なぜニパ子の公式イメージガールが敵役の声優に?
DMM.com POWERCHORD STUDIOより配信中のブラウザゲーム『俺タワー ~Over Legend Endless Tower~』。マーベラス開発による同作は、建設用具をキャラクターとして擬人化した塔建築RPG。プレイヤーは“建姫(ケンキ)”を育成しつつ、モンスターと戦闘し強化しながら魔塔の建築を目指すことになる。
そんな同作に2016年2月25日より、新建姫としてワイヤーツイスターが追加。その声を、星守紗凪(ほしもり さな)さんが担当するという。星守紗凪さんと言えば、ニパ子の公式イメージガールとしておなじみ。念のためにご説明しておくと、ニパ子といえば、アルティメットニッパーなどでおなじみのゴッドハンドのニッパー擬人化キャラクターであり、『俺タワー』でも建姫として永久実装されている。そして、今回追加されるワイヤーツイスターは、ニパ子と敵対関係になるという。つまり、ニパ子の敵にあたる存在の声を担当するのが、ニパ子の公式イメージガールである星守紗凪さんという、いささかヤヤコシイ状況になっているのだ。
そんな折、DMM.comさんより星守紗凪さんのアフレコが行われるとの情報が! さっそく編集部では、星守紗凪を取材するために、アフレコ現場に直行した!
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ニパ子の胸が小さくなったのは、星守さんの影響?
――まず最初に、なぜニパ子ちゃんのイメージガールをするようになったのですか?
星守 私、小さいころからアニメが好きで、声優さんになりたかったんですね。そこから派生して「外見もキャラクターになってしまおう!」ということで、趣味でコスプレを始めたんです。そんなときに、とあるアニメのPRでコンパニオンとして、ブースに立つことになったんです。そのアニメのキャラクターデザインと総作画監督を担当されていた小池智史さんとニパ子の中の人がお知り合いだったそうで、その繋がりからTwitterでニパ子を知りまして……。私、とにかくツインテールとセーラー服が大好きなのでニパ子を気に入ってしまって、「コスプレしてみたい」ってつぶやいたら、それをニパ子の中の人に拾っていただきまして、イベントでのコスプレのお仕事をいただいたんです。最初は単発のはずだったのですが、つぎも呼んでいただいて、気がついたらけっこうニパ子をやることが増えていき、いつの間にか「公式ってことでいいですよね!」というノリになりました(笑)。
――しっかりしていますね(笑)。
星守 公式って言ったほうがかっこいいかな……と(笑)。
――初めてニパ子に接したときの印象は?
星守 そもそも小さいころからガンプラとかをふつうに作っていたので、“プラモデル専用ニッパー”というのは、なぜか勝手に親近感があったんですよ。それで、キャラクター的にもおもしろいな、と!
――ニッパーを知らない女の子も多そうですよね。さらに、ニッパーのキャラクターというのも珍しいですものね。
星守 皆さんにはよく言われるのですが、擬人化が流行っていたこともあり、自分がニッパーを使っていたので、「むしろ、好き!」みたいな感じでした。
――コスプレをしているうちに、ニパ子に気持ちが近づいていったりしたのですか?
星守 お互いが寄るみたいな感じでしょうか。そもそもニパ子は、自由にキャラクターを作れる製作ツールの“コミPo!”で作れれたものだったのですが、そのときのニパ子はけっこう胸もあったんですね。それが気ついたら「あれ!? 胸がなくなってきているぞ?」みたいな(笑)。
――ニパ子が星守さんに寄っていった?(笑)
星守 私も寄っていって、ニパ子も寄ってきたみたいな(笑)。
――星守さんは、ニパ子のどのようなところに寄っていったのですか?
星守 アホっぽいところかな(笑)。コスプレも真面目にやり過ぎるよりも、若干ふざけてやるほうが楽しいみたいなところがあるので、ポーズとかもある意味悩まなくていいですし。
――ああ、ニパ子には性格付けがあるのですね。
星守 はい。私はそれを“演じ切っている”というわけではないのですが、一応少しはニパ子になりきってコスプレしていますね。役柄をしっかりと把握したほうが、コスプレの再現度も確実に上がりますし。もちろん、コスチューム自体も「ニパ子に近づけたい」ということで、少しずつ手直ししているんですよ。たとえば、髪の色とかも最初は貸していただいたウィッグを使っていたのですが、より再現度の高いものを……ということで、新しく変えています。前髪も自分で切りました。
――コスプレ中は、役柄になりきっているのですね?
星守 撮影中ずっとなりきっているというわけではないのですが、基本的にはキャラクターの魂を“入れて”いる感じですね。まるで自分がキャラクターであるかのように。“動くキャラクター”みたいなものでしょうか。まあ、ニパ子に関しては自由な子なので、自由にやった=ニパ子みたいなところはありますね。
――ちなみに、小さいころお好きだったアニメとキャラクターってなんだったのですか?
星守 えーと、いっぱいあるのですが、まずは『NARUTO-ナルト-』のサクラちゃんになりたかったんですね。バンダナで自作の額当てを作って学校に付けて行ったりしていました。髪型もサクラちゃんみたいに切っちゃったりしていましたね。まあ、サクラちゃんのコスプレはけっきょくやってないんですけどね。
――コスプレはどんなキャラクターを?
星守 私、勝手に自分のおへそに自信を持っていまして(笑)、腹筋とかも鍛えているので、おへそがでるキャラクターのコスプレはよくしていました。そういえば、ニパ子もへそ出しキャラですしね。
――せっかくの機会なので、聞いてしまうのですが、好きな声優さんは?
星守 水樹奈々さんですね。奈々様はやっぱり歌唱力がすごいですね。あと、表現力。歌はもちろんでうが、ナレーションとかもすごくきれいな声で。あとは、佐倉綾音さん。いろいろな役を演じていらっしゃって、キャラが全部違うのに、どれも佐倉綾音さんとわかる声で、“かっこいい”、“かわいい”、“幼い”というふうに使い分けていて、すごく憧れています。
――なぜ声優さんに憧れたのですか?
星守 現実だと忍者になれないじゃないですか。宇宙にもそう簡単には行けないじゃないですか。モビルスーツに乗るのも難しい。それが全部実現できるんです。自分が体験するというよりは、魂をキャラクターに乗せる感じなので、キャラクターそのものになったかのような感覚になれる。それに憧れました。自分がそのキャラクターの声を演じつつ、自分でもその役柄の格好もできたら、自分が二次元に行ったかのような気分を味わえるというか……。“別の人間になってみたい”という気持ちがありつつも、現実には不可能なことをあたかも体験できるというのが魅力ですね。
とにかく緊張したワイヤーツイスターのアフレコ
――では、そろそろ今日の取材の主題に入りましょうか。今回ワイヤーツイスターを演じることになったきっかけを教えてください。
星守 まず、ニパ子が『俺タワー ~Over Legend Endless Tower~』に実装されることになり、「すごい!」と思っていたのですが、あくまでも『俺タワー』のニパ子と私のコスプレしているニパ子は若干別モノのような感覚もあったんです。それが、東京ゲームショウでニパ子のコスプレをさせていただけることになって、さらに、私がコスプレをしていたレースクイーン仕様のニパ子が『俺タワー』で配布されることになり……と、お互いがリンクしてきたんです。「『俺タワー』にもニパ子出ているよ。私はニパ子の公式イメージガールだよ」みたいな感じで。
――それがなぜ敵キャラクターに?
星守 なぜなんでしょうね(笑)。ニパ子が破天荒なキャラクターなので、「なんでなの?」と皆さんが思われるような展開が待っていたのかもしれないです。
――なんのこっちゃ(笑)。
星守 そもそもニパ子は、いろいろなところに出現する不思議キャラクターで、そこにプラスして、私はニパ子でもあるのにニパ子を抹殺したいがためにやってくるキャラクターということで、何が何だかわからない展開という。
――そもそもなぜ星守さんが『俺タワー』の役柄を演じることに?
星守 開発元のマーベラスさんの関係者の方が、イベントにちょくちょくいらっしゃっているうちにお知り合いになりまして……。それで、私が声優志望だということで、今回のお話をいただいたんです。
――それで、遊び心みたいなものもあり、敵役で?
星守 そうですね。「おもしろい!」みたいな感覚で、今回に至ったんだと思います。ありがたいことに。
――声優さんとしてのお仕事は今回が初めて?
星守 はい。イベントとかでちょこっとアナウンスを入れさせていただいたり……ということはあったのですが、声優としてのお仕事は今回が初めてです。自分のキャラクターに声をあてるというのは生まれて初めてですし、ずっと憧れていたので夢のようです。
――では、ワイヤーツイスターの第一印象を教えてください。
星守 私、メカとかを身にまとった女の子が好きなので、ひと目でグッときました。あと、キャラクターを見ていただければわかるのですが、猫耳っぽい部分があるんです。私、猫がめっちゃ大好きで。そしてツインテールも好きで……と、まさかの私のいろいろな“好き”が融合されたキャラクターだったんです。で、第一印象は、「私の好きな要素が合わさっているではないか!」という感じでした。
――となると、ワイヤーツイスターのコスプレもやらないわけにはいかないですね!
星守 そうなんですよね。たしかに自分の夢は、声もあててコスプレもやることなのですが、ワイヤーツイスターちゃんはけっこう難しそうですよね。まわりの方から「コスプレできないよね」と言われるにつれて、「たしかにそうだな……」とは思いました(笑)。
――ワイヤーツイスターを演じるにあたって心掛けたことは?
星守 ワイヤーツイスターちゃんは無表情キャラなのですが、好きなアニメの無表情キャラを参考にしつつ、自分なりに咀嚼していきました。
――無表情キャラということで、星守さんの人柄とは少しギャップがあるかと思うのですが、演じていてたいへんではなかったですか?
星守 そうなんですよ。私はどちらかというと騒がしいキャラクターなので……。でも、別モノになれるのは楽しかったです。元気なキャラも演じてみたいなと思って、1回練習の最中に、ワイヤーツイスターちゃんのセリフを、まるでニパ子のように元気な調子でやってみたこともあります。
――それは、おもしろいことをやりますね(笑)。
星守 無表情なキャラクターなので、淡々と演じつつ、ときどき気分転換みたいな形でテンション高く演じてみたり、男の子のように演じてみたり……と、いろいろなバリエーションを試してみましたね。
――実際の収録現場ではいかがでした?
星守 ディレクターさんなどにいろいろうかがいたいとは思いつつ、緊張もすごくて「ああ、どうしよう!?」となっているうちに収録の時間が来てしまって……。「とりあえずやってみるぞ!」となって、気合を入れて演じた感じです。練習していたときは、収録の最初と終わりのほうで声が変わったらどうしようという不安もあったのですが、1回収録に入ってしまったら、よくわからなくて(笑)。自分の声がどうだったかの記憶もないくらい、無我夢中で演じていました。「とにかく、やり切るしかないぞ!」という感じで震えながら。
――ある意味、キャラクターになりきって突っ走った感じですか?
星守 1回入れたキャラクターに任せて、あとは自分が噛まないように調整したくらいです。自分はある意味遠くから見ていて、「がんばれ~! あとは任せた」みたいに送り出した感じですね。「あれだけいっぱい練習してきたのに」という心残りはありますが……。
――念願の声優さんのお仕事を終えてみていかがですか?
星守 いやあ。「何がなんだかわからない」というのが、終わっての第一印象でした。いちおう自分のキャラクターではあるのに、実感が沸かない感じではありますね。ゲームで実装されたのを見たら、泣いちゃうかもしれないですね。絶対泣いちゃうな。まだ、実感が沸かないです。
――星守さんが演じた、ワイヤーツイスターの実装はいつ?
星守 2月25日です。
――あと、1週間もないじゃないですか! ものすごいスピード感ですね!
星守 「声優をやりました」というにはド緊張だったのですが、自分の中では大きな第一歩でした。
まわりの方から、「え~」と思われないようにと祈りながら演じていました。まるで、受験の結果を待つ心境です。
――ところで、星守さんは『俺タワー』は遊ばれたりするのですか?
星守 もちろんです! ニパ子が実装されたタイミングで遊び始めました。始めはニパ子がなかなかゲットできなくて、ドギマギしていたのですが、何とか入手することができたんです。手に入れた直後、すかさず遊んで1日で第一進化までいきました。ニパ子が入手できたことが嬉しすぎて!
――ゲーム自体はいかがでした?
星守 おもしろいです! レベルが上がっていくのが楽しいです。最初は途中で倒されて、ボスまで辿りつけずに帰ってくるのをくり返していたのですが、徐々に強くなっていくことが実感できて、すごく楽しくて! ハマっています。
――ニパ子以外でお気に入りの建姫は?
星守 好きなキャラクターが多すぎで選べないです。班に入れている子はもちろんなのですが、それ以外でも、とにかくかわいくて!
――そこをあえて!
星守 うーん、ワイヤーツイスターちゃんと同じ、本体が見えない系のキャラクターのデモリションマシンちゃんかなぁ。外見がごつくてどんなキャラクターが中に入っているかわからなかったのですが、入浴のときに見ることができて、それがめっちゃかわいいんですよ! 私、幼いキャラクターが好きなので、キュンと来ました。総じて、幼い見た目の女の子は大好きです!
――ところで、星守さんのプレイスタイルはどんな感じですか?
星守 基本は、まんべんなく育てますね。気に入ったキャラクターはすかさず育てたいので、めっちゃ強い子の中に放り込んで、レベルを上げたりしています。それでがんばってもらいつつ、ちょっとずつレベルを上げて。でも、ニパ子は不動の班長といった感じです。
――ご自身が声を演じられたワイヤーツイスターはニパ子を抹殺しに来るキャラクターということで、実装されると、ニパ子公式イメージガールとしてどちらも演じられている星守さんとしては、なかなか複雑なのではないかと思うのですが……。
星守 そうですね。でも、敵とは言いつつも、“いがみ合っていてもなかよし”みたいなことを勝手に考えていて、いつかニパ子とも和解する未来が来るだろうと(笑)。そもそも、ニパ子の敵とは言っても、建姫は建姫なので。仲間として戦う仲だし。そもそもワイヤーツイスターちゃんは、「ニパ子を倒すぞ!」ということで来たのですが、ちょっと間違った情報を吹きこまれているようなんですね。ニパ子からすると、会話が噛み合わないわけですよ。じつは、ワイヤーツイスターちゃんはニパ子ちゃんが好きなんじゃないですかね!
――(爆笑)。脳内で相当いいように物語が補完されていますね。
星守 めっちゃ補完しています。どういう流れでそうなってしまったのかとか。勝手に想像してキャラを膨らませています。ワイヤーツイスターちゃんは、「ニパ子を倒すぞ!」といって来ているわけですが、同じ班に入れても、いきなり襲いかかったりはしないですし!
――最後に、ファンの方に向けてひと言お願いします。
星守 初の挑戦だったので、とにかくがんばりました! 楽しんでいただけるとうれしいのですが、やさしい気持ちで見ていただけたら……と。皆さん、私が声を担当させていただいたワイヤーツイスターちゃんを、かわいがって育てていただけたらうれしいです。念願の声優としてのお仕事をさせていただいたわけですが、これを糧にいろいろなキャラクターを演じられるように勉強していきたいです。とにかくいろいろな役柄を演じてみたいと思っております!