誌面には載せきれなかった写真も公開

 ファンの期待が高まるシリーズ最新作『デジモンワールド -next 0rder-』。2016年2月18日発売の週刊ファミ通では、本作の新情報と併せて、主題歌を歌う女性アーティスト・藍井エイルさんへのインタビューを掲載した。『デジモン』シリーズの大ファンであるという藍井さんへの取材は、予定していた時間をオーバーするほど盛り上がったが、誌面にはスペースの都合上、掲載しきれなかった話題もあった。そこで本記事では、週刊ファミ通に掲載したインタビューをもとに、未掲載のエピソードを加えた完全版をお届け! 主題歌『アクセンティア』に込めた強い思いはもちろん、『デジモン』への溢れんばかりの愛をぜひ感じ取ってほしい。

『デジモンワールド -next 0rder-』の主題歌を歌う藍井エイルさんインタビュー完全版!_06
▲11月30日生まれ。北海道札幌市出身。AB型。2011年10月、シングル『MEMORIA』でメジャーデビュー。これまでに発表された3枚のオリジナルアルバムは、すべてオリコンチャートで初登場トップ10入りを記録。2015年には世界ツアーを行うなど、海外のファンからも支持されている。2015年11月には初の日本武道館単独公演も行い、SOLD OUT。圧巻の歌唱力と、クールビューティーなビジュアルを武器に、いまもっとも勢いに乗る要注目超実力派女性ボーカリスト。(文中は藍井)

『デジモン』ファンだからこそ生まれた主題歌『アクセンティア』

『デジモンワールド -next 0rder-』の主題歌を歌う藍井エイルさんインタビュー完全版!_07

──藍井さんは、『デジモン』シリーズの大ファンで、ゲームも遊ばれているそうですね。

藍井 そうなんですよ。1999年に発売された初代『デジモンワールド』から遊んでいて。友だちたちと「○○モンに進化した」と盛り上がったりしましたが、こんなに楽しいゲームがあるんだって感動したのを覚えています。それに、いまはネットで情報を調べられますが、当時は攻略本が主流でしたよね。『デジモンワールド』も攻略本を膝に置きながら、コントローラをにぎりしめて遊んでいました(笑)。自分流に育成すると、なぜかケンタルモンになってしまうのですが、攻略本がそのループから救ってくれて。

――そこまで遊んでいたとなると、主題歌のお話をいただいたときは、相当うれしかったのでは?

藍井 もちろんです! 『デジモンワールド』の最新作が発売されるというのを聞いた時点で、「私の青春が帰ってきた!」と思うぐらいに興奮していて。さらに、本作の主題歌を歌わせていただけると聞いたときは、大好きな『デジモン』に関わることができて本当にうれしかったですし、ビックリしましたね(笑)。

――藍井さんが『デジモン』の大ファンだから、主題歌のお話がきたのでしょうか?

藍井 じつはとあるイベントの打ち上げのときに、『デジモンワールド』のプロデューサーさんにご挨拶する機会があって、『デジモンワールド』のことをお話したんです(苦笑)。そのとき、「もし機会があれば(主題歌を)お願いします」と言われて、私としては「ぜひお願いします!」という感じだったんですが、本当に実現するとは夢にも思いませんでしたね。ただ、やるからには「全力で務めさせていただきます!」とお返事しました。

──『アクセンティア』が使われたPVを見ましたが、スピーディーで爽やかな感じは、『デジモン』の世界観にピッタリだと思いました。

藍井 ありがとうございます。今回の主題歌は、Aoというバンドの安田さん(安田貴広氏。作曲家、作詞家として活躍)との共作になります。今回は私が作詞を担当しています。なんせ『デジモンワールド』のことなら、私がいちばんよくわかっていますから(笑)。やるからには、歌詞で『デジモン』の世界観を少しでも表現したかったですし、『デジモン』に対する愛情や、『デジモン』を通して出会った人たちと過ごした青春の思い出を形にしたくて。

──なるほど。では、『アクセンティア』というタイトルには、どのような思いが?

藍井 『アクセンティア』は英語の“Accent”に、“ier”をつけた“強調するもの”という意味の造語になります。「何を強調するか?」ですが、私たちは生活の中で、一瞬一瞬がものすごく大事に思える瞬間だったりとか、幸せを感じる瞬間があると思います。そういった瞬間に、自分以外の誰かがいると、喜びや幸せがより強調されると思っていて。それで、人の幸せを強調できる存在になりたいという思いを込めて、タイトルを決めました。

──プレイヤーがパートナーのデジモンと苦楽をともにする本作には、ピッタリですね。

藍井 私は『デジモン』というコンテンツ自体が、“アクセンティア”(=人の幸せを強調してくれる存在)だと思っていて。青春の思い出を歌詞に込めたというのも、『デジモン』を通して親しくなれた友だちがいたり、楽しい思い出ができたりしたからなんです。

──たとえば藍井さんの思い出が歌詞に反映されているところは、どこになるんですか?

藍井 「キミの手にガンガンガン」というフレーズですね。初代『デジモンワールド』も、戦闘中にデジモンに指示が出せたじゃないですか。あのとき、私はコマンドを連打していたんですよ。「早く技を出して! そこで距離を取らなくていいから!」と、デジモンの戦闘を見守りながら、ガンガンガンと(苦笑)

──(笑)。印象的なフレーズでしたが、じつはコマンド入力の体験談だったんですね!

藍井 ガンガン前に進もうという意味もありますが、歌詞を書いているときはコマンド入力のシーンの記憶ばかり蘇りました(笑)。

――ほかに印象に残っている歌詞や、とくに聴いてほしいフレーズなどはありますか?

藍井 先ほどお話した通り、『アクセンティア』には強調するものという意味がありますが、応援ソングのように、聴いてくれた方を励ますような曲になったらいいなと思っていて。そういう意味では、サビの「いま君を見つめているアクセンティア。その心が壊れてしまわないように。ずっとたった独りで歩けはしないさ。そうさ今日も明日もきっと1年経ってもゴールじゃない」は、歌詞の中でもとくに大切に歌っています。こう寄り添って、いっしょに向かっていこう。喜びを分かちあおうという気持ちが届けばいいなと思いますね

――2番のAメロの歌詞もいいですよね。すごくストレートな歌詞で。

藍井 2番のAメロにも、初代『デジモンワールド』をプレイして感じた思い出がつまっていて。子どものころは、「なんでデジモンがいる世界に行けないんだろう?」って本気で思っていたりするじゃないですか。大人になると現実的な考えかたになるんですけど、子どものころは「なんで行けないんだろう?」、「どうしたら行けるんだろう?」という夢に溢れていたと思います。当時感じた、無限の可能性を信じる純粋な気持ちを入れたくて、2番のAメロを考えました。その後の「笑顔も涙も分け合いたい」というフレーズも、デジモンに対する気持ちが、かなり強く表現されています。

――デジモンへの愛や思い出が、本当に詰まった曲なんですね。それでは、曲の収録で印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

藍井 『アクセンティア』に限った話ではありませんが、歌詞を曲と合わせてみると、音の乗りかたがイメージしていたものと違うことがあって。そんなときは、すぐに変えちゃうんですよ。たとえば、アクセントがつくところに破裂音を入れて、広がっていく感じを出してみたり、ピッチの高いところで母音が「う」になる音はあまり響かないので、「あ」や「お」に変えてみたりとか。細かい修正ではありますが、歌詞を作り終わった後に安田さんと相談しながら細かく手を入れています。あと、今回の収録は、北海道で行っているんですよ。

――えっ! そうなんですね。なぜ北海道で収録されたんですか?

藍井 ちょうど収録時期に北海道で偶然私の仕事があったのですが、安田さんは北海道に住まれているので、「じゃあ、北海道で収録しようか」と(笑)。私も北海道出身で、雪に覆われたスタジオでの収録になったので、自分の生まれ故郷でひさしぶりにタイトル曲を作ったという感じでしたね。

――ふだんと違う環境での収録ということで、多少やりづらかったりすることはあるのでしょうか?

藍井 もちろん、多少環境が違うなと感じることはります。暖房の乾燥対策として特大の加湿器を置いていましたが、室内に入ってきたスタッフさんに「この部屋すごく蒸し暑くない?」と言われたりもしました(苦笑)。ただ、環境に戸惑うことなく収録できたと思います。

藍井さんが本作でパートナーに選ぶのは、あのデジモン!?

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──藍井さんはどんなデジモンが好きなんですか?

藍井 『デジモンワールド』で何回も育てたのが、“もんざえモン”なんです。もんざえモンはとにかく強かったですし、当時はもんざえモンの中に何が入っているのか気になって。

──もんざえモンは、背中にチャックがありますからね。

藍井 そうなんです。当時、もんざえモンの中には“ヌメモン”が入っているんじゃないか、という説があって。もんざえモンの中身は不明なままなんですが、友だちにヌメモン説を話したところ、「ヌメモンじゃなくて、“ナニモン”が入っているらしいよ」と言われて。思わず「ウソでしょ!」って(笑)

――ナニモンというと、サングラスをかけたおじさんみたいなデジモンですよね。それはビックリすると思います(笑)。

藍井 本当にビックリして(笑)。でも、そんな風に想像を巡らせるくらい、もんざえモンには愛着があって。クマのぬいぐるみでかわいいんですけど、目がちょっと怖いのも印象的でした。あと、“ボタモン”や“トコモン”も好きですね。とくにトコモンは、攻略本に掲載されていたイラストが忘れられなくて……。

――どんなイラストが掲載されていたのでしょうか?

藍井 クリオネみたいに、口を大きく開いていたんです! トコモンは見た目がかわいいだけに、すごい歯茎で衝撃を受けたのを覚えています(笑)。

――(ネットで検索したトコモンの画像を見ながら)確かにこの歯茎はすごい!(笑)。それにしても、藍井さんはギャップのあるデジモンがお好きなんですね。

藍井 確かにそうかもしれないですね。「なんで、こうなっているんだろう」という興味からデジモンを好きになるので。ギャップに惹かれてしまうのかもしれませんね。

――本作では2体のデジモンをパートナーに選べますが、藍井さんがパートナーに選ぶ組み合わせは?

藍井 パートナーもギャップのある組み合わせにしたいですね。今回どのデジモンが出てくるかわからないんですけど、『リ:デジタイズ』では“ホーリーエンジェモン”を育てていて。私のブログにも載せましたが、「ホーリーエンジェモンになったー!」と言って“スカモン大王”のところに行ったら、一瞬で“スカモン”にさせられたことがありました(笑)。だからというわけではないのですが、ホーリーエンジェモンとスカモンの組み合わせは見てみたいですね。

――ホーリーエンジェモンは美しいデジモンなので、確かにギャップがありますね。

藍井 あとは、ホーリーエンジェモンと“ヴァンデモン”とか。やる人は多いと思いますが、ヌメモンとスカモン(笑)

──確かに、やる人は多そうですね(笑)。

藍井 組み合わせを考えるだけで楽しいですよね。あと、パートナーが合体するExE進化が気になっていて。どんなデジモンに進化するのかはもちろんですが、ExE進化のときに『アクセンティア』を流していただけるんです! 製品版でどんな風に仕上がっているのか、早く遊んで聴いてみたいです。

藤原康則プロデューサー じつは、今日ちょうどその部分が遊べるROMがあるので、遊んでみますか?

藍井 いいんですか!? やってみたいです! 実際に観られるのは、もっと先のことだと思っていたので、心の準備ができていなくて緊張しますね……。

――――――――――――30分間ゲームプレイ――――――――――――

──かなり長くゲームをプレイできましたが、ExE進化のシーンもバッチリ収録されていましたね。ご覧になられた感想は?

藍井 人って感動しすぎたり、感情が昂ぶりすぎたりすると、何も言えなくなるって言うじゃないですか。まさにそんな感じで、正直、涙を堪えるのに必死でした(苦笑)。いまもうまく言葉にできませんが、生きていてよかったと思うくらいの感動がありますね。

――主題歌を歌われた藍井さんほどではないにしても、ファンの方たちにもその感動を体験してもらえるとうれしいですね。

藍井 そうですね。今回の『デジモンワールド -next 0rder-』には、新要素はもちろん、初代『デジモンワールド』を遊んだ方や、デジモンファンが懐かしい気持ちで楽しめる要素が満載です。本作をプレイして、『デジモン』を遊んでいた青春時代だったり、デジモンと冒険して一喜一憂した当時の感情を再び体験してもらえるとうれしいです。そして、主題歌の『アクセンティア』もぜひ聴いてみてください!

――最後、完璧に宣伝しきりましたね!(笑)

藍井 『デジモン』のことなら、任せてください!(笑)

『デジモンワールド -next 0rder-』の主題歌を歌う藍井エイルさんインタビュー完全版!_01

■藍井エイルNewシングル『アクセンティア』
発売日:2016年3月2日発売予定
価格:初回盤(CD+DVD):1500円[税込]/通常版(CD):1300円[税込]/デジモン盤(CD+DVD):1400円[税込]
すべての初回プレス盤に『デジモンワールド -next 0rder-』で使えるプロダクトコード“究極進化アイテム(黒騎)”がついてくる!

『デジモンワールド -next 0rder-』の主題歌を歌う藍井エイルさんインタビュー完全版!_02
『デジモンワールド -next 0rder-』の主題歌を歌う藍井エイルさんインタビュー完全版!_03
『デジモンワールド -next 0rder-』の主題歌を歌う藍井エイルさんインタビュー完全版!_04
■初回盤(CD+DVD):1500円[税込]
■通常版(CD):1300円[税込]
■デジモン盤(CD+DVD):1400円[税込]

■『デジモンワールド -next 0rder-』
対応機種:プレイステーション Vita
発売日:2016年3月17日発売予定
価格:6800円[税抜](7344円[税込])、ダウンロード版は6800円[税抜](7344円[税込])