOS版の配信となる。
と、そんなある日、iOS版の配信を記念して、DMM.com POWERCHORD STUDIOさんから、メディア対抗“『レーシング娘。』カップカート大会”へのお誘いが。広報さんいわく「『レーシング娘。』の欠かせない要素である“ドライビング”と“クルマ”、そして“レース”に触れていただきたくて、レーシングカートでのカート大会を企画させていただきました(少しこじつけですが)。レースやクルマの楽しさに触れていただければ幸いです」とのこと。
聞けば、参加媒体には『レーシング娘。』のゲーム内で開催されるイベントに、参加媒体のオリジナルR娘がライバルカーとして登場。さらに、カート大会に入賞すると、媒体のオリジナルR娘がイベント内で特典としてドロップされるようになるという。
カート大会なんて、なんかワクワクするではありませんか! ちなみに、記者は子どものころはスーパーカーブームにどっぷりとハマり、『サーキットの狼』に親しみつつ、長じるに及んで『頭文字D』を全巻購入。レースゲームもよく遊び、ゲームの腕はからっきしだが、レースゲームだったら、なかでもいちばんマシなのではないか……と思ってみたり。さらに、モータースポーツを見るのも大好きで、音速の貴公子、アイルトン・セナをこよなく敬愛しておりました。まあ、免許がなくても何とかなるだろう! ということで、参加表明をさせていただいたのでした。
というわけで当日。会場近辺は、まるでiOS版『レーシング娘。』の門出を祝うかのように、抜けるような青空の快晴。参加したのは、WEB系やアプリ系を中心に12媒体(!)。「よくぞこれだけ集まったなあ」というものだが、なかには自前のヘルメット持参で参加している方もおり、けっこうな気合いの入りよう。エンジョイ気分で参加して、何となく着の身着のままできてしまった記者は、ちょっぴりドギマギしてみたり……。
試合のレギュレーションは各媒体よりドライバー2名が参加。まずは6チームごとに練習走行&タイムアタックを実施し、2名のタイムの合算で、決勝グループ1と決勝グループ2に分かれてレースを行うというもの。で、それぞれの上位3社が入賞というルールとなった。
さて、1チームから2名参加ということで、記者が助っ人としてお願いしたのは、週刊ファミ通編集部の“みさいル小野”。週刊ファミ通編集部のレースゲーム担当にして、大のドライブ好きということで、これほど心強いパートナーはいない! というわけで、一躍練習走行&タイムアタックに臨んだのでした。
レーシングドライバーの窪田善文さんの丁寧な指導を受けつつカートに。「免許は持ってないけど、何とかなるんじゃないの?」と軽い気持ちで乗り込んだカートだったものの、頭で思い描くことと実際に手足を動かすことのギャップはいかんともしがたく、どうにもいいタイムが出ない。これが理想と現実のギャップというものであろうか……。事前に窪田さんから、このコースの初心者の平均タイムを「男性なら40~50秒、女性なら1分を切るくらいでしょうか」と聞いていたので、とりあえず1分を目標に据えてはみたものの、タイムはいっこうに短縮できず。クルマに慣れているみさいル小野が47秒をマークしたのはいいとして、ファミ通Appから参戦したみいこと王様が、記者と同じく免許なしながらも余裕で50秒を切ってきたのには驚愕。とくに、みいこはいきなり45秒を叩きだしており、「ああ、これができる奴とできない奴の違いなのか! できる奴は何も考えないでもできるけど、できない奴は悩んでも無駄だな」と、きびしい現実を突き付けられたり……。「セナ足を試してやる!」などと豪語していた自分が恥ずかしい……。
と、そこでふと気付かされたのが、年の差。同じ初心者ならば、反射神経などにすぐれる若い人のほうが早くなるのは当たり前なのだ。いまさらながらにアラフィフにして初心者で……と、この大会に参加することの無謀さを噛みしめる記者。ほかの媒体さんの“免許なし、カート初心者”の方を探してみてタイムを聞いてみると、皆さん軒並み50秒を切っており……。気分はさらに暗澹となるのでした。
それでも練習走行2回目で、なんとかぎりぎり1分を切ることができたのは、気合いの賜物というよりも、何よりもカートの運転が楽しくなってきたからなのだろう。カーブに入る前にブレーキを踏んで、直線に入ったらアクセルを踏む……という基本に忠実な動きをくり返しているうちに、何となくペースがつかめるようになり、周回がなんとなくスムーズに。そして、たまに滑らかに複合カーブを曲がれたりすると、ほんの一瞬だけ脳内に何かが溢れたり(おそらくこれは、トランス状態の端緒なのではないかと)。これぞまさしくドライブの悦楽。というわけで、都合10分ちょいの練習走行を終えて、ピットレーンに戻ってきたときには、心身ともに疲れつつも、「カートっておもしろいですね、王様!」とファミ通Appの王様に興奮気味に語っていたのでした。
というわけで、すっかりカートのドライビングの楽しさに魅せられてしまった記者ですが、渾身の走りもなんのそので、ファミ通.comの予選順位は11位に。結果、7~12位を決める決勝グループ2に組み込まれることとなりました。ちなみに、予選1位のチームは1周30秒くらいのラップタイムだったとのことで、いかにハイレベルかがうかがわれるわけですが、下位はけっこう混戦だったようで、聞くところによると7位~12位までの差はおよそ2~3秒とのこと。
「これ、優勝狙えますよ!」と、スターティンググリッドについたみさいル小野を叱咤激励したところ、みさいル小野はまさにミサイルのようなスタートダッシュを決めて、あれよあれよという間に1位に。1位ですよ、皆さん! そこで記者にうずきだしたのが弱気の虫。ちなみに説明が前後しますが、決勝戦は各チームふたりが最低2回は乗らないといけないというレギュレーション。つまり、不肖記者も2回は走らないといけないのです!
そこで記者が取った戦略が、なるべく記者の走る周回数を減らすこと。とにかくできるだけ短く、できるだけ短く……ということで、みさいル小野がピットインする時間をできるだけ遅らせたのですが、そこで運命の女神がとんでもないことをしてくださった! なんとみさいル小野の前に3~4台がピットインすることとなり、ピットレーンは大混雑。結果、大幅にタイムロスしてしまったのです。これぞ勝負の綾とでも言うべきであろうか、みさいル小野がせっかく稼いでくれたアドバンテージがすっかり消散。さらには、周回のラップタイムでもライバルたちに後塵を排し……と、記者がピットに戻ってきたときには、5位に落ちておりました。
がっくりと気落ちする間もあらばこそ、この窮地にあっても頼もしかったのが、みさいル小野。おとなしい顔をしてやるときはやる! とばかりにミサイルのようにかっ飛び(本日2回目)、なんと3位にまでジャンプアップしたのだ。最後に交代するとき、「こ、これはやるしかない……」と記者が武者震いしたのは言うまでもない。これは持てる力を総動員して走るしかない! きっと後ろの奴のほうが早いに違いないが、1992年のF1モナコグランプリで、セナが明らかにスピードで勝るマンセルを抜かせなかったように(歴史に残る名勝負!)、ぼくもやってやる! という心意気だけはあったものの、やはりない袖は振れないわけでして、おもむろに順位は転落。けっきょくは5位でゴールインすることに……。ちなみに、すべてのクルマは同一周回だったとのことで、本当に僅差だったんです!
(※千住は会場となったシティーカートのある場所であります)
とまあ、散々な結果だったわけですが、運転の楽しさとレースの興奮を味わえた1日でした。そして得た教訓は、“ローマは1日にしてならず”。何事も練習あるのみ。ということで、帰り道でみさいル小野と「今度また練習に来ましょう!」と固く約束を交わしたのでした。カートを体験したことによって、『レーシング娘。』の楽しみかたも、また幅が広がりそうです。
あ、肝心なことを伝え忘れるところでした。ライバルカーとしてファミ通.comのオリジナルR娘が実装されるのは、3月15日予定となっております。