『龍大全』、本当にオススメです!
セガのプレイステーション4、プレイステーション3用ソフト『龍が如く 極』と同時に発売された“『龍が如く』シリーズ10周年記念本 龍大全”(以下、『龍大全』)。今回のインタビューでは、横山昌義氏もオススメの同書に関するコメント、そして2016年1月28日にダウンロードが解禁となったプレイステーション4用ソフト『龍が如く6(仮題)』先行体験版について語ってもらった。
横山昌義氏(以下、横山) 私はお気に入りの雑誌などを風呂場で読むのが好きなので、早速『龍大全』を風呂場で読みました。若干表紙が波打ってしまいましたけどね(笑)。あらためて、本当に作ってもらってよかったなと思いましたよ。A4サイズのフルカラーというのは、やはり迫力が違いますしね。個人的には、カテゴリー別に東城会がまとまっているところが、とても読みやすくて気に入っています。
――そう言っていただけると、作った甲斐がありました!
横山 私たちも、今後はこの『龍大全』を公式資料として使っていきますよ(笑)。じつはこれまでも、開発チームは攻略本などを見ながら新作を作っていたりします。というのも、『龍が如く』チームのスタッフでも、1作目からすべての作品に関わっているメンバーは、せいぜい3、4人くらいなんです。私も『龍が如くOF THE END』は関わっていないですしね。そういった一部の作品を担当していなかったスタッフや新人などは、作品の公式設定をチェックする際に、開発参考資料として完全攻略本などを読んでいたんです。今後は『龍大全』があるので、そういった作業がはかどるのではないでしょうか。でも、それはファンの方々にしてみても同じだと思いますよ。『龍が如く』シリーズのすべてが凝縮されている1冊ですからね。
――『龍が如く』10周年記念本ですから、そういったまとめの役割はぜひとも果たすべきだろうとは思いました。それに、開発の皆様には多大な協力をいただき、非常におもしろい話を伺えたことも、大変ありがたかったです。横山さんからも、公式設定ではないにせよ、桐生一馬に関するサービストークもしていただけましたし(笑)。
横山 あははは(笑)。あのエピソードはもちろん、ほかのスタッフのインタビューも読んでいて楽しかったですし、読み応えがありました。歴史が全部詰まっている感じがしますね。キャラクターが好きな人やストーリーが好きな人など、ファンの方によっても好きなポイントが違うと思いますが、『龍大全』はどこが好きな人に対しても、しっかりフォローされている気がしています。
――恐縮です! ちなみに『龍大全』の中で、横山さんがいちばん興味深かったポイントはどこでしょうか?
横山 彫巴さんのインタビューですね。今回企画段階でどうしても彫巴さんのインタビューは実現したかったです。刺青は『龍が如く』というタイトルの象徴とも言うべきアイコンになりましたし、特に桐生が背負う“龍”は、時代を越えて『龍が如く 見参!』などのスピンオフ作品でもタイトルの顔として登場しています。それくらい彫巴さんが作り出した“龍”は、魅力的で人を惹きつける力を持っているのだと思います。ですから今回はご本人の口から数々の刺青についての想いを語ってほしかった。でもインタビューのためにサンノゼまで行ってもらわなきゃと思っていたので、彫巴さんが来日していたことは本当にラッキーでした(笑)。
10年前、刺青をどうゲーム内に落とし込むか検討していたとき、当時のプロデューサーの菊池が刺青の本を見ながら彫巴さんの作品を指差したんです。「なんとなくこの人の画が良い気がする」と。そこで突然スタジオに押しかけてお願いしたわけですが、実際年齢も菊池と同学年でしたし、スタジオも家も当時私と菊池が住んでいた桜木町だったこともあり、すぐに意気投合し、公私ともにお付き合いさせていただくようになりました。
この10年を思い返せば、『龍が如く』というのは、出会いという名の〝奇跡の塊″のようなプロジェクトなんですね。感覚で選んだ彫巴さんという人が、たまたま天才的な3D感覚を持っている彫師さんで、しかも歳も住んでる場所も近くて話も合うなんて。でも実際この10年はそんな出会いの連続でした。だからこそ『龍が如く』は成功したのだと思いますし、そういう多くの方“才能”によって支えられてるのだと思います。
――確かに今回色々な方をインタビューさせていただく中で、すごい才能をもった方々が、奇跡的に『龍が如く』というプロジェクトに集まってきているのだと実感しました。
横山 今回インタビューにはありませんでしたが、桐生一馬役の黒田崇矢さんとの出会いもありますし、本当に我々は恵まれてるんだなと『龍大全』を読んで改めて実感しました。そんな奇跡の一端がファンの皆さんに伝えられたことは、よかったと思っています。
【書籍情報】
書名:『龍が如く』シリーズ10周年記念本 龍大全
発売日:2016年1月21日
判型:A4判
価格:2916円[税込](2700円[税抜])
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