RealSense SR300搭載で3Dスキャンやジェスチャー操作も可能

 ゲームの実況動画や配信を行う際に、自分のプレイ中の様子を画面の隅に表示する人も多いと思う。その際には背景を切り抜くクロマキー合成をするのだが、綺麗に切り抜けていると絵作りがかっこ良くなるので、プロ級の人はそのために自分の後ろにグリーンバックの布を吊るしたりもする(単色なら配信ソフト側でガツッと切り抜けるため)。

 Razerが発表したばかりの最新ウェブカメラ“Stargazer”なら、そんな手間をかけなくて済むようになるかもしれない。というのもこのカメラ、物体がどれだけ離れているかの深度情報を得られるインテルのRealSense SR300を搭載しており、使用者と背景の違いをカメラ側で判断して、自動的に使用者だけを残した映像を配信ソフト側に渡せるのだ。

配信者必見! Razerが発表した最新ウェブカム“Stargazer”は深度カメラによりクロマキー合成も楽々【CES 2016】_02

 というわけでラスベガスで開催中の家電ショーCESに出展されているデモ機を早速見てきたのだが、特に調整をせずに、一帯が暗めな割に背景にビカビカ光るものが多かったり、記者のちょっと後ろに他の来場者が覗き込んでいるという過酷な条件ながら、結構バッチリと切り抜けているのに驚き(デモ機は定番配信ソフトのOBSで動作。同じく定番ソフトのXSplitと、クローズドβテストを実施中のRazer製ソフトRazer Cortex: Gamecasterにも対応している)。
 もちろんちょっと切り抜き切れていないところもあるのだが、そこは製品版では可能になるという調整でなんとかなるのだろう。しかもウェブカメラとしての入力は720Pで秒間60フレームと申し分なく(動画撮影時は1080P/30フレームの入力が可能)、レンズの映りも明るい。なお音声はチェックできなかったが、自動ノイズキャンセル付きのマイクが搭載されている。

配信者必見! Razerが発表した最新ウェブカム“Stargazer”は深度カメラによりクロマキー合成も楽々【CES 2016】_01
▲デモ機は定番の配信ソフトOBSを使用。プラグインから素で入力していた。調整を一切していない状態で、暗めのイベント会場でこれだけ背景が抜けるなら結構いいんじゃないだろうか。製品版ではちゃんと細かい設定も可能とのこと。

 さらに配信以外の用途では、RealSenseの機能を活かして、3Dスキャンに使ったり(うまく使えばゲームに自分の顔をぶち込むこともできるかも)、顔認識やジェスチャー認識にも対応(顔は78箇所、手は片手あたり22箇所までのポイントを認識)。Windows10の顔認証機能“Windows Hello”にも対応するほか、ジェスチャー操作でアプリケーションを起動することもできるという。

 気になる価格は199.99ドル(海外)とハイエンドならではの価格なのだが、配信のたびにグリーンバックを敷いたり片付けたりする手間を考えたらアリという人もいるかも? 海外での販売は今年の第2四半期を予定している。

配信者必見! Razerが発表した最新ウェブカム“Stargazer”は深度カメラによりクロマキー合成も楽々【CES 2016】_03
▲接続はUSB3.0。また必要動作環境としてはその他、第6世代インテルCoreプロセッサーをCPUに持ち、Windows10マシンであることが求められる。