パッチ3.15以降の情報も続々とキャッチ!
『FFXIV』初の拡張パッケージ『蒼天のイシュガルド』の発売から約4ヵ月が経過し、多くのプレイヤーが新たなフィールドを舞台とするさまざまな新要素を、ひととおり楽しんだところだと思う。そんななか、10月25日に催された第25回プロデューサーレターLIVEで、パッチ3.1が2015年11月10日にリリースされると発表された。広大な浮島を大人数で冒険できる探索型コンテンツや、クリスタルタワーシリーズに続く24人参加型レイドダンジョンなど、新生の時代にはなかった新たな遊びがいくつも追加されるのだ。
そこで、今回のパッチ3.1でお目見えする新規コンテンツの見どころを、『蒼天のイシュガルド』の今後とともに吉田直樹プロデューサー兼ディレクターに伺った。加えて、現在のところ実施されることだけが明かされているパッチ3.15の中身や公開時期、果てはパッチ3.2の内容についても聞けたので、こちらもご注目いただきたい。
また、今回のインタビューのテーマの多くは、10月25日に催された第25回プロデューサーレターLIVEの内容と重複している。どちらも触れることで、パッチ3.1のより深い理解につながることだろう。
(取材:2015年10月21日)
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4.0を見据えたアップデートの方向性を決定
──パッチの具体的なリリース日はいつでしょう。
吉田直樹氏(以下、吉田) 10月25日のプロデューサーレターLIVEで発表しますが、11月10日となりました。いつものパッチ公開のペースと比べると、3~4週間ほど余分にお時間をいただくことになりました。
──これまで3ヵ月に1度のペースでパッチが公開されてきましたが、すると今回は4ヵ月と少し間が空きます。開発に違いはありましたか?
吉田 パッチ3.1で見えるものだけで違いが大きく見えるかといえば、極端には感じられないかもしれません。システム系の使いやすさやマップの利便性の向上など、コンテンツ以外の“かゆいところに手が届く”修正の部分は量が多いと思います。今回は約4ヵ月いただいたので、コンテンツとは別に、そうしたシステム系の部分にも力が割けました。
──その20日間前後は、お休みを含めて皆さんどのように使われたのですか?
吉田 『蒼天のイシュガルド』がリリースされた後、一般的な企業にあるお盆、つまり夏休みを1週間。それ以外に代休をまとめて消化する期間として1週間。僕を含めコアスタッフの一部は、通常営業の人もいますね。
──(笑)。なぜ休めなかったのでしょう。
吉田 次期拡張パッケージとなる4.0の方向性を決めたり、パッチ3.Xシリーズ全体のコンテンツやストーリー構成を行っていました。2.Xシリーズから連なる『蒼天のイシュガルド』は、しっかり計画を立てて開発してきたのですが、けっきょく最後は“詰め込めるだけ詰め込め”になってしまいました。その反省を踏まえて、細かく決められることを、いまのうちにより踏み込んで決めることにしたのです。
──それによってどんな効果が現れますか?
吉田 今後3.Xシリーズが進んでいく中で、前もって準備できるものが明確に増えます。1パッチではなく複数パッチを見据えて、計画的に大きなコンテンツが作れるのが特徴です。また、各スタッフの作業期間配分も、できるだけ前倒しにすることで、開発ペースを平坦化して、疲労の蓄積をなくしたり、などです。けっきょくこれらは、パッチの品質などに跳ね返りますので、プレイヤーの皆さんに、少しずつお返ししていけたらと思っています。
パッチノート朗読会は公開の前日に開催
──冒頭で話されていたシステム面の改修は、具体的にどの部分に反映されるのでしょうか。
吉田 たとえばパーティメンバーが広範囲に散らばると、ナビマップで彼らの位置を把握するのは困難なので、大きな地図を開いて確認しますよね。その手間を省くために、パーティメンバーがいる方向がナビマップ上でわかるようになります。
──それは助かることが多そうですね。
吉田 こうした“あってよかった”機能が、今回たくさん入っています。ほかにも、レベル50のインスタンスダンジョンで経験値が加算されるようになりますし、アイテムレベル制限を下限に設定して挑むと、タイムアタック感覚でクリアタイムが表示されるようになったりもします。残念ながらランキングの実装にまでは至りませんでしたが、タイムアタックを楽しんでいらっしゃる方には便利なシステムになると思います。
──アイテムレベルを下限に設定して極蛮神討滅戦に挑むと、ものすごく難しいという話を耳にします。
吉田 それのシステムを使ったタイムアタックみたいなものですね。「オフィシャルのタイマーでこの時間だったよ」みたいな楽しみかたができます。
──そうしたシステム周りの更新もすべてパッチノートで発表されるのですか?
吉田 全部書いてあります。今回はパッチノートが恐ろしく長いので、朗読会が大変そうで……(笑)。
──パッチノートの公開から朗読会の開催までの日取りはどんな感じになっているのでしょうか?
吉田 朗読会は11月9日に開催予定です。パッチノートは、早ければ11月6日に先行部分を公開できる予定です。
タイトルには大きく3つの意味が込められている
──パッチ3.1のロゴを製作する際に、吉田さんはどんなイメージをスタッフに伝えたのでしょうか。
吉田 2.Xシリーズのロゴが、ロックバンドのアルバムやアクション映画のタイトルにも似た作りだったのに対して、今回はミステリーやサスペンス調ともいえる、落ち着いたデザインを意識しました。
──今後続く3.Xシリーズは、このイメージが踏襲されていくのですか?
吉田 どうでしょう(笑)。2.Xシリーズの開発当時は、たとえばパッチ2.2には「Maelstromという単語を必ず入れよう」など、僕の中にあったイメージをスタッフに伝えていました。でもいまは、そのイメージがひととおり消化されているので、これから絞り出します(笑)。とはいえ、3.Xシリーズのプロットはすべて完成しているので、これからイメージを固めつつ、各タイトルの決定とロゴの製作に入ります。
──タイトル名の“光と闇の境界”には、さまざまな意味が込められているようですが、具体的には?
吉田 わかりやすい部分を挙げれば3つあります。『蒼天のイシュガルド』発売時点のメインクエストで、竜と人間のあいだでくり広げられている竜詩戦争の発端や、歴史の真実が明らかになりました。物語はいちおう節目を迎えたものの、ドラゴン族と人とのあいだの遺恨はいまだ残っており、その境界線も明確に定められたわけではありません。今後はその部分が、メインストーリー上で語られていきます。これがひとつ目の意味です。
──ふたつ目は?
吉田 飛空艇をテーマとする、対照的なふたつのコンテンツを表しています。魔航船ヴォイドアークという闇の乗り物に対して、雲海探索 ディアデム諸島では冒険という明るい旅が楽しめる……そういう意味での“光と闇”です。
──では3つ目は?
吉田 光の戦士と闇の戦士という明確なキーワードで“光と闇”が表されています。これらのほかにも意味はあるのですが、いま挙げた3つがいちばんわかりやすいかなと。
クルルは物語のひとつのライン上で活躍する
──新たに登場するクルルの役回りは、どういったものになるのでしょうか?
吉田 もちろん、物語上の重要なキャラクターになります。2.Xシリーズの反省点として、ほとんどの主要キャラクターをメインストーリーに集中させすぎたと思っている部分があり、それを踏まえて3.Xシリーズでは、ストーリー全体をいくつかのラインに分けることで、コンテンツとメインストーリーを並行してプレイできるようにするつもりです。クルルは、いずれその中のひとつのラインで、重要な役割を担います。
──過去の反省点が活かされていると言うわけですね。
吉田 2.Xシリーズでは、3国問題、蛮神問題、クリスタルブレイブなど、すべてがメインストーリーに組み込まれており、縦に読み進めるしかありませんでした。結果、メインストーリーも楽しみだけど、いち早くコンテンツを開放したいと思った場合には、コンテンツ開放のためのシナリオを飛ばすしかありませんでした。3.Xシリーズでは、メインストーリーとコンテンツ開放のためのストーリーを一本のラインにするのではなく、複数並行化することで、お好みのものから始められるように、と考えています。メインクエストを無理に進めなくても、蛮神開放クエストから先にプレイできる、といった感じです。
──ラインが分かれるということは、クルルがメインクエストに絡まない可能性もある?
吉田 初登場の人物なので、3.1ではもちろんメインクエストでの紹介になります。クルルの役割が明確になるのは、パッチ3.2からになります。
──今回のメインクエストで、ヤ・シュトラに続く暁の血盟のメンバーの消息が明らかになるのでしょうか?
吉田 帰ってくるのか、来ないのか……。トレーラー映像に誰かの声が入っていましたが、さてどうでしょう(笑)。
──パッチごとにひとりずつ帰還して、最後に全員が勢揃いする展開も予想されますね。
吉田 僕はあまのじゃくなので、そう思わせておいて……みたいなことがあるかもしれません(笑)。真相は実際にプレイしてご確認いただきたいですが、彼ら全員の行く末はすでに決めてあります。
魔航船ヴォイドアークは第六霊災がキーワード
──魔航船ヴォイドアークにはケット・シーが登場するようですが、このキャラクターは冒険者にどう関わってくるのでしょう。
吉田 今回は多くの謎を含んだままの登場になります。ですが、彼の立ち位置や何を目的にしているのかという部分はきちんと語られますので、そこからつぎの展開を想像できるかと思います。ケット・シーは、魔航船ヴォイドアーク関連クエストの冒頭からいるわけではありません。シナリオのどこで姿を現すのかという部分に、まずはご注目いたければと。
──トレーラーに登場したヒューラン族の男性は、魔航船の艦長なのでしょうか?
吉田 冒険者から見て味方側の人間ではありますが、詳しくは秘密です。クリスタルタワーのノアのように、ヴォイドアークのシリーズにも新しい集団が登場しますが、そのグループのリーダーと思っておいてください。
──魔航船ヴォイドアークの物語を通じて、第六霊災(大洪水)で滅びた第五星暦の様子がわかるのでしょうか?
吉田 どんな時代だったのかという歴史の一端はもちろん見えてきますが、最終的には第六霊災がひとつのキーワードになります。第六霊災はなぜ発生し、どういう結末へと歩んだのかという部分がテーマですね。ちなみにクリスタルタワーは建物の内部を進む作りでしたが、今回は外も使おうという話をしています。今回のレイドダンジョンももちろん一連のシリーズになるわけですが、戦いの舞台がパッチごとにガラリと変わります。ですので、ずっと魔航船の内部で戦っているわけではありません。
──今回は魔航船の第一船倉が舞台で、次回は第二へ……という感じではないのですね。
吉田 その案も当初浮上したのですが、「1回撤退しているのに、つぎの更新でまた乗り直すのか」という話にもなるので(笑)。見た目にも変化が付けづらいので、そのアイデアは実現しませんでした。
──魔航船という乗り物だけでなく、それを取り巻くさまざまな場所も舞台になるのでしょうか?
吉田 初回ということもありますし、シリーズと銘打つのもまだ早い気もするのですが、次回公開のコンテンツは魔航船ヴォイドアークという名前ではない気がします。たとえば“第六霊災シリーズ”の第1章が、今回の魔航船ヴォイドアークになるのかもしれません。このあたりは、つぎを出すときに決めると思います。
──第24回プロデューサーレターLIVEで映し出されたイメージイラストの左下に、城のような建物が描かれていましたが、ここもいずれ冒険の舞台になるのでしょうか?
吉田 よく見ていますね……。まだ秘密にしておきます(笑)。
禁書装備強化素材は欲しい品物が選べる!
──魔航船ヴォイドアークで獲得できる装備のアイテムレベルはいくつになりますか?
吉田 いつもどおり、パッチノート公開までは秘密です(笑)。ですが、禁書装備がジョブ限定で、サブジョブの装備が集めにくいと思っていますので、実用性の高いアイテムレベルになっています。
──禁書装備の強化素材も手に入るようですが、どんな方式で獲得できるのでしょうか。
吉田 まず、ヴォイドアーク装備は、ボス撃破後の宝箱から直接ドロップします。禁書装備の強化素材は、この宝箱に入っているのではなく、ヴォイドアーククリアー時に、プレイヤー個人に“古銭”というアイテムが配られます。この古銭を禁書装備強化素材に交換する、という流れになります。これはクリアー時の確定報酬で、週にひとつ獲得可能です。禁書装備強化素材か禁書アクセサリの強化素材、いずれかをお好みで交換してください。
──1週間ごとにひとつだけ選べるのですね。
吉田 クリアー後の古銭はプレイヤー個人に渡されますので、ロットもなく確実に1個もらえ、交換の際に強化素材を選べます。
──製作に使える素材はドロップしますか?
吉田 このあたりは、以前のシリーズであるクリスタルタワーのシリーズからご推測ください(笑)。
──禁書装備の強化素材は、クリスタルタワーのシリーズと同じように、選べるタイプが随時増えていくのでしょうか。
吉田 はい、ご想像の通り、禁書武器の強化素材はパッチ3.1では交換に並びません。いずれかのアップデートで追加となる予定です。強い武器自体は極ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦でドロップします。機工城アレキサンダー零式:起動編の3~4層の攻略に苦戦されている方は、ぜひこちらに挑んでいただければと思います。