約2千人のセガファンが感動を共有したコンサートイベント

 2015年10月10日、東京・池袋の東京芸術劇場コンサートホールにて開催された“Game Symphony Japan 14th Concert SEGA Special”が開催。そのタイトル通り、セガの名作ゲームをフィーチャーした“世界初”のセガ・オンリーなオーケストラコンサートとしてファンの注目を集めた本公演では、人気のあの曲からマニアもビックリなあの曲まで全44曲+αが演奏され、その期待を上回る盛り上がりを見せた。公演の模様を、関係者のコメントと合わせてリポートしていこう。

ソニックからネジ タイヘイまで! セガの歴史がオーケストラサウンドで綴られた“Game Symphony Japan 14th Concert SEGA Special”をリポート_01
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▲コンサート会場である東京芸術劇場は、1999席ある大箱。熱心なセガファンが駆けつけ、その座席のほどんどを埋めていた。
▲物販コーナーは長い行列ができるほどの盛況ぶり。コンサート限定商品に加え、CDやセガグッズが飛ぶように売れていった。
▲ロビーには招待された関係者の姿もちらほら。元ソニックチームのボスである中裕司氏(現・プロペ代表)は「ソニックチーム時代の曲がたくさん演奏されてうれしいですね」とにこやかに語ってくれた。

 そもそもGame Symphony Japanとは、ゲーム音楽に特化した、プロフェッショナルなコンサートシリーズのこと。ゲームの作品性、芸術性、物語にフォーカスし、音楽を通じてゲーム文化およびゲーム音楽の文化的価値向上を目指している。また、何よりもゲーム音楽を愛するファンの価値観を尊重しているということを標榜。さらに今回はセガの全面協力・監修が加わったことで、より“エンターテインメント感あふれる”テイストとなっていた。

バラエティに富みすぎな演目が披露された第1部、第2部

 3部構成で行われたコンサートの幕開けを飾ったのは、セガのコーポレートキャラクターでもあるソニックの楽曲。メガドライブ版『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の電源投入時に聞ける「♪セ~ガ~」のジングルから『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』メドレーへとつなぐ構成には、会場を埋め尽くした大勢のセガファンも思わずニヤリとさせられる。クラシックソニックというとポップなイメージがあるが、厚みのあるオーケストラ演奏へとアレンジされた楽曲の数々は、なんとも勇壮さを感じさせるものとなっていた。

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▲フルオーケストラ+バンド+混声合唱という豪華な編成。100人近くの奏者によって、オーケストラからロック、ビッグバンドからポップスまでと幅広いジャンルの演奏を、抜群の再現度にて披露した。
▲司会進行は、歴代のセガハードを擬人化したコンテンツ『セガ・ハード・ガールズ』のボイスキャストが担当。M・A・Oさん(ドリームキャスト役)、高橋未奈美さん(セガサターン役)、井澤詩織さん(メガドライブ役)、田中真奈美さん(セガ・マークⅢ役)、高山ゆうこさん(マスターシステム役)、もものはるなさん(ロボピッチャ役) が代わる代わる登場し、コンサートに華を添えた。
※高山さんの“高”の字は、正しくは“はしごだか”です。

 クラシックソニックからの3曲が終わると、ステージには『ソニック』シリーズのプロデューサーの飯塚隆氏と、サウンドディレクター瀬上純氏が登場。楽曲の説明に続いて、瀬上氏がギターを手に、自身が作曲した『ソニックアドベンチャー』シリーズを代表する3曲を披露した。瀬上氏がギターを務めるバンド・Crush 40のライブでも人気の「Live&Learn」では、サビのコールを合唱団が受け持つという大胆なアレンジに。瀬上氏のハードなギタープレイとで、ここでしか聴けない独特なアンサンブルを生み出していた。

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▲セガゲームスの飯塚隆氏(右)と、サウンドディレクターである瀬上純(左)氏。飯塚氏は「こんな多くの人前に立つのが『ソニックアドベンチャー』の発表会以来なんで緊張しています」とコメント。
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▲普段はライブ会場での演奏が多いため「明るいステージは慣れない」と語った瀬上氏は、自身が奏でるエレキギターでオーケストラとコラボレーション。ロック色全開な『ソニックアドベンチャー』シリーズの楽曲にシンフォニック要素が加わるという、ほかでは聴くことのできない仕上がりとなった。

 続いての第2部は、セガの歴史を飾った名曲の数々を演奏していくという趣向。冒頭から「社是、創造は生命」、「経営理念。一、知的創造で社会に貢献」、「一、先進技術で時代を先取」、「一、人社一体で目標追求」の読み上げに続いて演奏されたのは、「セガガガマーチ」のボーカルバージョン。もとより壮大(すぎる)スケールな一曲だが、生オケによる演奏でそれがパワーアップ。逆境にくじけない姿勢を歌った歌詞とあいまって、感動的な空気を生み出していた。

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▲セガによるゲーム業界制圧を目指すという怪作『セガガガ』だが、社是からオープニングまでの流れを見事に再現。コーラスが歌い上げる「セガ セガ 進め明日へ」という歌詞に、じんわりこみ上げるものがあったのは筆者だけではないはずだ。

 宇宙からのステキなゲストとして紹介されたのは、『スペースチャンネル5』の主人公・うらら。スペース宇宙中継による音声のみの出演ではあったが、司会に意気込みを聞かれて「いきがかり上、はりきっていきたいと思います!」と答えたその声は、まちがいなく彼女自身のものであった。
 そして「ミュージック、スタートです!」の掛け声とともにホーンが高らかに響く「Mexican flyer」の演奏がスタート。さらにゲームの流れを再現した演奏&うららの実況が続くが、なんとその最中に指揮者の志村氏と合唱団が宇宙人によって踊らされてしまう事態が発生。しかしうららは慌てず騒がず「「アップ、ライト、レフト、ダウン! チュー、チュー、チュー!」と、得意のフレーズにて見事に救出に成功! 「チャンネルは、そのまま」の決め台詞にて演奏をバシッと締めくくった。

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▲何処からともなく踊らされてしまった奏者たちを、うららが救出。救出大成功が大成功すると、思わず合唱団のみなさんも「フゥー!」と歓声をあげ、さらには「おーでんー」と歌い出すサントラネタを披露するマニア泣かせの一幕も。

 ステージ中央に、なにやら緑のジャージ姿の男性が現れるや演奏がはじまったのは「ハロハロナリヤンス音頭」。この曲は、青年・ネジ タイヘイの日常に神様として干渉していく『ニュールーマニア ポロリ青春』にて、子供番組のお兄さんとなったネジが唄う劇中歌というレアトラック。であるために、会場の空気は“わかる人だけわかってください”状態ではあったが、ネジくんのモーションアクターと声優を務めた、かがわの水割さんの生歌・生ダンスを鑑賞できたこの機会は、ゲームに思い入れのある人にとっては貴重すぎる体験となったはずだ。

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▲15年ぶりに歌うという「ハロハロナリヤンス音頭」を振り付きで熱唱したかがわの水割さん。演奏後は恐縮しつつも「ササキトモコさんは僕をイメージして曲を作ったと言ってましたが、ラーメン食ってまた寝て……みたいなのはどうなんだ! でも、15年たった今でも同じような生活をしています」と熱弁し、場内から笑いを誘った。

 合唱で壮厳さを増した「檄!帝国華撃団」、ラテンのノリが手拍子を呼んだ『ファンタジーゾーン』の「OPA-OPA!」、コーラスをからめた厚みのあるアレンジが印象的だった『バーチャファイター2』メドレーと、それぞれの時代やシーンを代表する楽曲にてセガの歴史が綴られていく中、満を持してステージに登場したのはセガ・インタラクティブのサウンドクリエイター光吉猛修氏。「ここからは、光吉祭りということで!」と観客を煽ったことも手伝い、「デイトーナ~!」のシャウトでおなじみの「Let's Go Away」から、セガ・ハード・ガールズがコーラスに加わった「Burning Hearts ~炎のANGEL~」までの全6曲をフルスロットルで熱唱。途中、指揮者と肩を組んだり、客席に降りてのハイタッチをしたりと、いつも以上に熱いパフォーマンスを披露して、第2部をキッチリと締めくくった。

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▲オーケストラの伴奏であろうともはじけて叫ぶのが“光吉祭り”。この日も来場者を煽りまくって、大きな歓声を集めていた。
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▲“日本一歌の上手いサラリーマン”として知られる光吉氏だけに、この日もオーケストラの伴奏に負けないほどのハイトーンボイスで熱唱。「きみのためなら死ねる[完全版]」では、「Rub it!」の掛け声にあわせてご覧のハイジャンプを披露!

『NiGHTS into dreams...』で見た光景が目に浮かんだ第3部

 休憩を挟んでスタートした第3部は、セガサターンを代表する一作『NiGHTS into dreams...(以下『NiGHTS』』を全面フィーチャー。サターンの起動音からはじまり、オープニング曲「Fragmented Nights」、キャラクター選択時の「Gate of Your Dream」、Spring ValleyのBGM「Paternal Horn」と、ゲームの展開そのままにノンストップメドレーが展開。目を閉じれば『NiGHTS』が宙を舞う姿が浮かんできそうな曲構成に、来場者はまさに“夢心地”であったことだろう。
 ステージ曲、ボス曲とが次々と披露され、やがて演奏はラストステージからワイズマン戦へ。緊迫感のある演奏が終わりを迎えると、それは夢の終点。エンディングテーマである「DREAMS DREAMS」のやさしいメロディーが観客の心を包み込み、全21曲に及ぶ演奏が終わりを告げると、客席の隅々から湧き上がるような握手が巻き起こっていた。

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 指揮者が袖に引っ込みこれにてプログラムは終了……と思うまもなく、鳴り止まぬ拍手に急かされて指揮者、そしてかがわの水割さんがステージに登場。アンコール1曲目として「ハロハロナリヤンス音頭」を再演したのだが、15年ぶりというおことでどうにもあやふやだった歌詞がついに決壊。サビ以外を「ららら~」で歌い上げるという荒業で、どうにか“地獄の3分40秒”(本人談)を乗り切ったであった。

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 アンコールはさらに続き、セガ・ハード・ガールズ6人が「檄!帝国華撃団」を間奏のセリフ付きで熱唱。最後は、アニメ『Hi☆sCoool! セハガール』のエンディング曲「若い力 -SEGA HARD GIRLS MIX-」を豪華オーケストラの伴奏にのせて披露すると、ポップな曲調もあって場内は手拍子で一体に。大きな拍手に包まれた中、本日の出演者がステージに勢揃いし、約2時間半におよんだ“セガファンのためのコンサート”は幕を閉じた。

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終演後の出演者&関係者のコメントを掲載!

■飯塚隆氏(『NiGHTS』メインプランナー)

 私は今回ステージから挨拶しただけでなにもしていないのですが(笑)。その分、観客の皆さんと同じ感覚で楽しませてもらいました。出だしからオール・セガ! という感じでテンションがあがって、最後は『NiGHTS』のゲームスタートからエンディングまでを聞かせてくれて。もう涙腺が緩みっぱなしで、ワイズマンのところで号泣、「DREAMS DREAMS」は涙で口ずさめませんでした。演奏をしてくださった皆さんと、集まってくださった大勢のセガファンの皆さんに感謝です。

■瀬上純氏(『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズコンポーザー/サウンドディレクター)

 ソニックはライブであったりファンイベントだったりと、音楽を演奏する機会ってわりとあるんですけど、こういうオーケストラという形態で奏でることはなかったので、すごく新鮮でした。ここ何作かのソニックではオーケストラのテーマがあったので、それを演奏してほしいという提案もしたのですが、そうではない曲をあえてオーケストラ編成に落とし込みたいというチャレンジがあったので、それに参加できたのもうれしかったです。本音を言うと、もうちょっとたくさんの曲を演奏したかったのですが、これからも何かしら新しいことをやっていきたいと思います。

■光吉猛修氏(『バーチャファイター2』『デイトナUSA』サウンドデザイナー)

 『バーチャファイター』シリーズで『2』以外はカゲの声を担当している光吉です。南無~。こうして『バーチャファイター2』の楽曲がオーケストラで演奏されるのはおそらく初めてなんですけど、クワイアが入ったりととても重厚になっていて、格闘ゲームとは違うジャンルの曲に聞こえたのが印象的でしたね。カゲの曲とかちょっと怖いくらいでしたし(笑)。我々セガのサウンドの資産ってこれだけじゃないですから、もっとたくさんできるだろうという可能性は見えたと思います。

■志村健一氏(Game Symphony Japan 指揮者)

 アマチュアで10年近くゲーム音楽を演奏してきたんですけど、やるからにはプロとしてキチンとした形でやりたいといろんな方に協力していただいたのがGSJの成り立ちです。今日の『NiGHTS』もそうですが、ゲームの起動音からエンディングの最後の一音までで物語を作るのが私たちの手法であり、交響組曲やオペラといったように、音楽の作る情景をとおしてゲームの思い出を皆さんに感じていただきたいのが我々の目的です。そのため選曲や曲順には非常に気を使いました。セガさんの楽曲はどれもすごく熱かったので、まだまだ根掘り葉掘りやりたいなという思いを強くしました。

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■ササキトモコ氏(『NiGHTS』メインコンポーザー)

 自分の歴史を思い出しました。最初にソニックの曲が流れてきたときは(ゲームセンターでの)店舗研修を思い出したし、社是や社歌もあったりと、1人の元セガ社員としてエンタメを楽しみました。自分の曲に関しては、指だけで作った曲を、きちんとオーケストラにアレンジをして演奏まで落とし込んでくださったことがありがたいですし、ビックリしたというか。あのころの自分に教えてあげたいですね。「ハロハロナリヤンス音頭」はですね……(笑)。清水くん(かがわの水割さんの本名)のことばかりが気になって演奏が入ってこなかったんですけど、清水くんがまあまあ面白かったからよかったかなと。

■幡谷尚史氏(『NiGHTS』サウンドディレクター)

 社是から社歌までが披露されるセガセガしい企画の中で、残されたセガ社員としての責任を感じていましたが、皆さん楽しんでいただけたようで嬉しく思います。『Nights』のもうひとりのコンポーザーである熊谷文恵も来場していたのですが、当時新人だった時代のことを思い出したのか演奏を聞いて涙ぐんでいて、それを見た僕もウルッときちゃったり。こういう企画を実現してくださった皆さんに感謝です。

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▲『NiGHTS』のサウンドを協力して作り上げたササキトモコ氏(右)と幡谷尚史氏(左)。ササキ氏は『ニュールーマニア ポロリ青春』の制作にも深く関わっている。

'■かがわの水割さん(タレント・俳優)''

 約15年ぶりくらいにネジ タイヘイを演じたんですが、肉体的、思考的にその年月をまざまざと感じさせられましたね。しかもネジに加えて自分を見失うというまさかのパターン。お話をいただいたことはありがたいのですが、その時から口を酸っぱくして「僕でいいんですか? 歌うんですか?」とやんわりお断りしていたんですねどね。あわや大惨事で、みなさんにはご心配をおかけしました。

■大谷智哉氏(『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズコンポーザー/サウンドディレクター)

 実にセガセガしいコンサートでしたね。『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』に関しては、サウンドを手がけたドリームズ・カム・トゥルーの中村正人さんが「映画のサウンドトラックを作るような気持ちで書いた」とおっしゃっていて、実際にオーケストラで演奏をしたらそれくらいドラマチックな疾走感あふれる曲になっていたので、あの曲が持つポテンシャルなんだなと。あとは『きみしね』を聞きながら、ラブラビッツとして顔を黒くなって新宿駅前で歌ったことを思い出してましたね(笑)。

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▲かがわの水割さん(左)と大谷智哉氏(右)。大谷氏が『ルーマニア#203』のサウンドを手伝った縁で、同い年ということもあって当時意気投合した間柄なのだとか。

■Hiro師匠(『ファンタジーゾーン』コンポーザー)

 とてもセガセガしいコンサートでしたね。セガではなくてできないパフォーマンスだし、それでお客さんが楽しんでくれたのはとってもいいと思います。オーケストラで「セガガガマーチ」が聴けたのが一番でしたね。

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▲『アウトラン』や『アフターバーナー』などアーリーセガサウンドの立役者であるHiro師匠も来場。最近は音楽ゲーム『maimai』のサウンドディレクターとして活躍。

■奥成洋輔氏(“セガ 3D復刻プロジェクト”プロデューサー)

 オーケストラ曲としての完成度の高さを知らしめたオープニングの「セガガガマーチ」や、セハガールをバックコーラスに従えた光吉猛修による「Burning Hearts ~炎のANGEL~」なども盛り上がりましたが、やはり組曲『スペースチャンネル5』、『NiGHTS into dreams...』が珠玉だったと思います。
 原作を最大限リスペクトした編曲は、テンポもアレンジも原曲のまま。ゲームで聴ける順序に忠実な構成で組曲はつくられており、ともするとボイスを含めたSEまでも加えて演奏されました。この、有名アマチュアコンサートで取り入れられていた、ゲーム音楽ならではの演奏方法は、いわゆる一般的な“オーケストラアレンジ”とは正反対の手法ですが、実はこちらの方がゲームファンへ音楽とコンサートの素晴らしさを伝えるものではないかと思います。ゲーム音楽のコンサートが増えてきた今、これからもっと一般化して欲しいですね。

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▲レトロなセガタイトルのことならこの人に聞け、な奥成氏にもコメントをいただいた。

■「Game Symphony Japan 14th Concert SEGA Special」プログラム

◆第1部
ソニック・ザ・ヘッジホッグ  Title/Green Hill Zone
ソニック・ザ・ヘッジホッグ2 Chemical Plant Zone
ソニック&ナックルズ     Sky Sanctuary Zone/Title
ソニックアドベンチャー    Emerald Coast Zone
ソニックアドベンチャー2   City Escape/Live&Learn (インストゥルメンタル)

◆第2部
セガガガ            セガガガマーチ
スペースチャンネル5      Mexican flyer/Ulala's Swinging Report Show/
                Spaceport: Introducing Ulala!!
ニュールーマニア ポロリ青春  ハロハロナリヤンス音頭
サクラ大戦           檄!帝国華撃団
ファンタジーゾーン       OPA-OPA!
バーチャファイター2      Beginning/Akira/Lion/Kage
デイトナUSA         Let's Go Away
電脳戦機バーチャロン フォース Conquista Ciela
きみのためなら死ねる      きみのためなら死ねる[完全版]
赤ちゃんはどこからくるの?   天国と地獄[完全版]
バーニングレンジャー      Burning Hearts ~炎のANGEL~

◆第3部
NiGHTS into dreams... Fragmented Nights/Gate of Your Dream/Paternal Horn/Gloom of The N.H.C./Suburban Museum/The Amazing Water/Take The Snow Train/Under Construction/The Dragon Gave a Loud Scream/She Had Long Ears/Deep It Lies/E-LE-KI Sparkle/The Mantle/NiGHTS and Reala/Growing Wings/D'Force Master/Peaceful Moment/NiGHTS, Forever in Our Heart/Sowing Seeds/DREAMS DREAMS/Fragmented Nights:Epilogue Ver.

◆アンコール
ニュールーマニア ポロリ青春  ハロハロナリヤンス音頭(再演)
サクラ大戦           檄!帝国華撃団(再演)
社歌若い力 -SEGA HARD GIRLS MIX-