1日限りのスペシャル舞踏会
20年以上のときを経て、PS Vitaにてフルリメイク。2015年12月17日にリリースされた『アンジェリーク ルトゥール』。新たに生まれ変わった本作のオンリーイベント“ネオロマンス・フェスタ アンジェリーク ルトゥール”が2016年2月7日に神奈川県民ホールで行われました。参加キャストは、速水 奨さん(ジュリアス役)、田中秀幸さん(クラヴィス役)、神奈延年さん(ランディ役)、堀内賢雄さん(オスカー役)、岩田光央さん(ゼフェル役)、関 俊彦さん(ルヴァ役)、逢坂良太さん(ブライアン役)、堀江 瞬さん(ジェラール役)、菊池幸利さん(シルヴァン役)の9名。
本作から登場したキャストを迎え、長年築き合えた安定感とフレッシュな初々しさの両方を味わえた昼の部の様子をお届けします。
1日限りのスペシャル舞踏会という設定で進んでいく今回のイベント。会場のブザーがなると、まずは新キャラクターである執事役の堀江さんと菊池さんがステージに。ジェラールの「夢の時間のはじまり、はじまり」という合図によって、プロローグライヴが始まります。
アンフィニの3人が『アンジェリーク ルトゥール』の主題歌、『天使の翼~Carry on your dream~』を歌い上げます。サビが終ると、その流れでキャスト陣がご挨拶。
ここで「さすが!!」と思うのが速水さんを筆頭とする守護聖声優様への熱い歓声! いろんな作品がコラボする“ネオロマンス・フェスタ”のときよりも熱く感じる声に、『アンジェリーク』が愛されている! とうれしくなってしまいます。
OPのライトが落ちると、前半のミニドラマ“女王候補のひみつ・計画”がスタート。ここではブライアン、ジュリアス、ゼフェル、ジェラール、シルヴァンが登場します。
冒頭、ブライアンのもとへやってきたアンジェは今度開かれる舞踏会で秘密の計画を立てていることを話します。それをおもしろそうだと笑いながら「自分は行けないが……」と残念そうにするブライアン。ネタバレ全開の彼なので、詳しくは話せませんが、プレイをしている方ならば切なさを感じるシーンでした。
そして、場面は聖地へ移動。聖殿のなかで迷子になっているジェラール、シルヴァンのふたりをゼフェルが見かけます。彼らに声をかけようしているゼフェルに、突然「こちらへこい」と呼ぶジュリアス。なんてことない台詞のはずなのに、迫力がある口調に会場からは笑い声が。お小言を言うジュリアスと嫌そうに対応するゼフェルの構図が懐かしいです。
その後、アンジェが舞踏会でセクシーなドレスを着ることが判明し、「由々しき事態だ!」とジュリアスが静かに暴走。いつもは厳格なはずのジュリアスがどんどんと壊れていく姿が印象的なミニドラマでした。
ミニドラマのつぎは堀江さんと菊池さんが司会を務めるトークコーナー。ステージにキャスト陣が勢揃いします。ここでは「収録でおもしろかった話は?」、「塩対応、砂糖対応、演じやすいのはどっち?」などの本作にまつわる質問に沿ってトークが行われました。拍手の大きさで5つある質問の順番を決めていくのですが、いろいろとごたついてしまう司会のおふたり。初々しいミスをするふたりに「新鮮だなー!」、「適当でいいんだよ」などのアドバイスをするベテラン守護聖陣に笑いと拍手が起こる場面もありました。
実際にトークが始まると、「老眼になった」、「“スマホ”という単語を“電話”と言ってしまう」など平均キャスト年齢50歳以上ならではのトークがさく裂! 岩田さんが「ごめんね、夢のない話をして!」と叫ぶと、会場からはひときわ大きな笑い声が。キャスト陣も我々も、しみじみ時代の流れを感じるコーナーとなりました。
アンフィニの1stアルバムや、今後開催予定の『遙かなる時空の中で』のイベント告知が終ると、キャラクターからの甘い言葉が囁かれる“愛のメッセージ”が行われます。今回は舞踏会ということで、最初のエスコート、会場へついたとき、ワルツ後のひととき、最後のテラスとゲームとおなじような流れでジュリアス、ゼフェル、ジェラール&シルヴァン、オスカーの5人が登場しました。
エスコート役のジュリアスはアンジェがつけている香水、おつぎのゼフェルはネックレスに気づき、生の声で聞けるお褒めの言葉にドキドキ! ワルツ後の執事たちは「疲れたんじゃない?」と気を遣ってくれ、その姿はまさに癒し系でした。そして、最後はオスカー! お決まりの「お嬢ちゃん」の呼びかけと、「俺だけのものにしたい」という囁きにときめきが止まりません……!!
ドキドキのメッセージのつぎは、ミニドラマ後編の“舞踏会を制する者!?”へ。舞踏会の会場に目を輝かせているランディのもとに、ルヴァとクラヴィスがやってきます。会話をしながら仲よく壁の花になっていると、それを叱咤するオスカーが登場! アンジェを誘うためにも積極的なアプローチが大事だと指摘するオスカーに、一番そういうことが苦手そうなクラヴィスが「女性を引き付けるすべは心得ている」と言い出し、ランディたちだけでなく、会場までも少しザワザワしてしまいます。そして、女性たちに「この水晶玉で占いをしよう」と声をかけるクラヴィスはみごと、ダンスに成功。クラヴィスの新たな一面が現れた物語になっていました。
続いて、イベントの終盤はお待ちかねのライヴコーナー。トップバッターは、神奈さんによる『どうしても忘れられない』。爽やかなランディが歌う切ない歌詞はギャップがあって、印象的です。
おつぎは異国情緒あふれるイントロで始まるルヴァの『明日咲く花』。こちらは今回のイベントで販売されたイベント限定CDに収録されています。やさしいながらも、関さんの力強い声にうっとり♪
逢坂さんは、新キャラクターブライアンのキャラクターソング『千年の砂漠に咲く花』をお披露目。ロックな曲調がカッコよく、ラストの静かに歌うサビの部分にとてもジンっとしちゃいます!
そして、最後はジュリアスとクラヴィスによる『誕生』。こちらは曲が始まる前からステージに見えるふたりのシルエットに歓声が上がり、速水さんと田中さんの響き合う美声に大きな盛り上がりを見せました。
おふたりの歌が終ると、ついにイベントはクライマックスへ。エンディングコメントでは、岩田さんや堀内さんたちが「『アンジェリーク』1回目のイベントを思い出した」と語り、改めて本作が『アンジェリーク ルトゥール』として生まれ変わったことを感じさせます。そして速水さんの「ここは夢の世界ですから、誰も年は取りません!」という言葉に、会場からはおなじ気持を示す大きな拍手が。
そうなんです、夢の世界はまだまだ終りません! 『アンジェリーク』のこれからの展開が楽しみだという気持ちを込めて、最後は会場にいる全員でアンコール曲の『君は独りじゃない~Always』を熱唱。その歌声に合わせ、ゆっくりと幕が閉じていきました。
“ネオロマンス・フェスタ アンジェリーク ルトゥール”
2016年2月7日(日) 昼の部、夜の部
神奈川県民ホール 大ホール
キャスト:速水 奨(ジュリアス役)、田中秀幸(クラヴィス役)、神奈延年(ランディ役)、堀内賢雄(オスカー役)、岩田光央(ゼフェル役)、関 俊彦(ルヴァ役)、逢坂良太(ブライアン役)、堀江 瞬(ジェラール役)、菊池幸利(シルヴァン役)、アンフィニ(Sori、ユーキ、Kan)
【セットリスト】
天使の翼~Carry on your dream~ アンフィニ
どうしても忘れられない ランディ(神奈延年)
明日に咲く花 ルヴァ(関 俊彦)
千年の砂漠に咲く花 ブライアン(逢坂良太)
誕生 ジュリアス&クラヴィス(速水 奨&田中秀幸)
君は独りじゃない~Always キャスト全員
撮影/大山雅夫
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